ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

    花の少女
日時: 2010/04/12 18:23
名前: 白兎 (ID: oDAd3.8e)

( ・ω・)こんにちゎ☆白兎(はくと)です。

小説は三作目ですが・・・どうにもこうにも、面白い話がかけません;(泣

でも、下手なりに頑張りますので見ていただければ光栄です(´・ω・`)
できればコメしてってください♪


        では本編をどうぞ♪


    これは花のように生き、花のように散った少女の物語__



Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42



Re:     花の少女 ( No.117 )
日時: 2010/06/01 17:52
名前: 白兎 (ID: BtjLrvhc)





 いつもの穏やかで優しい彼は__何処に行ってしまったのか。

愛花は自分の部屋に戻った。
そして黄薇のところへ。
 「おかしい……」
 「や、やっぱりぃ?」
 「あんなの香澄くんじゃないー!!」
 「だよねぇ……香澄、どうしたのかなぁ……」
 「だって香澄くん『目障りだ、失せろ』って言ったんだよ?」
 「うっそぉ……」

二人の会話を聞いていた美冬たちも話に入ってきた。
どうせなので、三年経った彼女らの紹介も兼ねておこう。
 「えっ! 香澄くんが!?」
ちなみに、この相変わらずやたらテンションの高いのは陽子だ。
 「香澄くん、いつもは優しいのにねぇ」
やっぱり変わらない、この のんびりとした口調は空。
 「でも、昨日は普通でしたよね?」
美冬は、四年生になってからより一層大人びた様に見える。

 「そうなんだよね。昨日までは優しい、いつもの香澄だったのに……」


少女達五人はしばらく考え込んでいた。しかし、一向に解決策は浮かばない。
仕方が無いので、院長の栞に相談することに。


 
 「失礼します」
そんな言葉を律儀に言っていたのはもちろん美冬だけだった。
 「どうしたの? 五人も揃って来るなんて」
 「ちょっと聞きたいことがあって……」
栞は眉をピクリと動かした。
 
 「香澄のことなら、私はなにも言わないわ」
皆は驚きの表情を見せた。
 「えぇ〜!? 何で……」
 「ごめんね。言わないで欲しいって言われているのよ」

黄薇は寂しそうな顔をして呟く。
 「所詮、わたしたちは他人なのかなぁ……」
 「そうじゃないと思うよ。……あの子、今は大変な時期なの。そっとしてあげてね」
 「はい……」
覇気を全く感じない声で返事をした。


 
 空は光を失い、真っ黒な闇が覆い被さろうとしていた。
月の光だけがポツリと寂しそうに存在していた。 ——そんな夜だった。


少年は左手に受話器を持って、何か話していた。
その少年は香澄だった。

 「母さん、調子はどう?」
ひどく優しい表情の少年。
 『ふふ。優しいわねぇ、香澄は。元気よ、とっても』
 「俺も元気にやっているよ」
 『それは良かったw』

 「それで……退院はいつになるの?」
 『看護婦さんが言うには、あと一、二週間程度らしいわ』
 
あまりにも外が真っ暗で気付かなかったが、少年の瞳はすこし曇っていた。
そして、相手に対して言っているのか、自分に対して言っているのか判らない呟きを放った。

 「じゃあ俺は……あと一、二週間でこの施設を出るのか…………」

 『そうね……。でも香澄が嫌なら、そのまま施設に残っていてもいいよ? 私とじゃ、収入も少ないしぎりぎりの生活になるだろうし……』
 「いや、いいんだ。母さん。母さんと暮らせれば、それで」
 『いいの? 不自由な生活を強いられるかもしれないのよ? あなたの好きな勉強だって……』
 「俺は大丈夫。母さんはもう無理しないようにね」
 『香澄……』
 「じゃあね、母さん。また電話する」
 『じゃあ……元気でね、香澄』


少年は受話器を置いた。

暗闇の中、ツー ツー という音だけが、虚しく響いていた。


Re:     花の少女 ( No.118 )
日時: 2010/06/01 18:06
名前: 白兎 (ID: BtjLrvhc)

月花s>>あれま……同い年なんですねw
    香澄のことは>>117ですこし書きました。次回からはもっと深く書いてくつもりです^^

Re:     花の少女 ( No.119 )
日時: 2010/06/01 18:13
名前: アキラ (ID: PA3b2Hh4)

香澄の中で、施設と母親という葛藤がされているんですね……(-.-)
難しいところです。

Re:     花の少女 ( No.120 )
日時: 2010/06/01 19:00
名前: 白兎 (ID: BtjLrvhc)

アキラs>>いつもコメありがとうございます(●>U<●)
     
     黄薇は香澄にずっと居てもらいたいだろうけどなぁ……
     どちらにしろ、彼の人生は辛い道になることに変わりはありません(・∧;`)

Re:     花の少女 ( No.121 )
日時: 2010/06/01 19:21
名前: 白兎 (ID: BtjLrvhc)





 次の日の朝、香澄は元の香澄に戻っていた。

いつも通り、香澄は皆を呼んでいた。
 
 「学校行くよぉ〜」

しばらくして、愛花たちの準備ができ、皆は香澄の元へ集まってきた。
何も知らない時雨は、元気に香澄に声を掛ける。
皆はすこし戸惑ったが、香澄の返事はとてもナチュラルなものだった。

 「香澄ぃーおはよぉ!!」
 「おはよう」


その後も、香澄はいつもと全くもって変わっていなかった。

 「……昨日の話って、本当なんだよね?」
と、美冬に訊かれるほどだった。



でも、放課後の帰り道のこと。

あの時ほどでも無かったけれど、香澄はまた暗い顔をしていた。

 「香澄くん? ……どうしたの?」
愛花は訊ねた。

そして、香澄はこう答えた。

 「俺、この施設を出る」


愛花たちの表情は一変した。
歩いていた足も止まっていた。

 「……え? 嘘、そんな…………」
真っ先に口を開いたのは黄薇だった。

 「嘘じゃない」
 「じゃあ、何処にいくの!?」

黄薇は問いただす。
愛花たちも困惑の表情で、香澄に説明を求めていた。

しかし、黄薇と香澄の間に入ることはなかった。
 
 この二人に任そう。
みんな、そんな気分だった。



Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42



この掲示板は過去ログ化されています。