コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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ナメコとワカメのふらいあうぇいっ
日時: 2014/06/14 23:31
名前: いろはうた (ID: Xr//JkA7)

*ああ



 なんて美しくて



 





——————哀しいんだろう。





前作『浅葱の夢見し』>>188


〜目次〜

一章
>>008  >>017  >>021  >>031  >>040  >>043 


二章
>>051   >>052   >>053   >>054   >>059   >>072   >>079

>>084   >>091   >>094   >>095   >>100   >>104   >>105

>>106   >>109   >>110


三章
>>117   >>118   >>122  >>123  >>127  >>132  >>135  >>143


4章
>>163  >>164  >>172  >>182  >>189  >>193  >>200  >>201

>>205  >>209  >>210  >>215


5章
>>225  >>229  >>233  >>240  >>241  >>244  >>245

>>249  >>253  >>261






記憶の欠片

>>050   >>060   >>116


登場人物紹介
>>044  >>124



制服紹介

>>151



白夜さんインタビュー

>>221


〜イラスト〜

撫子の制服姿

>>157

そこに慧と和火

>>190

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Re: ナメコとワカメのふらいあうぇいっ ( No.345 )
日時: 2014/06/04 21:18
名前: いろはうた (ID: Xr//JkA7)

*「……で?」


撫子は慧の追及を一日かけてかわし続けていたのだが、彼はしつこく追い回してきて、

ついに寝る部屋にまでついてきたのだ。

今、慧は部屋の戸口をふさぐようにして撫子を見下ろしていた。


「いい加減答えろ。

 なんだその目の下のすげえクマは」

「だから……なんでもないってば……」


撫子は弱々しくつぶやくと、視線を慧からそらした。

慧には、一番心配をかけたくない。

一番お世話になっていて、一番迷惑をかけている人だからだ。


「寝不足か?

 何かあるんだったら、言ってみろ。

 できるかぎり要望は叶えてやるから」


撫子は驚いて慧を思わず見上げた。

慧の金色の獣の瞳とまともに視線がかち合う。

琥珀みたいな、きれいな色をした目。

すっと慧が目を細める。

どきっとした。


「……ひでえな」


慧は、触れない。

和火のように、こちらに手は伸ばさない。

必要以上触れてこない。

そういうところが妙に紳士だ。


「見たことがねえ程、ひでえクマだな。

 ……何が原因だ?

 眠れねえほど、なんか考えてるのかよ」


……どうして、自分のまわりの男性は、こうまで勘の鋭い人ばかりなんだろう。

撫子は、慧の顔をぼんやり見つめた。


「慧は……」


慧の先祖は、夢にでてこない。

慧は、和火と違う。

和火と違って、絶対に「撫子」だけを見て、こうして話をしてくれたり、世話をやいてくれる。

撫子の先祖の影響など、微塵も受けていない。

彼女たちを、知らないのだから。

慧は唯一無二の存在だ。

撫子の存在を強くしてくれる、とても、大事な存在。


「あ?」

「…なんでも、ないよ」


夢のことを何もかも慧に話したら、楽になるだろうか。

そんな甘い誘惑が脳裏をかすめる。

でも、だめだ。

大切だからこそ、まきこみたくない。


「なんでもないよ、慧。

 もう、寝よう?

 おやすみ。

 ……いい夢……見てね」

Re: ナメコとワカメのふらいあうぇいっ ( No.346 )
日時: 2014/06/05 20:25
名前: いろはうた (ID: Xr//JkA7)

〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜


〜セナの記憶の欠片〜



*頭が痛い。

右足首もじくじくと熱を持ったように痛む。

あまりの痛みに、地面に倒れたまま、体を動かせない。

ああ、崖から落ちたんだった。

おそらく、頭を強く打って、さらに右足首もくじいたんだろう。

タスク。

こんな時でも、頭に浮かぶのは彼だけだ。

いつだって、私を助けてくれた、支えてくれた騎士。

どうか、助けに来てほしい。

淡い願いが胸に灯る。

どれほど、地面に倒れたままでいただろうか。

ぼんやりとした視界の中、突然ふっと影が落ちた。

人の気配。

期待が心を埋め尽くす。

ああ、胸がどうしようもなく踊る。


「たす、く……?」


私の目の前にいる人が、ふわりと私の前にしゃがんだ。

ふわりと香る、しとやかな香の匂い。


「巫女姫。

 私だ、白夜だ。

 ああ、急には動かずに」

「……っ」


違った。

違った。

彼じゃない。

タスクじゃなかった。

タスクは、来てくれなかった。

白夜様が丁寧な手つきで、地面に倒れている私を抱き上げた。


「貴女の騎士殿は、私の妹を救いに行ってくださっている。

 どうも、盗賊に襲われたらしく。

 私は、貴女の姿が見あたらないと聞いて、急ぎ馳せ参じた。

 遅くなって……すまない」

「いいえ…いいえ…。

 ……申し訳ございません、白夜様」


そうか、タスクは蝶姫を選んだのか。

当たり前のことだ。

婚約者を救いに行くのは。

なのに、その事実にうちのめされている自分がいる。


「申し訳ありません……」


白夜様が私を抱き上げたまま、歩き出した。

頭が痛くてうまく考えられない。

私がもう一度謝ったら、白夜様は苦笑なさった。


「いつか言われてみたいものだ。

 謝罪の言葉でなく、助けに来てくれてありがとう、と」

「も、申し訳ございません……」

「私は、貴女の夫となる男だ。

 だから、少しずつ慣れていってほしい。

 貴女の騎士殿でなく、私が助けに行くことに」

「……はい」


いつか、来るだろうか。

白夜様が助けに来て下さることに慣れる日。

タスクが助けに来ないことに慣れる日。

来るといい。

そうすれば、こんなにも苦しくなることはないだろうから。

Re: ナメコとワカメのふらいあうぇいっ ( No.347 )
日時: 2014/06/06 23:44
名前: 錦歌赤兎 (ID: k7pNoPCO)


はぁい!いろはちゃん!
赤兎だよ〜(=゜ω゜)ノ

いやん(。-_-。)そんなはずかしぃ〜(。-_-。)

大好き!?赤兎の方がもっと好きだぁぁ(≧∇≦)

…凄くない凄くない。全然凄くないよ!
でも、通訳者さんはいろいろなタイプがあるのです!

