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- ナメコとワカメのふらいあうぇいっ
- 日時: 2014/06/14 23:31
- 名前: いろはうた (ID: Xr//JkA7)
*ああ
なんて美しくて
——————哀しいんだろう。
前作『浅葱の夢見し』>>188
〜目次〜
一章
>>008 >>017 >>021 >>031 >>040 >>043
二章
>>051 >>052 >>053 >>054 >>059 >>072 >>079
>>084 >>091 >>094 >>095 >>100 >>104 >>105
>>106 >>109 >>110
三章
>>117 >>118 >>122 >>123 >>127 >>132 >>135 >>143
4章
>>163 >>164 >>172 >>182 >>189 >>193 >>200 >>201
>>205 >>209 >>210 >>215
5章
>>225 >>229 >>233 >>240 >>241 >>244 >>245
>>249 >>253 >>261
記憶の欠片
>>050 >>060 >>116
登場人物紹介
>>044 >>124
制服紹介
>>151
白夜さんインタビュー
>>221
〜イラスト〜
撫子の制服姿
>>157
そこに慧と和火
>>190
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- Re: ナメコとワカメのふらいあうぇいっ ( No.376 )
- 日時: 2014/06/21 23:15
- 名前: いろはうた (ID: Xr//JkA7)
*気づけば、撫子は浅葱色の空間にいた。
おかしい。
川に落ちたはずなのに、髪も衣も乾いている。
だが、白夜による夢ではない。
白夜の霊力や気配を感じないからだ。
ここは、どこだろう。
「……誰?」
背後からの声に、完全に油断していた撫子はびくっと体を震わせた。
あわてて立ち上がってふりかえると、そこには少女がいた。
「え……!?」
「な……!?」
双方ともに言葉を失った。
少女はひどく撫子に似ていた。
いや、撫子が少女に似ているのか。
かちりと記憶の欠片があてはまった。
思い出した。
彼女は夢で見た。
彼女は—————————
「カエデ、さん……?」
「っ!!」
少女、カエデは、はっきりと驚きの表情を浮かべた。
やはりそうだ。
カエデ。
撫子の、セナの、ナギの先祖。
全ての始まり。
様々な男を狂わせるほどの美貌を持った白銀の巫女姫。
夢の中で見るよりも、こうして近くで見る方がずっと壮絶なまでに美しい。
しかし、その藍の瞳には陰りが見えた。
夢で見た時よりもやつれているように見える。
なにかつらいことがあるのだろうか。
「あなたは……何者なの?」
カエデは警戒もあらわにこちらを見つめてくる。
そのたおやかな手はいつでも腰にはいた刀を抜けるようにそのつかにかかっている。
……見た目が超絶な美少女なのに、なんなのだこの熟練の侍のような殺気は。
「ま、待って!!
私、あなたの子孫なの!!」
「……はい??」
カエデはいぶかしそうな表情だ。
なにか証拠を示さねば。
「そうだ!!
私、言霊を『話せ』ます!!
それで、信じてくれますか?」
すっと息を吸い込んで霊力を練り上げる。
何を『話そ』うか。
やはり、得意な言ノ葉がいい。
そうだ。
カエデの腰にある刀と同じものを作ろう。
銀を操る言霊。
『精せ——————』
「やめて!!」
鋭い声にびっくりして、撫子の言ノ葉は途中で止まった。
一方のカエデは複雑そうな表情を浮かべている。
「声を荒げてごめんなさい。
あなたを信じるわ。
言霊は……我が影水月一族の分家の者しか『話せ』ないもの」
撫子はほっと息を吐いた。
とりあえずは切り殺されないらしい。
「でもね、言霊は不用意に使ってはならない。
今の一族に掟はないの?」
「え、なにも……」
掟……?
なんの話だろう?
「……そう。
少しだけ、貴女がうらやましい。
でも、言霊を『話し』ていいのは……」
そこで、カエデは少し迷ったように口を一瞬閉じた。
「いいのは……大切な人を守るときだけ」
暗いものを背負っている目だった。
ぽつりとこぼされた言葉。
どうして、カエデはこんなに悲しそうなんだろう。
「言霊を使えば、自然の摂理をすべて捻じ曲げることとなる。
死すべきものを生かすこともでき、生きるべきものを殺すこともできる。
……だから、不用意に使わないで。
使っては、ならないの」
「……はい」
祖の言葉。
それが、ひどく重く自分の胸に刻まれる。
今まで、ほいほいと言霊を口にしてきた自分が恥ずかしくなる。
そうだった。
言霊は、人をも殺せる道具だった。
どうしてそれを忘れていたんだろう。
言葉に命を宿らせる者として、決して忘れてはならないことだったのに。
「まじめな話はここまで。
ねえ、お名前を教えてくれない?」
「撫子、です」
「なでしこ……」
カエデがゆっくりと撫子の名をなぞるようにしてつぶやいた。
「良き名だわ。
野に咲く可憐な花の名ね」
いえいえ。
あなたのほうこそ花のように美しいですよ、と言う内容のことを口に出しそうになるほど
愛らしい笑みをカエデは浮かべた。
それがやがてすっと消える。
「ねえ、あなたのお話が聞きたいわ。
……私の憂いを払ってくれる素敵な話」
カエデはひどく乾いた声でそう言った。
- Re: ナメコとワカメのふらいあうぇいっ ( No.377 )
- 日時: 2014/06/22 08:58
- 名前: 妖狐 (ID: aOQVtgWR)
こんにちは!
