ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 花の少女
- 日時: 2010/04/12 18:23
- 名前: 白兎 (ID: oDAd3.8e)
( ・ω・)こんにちゎ☆白兎(はくと)です。
小説は三作目ですが・・・どうにもこうにも、面白い話がかけません;(泣
でも、下手なりに頑張りますので見ていただければ光栄です(´・ω・`)
できればコメしてってください♪
では本編をどうぞ♪
これは花のように生き、花のように散った少女の物語__
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- Re: 花の少女 ( No.132 )
- 日時: 2010/06/05 19:03
- 名前: 白兎 (ID: BtjLrvhc)
「香澄くんなら、とっくに出て行ったよ」
ここは、黄薇の部屋。
「香澄、今日には出て行っちゃうんだよねぇ」と言った黄薇に、愛花はそう言ったのだった。
黄薇は……フリーズ。
10秒後(思いのほか長い)に、黄薇はようやく「はぁ?」と言う間抜けな返事をした。
「や、だから。もう居ないんだってば。ホントに」
「え…………。
えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ———!?」
(あんた、さっきまで固まってたくせによくこんな声が出せるな。これ、絶対超音波出てんだろ。くそっ 耳が……おかしくなるぅっ)
と愛花が思うのも無理は無いだろう。
部屋中どころか、施設中、いや近所中に響くような奇声を発していたのだから。
それだけ叫んでも、彼女の困惑は治まりきらないらしく、まだ何か言っている。
「ええぇ!? っていうか、ええぇ!?」
っていうか、さっきの↑「っていうか」は要らない気が。
「ちょっ……! いつ!?」
「うーんとねぇ。確か朝の四時くらいかな?」
「はやっ! 言ってくれれば、見送りしたのにぃ」
「見送りは要らないからって」
「なんで……
「それは、自分で考えればぁ?」
愛花はプリプリと怒る黄薇を眺めながら、さっきの栞の言葉を思い出していた。
——パタン
栞の部屋の扉が開いた。
愛花が開けたのだ。
「あら、愛花ちゃん。どうしたの?」
「さっき、香澄くん出て行ったよ」
「まぁ、急だこと。いきなりでビックリしちゃった」
ビックリしたと言う割には、栞の表情は穏やかだった。
栞のことだから、もう知っていたのかもしれない。
「なんで香澄くんは何も言わずに出て行っちゃったのかしらねぇ」
「見送りなんかされたら、泣くからって」
「別に、良いのにね。泣いたってさぁ」
この栞の言葉は、愛花の気持ちを代弁したかのようだった。
愛花は思わず頷きながら言った。
「だよねぇ。何でそんな事気にして……
「何でだか判る?」
「? 何でなの?」
「香澄くんはきっと、黄薇ちゃんに涙を見せたくなかったんじゃないかな」
「何で?」
「それは、香澄くんが黄薇ちゃんを好きだからよ」
「好きな人なら、見せたって構わないんじゃないの?」
「フフ 香澄くんもまだまだ子供だったって事よ」
ふたりの会話はこれで終わった。
愛花はその後、全身にクエスチョンマークを纏わりながら栞の部屋から出て行った。
無論、愛花は栞になんどもそれはどういうことだと訊ねたが、栞はただ笑うだけだった。
「だから、何でってばぁ!!」
必死に聞いてくる黄薇の事をすっかり忘れていた。
此処からはちゃんと現在のことですよ。
「ねぇ、黄薇は香澄くんに涙みせれる?」
いきなりの質問にまたも驚かされた黄薇だったが、ちゃんと答えた。
「うん。見せられるよ? っていうか、嫌なことがあるとき、いつも香澄に泣きながら話聞いてもらってるし」
—— 黄薇は香澄くんの事が好き 香澄くんも黄薇の事が好き 想いは同じなのに、なんでふたりは違うのかな ——
愛花には判らなかった。
- Re: 花の少女 ( No.133 )
- 日時: 2010/06/06 08:32
- 名前: アキラ (ID: PA3b2Hh4)
香澄…… 「今度こそ、俺、泣く気がして」 とか泣いていいのだよ!!!クワッ
黄薇と香澄は相思相愛なんだねぇ(>_<)
香澄ィィィ!!