まとめて通訳する人や同時に通訳する人などだね(=゜ω゜)ノ

聞いてないって?知ってるよ(つД`)ノ

【お話の感想】

…あれ!?てっきりタスクさんがくるんだと思ってた!∑(゜Д゜)

あらら。見事に予想を真っ二つにするいろはちゃん!
ある意味尊敬しちゃう^ ^

想っていても、想っちゃいけないんだね(つД`)ノ
かわいそぅ(つД`)ノ

でも白夜さんは何故、まだ生きていらっしゃるというか、美貌を保てているのか…というか…
なんか呪いにかかったって前、言ってた気がするけど…?

【お知らせ】

別にたいした事じゃないんだけど、赤兎、定期テスト間近になってからのイギリスへ逃亡。

まえに言ってたイギリスでの研修(?)にいって参りますので、1〜2週間いません!Japanに。

なので、ごめんねぇ(つД`)ノ
返信コメント、しばらくの間返せません(´Д` )

大好きないろはちゃんと喋れないのは寂しいけど、しばらくの間だから頑張るよ-_-b

ごめんねぇ(つД`)ノ
また今度!

更新も頑張って欲しいけど、受験勉強も頑張って!!
てか、赤兎がいうのもなんだけど、いろはちゃんのことを思うと、お勉強を優先した方が…ぃぃかなぁって…

体に気をつけて!
See you agein!

Re: ナメコとワカメのふらいあうぇいっ ( No.348 )
日時: 2014/06/07 00:06
名前: いろはうた (ID: Xr//JkA7)

うさぎちゃん!!


ぐさっ
ぐさささっ →→→Σ(゜゜)


うう……お耳に痛い言葉だけど、その通り……
いろはうたは勉強に集中しなきゃいけない……
こう見えても…一応受験生……

でも…言い訳を聞いて下さらないでしょうか……

いろはうたは、頑張って、夏が終わるまでに、このお話を終わらせて、
一度キッパリとカキコから離れようと思っています……
終ったら、しばらくは一切手を出さない!!
ていうかたぶん出せない!!
夏休みとか毎日塾です!!
そのためには、ほぼ毎日更新しないと、秋までに終わらないっていう……
もにゃもにゃ……

はい、言い訳です!!( T T)


い、イギリスに行っちゃうのか!!
そういえばそう言っていましたな…
寂しくなるけど、いろはうたは待ってます!!
イギリス、ぜひフィッシュ&チップスを食べてみてくれ!!
有名だから!!
あと、紅茶とスコーンも!!
感想を聞かせてほしいな……
いってらっしゃい!!
英語で喋りまくるの、すごく大変だけど、頑張ってね!!
遠くから応援してるよ!!

Re: ナメコとワカメのふらいあうぇいっ ( No.349 )
日時: 2014/06/07 00:27
名前: いろはうた (ID: Xr//JkA7)

〜タスクの記憶の欠片〜



おれは、木の影に身を隠して立ったまま、動けなくなった。

少し向こうには、セナが見える。

彼女は地面に倒れていた。

顔から血の気が引いた。

やはり崖から落ちたのだ。

駆け寄ろうとした。

だが、おれよりも早く、彼女の元に駆け寄った者がいた。

あの白髪の美しい男。

白夜だ。

セナの、婚約者。

おれは、木の影から動けなくなった。


「……は」


唇から自嘲が漏れた。

そうだ。

あいつらも言っていたじゃないか。

おれは、もうセナの騎士じゃないって。


「何を……やっているのだろうな……おれは」


自分の婚約者をほって捨ててまで、主だった娘を救いに行ったらこのザマだ。

自分のまぬけさに反吐が出る。

おれは、それでも動けなかった。

ただ、白夜に抱き上げられて、運ばれていくセナを木の影から見送っていた。


「おれは……」


あの場所にいた。

彼女の傍、という場所にいた。

本来なら、彼女を抱き上げて運ぶのはおれの役目……だった。

だが、もう戻れない。

彼女を守っていいのは、あの男だけなのだ。

あの、白夜という男だけ。

セナの婚約者。

焼けつくほどの羨望が胸を焦がす。

ようやく、今になって父の言葉を理解した。

早く、セナを忘れろ、諦めろ、とはこういうことだったのだ。

でないと、今みたいに、滅茶苦茶に精神を打ちのめされるから。


「……は」


また、自嘲がもれた。

自分のあまりの女々しさに、嗤って(わらって)しまった。

自分に、こんなにも女々しい所があるだなんて、知らなかった。

こんなにもはっきりとおまえの居場所はセナの傍にもうない、と示されたというのに

……おれはまだ、彼女をあきらめていない。


「——————行かねば」


おれの、婚約者殿の元に。

彼女を救いに。

婚約者としての「義務」を果たしに。

おれはのろのろと動き出した。

体が鉛を詰め込まれたかのように重い。










わかっていた。

わかっていたんだ。

あなたには、相手がちゃんといるって。

それが自分じゃないって。

でも、期待してしまう。

望んでしまう。

どうか、自分を選んでほしいと。


      おれは————————————

ああ

      私は—————————————



それでも、あなたを————————————————————————————



〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜



『撫子!!』


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