コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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ナメコとワカメのふらいあうぇいっ
日時: 2014/06/14 23:31
名前: いろはうた (ID: Xr//JkA7)

*ああ



 なんて美しくて



 





——————哀しいんだろう。





前作『浅葱の夢見し』>>188


〜目次〜

一章
>>008  >>017  >>021  >>031  >>040  >>043 


二章
>>051   >>052   >>053   >>054   >>059   >>072   >>079

>>084   >>091   >>094   >>095   >>100   >>104   >>105

>>106   >>109   >>110


三章
>>117   >>118   >>122  >>123  >>127  >>132  >>135  >>143


4章
>>163  >>164  >>172  >>182  >>189  >>193  >>200  >>201

>>205  >>209  >>210  >>215


5章
>>225  >>229  >>233  >>240  >>241  >>244  >>245

>>249  >>253  >>261






記憶の欠片

>>050   >>060   >>116


登場人物紹介
>>044  >>124



制服紹介

>>151



白夜さんインタビュー

>>221


〜イラスト〜

撫子の制服姿

>>157

そこに慧と和火

>>190

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Re: ナメコとワカメのふらいあうぇいっ ( No.481 )
日時: 2014/08/13 21:14
名前: いろはうた (ID: Xr//JkA7)

*「異なる霊力がやたらあると思えば、やはりか!!」


金色の霊力の残滓をまき散らしながら現れたのは、慧だ。

来てくれた。

様々な重圧から解放されて、撫子はその場にへたりこんだ。

そこで、ようやく全身が汗でびっしょりと濡れていることに気付いた。

ああ、自分は安堵している。

己の手を汚さずにすんだことに。

エゴにまみれた感情。

だが、人間らしい感情だった。


「撫子!!

 静止って『話せ』!!

 あとは、おれがやる!!」


次々と妖魔を切り伏せる慧がそう叫んだと同時に撫子は静かに目を開いた。




——————言霊を『話し』ていいのは、大切な人を守るときだけ




先祖のカエデからもらった大切な掟。

脳裏をよぎるのは、村人たちの笑顔。

侵入者の撫子たちを温かく迎え入れて、仲間として扱ってくれた人たち。

撫子は、決意した。

大切な人たちとは………





『静止』




音が止まる。

世界が止まる。

妖魔たちが凍りついたように動かなくなった。

目には見えない青き言ノ葉の力にがんじがらめに縛られているのだ。

撫子の顎から汗がいくつもしたたり落ちた。

数十の妖魔を同時に縛り続けるのは、かなりの霊力を消耗する。

荒い呼吸を繰り返しながらも、意識を集中させて、縛る。

次の瞬間、慧の姿が掻き消えた。

バチチッと乾いた音と共に、闇を金の光が走り抜けた。

何が起こったのかは、暗くてあまりわからなかったが、光が動けない妖魔たちのわきを

すりぬけた後、いくつもの重いものが地面に倒れる音がした。

最後の一匹が倒れた後、ようやく撫子は言霊の力を緩めて、肩で息をした。

なんとか地面に手をついて、体勢を保つ。

村の方へちらりと視線を向ける。

身体が一気に冷えた。

村を守る結界には穴が開いていた。




妖魔が中に入っていたのだ!!

Re: ナメコとワカメのふらいあうぇいっ ( No.482 )
日時: 2014/08/15 21:00
名前: いろはうた (ID: Xr//JkA7)