カエデさんと撫子ちゃん、ついに対面ですね!
二人がどんなふうになっていくのか楽しみです。
言霊、確かに言われてみれば物騒なものでもありますね。
様々なことができるので
人を喜ばせることもできますが、逆もできるわけですし…
うーん、使い方が難しいものだな、と思います(+_+)
「……言っていいのか」
という和火くんの言葉、かっこいい!!
もう、完全にやられました!
責め口調っぽくて、そのあとの行動もちょっと大胆で!!
これからも彼の行動に目を光らせています(♦ω♦)
(それを世間ではストーカーっていうんだよ)
更新頑張ってください!
応援しています。
- Re: ナメコとワカメのふらいあうぇいっ ( No.378 )
- 日時: 2014/06/22 14:44
- 名前: なぎさ (ID: giYvI9uD)
きゃー∑(゜Д゜)和火がカッコよすぎる〜!!
現実の男ってのは、ダメなのばっかなのですよ〜。(−_−;)
こんなにかっこいいわけがないのです!!二次元に逃げるのは、イイですよね。
- Re: ナメコとワカメのふらいあうぇいっ ( No.379 )
- 日時: 2014/06/22 20:22
- 名前: いろはうた (ID: Xr//JkA7)
妖狐様!!
妖狐様可愛いですwww
そうですか…
和火はSですから、
妖狐様はSな人がお好きですか……
いろはうたは、クーデレという部類の人が好きです←誰も聞いてねえよ
これから、カエデさんとの交流(?)があるので、
よかったら、お読みくださいな〜
コメントありがとうございます!!
なぎさ様!!
二次元にとびこみたくなるのは、すごくよくわかります!!
しかし…
現実のいろはうたには期末テストが近づきつつあります……(泣
そして、またも和火!!
人気ですね…和火…
急に人気急上昇…
コメントありがとうございます!!
- Re: ナメコとワカメのふらいあうぇいっ ( No.380 )
- 日時: 2014/06/23 18:42
- 名前: いろはうた (ID: Xr//JkA7)
〜数分後〜
「そう……。
撫子も、言霊の力のせいで苦しんできたんだね……」
撫子はこれまであったことのほぼすべてをカエデに話した。
カエデは、御言葉使いである者の苦しみを理解できる数少ない人だからだ。
彼女はやはりどこか哀しそうだった。
だから、撫子は、レイヤがあなたの騎士になるんだよ、とだけはカエデに言えなかった。
「その、白夜という人、燈紗門一族の者だって、言っていたの……?」
「はい。
夢の記憶の欠片の中で……」
「そう……」
カエデはそのまま考え込むように顔をうつむけた。
燈紗門という一族が一体どうしたのだろうか。
それほどなにかひっかかるのだろうか。
「燈紗門一族はね、私の一族の神社の宮司を、代々務めている一族なの。
その中の一人、私の幼馴染であるホムラ兄様は、私の姉上の婚約者、なの」
「え……!?」
意外なところで、白夜と自分の先祖との関係がわかってきた。
白夜は、セナと全く関係がないから求婚してきたのではない。
むしろセナと遠い昔に関係があったからこそ、求婚してきたとしたら。
「でも、それだけで、あそこまでセナにこだわるかな……?」
「私は、ホムラ兄様を拒んだ……」
突然変わった話の内容と、そのずぅぅぅんっと沈んだ声のテンションの低さに
撫子はおもいっきりのけぞった後、カエデにつめよった。
「えええ!?
そのホムラさんって人、カエデさんのお姉さんという立派な婚約者がいるのに、
カエデさんにまで手を出そうとしたんですか!!??」
「ち、ちがうちがう!!
私は今、姉上の身代わりとして敵の神社に身を置いている。
……人質として」
なるほど。
カエデのいた時代では、人質とかそういう物騒なことが当たり前の世の中なのだ。
「それで、ホムラ兄様が、私を助けに来てくれたの。
でも、私は、ホムラ兄様を拒んだ」
「えええ!!??
なんで!!??」
理解できない。
故郷に帰ったら、家族にも会えるだろうに。
「……私は、決して恋をしてはいけない人に恋をしてしまったの。
その敵方の神社の……忍びの頭目に。
絶対に好きになってはいけない人を、好きになってしまった。
だから、ホムラ兄様を拒んだの。
私には……故郷に帰る資格など、もうないのだから……」
カエデはカゲアミトーンを背景に、そのままうつむいてしまった。
(なんつーネガティブな!!)
カエデは、少しあっけにとられてしまった。
なんだ。
こんなに絶世の美少女でも人間なんだ、と当たり前のことを思った。
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