- Re: 花の少女 ( No.134 )
- 日時: 2010/06/07 15:56
- 名前: 白兎 (ID: BtjLrvhc)
アキラs>>香澄と黄薇のふたり…最初は、香澄は黄薇の事をうざがる予定だったんですよね(・д・;)
今考えると、ふたりは両思いにして良かったと思ってます。
ただ…………(ここからはヒミツw)
- Re: 花の少女 ( No.135 )
- 日時: 2010/06/07 16:58
- 名前: 白兎 (ID: BtjLrvhc)
「………………って訳なんだけどさぁ。時雨は判る?」
ここは時雨の部屋。
愛花は香澄が出て行ってしまった事を時雨に報告した後、なぜ香澄は涙を見せたくなかったのかを訊いたのだった。
前回と似たような構成だということは気にしないでおきましょう。
話は本題へ入る。
「そりゃ、好きな奴に涙なんか見せたくないだろ」
「えぇっ!! 時雨も!?」
さらりと言ってのける時雨に愛花は心底驚いていた。
「何で? 何で見せなくないの?」
愛花は身を乗り出す。
そんな愛花を避ける様に、時雨はすこし仰け反りながら言った。
「だ、だってかっこ悪ぃじゃん」
「何でかっこ悪いの?」
「……そんなの知るか! かっこ悪いもんはかっこ悪いんだよ!!」
「ちょっ、急にキレないでよ;;」
「てめぇ、さっきから近いんだよ!!」
見ると、さっきよりも愛花は身を乗り出していた。
そのせいで、時雨は無理な姿勢を余儀なくされていたのだ。
「あ、本当……」
そう言って、愛花は背を正した。
「ったく……」
時雨の不機嫌そうな顔はまだ続いていた。
「じゃあ、かっこ悪いと何で駄目なの?」
「お前って……何も判ってないよな」
「何が」
「かっこ悪いっていうのは、名のとおり悪いことなんだよ。だから駄目」
愛花は不思議そうな目で時雨をみた。
「別に、好きな子になら見せてもいい気が……
「馬鹿だな。好きな子にならもっと駄目だっつーの」
呆れた顔の時雨。
「ば、馬鹿ぁ!?」
「うん、馬鹿。男心ってものをちっとも判ってない」
「男心?」
「はぁぁ〜……(ため息)
あのねぇ……お前さぁ…………」
「な、なにさっ! ため息とか止めてよ;」
「いい? 男ってのは、変にプライドの高い生き物なの。そういうもんなの」
「プライド? ……変なのぉ」
「だから、そういうもんなんだって」
愛花はしばらく考え込んでいた。
でも、結局判らなかったらしい。
「じゃあ、時雨もそうなの?」
「……ああ、そうかもね」
「へぇー」
愛花は急にニターっとした意地悪そうな笑みを浮かべた。
「じゃあ、私には? 私の前で泣ける?」
「っ……お前な……」
「っていうかぁ〜私はあんたより年上なんだからねぇ? 『お前』とか、『てめえ』とか『馬鹿』なんて言わないでくれる?」
「はいはい……」
疲れきった表情の時雨だった。
「で、どうなの?」
「泣きたくない……かな」
- Re: 花の少女 ( No.136 )
- 日時: 2010/06/07 17:32
- 名前: 白兎 (ID: BtjLrvhc)
成宮という男を、覚えているだろうか。
フルネームは成宮 雅金。
昔からの金持ちであったが、最近はさらに業績が上がったとの噂。
彼はいま、とある計画に向け動き出している。
プルルルルルルル……
『神田児童養護施設』の電話が鳴る。
栞は電話を取る。
「はい。もしも……
『今だ』
「……は? あの、どちら様で」
『成宮だ。それで、今から養子を見に行きたい』
「え? それはまだ先の事では……」
『何を言っているんだね。もう来年のことだよ? そういうわけで、今から向かうから』
「いえ、その、急に申されましても……」
プツッ ツーツー……
電話は一方的に切れた。
一時間後、本当に成宮はこの施設に訪れた。
そして、一人の少女に目を付けた。
「……あの娘なんか良いかな」
「あの娘……どの娘でしょう?」
「あそこに座ってる娘ね。」
成宮はその少女に向け指を指した。
そこに居たのは、間違いなく愛花で。
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