ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 花の少女
- 日時: 2010/04/12 18:23
- 名前: 白兎 (ID: oDAd3.8e)
( ・ω・)こんにちゎ☆白兎(はくと)です。
小説は三作目ですが・・・どうにもこうにも、面白い話がかけません;(泣
でも、下手なりに頑張りますので見ていただければ光栄です(´・ω・`)
できればコメしてってください♪
では本編をどうぞ♪
これは花のように生き、花のように散った少女の物語__
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- Re: 花の少女 ( No.22 )
- 日時: 2010/04/18 16:18
- 名前: 白兎 (ID: oDAd3.8e)
(どんっ)
黄薇は壁に手をついた。
愛花は黄薇と壁の間。すこし驚いている。
「な、なに・・・」
「何じゃねぇんだよ・・・」
鬼のような形相で愛花を睨む黄薇。
「香澄が優しいのは誰にもなんだよ・・・。いい気になんないでよね・・・?」
黄薇は嫉妬をあらわにする。
「別に、いい気になんてなってないけど。」
おとなしくしておけば良いものを・・・愛花は言ってしまった。
(ギュウゥゥゥ・・・)
「けほっ・・・!はな・・せ・・・」
黄薇は愛花の首を絞めた。
「いいから香澄に近づくんじゃねぇっつってんだよ・・・。」
そういうと黄薇は愛花の首にあった手を離した。
「わかった・・・?愛花ちゃん★」
「知るか。」
「・・・・てめぇ、こんにゃろう★」
「いちいち星つけて喋んな。うざい。」
黄薇は満面の笑み(作り笑い)をし、愛花の耳元で
「覚えとけよ・・・。」
と低い声で呟いた。
そのあと黄薇は愛花を残し、その場を後にした。
「何だ、あいつ・・・。」
(そんなに香澄とやらのことを想っているのか?他人にあんな感情的になれるなんて・・・私には理解できない。)
愛花はそう考えていた。このときは。
そして、同じことを考えている人がもう一人。
二人が口論してる際、冷ややかな目で二人を見ていた少年。
愛花と同じく無口で冷淡な性格。
彼の名は時雨。
- Re: 花の少女 ( No.23 )
- 日時: 2010/04/18 18:04
- 名前: 白兎 (ID: oDAd3.8e)
「愛花ちゃん、それ、どうしたの!?」
香澄が愛花の首に残った跡を指差した。
「ああ、これ・・・。」
「もしかして・・・黄薇ちゃん?」
「なんで判ったの?」
「あの子、よく女の子に手を上げるから・・・。」
「知ってるんだ。じゃあ・・・なんでそんなことするか判るの?」
「それは判らないんだ。教えてくれないし。」
香澄は寂しい顔をして言った。
「ふぅ〜ん。」
愛花から香澄に答えを教えることは無かった。
それは黄薇への哀れみなのか。ただ面倒だったからか。
「首、大丈夫?」
「うん。」
「何かあったら言ってよ。」
香澄はひどく優しげな顔で言った。
「うん・・・(多分言わないけど)」
—————————————
愛花の部屋は個別ではなく美冬や陽子、空と一緒の四人部屋だ。
二段ベットが二つと、四つのクローゼット。
最近は勉強のため大きな机が導入された。
当然狭い。かなり、狭い。
しかし美冬たちはずっとこの環境で育った為、何も文句は無かった。
だが・・・
父親は超がつくほど金持ちの家の長男。
母親もかなり伝統ある大家の愛娘。
そんな二人の間に産まれた愛花は、なかなか耐えられるものではなかった。
(まだ純愛の家だったらマシだった・・・)愛花はそんな考えが浮かんだが、それは闇にかき消され、少女は考えることをやめた。
「はぁ〜」
思わずため息がでたようだ。
「どうしたの?」
と、美冬が聞く。
「あんたたちはよくこんなで我慢できるよね・・・」
そう言って部屋を見渡す愛花。
そんな中、
「私にとっては楽園だ。あんなところに比べれば・・・」
ぽつりと、うめき声のように陽子が言った。
愛花はそれを聞き逃さなかった。
「あんなところって?」
「・・・あのね、美冬や空は知ってるんだけど・・・
「!!ちょっ・・・いいの!?言って・・・
「いいんだ、美冬。愛花ちゃんも友達だし。」
「だって、私たち以外に話したことなんか無かったじゃない!!」
「・・・いいの。話す。」
陽子は何かを決意したように、穏やかに言った。
反論していた美冬も、何か悟ったように口をとざした。
愛花は何気なく言った一言がこんなにも重大なこととは知らず、すこし驚いていたが、実のところ愛花はそんな話には興味が無かった。
でも、陽子は言った。
「私ね、虐待されてたの・・・。」
ひどく悲しい、苦痛の表情をして。
- Re: 花の少女 ( No.24 )
- 日時: 2010/04/19 20:24
- 名前: 白兎 (ID: oDAd3.8e)
今回は陽子目線でお送りします。
私が四歳くらいのことだった。
(おぎゃーーおぎゃーーー・・・)
私に、念願の妹が産まれた。
妹の名前は美陰(みかげ)。
産まれたばかりの妹はとてもちいさく可愛くて、私もすごい可愛がってたよ。
わたし、美陰のこと、大好きだったんだよ・・・?
