二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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遊戯王デュエルモンスターズEXS「ロックします」
日時: 2017/06/18 00:18
名前: ロード (ID: MMm5P7cR)

初めまして、アニメもカードもどっちも好きな遊戯王ファンのロードと申します。
カードもやりますが、まだそれ程詳しくないので至らない部分もあります。その辺りはご了承ください。


注意事項
1 荒らしは厳禁
2 誹謗中傷は禁止
3 アドバイスは奨励しますが、批判や文句は禁止。
4 OCGに無いオリジナルカードや、都合の良いオリジナルカード、アニメオリジナルカード等が登場します。しかも主人公がそのオリカ使いです。抵抗感のある人はスルーしてください。
5 ルールはOCG準拠ですが、時折間違えることがあるのでその時はしっかり忠告してください。
6 文章のレベルが低く、時々おかしい所があるので時折訂正することがあります。
7 遊戯王についてある程度詳しくないとわからない所があるのである程度知っておいた方が良いです。
8 更新の速度が早かったり遅かったりと、更新の速度にムラがあります。
9 ルールはマスタールール3を施行しております。


登場人物
主人公 六道遊太 >>7

一条寺菊姫・岩ノ井翔太・鏡山大地・広野真薄 >>14

榊原龍矢 榊原龍奈 >>24

影沼和希 >>56

ロベルト・フランシス >>80


ストーリー
第一話「奇跡の騎士」 >>1 >>2 >>3 >>4 >>5

第二話「ネオスに込めた思い、マウスのHEROデッキ」 >>10 >>11 >>12 >>13

第三話「ディフォーマーVS新たなイクスロードナイト」 >>15 >>16 >>17 >>18 >>19 >>20 >>21 >>22

第四話「黒き炎!真紅眼の黒竜使いのアキラ」 >>25 >>26 >>27 >>28 >>29

第五話「デュエルと強さ」 >>30 >>31 >>33 >>34

第六話「戦いの幕開け」 >>36 >>37

第七話「EとD、二つのHERO」 >>38 >>39 >>40 >>41 >>42

第八話「七色に輝くレインボー・ドラゴン」 >>43 >>44 >>45 >>46 >>47

第九話「謎のデュエリスト、Dの挑戦!」 >>48 >>49 >>50 >>51 >>52 >>53 >>54

第十話「似たもの同士?ディフォーマーVSビークロイド!」 >>57 >>58 >>59 >>60 >>61

第十一話「頑張れ、岩ノ井!勇気の究極恐獣」 >>62 >>63 >>64 >>65 >>66 >>67 >>68

第十二話「大会前夜」 >>69

第十三話「いざ、選考会」 >>70 >>71 >>72

第十四話「揺れるペンデュラムと、炎のイクスロードナイト!」 >>73 >>74 >>75 >>76 >>77 >>78

第十五話「ジュニアユース開幕!」 >>81

第十六話「侵略のエーリアンデッキ」 >>82 >>83 >>84 >>85 >>86 >>87

第十七話「浸食!グレイドルの罠」 >>88 >>89 >>90 >>91 >>92

第十八話「己の運をギャンブルに乗せて」 >>93 >>94 >>95 >>96 >>97 >>98 >>99 >>100 >>101

第十九話「電撃ビリビリ!電池メンズ」 >>103 >>104 >>105 >>106 >>107 >>108

第二十話「LITTLE HERO」 >>109 >>110 >>111 >>112 >>113 >>114 >>115

第二十一話「舐められたシード」 >>116 >>117 >>118 >>119 >>120 >>121

第二十二話「宝玉の煌めき」 >>123 >>126 >>129 >>130 >>131 >>132

第二十三話「出陣! 黄昏の忍者隊」 >>133 >>134 >>135 >>136

第二十四話「アキラの実力」 >>137 >>138 >>139 >>140

第二十五話「休憩時間」 >>141

第二十六話「ピンチ! 呪いの酸巨人」 >>142 >>143 >>144 >>145 >>146 >>147

第二十七話「合体融合! VWXYZ」 >>148 >>151 >>152 >>153 >>154

第二十八話「飛翔せよネオス! コンタクト融合!」 >>157 >>158 >>163 >>164

第二十九話「通過点」 >>169 >>172

