コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- ナメコとワカメのふらいあうぇいっ
- 日時: 2014/06/14 23:31
- 名前: いろはうた (ID: Xr//JkA7)
*ああ
なんて美しくて
——————哀しいんだろう。
前作『浅葱の夢見し』>>188
〜目次〜
一章
>>008 >>017 >>021 >>031 >>040 >>043
二章
>>051 >>052 >>053 >>054 >>059 >>072 >>079
>>084 >>091 >>094 >>095 >>100 >>104 >>105
>>106 >>109 >>110
三章
>>117 >>118 >>122 >>123 >>127 >>132 >>135 >>143
4章
>>163 >>164 >>172 >>182 >>189 >>193 >>200 >>201
>>205 >>209 >>210 >>215
5章
>>225 >>229 >>233 >>240 >>241 >>244 >>245
>>249 >>253 >>261
記憶の欠片
>>050 >>060 >>116
登場人物紹介
>>044 >>124
制服紹介
>>151
白夜さんインタビュー
>>221
〜イラスト〜
撫子の制服姿
>>157
そこに慧と和火
>>190
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- Re: ナメコとワカメのふらいあうぇいっ ( No.386 )
- 日時: 2014/06/25 00:01
- 名前: いろはうた (ID: Xr//JkA7)
*「そうだなあ……あ。
じゃあ、好きな人のどこを好きになったんですか?」
「ひ、ヒタギの!?」
カエデが悲鳴のような声をもらした。
ヒタギってカエデの旦那さんになる人の名前じゃなかったっけ。
そう思っていたら、カエデが猛然と話し出した。
「聞いて!!
ヒタギってばひどいの!!」
「は、はあ……」
恋バナのはずが愚痴大会になってしまうのだろうか。
「色気むんむんで、女の私よりもずっと綺麗なの!!」
……こんな絶世の美少女よりきれいって、なんなのだ。
なんつー男だ。
女の敵だ。
「そのくせ、武道は私よりも強いし……」
そりゃそうだろう。
忍びの頭目なのだから、巫女よりも強くて当然だ。
今、撫子の脳内では、ダヴィデ像のような肉体をもつエロス神がヒタギと定義されている。
「ベタベタ触ってくるし!!
すぐ抱きついてくるし、抱き上げるし!!」
撫子のヒタギの定義に、チカン、が追加された。
「私をおいてすぐ任務に行っちゃうし!!」
さらに、放置プレイ、が追加された。
「……よくそんな人好きになりましたね……」
「私もなんで好きになったのかよくわからない……」
げっそりとした表情でカエデがつぶやいた。
その表情はやはり暗い。
「でも、気づけば目で彼のことを探してしまう。
抱きしめらたら、ずっとこうしていてほしいって思うの。
かわいい、とか言われたら、もう私どうしようもなく舞い上がっちゃって……」
その瞳は完全に恋する乙女のものだった。
撫子はその美しく悲しい瞳に見入ってしまった。
恋をすると女は美しくなる、と言う言葉を体感した。
カエデは、美しい。
悲しくなるほどに。
「でも、それは……すべて、姉上のもの」
そうか。
姉の身代わりをしてカエデは敵方の、そのヒタギという人の元にいる。
予想外に大切にされて、ヒタギという人を深く知って、恋に落ちてしまったのだ。
それが決して許されないものだと知りながら、想いを止められなかったのだ。
きっと今、カエデはかなわぬ恋の苦しみに嫉妬と、罪悪感の板挟みになっている。
「姉上じゃなくて、私を見てほしいって思ってしまう。
私を愛してほしい、って思ってしまうの。
決して望んではいけないことなのに。
そんなこと、叶いはしないのに……!!」
悲痛な叫びだった。
撫子は、このような強く、悲しく、美しい先祖たちの想いに打ち勝って、
自我を保たなければならないのだ。
「ヒタギが私に微笑んでくれるたびに、姉上に醜く嫉妬する私がいるの。
私じゃなくて、姉上が来ていたらこんな表情も見せてたのかもしれないって。
そのたびに下劣な女に成り下がっていくみたいで……本当に、いやになる……」
だから、カエデはこんなにやつれているのか。
叶わぬ恋に苦しんでいるから。
どうして自分の先祖たちは、こんなにも哀しい恋物語ばかりを紡ぐのだろう。
「カエデさん」
座りこむカエデの前にしゃがむ。
カエデがうつむけていた顔を上げた。
美しい、美しい瞳だった。
その奥に、悲しみと、この世の理と、狂おしい想いを秘めた、愛に飢えた青い瞳。
「カエデさんは、綺麗」
撫子は、自分がとてもきれいだということを知らない少女にそう言った。
「とっても綺麗なの」
カエデは不思議そうに瞬きを繰り返す。
やがてその唇がわずかにほころんだ。
「———ありがとう、撫子」
哀しみのぬぐえぬ、だけどとても綺麗なほほえみだった。
- Re: ナメコとワカメのふらいあうぇいっ ( No.387 )
- 日時: 2014/06/26 17:03
- 名前: いろはうた (ID: Xr//JkA7)
こんにちは皆様。
いろはうたです。
あまりにもテスト勉強が嫌すぎてカキコに一時避難しに参りました。
そして、補足です。
ホムラ、って誰ぞ!?