でも__
「美陰は本当可愛いわね〜。」
最初は小さい子に対してよくある褒め言葉だった。
「美陰はお姉ちゃんと違って、可愛いわねぇ。」
次は、姉との比較で美陰を褒めた。
「陽子は・・・駄目ねぇ。すこしは美陰を見習ったら?ねぇ、美陰。」
「陽子は本当、不細工だわ・・・。」
だんだん、美陰への褒め言葉から私への悪口へと変わっていった。
悪口や罵声を浴びせさせられるだけなら良かった。
母親は、私と二人きりのときはかならず私をぶった。
次第にエスカレートしていく虐待。耐えられなかった。
お父さんに相談した。
「・・・そうか、分かった。母さんと話してみるよ。」
お父さんは優しい笑顔で言った。
お父さんのことは大好きだったし、信頼してた。尊敬もしてた。
ある日・・・
その日、美陰は友達の家に泊まりにいっていて居なかったんだ。
でも、お父さんがいたから、ぶたれることは無いだろう。そう思ってた。
(どんっ)
「いた・・・。」
でも、ぶったのはお父さんだった。
その後私は何度も二人に殴られ蹴られ、そして__
(じゃばー——)
「!!」
私の背中に注がれたのは熱湯。
熱いなんてものじゃない。
自分の身体が焼ける。肉のこげる臭いがする。
その後の記憶はないんだ。倒れたらしいから。
お父さんたちに親戚はいなかったから、ここに連れてこられた。
もう二人と暮らすことは出来ない。
ここには美冬や空がいるから寂しくないし、ここのほうがいいとも思っている。
でも__
もう、美陰には会えない。
それだけが、嫌で嫌でたまらないんだ。
会いたいよ・・・美陰・・・?
- Re: 花の少女 ( No.25 )
- 日時: 2010/04/21 16:56
- 名前: アキラ ◆cctlnLXfPA (ID: BLbMqcR3)
虐待って本当嫌ですよね……。
虐待死の子供もニュースで増えてるし……。
本当に嫌です。
- Re: 花の少女 ( No.26 )
- 日時: 2010/04/22 18:42
- 名前: 白兎 (ID: oDAd3.8e)
「・・・とまぁ、そんなことがあったんだぁ♪」
陽子はさっきまでの暗い口調から明るく弾んだ声になった。
「ちょっと!みんな暗いって!」
でもその声には悲しみが入り混じっているのがすぐ判り、ただただむなしく響くだけであった。
「・・・なんか、ごめん。」
そう言ったのは愛花。
この状況であればいたって普通の言葉のように見えるが、愛花にしては素晴らしい進歩だった。
いつも自分で手一杯で心を閉ざしていた愛花が
陽子にあやまった。
愛花もすこしずつではあるが、みんなに心を開き始めている。
「ううん。謝んないで。」
陽子はすこし寂しい声で言った。
「そうそう!今はうちらも居るわけだし!暗くなってたってしょうがないし!!」
美冬はみんなを気遣い、明るく言った。
いつも斜め上を見ている空も、これが重大なことだと察したのか、じっと陽子の瞳を見つめている。
すると
「ご飯よーー!!」
超グットタイミングで栞がみんなを呼んだ。
「今日なにかな〜?」
空は能天気に言う。
「たしか、ハンバーグらしいよ。」
美冬が落ち着いた口調で言う。
「まじ!?超大好物!!」
陽子が元気に言う。
「良かったね、陽子。」
そういう愛花の顔は・・・
小さく微笑んでいたように見えた・・・のは気のせいかな?
でも愛花の目には、闇などありはしなかった。
この目が太陽のように明るい光を発する日も、遠くないかもしれない__。
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