*それからすべてはあわただしく過ぎていった。

和火は右腕を深く傷つけられたため、茜のところへ診てもらいに行っている。

一方の撫子と慧は村中に、

妖魔が村の結界内に入ったから急いで講堂のような場所に避難するように、と呼びかけた。

それから一刻後。

ほぼ全ての村人が講堂に集まった。

数名の者は結界の修復にあたり、もう数名の者は妖魔探しで村中を駆け回っている。

朝日が昇ろうかという頃、撫子はこの村の長老に呼び出された。

ついていく、と言う慧をその場になんとか押しとどめて、

撫子は一人で講堂の裏庭のような所へ向かう。

足取りに迷いはなかった。

草を踏み分けて、ゆっくり角を曲がる。

そこにいたのは小さな老人だった。

真っ白なふさふさの眉毛とひげに覆われてその表情は読めない。

正面に立つと撫子の肩ほどしかない、本当に小さな老人だ。

でも、なにか底知れないものを感じた。

年月を経た者が持つ独特の空気というやつだろうか。

ンでしこは、それに気圧されぬようにまっすぐに背筋をのばし、まっすぐ長老を見つめた後、

すばやくその場に膝をつき、頭を垂れた。

元の世界での自分一族の神社に代々伝わる、相手に対する最大限の敬意を表す動作だ。

撫子は早朝の冷ややかな空気を吸い込んだ。


「お初にお目にかかります。

 水無月一族の撫子と申します。

 こうしてうかがうのが遅くなってしまい、申し訳ありません。

 非礼をお許しください」

「おまえさんがあのまれびと娘さんかいの」

「……はい」


穏やかな声だった。

だけど、それとは対照的に撫子の心臓は激しく脈打っている。

痛いほどに。

朝の静かな空気にしんと包み込まれ、撫子は一瞬目を閉じた。

落ち着け、と自分に言い聞かせる。


「此度の妖魔の件の咎は、全て私にあります。

 ……大変、申し訳ありません」

「……」

「ですが、私は図々しくも、許しを請うために参りました」

「許し、とは?」

「今夜も、夜番をさせていただきとうございます」


長老から発せられる空気が一気に重くなった。

撫子は唾を飲み込んだ。

返事はない。


「私は、御言葉使いにございます。

 たったの一言で生きる物を生かしも殺しも致します。

 よって、言霊は大切なものを守るときのみ『話す』べしという掟がございます。

 私は迷っております。

 大切なものの基準がわからずにおりました」

「……して、今は?」


撫子は顔を上げてまっすぐに長老を見つめた。

Re: ナメコとワカメのふらいあうぇいっ ( No.483 )
日時: 2014/08/15 22:17
名前: おにしばり (ID: 0qnzCmXU)


こ、こんにちは……
初めまして、おにしばりと申します。
漢字で表すと『鬼縛』です。どうでもいいですが。

そんなことより、このお話すごい好きです。
まだ途中までしか読んでませんけど、どうしても今言いたくて…すいません。
センス良すぎですよまったくもう((

受験生なんですよね、私もです。
全然勉強してないけど一応受験生です←

更新と勉強、頑張ってください。

Re: ナメコとワカメのふらいあうぇいっ ( No.484 )
日時: 2014/08/16 12:20
名前: 朔良 ◆oqxZavNTdI (ID: 2IhC5/Vi)

 まさかの謎の長老ご登場でございますか……?!
 何となく、撫子ちゃんのすべてを包み込んでくれるような優しい雰囲気のおじい様だねえ(*^。^*)

 慧君かっこいいわ……
 でも、見ててハラハラする。でも敵を倒すと嬉しい!
 ……考えた結果、朔良は慧君で母性に目覚めたわ——

 危険だ。いろはちゃんの作品で新たな愛に気付いちゃったよw

 あ、でもでも一番はレイヤ君ですよ!←ここ大事


 では!
 更新頑張ってねー!

Re: ナメコとワカメのふらいあうぇいっ ( No.485 )
日時: 2014/08/16 21:03
名前: いろはうた (ID: Xr//JkA7)

おにしばり様!!


こんばんは!!
はじめまして!!
長くて読むのが大変ですが、最後までお読みくださるととても嬉しいです(^^)


しかも同じ受験生でいらっしゃる!!
なんというか……運命感じますね←
お互いに勉強頑張りましょうね!!
しんどいけどが、頑張りましょうね!!



コメントありがとうございます!!



朔良ちゃん!!


長老様のご登場です〜
あんまり重要なキャラではないけど、ご登場です☆


そして、母性w
君を目覚めさせてしまった…どうしようwww

慧か……慧なあ……
ちょっと次回……でもないけど、次回の次回の次回の次回の次回ぐらいの予告だと、
次は、慧のターンかもしれないです……
う〜ん……まだ考え中……
どうしようかなぁ……


コメントありがとう!!


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