ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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    花の少女
日時: 2010/04/12 18:23
名前: 白兎 (ID: oDAd3.8e)

( ・ω・)こんにちゎ☆白兎(はくと)です。

小説は三作目ですが・・・どうにもこうにも、面白い話がかけません;(泣

でも、下手なりに頑張りますので見ていただければ光栄です(´・ω・`)
できればコメしてってください♪


        では本編をどうぞ♪


    これは花のように生き、花のように散った少女の物語__



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Re:     花の少女 ( No.162 )
日時: 2010/07/03 16:46
名前: 白兎 (ID: WkxsA0sZ)



  *真悟目線*



 篠田愛花がこの家に来て三ヶ月が経った頃だったかな。

ピンポーンと玄関のチャイムが鳴った。
誰か来たみたいだ。
面倒だけど、インターホンの「通話」ボタンを押して「はい」と応えた。

 『愛花ちゃん居ますかぁ?』
インターホンの中から間抜けな声が聞こえてきた。
愛花の友達か?
どんな顔か、見てみたくなった。
何て名前か知らないけど、この家のインターホン(テレビドアホンだっけ?)はカメラがついてる。
「表示」ボタンを押した。

ふむ。
わりと綺麗な顔のが揃ってるな。
俺と一緒の養護施設みたいだけど、ほとんど、と言うより全く覚えていない。
おっと、返事をしなくちゃだったな。
 「いますよ」
俺がいうと、その中で一番綺麗な顔した女が応えた。
 「愛花さん、呼んでいただけますか?」
さっきの声と違って、落ち着いていて大人っぽい声だった。顔によく似合ってる。
 「判りました。少々お待ちください」
俺は「通話」ボタンと「表示」ボタンをもう一度押した。
すると画面は黒くなり、雑音も聞こえなくなった。


ドアをコンコン、とノックする。
それは愛花の部屋のドアだ。
奴の返事は無かった。
めんどくせぇなーなんて思ってたら、奴は出てきた。
 「なに?」
何でこいつって、こんなに不機嫌そうな顔してんだろ。
まぁ良いけど。
 「客人だよ。お友達じゃない?」
何でこんな奴にまでニコニコしなきゃいけないんだか。
でも、もう癖になってきてる。

 「悪いけど、『いない』って言ってくれる?」
小学生のくせに居留守かよ。
 「えぇー……。もう『います』って言っちゃったんだけど」
 「頼む」
面倒なことになったな。
 
 「何でまた居留守を」
俺がきくと、奴は答えた。
 「私は、もうあの子達と仲良くする自信がないから」
ふーん。でも、何かそれ、違う気がする。
 「じゃあ、きっぱりと言ったら?『お前らとは仲良くしない』って」
 「そんなの、言えない」
 「何で」
愛花は黙った。
何か言えよ、偽善者が。

 「でもさ、その方がお友達のためだよ?
  『今は居ない』って言ったら、またあの子たちはここへ来るんじゃないかな。
  だったら……ねぇ」

 「言えないよ、そんな事……」

 「どうして?」

また黙る。好きだねぇ、だんまり。
やっぱりこいつは偽善者だなーって思ったら、笑いが込み上げた。
俺が笑うと、愛花は変なものを見るような目で俺を見た。

 「言えないのは、自分を良く見せようとしているからでしょ?」

 「……そんなんじゃないっ」
とか言って、超焦ってるじゃん。

 「ま、良いからさ。言ってきなって」
面倒だったので、奴を無理やり外へ出した。
こういう時、男っていいよね。便利で。


その後の事は知らない。
インターホン(テレビドアホンらしい)から見ることも出来たけど、そんなに知りたい訳でも無いし。

っていうかさぁ、
興味ないね。
愛花とか紫陽とか雅金とか、ただの同居人。
どーでもいい。

 

Re:     花の少女 ( No.163 )
日時: 2010/07/05 19:37
名前: 白兎 (ID: WkxsA0sZ)



—— >>148の後 ——



 すこし重いドアを開けて、愛花は家の中に入ってきた。

玄関のすぐ傍の部屋でくつろいでいた真悟と目が合った。
愛花はニコッとして去って行った。
真悟はすこし不思議そうな顔をしていたけれど、「へー」と言って視線を変えた。



それからの愛花は、全く欠点のない少女になっていた。
勉強はできるし、運動もそれなりに。礼儀正しいし、明るい性格で周りを惹きつけていた。
ちなみに真悟は昔からそんな感じだった。
欠点など、ひとつも無い様に思えた。
ただ一つあるとするなら……