第三十話「星騎士の輝き。英雄騎士の強き心」 >>174 >>175 >>176 >>177 >>178

第三十一話「ネオスVSパワー・ツール! 友達だから」 >>181 >>182 >>183 >>184 >>185

第三十二話「菊姫の実力」 >>186 >>189 >>190 >>191 >>192

第三十三話「虹竜と竜姫神」 >>195 >>196 >>197

第三十四話「僕が憧れたHERO」 >>203 >>204 >>205 >>206 >>207

第三十五話「菊姫とアキラ」 >>210 >>211 >>212 >>213

第三十六話「菊姫さんと僕」 >>216 >>217 >>218 >>219

第三十七話「決勝戦! 遊太VSアキラ」 >>222 >>223 >>224 >>225 >>226 >>227

第三十八話「精霊達の秘密」 >>230

第三十九話「全国大会スタート!」 >>231

第四十話「野性解放! 熊五郎のビーストデッキ」 >>232 >>233 >>234 >>235 >>236

第四十一話「超こいこい! 花の花札衛デッキ」 >>238


オリジナルカード、もしくはアニメオリジナルカードの紹介

第一話で登場したもの >>6

第三話で登場したもの >>23

第五話で登場したもの >>35

第九話で登場したもの >>55

第十四話で登場したもの >>79

第十八話で登場したもの >>102

第二十二話で登場したもの >>122


作中に出たOCGカードとオリジナル。(二十五話までは小説の中に書いてあります)

二十六話に登場したもの OCG >>149 オリジナル >>150

二十七話に登場したもの 龍矢が使用したカード >>155 江崎が使用したカードとオリジナル >>156

二十八話に登場したもの 真薄のカードとオリジナル >>167 石崎のカード >>168

二十九話に登場したもの OCG >>173

三十話に登場したもの 遊太のカードとオリジナル >>179 星野のカード >>180

三十一話に登場したもの 龍矢のカード >>187 真薄のカード >>188

三十二話に登場したもの 菊姫のカード >>193 天羽のカード >>194

三十三話に登場したもの アキラのカード >>198 龍奈のカード >>199

三十四話に登場したもの 遊太のカード >>208 真薄のカード >>209

三十五話に登場したもの アキラのカード >>214 菊姫のカード >>215

三十六話に登場したもの 菊姫のカード >>220 真薄のカード >>221

三十七話に登場したもの 遊太のカード >>228 アキラのカード >>229

お知らせ

>>200 >>237

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Re: 遊戯王デュエルモンスターズEXS(イクス) ( No.230 )
日時: 2017/03/31 00:23
名前: ロード (ID: MMm5P7cR)

いろいろあって更新が遅れて申し訳ありませんでした。


第三十八話「精霊達の秘密」


関東予選を見事突破し、全国への切符を手にした、遊太と菊姫。

そして、ブロック終了のお知らせを、審判団がする。

「これにて、ミナコ社主催、ジュニアユース選手権関東予選Aブロックの全デュエルが終了しました! 優勝者は……残念ながら決勝戦の内容が引き分けに終わってしまったので、1位はいませんでしたが……このAブロックより全国出場者が3名出揃いましたので、紹介します」

「まずは、決勝戦に進出した、六道遊太選手。大会出場は今回が初めてながら、数々の強豪達を倒し、見事決勝戦まで進んだ天才デュエリストです」

これを聞いて、会場に集まっていたデュエリスト達はざわめく。

「選考会で、あのロベルトさんを倒した奴だからなー」

「間違いなく上位に行くとは思っていたけど、まさか決勝まで進むとはなー」

これを聞いて、遊太は少し頬を赤らめる。何にせよ、認められるのは嬉しい物だから。

そして、審判団は次の選手を紹介する。

「続きましては、出場記録のある大会では負けなし。そしてこの関東予選も圧倒的な実力で勝ち上がってきた、八神アキラ選手!」

そう言われ、更にざわつく会場の一堂。

しかし、遊太が見たアキラはというと、何というか遊太の目には凄く不機嫌そうに見えていた。

(……こんなにも賞賛されて、会場の皆をざわつかせるぐらいに活躍したって言うのに、あの引き分けだけであんなに不機嫌になるなんて……一体何が君をそうさせているんだい?)

