ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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    花の少女
日時: 2010/04/12 18:23
名前: 白兎 (ID: oDAd3.8e)

( ・ω・)こんにちゎ☆白兎(はくと)です。

小説は三作目ですが・・・どうにもこうにも、面白い話がかけません;(泣

でも、下手なりに頑張りますので見ていただければ光栄です(´・ω・`)
できればコメしてってください♪


        では本編をどうぞ♪


    これは花のように生き、花のように散った少女の物語__



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Re:     花の少女 ( No.107 )
日時: 2010/05/26 18:19
名前: 白兎 (ID: BtjLrvhc)

凛s>>凛sはヘボじゃないですよ;
   二人の行方は次回のお楽しみですw

わぁ〜いV(≧∇≦V)!!
あ、えっと。何で喜んでるのかっていいますと、返信が100越えしたからです★
ものすご嬉しい♪
皆々様のおかげです。本当、いつもありがとうございます。

Re:     花の少女 ( No.108 )
日時: 2010/05/27 17:56
名前: 白兎 (ID: BtjLrvhc)




 愛花は時雨を掴み、自分の部屋に入っていった。

部屋の中には、当然だが空、陽子、美冬がいた。
いきなり時雨が入って来た為、皆口を開けてポカンと愛花と時雨を眺めていた。
この視線達に耐えられなくなった時雨が最初に口を開いた。
 「……で?」
 「何が?」
 「だから……此処に俺が連れて来られた意味は?」
 「あぁ」

愛花は空達の前に出た。
 「ねぇ、悪いんだけど」
 「何?」
 「ちょっと、二人だけにしてもらっていい?」
 「え。なんで……
陽子が言い掛けたのを、美冬が遮った。
 「うん。判った」
美冬は陽子と空を無理やり連れ出して、部屋から出て行った。
そのあと玄関の開く音がしたから、きっと外に遊びに行ったのだろう。

(本当に美冬は気が利くので助かる)そんな事を考えながら、愛花は机の引き出しを開けた。
その中にはあのCDが入っていて、それを愛花は取った。
そしてそれを机の上のミュージックプレイヤーに入れた。
音楽が流れ出す。

 「これは……?」
時雨が愛花を見上げ、訊いた。
 「これはね、私のお父さんが大好きだった曲なの」
 「それで、何なんだ。用件は」
(時雨って情緒が無いよな……)
 「これは、形有る物でしょう?」
 「そうだろうけど」
 「だから、無くならないし、忘れない物なんだ」
 「?」
 「気持ちはいつか忘れることもあるよ。けど、形有る物なら忘れない」
 「だから……?」
 「この“形”には“気持ち”が込められてる」
 「だから、気持ちも忘れないと?」
 「うん、そう。だから、私は多分忘れないと思うんだ」
 「………………」


時雨は黙っていた。
すこしして、また口を開いた。
 
 「だったら、俺も……忘れないのかな」
時雨は虚空を眺めながら呟くように言った。

 「……時雨にもあるんだ。だったら、きっと忘れないよ」
愛花は微笑んだ。
 「そうか。……かもしれないな。でも……」
 「でも?」

時雨の目は、何処に向けているのか判らなかった。
判るのは、時雨が悲哀な表情をしているという事だけ。

 「空は……。空は、どうすればいい…?」

愛花は目を伏せた。
二人とも、悲しい顔になった。

 「空には、何もないんだ。思い出も、思い出の形さえも」


愛花は、答えが見つからず黙っていた。
いつの間にか、流れていた音楽も消えていた。
このあやふやな思いを、愛花は言葉で必死に伝えようとした。

 「……だったら、時雨が教えてあげればいい。
  知らないなら、教えてあげればいい。何もないなら、与えてあげればいい」

愛花は、自分でもよく判らなかった。
でも決して適当なことを言った訳ではない。
ただ、それが出来る事なのか。無理かもしれないのにそんなことを言っていいのか。
そんな思いが、愛花の心を巡っていた。


するといきなり時雨は苦笑しだした。
 「……前向きだねぇ。羨ましいよ、ほんと」
すこし目を丸めた愛花。
 「そりゃどうも……」
 「俺とお前は、同じ境遇のはずなんだけどな。俺らは何が違うんだか」




そう時雨が言い終わると、愛花はまた悲しげな顔をした。

 

Re:     花の少女 ( No.109 )
日時: 2010/05/27 16:39
名前: アキラ (ID: PA3b2Hh4)

いつの間にかかなり更新されてた((汗

空と時雨の過去を見て、凄く胸が痛む……。
時雨の目には、世界は暗く映っていると思います。

Re:     花の少女 ( No.110 )
日時: 2010/05/27 18:23
名前: 白兎 (ID: BtjLrvhc)

アキラs>>確かにハイペースかもw でも早く次の章をかきたいんですよね。
      時雨は個人的に、今まで不幸だったぶん幸せになってほしいなぁ。

あ、>>108の続き書いたので、よければご覧下さい。

Re:     花の少女 ( No.111 )
日時: 2010/05/29 18:45
名前: 白兎 (ID: BtjLrvhc)



 愛花の変化に気付いた時雨は声を掛けた。

 「どうかしたのか?」
 「ちょっとね……。思い出しちゃって、昔のこと」
 「へぇ?」
上目遣いで愛花を不思議そうに眺める時雨。
 「親が死んで、私はショックで気絶しちゃったんだ」
 「うん」
 「目を覚ましたら、目の前には見覚えのない人が立ってた。その人は、純愛って名前。その人は、私の伯父だって言ってた。……嘘だったけどね」
 「嘘って?」
 「その人、本当は私の親を殺した犯人だったんだって」
時雨は目を大きくさせた。
 「大丈夫だったのか? 犯人が目の前に立ってたって……」
 「大丈夫だった。むしろ優しくて、私に良く接してくれたよ。だから、今でも信じられない。パパが犯人だなんて」
 「パパ?」
 「うん。パパ。純愛は、私のもう一人の父親……そして、私の憎むべき人……」

二人きりの部屋に、暗く重い空気がながれる。

 「……そういえば、どうして、いまそれを思い出したんだ? 言いたくないなら言わなくていいよ」
 「私が前向きなのは、少なからず純愛に影響されてるんだって思ってね」
その愛花の悲しい顔を見るのが辛くなった時雨は、顔を背けた。
そして、申し訳ないとも思った。

 「わりぃ。余計なこと聞いたかな」
 「ううん。時雨は悪くないから」
 「なら良いけど」

(クスッ)
愛花が笑った。
 「どうした?」
 「いや、時雨が謝るとは思ってなかったからね」
 「……まぁな。俺だってそのぐらいは……
 「どうかなぁ。時雨が謝った所なんて見たことないけど?」
 「……今のは、空耳かな」
 「オイッ! いま、完璧に聞こえてたじゃないか」
 「あーうーあー」時雨は耳に手を置いた。

又しても愛花がツッコミをいれた。
すると時雨はいじらしいほど可愛らしい無邪気な笑みを愛花に向けるのだった。




時雨、彼の瞳もまた、闇を映さなくなった。



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