しかし、そんな昼の姿とは裏腹に
夜の街で群れるガラの悪い集団の中に愛花はいた。


——ただ一つあるとするなら
 それは、心だったのかもしれない。


Re:     花の少女 ( No.164 )
日時: 2010/07/06 19:45
名前: 白兎 (ID: WkxsA0sZ)





 そんな生活が続き、愛花は中学二年生になった。

空を闇が覆う頃、右手に煙草を持った愛花の姿があった。
小学生の頃と違いすらりと伸びた手足や、昔からの綺麗な顔には似つかわしくない。

毎日そんなことをしていては、バレルのは当たり前だろう。実際、何人かの同級生に姿を見られている。
だが、そんな愛花を恐れてか、だれも何も言わなかった。
逆に校内での愛花の権力が上がっていった。


愛花の隣には、一目で不良とわかる格好をした少年が居た。

彼の名は須藤 疾風(すどう はやて)。
喧嘩が強く、中二にして不良グループのトップ。
平均的中二男子より高い背に、美形な顔。薄く染めた茶髪がよく似合っていた。
不良でなければ、かなりモテる風貌だ。

二人は付き合っているらしい。



ある日、いつもの様に疾風の仲間達と共に夜の街を歩いていた時だった。

ふいに、愛花は声を掛けられた。

 「ちょっと、そこの……」

中年男性といった感じの声だった。というか、中年男性だった。
愛花は(警官か何かか?)と思って振り返ったが違った。

その人は、真っ黒なマントを着ていた。
頭に網目状だがまた真っ黒な布を被っていた。
その人の前には机とイスがあって、その机には「占い」と書かれた札が掛かっていた。

どうやら、占い師らしい。


 「えっと……なんすか?」
愛花はあからさまに面倒くさそうな顔で訊ねる。

 「キミのお父様は、かなり儲けていらっしゃるとか」

確かにそうだが、それは占い師でなくとも分かる。
雅金は名の知れた人物だったからだ。

 「ペテン師か……」
愛花はぼそりと呟いた。

そんな愛花の言葉は聞こえなかったらしい占い師は
次にこう言った。

 「でもさ、かな〜り悪い事してるみたいだね」

その通りだった。

 「戯言を。占いなど誰が信じる」
愛花はそれだけ言うと、向きを変えて歩き出した。
疾風たちも慌てて付いて来る。

歩く愛花に聞こえる声で、占い師は言った。

 「でも、そんな事をして集めた金なんて所詮偽物。
  偽りの金がいつまでもつか…………。きっといつか途絶えるさ」








その占い師の言葉は












当たった。




               第二章完結。

Re:     花の少女 ( No.165 )
日時: 2010/07/09 15:26
名前: 白兎 (ID: WkxsA0sZ)

やっと三章突入しましたっ(`・▽・´)

三章の説明(?)
今まで、誰だがわからない視点(いわゆる天の声?)で話をすすめてましたが、三章からは誰かわかる視点で話を進めていきます。

無駄に長い話でごめんなさい;
三章はわりと短いはず…………。

三章からも見て頂けると嬉いです^^

Re:     花の少女 ( No.166 )
日時: 2010/07/08 16:46
名前: 白兎 (ID: WkxsA0sZ)




   第三章「白き薔薇は他の色に染まる」(愛花目線)


 
 現在、私は成宮家の養女として生きている。

不気味な養父、笑顔だけは素敵な養母にまたまた不気味な義兄弟。
ストレスとか半端無い。

そんな私のオアシスが学校。
其処では、誰に気を使うこともなく自由だ。
勉強はしなければいけないが、それなら昔から得意だった。
人間関係は、今はそんなに気にしていない。
教師には多少媚びるが、生徒にはありのまま接している。
しかし、それが逆に受けているのだから不思議だ。


それに、恋愛だってする事が出来た。

疾風は、私を愛してくれている。
そんな言い方、ちょっとどうかとも思うけど。
でも、そんな感じ。

義務教育万歳!!

でも、このオアシスは……いつまで続くのかな?



 「……愛花?」

 「…………ほぇ? ええっと、何? 疾風」

 「お前、ボーっとしてたから」

 「ははは……」

その通りです…。
私は手を頭の上に置いてみた。

ふと、養護施設で一緒だった空の事を思い出した。
あの子もよくボーっとしてたっけ。
みんな、元気かなーなんて考えてみたり。


 「愛花っまたボーっとしてるぞっ」

疾風が私の肩を軽く叩いた。


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