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- ナメコとワカメのふらいあうぇいっ
- 日時: 2014/06/14 23:31
- 名前: いろはうた (ID: Xr//JkA7)
*ああ
なんて美しくて
——————哀しいんだろう。
前作『浅葱の夢見し』>>188
〜目次〜
一章
>>008 >>017 >>021 >>031 >>040 >>043
二章
>>051 >>052 >>053 >>054 >>059 >>072 >>079
>>084 >>091 >>094 >>095 >>100 >>104 >>105
>>106 >>109 >>110
三章
>>117 >>118 >>122 >>123 >>127 >>132 >>135 >>143
4章
>>163 >>164 >>172 >>182 >>189 >>193 >>200 >>201
>>205 >>209 >>210 >>215
5章
>>225 >>229 >>233 >>240 >>241 >>244 >>245
>>249 >>253 >>261
記憶の欠片
>>050 >>060 >>116
登場人物紹介
>>044 >>124
制服紹介
>>151
白夜さんインタビュー
>>221
〜イラスト〜
撫子の制服姿
>>157
そこに慧と和火
>>190
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- Re: ナメコとワカメのふらいあうぇいっ ( No.401 )
- 日時: 2014/07/05 20:14
- 名前: いろはうた (ID: Xr//JkA7)
*気づいたら見知らぬ部屋の中にいた。
撫子は横たわっていた寝具から身をゆっくり起こした。
とたんに首の後ろに鈍い痛みが走る。
そうだった。
白夜にさらわれたのだった。
あの声は、白夜で間違いないだろう。
手足は縛られていなかった。
(逃げられないと思われたのかな……)
なめられたものだと思っていたら、撫子はわずかに目を見開いた。
部屋の周囲に幾重もの結界が張られていることに気付いたのだ。
その数十枚。
この数だと、たとえ言霊を使って破壊したとしても、
全部破壊する前に撫子の霊力が先に尽きて気絶してしまうだろう。
道理で手足を拘束してこなかったわけだ。
これでは逃げられない。
(和火は、大丈夫かな……?)
慧たちも探しに来て、巻き込まれたりしなければいいのだが。
唇をかみしめたとき、ふいに結界が揺らぐのを感じた。
さっと顔を上げると、部屋に入ってきた者と目をが合った。
白夜だ。
「目覚めたのか、巫女姫」
数週間ぶりに見る白夜は、やはり人形じみた美しさをもつ笑みを浮かべていた。
彼は上品に衣の裾をさばきながら、こちらに近寄ってきた。
そして、警戒して体を強張らせながら寝具に座り込む撫子の前に白夜は膝をついた。
「御身に不調はないだろうか?」
白夜の血のように紅い瞳を覗き込んでも、その奥にある感情は見えなかった。
紅いはずなのに、底知れない闇を覗き込んでいるような。
この人は、危うい。
そう本能が告げた。
例えるなら、極限まで張りつめた絹糸のような。
いつ切れてもおかしくないような。
「そっちが……気絶させてきたくせに」
「先程の非礼は詫びよう。
だが、ああでもしなければ、巫女姫は暴れたであろう?」
そう言うと、白夜はごく自然な動きで撫子の顎をとった。
あまりに自然だったので、反応が遅れた。
「っ!?」
「……あまり、同化が進んでおらぬ。
いかようにして夢見を拒んだのか」
目をみただけで、撫子が過去の夢をしばらく見ていなかったことがわかったらしい。
白夜は、やはり恐ろしい人だ。
「そうよな。
見返りがなければ、己を差し出そなどとは思わぬか。
……では、巫女姫。
取引をしよう」
「……とり、ひき」
撫子は眉をひそめた。
ギブアンドテイク。
利を得る代わりに、相手にも何かを差し出さなければならない。
撫子は緊張して、白夜の言葉を待った。
- Re: ナメコとワカメのふらいあうぇいっ ( No.402 )
- 日時: 2014/07/05 20:30
- 名前: 朔良 ◆oqxZavNTdI (ID: 2IhC5/Vi)
か、和火君何やっちゃってるんですか……!
四六時中いつなる時も撫子ちゃんのことを見つめていないと駄目なのに!←
……しかししかし私の一番のお気に入りの白夜様が登場してくれたのでそこは万々歳(>_<)
その冷たい目線で睨みつけてほし……何でもないです。うん。
朔良の今のお願いは白夜様の出番をもう少し増やしてほしいことです……(+_+)
更新頑張ってねー!
- Re: ナメコとワカメのふらいあうぇいっ ( No.403 )
- 日時: 2014/07/06 22:21
- 名前: いろはうた (ID: Xr//JkA7)
まっまままままままま、マジで!?Σ(゜゜ )
白夜さんが好みなのか!!??
で、ででででは、おききしますが……レイヤさんと白夜さんどちらの方がお好みで……??
気になる……(☆∀☆ )wkwk
いろはうたは、シキしゃまです!!
またはタスク!!
尽くされたいです!!ああいう人に!!←誰も聞いてねえよ
ちなみに、これからは、少しずつ白夜さんの登場が増えますよ……
キーパーソンの一人なのでね……(ニヤニヤ
コメントありがとう!!
- Re: ナメコとワカメのふらいあうぇいっ ( No.404 )
- 日時: 2014/07/06 22:42
- 名前: いろはうた (ID: Xr//JkA7)
*「巫女姫とあの少年は、異界より来たれしまれびとであろう?」
何が言いたいのだろう。
いぶかしく思いながらも、撫子は素直にうなづいた。
うそをついても、おそらく白夜相手だとすぐにばれるからだ。
「私があの少年を、元の世界に帰そう」
撫子は目を見開いた。
元の世界に帰す……?
