コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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ナメコとワカメのふらいあうぇいっ
日時: 2014/06/14 23:31
名前: いろはうた (ID: Xr//JkA7)

*ああ



 なんて美しくて



 





——————哀しいんだろう。





前作『浅葱の夢見し』>>188


〜目次〜

一章
>>008  >>017  >>021  >>031  >>040  >>043 


二章
>>051   >>052   >>053   >>054   >>059   >>072   >>079

>>084   >>091   >>094   >>095   >>100   >>104   >>105

>>106   >>109   >>110


三章
>>117   >>118   >>122  >>123  >>127  >>132  >>135  >>143


4章
>>163  >>164  >>172  >>182  >>189  >>193  >>200  >>201

>>205  >>209  >>210  >>215


5章
>>225  >>229  >>233  >>240  >>241  >>244  >>245

>>249  >>253  >>261






記憶の欠片

>>050   >>060   >>116


登場人物紹介
>>044  >>124



制服紹介

>>151



白夜さんインタビュー

>>221


〜イラスト〜

撫子の制服姿

>>157

そこに慧と和火

>>190

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Re: ナメコとワカメのふらいあうぇいっ ( No.506 )
日時: 2014/08/24 23:20
名前: ★ (ID: gk88.ZUR)

初めまして★(黒星)です!


参照数が多いからタッチしてみると…わぁぉ…
なんていうかどきもぬかれました!!

すごいですね!なんでそんなにうまいんですか!?
あっ…タメ口が…………すみません!
撫子ちゃん可愛い…もうメロメロです!!

これからと良ければ覗かせていただきます



更新頑張ってください!

Re: ナメコとワカメのふらいあうぇいっ ( No.507 )
日時: 2014/08/25 22:18
名前: いろはうた (ID: Xr//JkA7)

★様!!


ま、まさか参照数で読んでいただける日が来るとは思わなかった……(゜□゜)


はじめまして!!
ようこそおいでくださいました!!

むちゃくちゃ話が長くてこれからももう少しばかり続いていくんですけど……
よかったら最後まで読んでいただければ嬉しいです(^^)



コメントありがとうございます!!

Re: ナメコとワカメのふらいあうぇいっ ( No.508 )
日時: 2014/08/26 22:58
名前: いろはうた (ID: Xr//JkA7)

〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜




*「お目覚めか」



ゆっくりと体を起こせばそこは見覚えのある部屋だった。

私は……撫子はぼんやりと声がした方に目を見けた。

大丈夫。

まだ、なんとか自我は保てている。

まばたきを繰り返して、夢の中と少しも変わらぬ姿の白夜を見た。

撫子の枕元に膝をつく彼の肩から、つややかな髪が滑り落ちていた。

その純白さがどこか歪な印象を与える。

もちろん、彼の後ろにフードの人物がいることも、撫子は視界の端に入れていた。

やはり、白夜の仲間なのだ。


「……ユウさん」


出した声は思ったよりもかすれていた。

白夜が片眉を上げた。


「なにか?」

「ユウさんでしょ……その人」


フードの人物が無言でフードを取り払った。

最近知り合ったばかりの茜の婚約者の顔が見えた。

彼は、無表情だった。

それ以上は見たくなくて、白夜に視線を戻した。

ユウは何も言わない。

弁解も言い訳も何もしない。

無言を貫いている。


「なぜユウだとお分かりになったのか教えていただけるか巫女姫?」


楽しそうに言う白夜の瞳は、人形のようではなかった。

美しさの中に残忍な光を秘めた瞳だった。


「だって、おかしかったんだ。

 ……よそもののユウさんがそんなに簡単に夜番を任せてもらえるはずなんてない」


撫子たちだって、さんざんテストしたり、剣舞を披露したりして、

なんとか夜番を任せてもらったのだ。

違う村から来たというユウだってしばらくは夜番をさせてもらえないはずだ。

きっと村人たちに軽い幻術か何かをかけたのだろう。

軽いけれど、幻術にかかっていると相手に気付かせない程の高等幻術。


「しかも、私と同じときに夜番できるように頼んでたんだ。

 私と反対側の村の出口の守護にあたっていたのは、式神を召喚するのを見られないようにするため。

 白夜さんからもらった式神を」

「ほう?」

「式神は術者と同じ色の瞳を持つのが原則。

 白夜さんが作った紅い瞳の式神に水の霊質を持つユウさんが霊力を込めることで、

 犯人は紅い瞳の水の霊質の人だって思わせられる。

 誰もユウさんが犯人だって思わない。

 和火を式神で怪我させて、ついでに村の中に式神を一匹入れる。

 そうすれば、村の注意は村の中の式神に向くから、外の守りが手薄になる。

 私を守ってくれる邪魔な和火もいない時に、私をさらったんだ

 ……違う?」


美しい微笑みは肯定の証だ。

茜を疑っていた自分がとんでもなく愚かに思えた。

術者は、彼女ではなく、そのとても近くにいたというのに。

Re: ナメコとワカメのふらいあうぇいっ ( No.509 )
日時: 2014/08/27 21:27
名前: いろはうた (ID: Xr//JkA7)

*「……私を、どうするの」


撫子は視線を自分の手に落とした。


「……殺すの?」


ここで目覚めた時からその覚悟はできている。

白夜に最初に囚われた時にかわした、ずっと囚われたままでいたら和火を元の世界に帰す

という約束を撫子の方から破ったのだ。

内心はらわたが煮えくり返っているに違いない。


「殺す?」


白夜が声を上げて笑った。


「何故、君を殺めなければならぬ?」


白夜はそのまま立ち上がった。


「私は、約束を守ろう。

 もう一度だけ、慈悲を。

 あの忌々しい男の子孫は、元の異世界に帰そう。

 ただし、君が逃げることは許さぬ

 三度目の慈悲はない」


撫子は黙って白夜の顔を見上げた。



「次に逃げたら、殺す」



ぞっとするほど温度のない目で白夜がつぶやいた。

愛に飢えた目だった。


「君を殺めなどせぬよ。

 君のような他者をなによりも大事にする者には、他者を傷つける方がよほど効果がある。

 君が仮にまた逃げた時は、そうだな……。

 ……あの男の子孫だけでなく、獣の一族の彼も殺めよう」


撫子は自分ののどがひゅっと音を立てたのを聞いた。

和火だけでなく、慧まで。


「そのために、君を一度帰したのだから。

 他者の大切さをより知らせるために」


撫子は、ギリリと音がなるほど奥歯を強くかみしめた。


「あなたは、狂ってる……」

Re: ナメコとワカメのふらいあうぇいっ ( No.510 )
日時: 2014/08/29 17:40
名前: いろはうた (ID: bUOIFFcu)

*やはり、わざと逃がされたのだ。

仲間の大切さを知って、彼らを人質にとったとき、撫子が逆らわぬようにと。


「狂っている?」


心底不思議そうに白夜が問い返した。

思わずかっとなって、勢いよく白夜の顔を睨みつけたが、その目を見て一気に勢いがそがれた。

純粋な目をしていた。

一瞬目を閉じて、また開く。

つとめて押し殺した声を出すようにした。


「あなたは……和火や慧を使って私を使って脅している。

 人質を使って、物事を自分の思い通りに動かしている。

 手段も選んでいない。

 ……それが卑怯者とか狂っているとか言わなくて、なんだというの」

「それが、なにか?」


白夜は首をかしげた。

さらり、と白髪が肩からすべり落ちる。


「私は、貴女が手に入るのなら、手段など当然選ばぬが?」


撫子は、絶句した。

たった一人の娘を手に入れるためだけに、いったいどれほどの人を巻き込めば気が済むのだろうか。


「何を今さら。

 私がどれほどの間、貴女を想い続けてきたと。

 手段など選んでいれば、永劫貴女は手に入らぬ。

 貴女がわたしだけの貴女になってくださるのならば、多少己の手を汚すことなど厭わぬ。

 貴女を手に入れるためならば、私は地獄の悪鬼に魂を売り渡そう」


あまりに純粋で切実な響きに、撫子は知らず知らずのうちに気圧されていた。

反応が鈍くなる。

ふわりと目元が白夜の手で覆われ、視界が黒一色に染まった。

あまりに自然な動作だったからとっさには反応できない。

次の瞬間強烈な眠気に襲われて、ぐらりと上半身がかしいだ。

眠らせる幻術だ、と気付いたが、身体が上手く動かない。


「眠るといい、巫女姫。

 ……もうすぐ上弦の月夜だ」


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