って思った方、多いのではないでしょうか……?
ホムラは、いろはうたの前作『浅葱の夢見し』で、ちょこっと登場したキャラです。
その時のヒロインである、カエデの幼馴染であり、カエデの姉の婚約者、
つまり後々は、カエデの義理の兄となる……はずだった人です。
では、参考までにこちらをご覧ください。
浅葱からコピってきました。
〜カエデの記憶の欠片〜
「身代りなら、もういい。
たとえ、四鬼ノ宮が攻めてきたとしても、おれがなんとかする。
もう、おまえが犠牲になる必要はねえんだ」
カエデは目を閉じた。
この言葉を影水月を出る前に 聞いていたら、すべてが変わっていただろう。
ホムラのことが好きだと勘違いしたままだっただろう。
ヒタギと共に過ごすこともなかっただろう。
でも、気づいてしまった。
ヒタギに出会ってしまった。
すべてが変わってしまった。
「私はここにいる。
ホムラ兄様と一緒に、行かない」
行けない、ではなく、行かないといいきったカエデにホムラは一瞬目を見開いた。
だがすぐにその表情は、怒りのような焦りのようなものにとってかわった。
「………置いて、いかねえ…」
いつものホムラからは想像もできないような低く押し殺した声。
彼はカエデの手首を強くつかんだ。
「いっ、ほ、ホムラ兄様!!」
「…もう……もうおれは、何も失わないと誓った。
そのためにもっと強くなると、心に誓った。
おれの大事なものは全部おれが守る。
………誰にも…傷つけさせねえ…」
ホムラの瞳の色を見てカエデは震えた。
ハルナだけじゃなかった。
———この人も、カエデのために、カエデ以上に深く傷ついていたのだ。
だけど。
それでも。
「ホムラ兄様…!
私、私は———」
「もういい。
おまえが何言っても、連れて帰る。
……ここには、残さねえ」
絶対に意志を曲げない響き。
どこか狂気をも感じる。
握られた手首にさらに力をこめられ、痛みにカエデは顔をゆがめた。
ホムラはカエデを無理やり抱き上げると、もう片方の手で式神をかまえた。
だめだ。
カエデの言葉がホムラに届いていない。
ハイ。以上です。
……なんなんだこの勘違い野郎!!!!!!!!!!!!
げふっ←むせた
すみません……
自分が生み出したキャラであるのにもかかわらず、思わずつっこんでしまいました……
まあ…
こんなことがあったんですね……
その後、ホムラさんは追い払われちゃって、結局カエデさんを助けられなかったと……
その後悔と罪悪感が、もしかしたら白夜さんの夢になっているかも…?
ということですね。
そして、前作からお読みいただいている読者様に一言。
白夜は、シキしゃまの子孫じゃないんですよ!!
- Re: ナメコとワカメのふらいあうぇいっ ( No.388 )
- 日時: 2014/06/28 23:02
- 名前: いろはうた (ID: Xr//JkA7)
*ピシッと音を立てて、空間が割れた。
「な、何!?」
そう叫んだ撫子の足もとに太くて黒い大きなひびが入った。
それは主に撫子が立っている空間に枝分かれしている。
「撫子の体が目覚めそうなんだね」
「目覚める??
私はここに……」
「気づかなかった?
ここに満ちている霊力は月のもの。
月の霊力が時空間をねじまげて、月光の元で眠る私たちの魂を合流させたんだと思う」
月に霊力があるなんて聞いたことがない。。
しかもこれはあれなのか。
リアル幽体離脱なのか!
どうりで、髪や衣が濡れていないわけだ。
「また、会えますか……?」
崩れゆく浅葱の空間の中で、撫子はカエデにきいた。
カエデは困ったように微笑んだ。
「たぶん……無理だと思う。
私たちが出会えたのは奇跡のような偶然がたくさん重なってからのこと」
なんてことだ。
カエデには、まだ聞きたいことがたくさんあるのに。
ピシッとひときわ大きい音を立てて、空間が割れた。
蜘蛛の巣状のひびが入った足元がぐらつく。
「残念だな。
こういう場合、過去の者はこの逢瀬は忘れてしまうの。
歴史を変えぬために」
「私は、忘れませんから!!」
撫子は叫んだ。
カエデが驚いたように目を見開く。
「カエデさんがたくさん傷ついても、くじけなかったこと、忘れません!!