和火を……?
「その代わり、巫女姫にはこのまま夢を見続けてもらう。
そして、永劫この世界に私といていただこう」
自分がこの世界にとどまれば、和火は元の世界に帰れるのか。
自分さえ我慢すれば、和火はいつもの生活を取り戻せる……?
用意していた取引を拒絶する言葉は口の中で霧散した。
白夜の指が撫子の顎を離れ、すっと頬をすべる。
「どうであろうか?
悪い話でもあるまいて?」
予想外の提案だった。
誘いをはねのけられない。
気持ちが揺らぐ。
これまで、全くと言っていいほど元の世界に帰る糸口が見つからなかったからだ。
するりと白夜の手が離れた。
「まあ、ゆっくりと考えてほしい。
結界も一つだけにしておこう」
白夜が立ち上がった。
そして出口の方へと歩き出す。
「別に逃げてくださっても構わぬが、その時はこの取引はなかったこととなる。
お忘れなきよう」
つまり、逃げたら、和火は現実世界に帰れなくなるということだ。
軽い音を立てて戸が閉まった。
かすかな音をたてて数十もの結界が一重のみになったのを感じた。
あるかないかの結界。
簡単に壊せる。
だけど、撫子は動けなかった。
取り引きと言う名の見えない鎖に縛られて。
こうして、また、夢に囚われていく。
- Re: ナメコとワカメのふらいあうぇいっ ( No.405 )
- 日時: 2014/07/07 18:42
- 名前: いろはうた (ID: Xr//JkA7)
〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜
〜セナの記憶の欠片〜
*私は勢いよく自室の床を蹴って立ち上がった。
タスクに会いたい。
なんでもいいから、彼の声が聴きたい。
戸を開けて走り出そうとしたら、思いっきり誰かにぶつかった。
「ひゃっ!?」
「うわっ!?」
私は体を強張らせた。
ああ。
この声をどれほど聴きたいと思ったことか。
抱きとめてくれた腕が、この体温が、なにもかもが愛おしい。
泣きたくなるほど。
「姫様、お怪我は!?」
優しいタスク。
自分が突進されたというのに、私のことを心配してくれる。
ふとタスクの手に巻かれている包帯が目に入った。
真新しい包帯。
いつもよりきれいに巻かれているような気がするのは気のせいだろうか。
もしかして、蝶姫が巻いてくれたのだろうか。
私は急に怖くなって、タスクから体を離した。
もし、こうして抱きとめられているのを誰かに見られたら、タスクが不貞を働いたと
疑われるかもしれない可能性を、今更のように思い出したからだ。
「……大丈夫だよ」
本当は、全然大丈夫なんかじゃない。
婚約者とかそういうのはどうでもいいから、タスクに傍にいてほしい。
でも、それだと、タスクの幸せを壊してしまうのだ。
だから、わがままな言葉は何とか飲み込んだ。
「……ごめんね」
「昼に足首と頭をを痛めていたでしょう。
お加減は……?」
私はびっくりしてタスクの目を見た。
どうして、崖から落ちた際に痛めた場所を知っているのだろう。
期待してしまう。
本当は、助けに来てくれたんじゃないかって。
でも、期待して、それ以上に失望したくないから、聞けなかった。
「もう大丈夫だよ。
……白夜様に治していただいたから」
タスクはすっと目を細めた。
そして、私に向かって手を伸ばしてきた。
意図的に白夜様のお名前を出したというのに、タスクは私に近付こうとする。
彼の指が頬に触れる前に私は一歩後退した。
「タスク、蝶姫様は……?」
タスクを牽制するために、わざと彼を縛る娘の名を口にする。
だというのに、私は嫉妬のあまり悲鳴をあげそうになった。
タスクの指が私に触れずに静かに降ろされたから。
これでいいはずなのに。
そうなれと望んだのは自分なのに。
タスクに触れていいのは蝶姫様だけ……!!
その事実が胸をえぐる。
「……はやく、蝶姫様の元へ行って。
きっと盗賊に襲われてお心が傷ついていらっしゃるから。
……お慰めしてさしあげないと」
心とは裏腹の言葉が、口からするするとよどみなく出るのが不思議だった。
全然そんなこと、望んでなどいないのに……!!
ああ、気づいてほしい。
気づかないでほしい。
矛盾した願い。
どうか、どうか……。
「……申し訳ありませんでした、セナ様」
あ。
呼び名が、変わった。
タスクだけが呼んでくれる『姫様』から、ただの『セナ様』に。
「ですぎた真似をしました
……失礼いたしました」
タスクが静かに部屋を出ていく。
その足音が聞こえなくなってから、ようやく私は動けるようになった。
「待って……タスク」
踏み出した右足は、今日痛めたところで、鋭い痛みが走り、私は床に崩れ落ちた。
目尻から涙がこぼれる。
「……違う。
違うの……」
さっきのは、全部、嘘。
蝶姫様のところなんかに行かないで。
彼女の心配なんかしないで。
私、全然そんなこと望んでない。
ぱたっ、ぱたっ、といくつもの雫が床に落ちた。
「やだ……やだよ、タスク……」
傍にいて。
私を離さないで。
私だけを見て。
行かないで。
どうか、行かないで。
どれほど手を伸ばしても、指先に温もりは灯らない。
うたかたの夢と幻は指の間をすりぬけて、消えた。
〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜
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