あと恋バナも!!
私、ご先祖様の魂の記憶に負けませんから!!
だから、カエデさんも負けないで!!」
なんだこれ。
なんのエールだこれ。
言った後に猛烈に恥ずかしくなってしまったが、それと対照帝にカエデは微笑んだ。
その瞳が鮮烈な青に輝き、髪は銀糸となって風もないのに舞い踊った。
その滑らかな左頬に浮かぶのは鎖を模した青い証印。
言霊を扱う者の証であり、縛るもの。
そっと唇を開く彼女は今まで見てきたどんなカエデよりも美しく……哀しく見えた。
唐突に思い出す。
言霊は、大切な人を守るためだけにしか『話し』ちゃだめなはずだ!!
静止の声を上げる前にその言ノ葉は紡がれた。
『汝に祝福を』
圧倒的な霊力。
空間がそれに埋め尽くされていく。
撫子は声も出なかった。
言ノ葉が単語じゃない時点でかなりの霊力を消費するはずなのに、カエデはまた口を開いた。
『我が祝福は汝のたおやかなる手に絡みて青き星を抱き輝く』
撫子の左手首に何かがまとわりついた。
黒い組みひもに青玉をあしらった腕輪。
撫子は驚いてカエデを見た。
「撫子に、それを、私の祝福を贈るね。
きっと困ったときには撫子を救って、導いてくれるはず。
撫子が苦しんでいるのは、我ら一族の遠き昔より続く哀しき鎖が源。
私が代わりに謝罪と願いを込めて、祝福します。
われら一族の縛りをどうか断ち切ってほしい。
身勝手なお願いだってわかっているけど、お願い」
撫子は、カエデになにも返せない。
過去を変えるわけにはいかぬのだから。
だから。
「ありがとう……カエデさん」
撫子はまっすぐにカエデを見た。
「私、負けませんから」
貴女の、過去の哀しい記憶にも。
魂の記憶にも。
運命にも。
そして、その言葉が合図になったかのように、浅葱の空間が砕け、黒き闇が広がる穴があいた。
足元が崩壊する。
「撫子」
体のバランスを崩しながら、重力に従って体が落ちながらも、撫子はカエデを見た。
闇に落ちていく。
未来に、向かっていく。
「あなたに、会えてよかったよ」
ああ。
散っていく浅葱の欠片が花弁のようだ。
手を伸ばしても触れられない。
指の間をすり抜けていく。
「カエデさん。
……私もです」
あなたに、会えてよかった。
浅葱のか破片とともに闇に落ちながらそう呟いて、撫子は意識を闇に溶かした。
- Re: ナメコとワカメのふらいあうぇいっ ( No.389 )
- 日時: 2014/06/29 04:18
- 名前: Hoo (ID: .pUthb6u)
はじめまして! Hooです(*´▽`*)
今何時だと思ってんの?とか、
あはは、気にしないでくださいね(‾∇‾)
突然すみません、
前々からいろはうたさまの作品に入り浸っていた者です。照←
ずっと読んでいた隠れ読者という
キモいところからの出現、許してください。
あの、えっと、
ふぁんです!←急だなー……泣
それだけです!
な、
なんとっ、
白夜さまはシキさまの子孫ではなかったのですねっ(゜o゜;)
私もてっきり……(*゜ロ゜)
ごめんなさい(>.<)
ホムラさま、その後悔は罪づくりですなー(*´▽`*)
カエデさま……その恋、いつか報われます!(>o<)
私はカエデさまの幸せを祈ります。
もっと幸せになれますように!
……とっ、
あの、急に来た上に長文失礼しました!
いろはうたさま、更新応援しております(o^-^)
- Re: ナメコとワカメのふらいあうぇいっ ( No.390 )
- 日時: 2014/06/29 21:18
- 名前: いろはうた (ID: Xr//JkA7)
Hoo様!!
こんばんは!!
はじめまして!!
ずっと読んでくださっていた!!(゜□゜)
浅葱からでしょうか……??
な、なんてことだ…
超嬉しいです!!
や、やばっ
嬉しすぎて顔がにやける……
本当に本当にありがとうございます!!
かえでさんはともかくとして、これからは撫子ですね……
彼女の未来、本当に色々起こります……
どんな困難も乗り越えていく撫子の姿、見守ってくださるととても嬉しいです!!
コメントありがとうございます!!
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