遊太がそう思っている時、次の選手が紹介される。

「次は、3位決定戦を通過して見事3位となり、全国出場を決めた一条寺菊姫選手!」

フフン、と得意げに笑って見せる菊姫だったが、会場のデュエリストたちはというと。

「3位で通過かー」

「まあ、それくらいの奴ならその程度だろうなー」

と、言った具合であった。

「な、なんで……? なんでこうなの……?」

「アネゴ……大丈夫ッスよ」

「俺達がいるから」

「……」

「それでは、予選はこれにて終了です! 予選通過者は、AブロックとBブロック合わせて6名となっています。たった今述べた3名は、3日後東京アリーナで行われる本戦で1つでも上を目指し頑張ってください! では……これにて予選は終了です! 皆さん、お疲れ様でしたー!」

「「お疲れさまでしたー!」」

そう言われ、散り散りになっていくデュエリスト達。無論、遊太も菊姫達と一緒に東京ミナコワールドを後にしようとした。

その時であった。

「あっ、アレは……」

遊太が見かけたもの、それは、ミナコ社のカードデザイナーであり、『イクスロードナイト』達を遊太に渡したロベルト・フランシス。そして、いつもの店、ゲームショップ影沼の店長である影沼和希であった。

「ロベルトさあん!」

「何、ロベルトさん……? あっ、待ってよ遊太君!」

ロベルト見かけた遊太は、他のメンバーが帰って行くのにも関わらず、一目散にロベルトのところへと向かって行った。それを見た龍奈は、後から追って行こうとする。

「あ、おい龍奈! どこ行くんだよ〜!?」

「龍矢! 菊姫さん達に、私は後で帰るって伝えておいてちょうだい!」

「あっ、うん。わかった……」

何処へ行くのかと尋ねた龍矢に用事を伝えた後、龍奈も遊太の後を追って行った。

そして、ロベルトと影沼店長のところへと来た遊太。すかさず、遊太は質問をする。

「あ、あの……ロベルトさん、見ていたんですね。影沼店長も。あの、お二人は……どういった関係で?」

「僕らかい? いわば、旧友の関係だね。昔一緒にミナコ社で働いていた仲で、僕がゲームショップを一人で開けたのも、彼の助力があったからなんだ」

「そうだったんですか……で、どうでしたか? 僕のデュエル」

「一言で言えば……惜しかったとしか言えないね。あそこまでやって、後一歩の所で一発逆転されて……でも、総合的に見れば悪くなかったかな」

「じゃあ、あなたが僕に『ロードナイト』達を渡した理由を話してくれるんですか?」

「現状実力はあるけど、僕が求める良いデュエルにはまだ辿り着いていない。ということは、全国であのアキラ君ともう一度デュエルをしなければいけない」

「そ、そうですか……」

これを聞いて、影沼も口添えする。

「確かに、今の君は実力はある。でも、それだけだということだよ」

「はあ……」

「全国であのアキラ君と戦い、勝利すればきっと、理由がわかるはずさ」

「そんなもんですかねえ」

どこか認められていないような感覚を感じた遊太。そして、ロベルトは続ける。

「で、遊太君……僕から『イクスロードナイト』を貰ってから、何か変わったことがないかな?」

「変わったこと……」

「ソリッドビジョンでもないのに、『イクスロードナイト』達が見えたり、どこからともなく声が聞こえたりしなかったかい?」

「それって……精霊達のことですか?」

「あ、その反応から察するに、もう彼らと話をしちゃったのかな? なら話が早い。以前、彼らが闇と戦った話を聞いたことがないかい?」

「はい、聞いたことありますけど……」

「なるほど、もうそこまで聞いているのか……じゃあ、『イクスロードナイト』以外に、精霊が見えたことがあるかな?」

「はい、アキラ君とデュエルしていた時、アキラ君の『真紅眼の黒竜』のビジョンが……」

「……よし。やっぱりもう1度アキラ君とデュエルして、良いデュエルを僕に見せてくれた時、何故君に『ロードナイト』を渡したのか教えてあげよう。じゃあ、行こうか和希」

「あ、ああ……」

(今の僕には、ロベルトが何を言っているのか分からなかったけど……まあ、精霊の話は聞いたことあるし……まあいいか)

そう言って、ロベルトと和希は一緒に帰って行った。すると、和希は遊太に向かって言う。

「あっ、そうだ! 遊太君、真薄君に伝えておいてくれ! 今日の大会で使えなくなったカードを、サービスであげるってね! それじゃあ!」

そう言い残した後、ロベルトと影沼店長は帰って行った。すると。

「あれ……?」

ロベルトの後ろに、デュエルモンスターのビジョンが見えた。そのモンスターが身に纏っている、まるで星空のように光るそのマント。

そのモンスターは、ロベルトの所から遊太のことをじっと見ているかと思ったら、ロベルトから離れて、遊太の所に来た。

「な、何……?」

自分の2倍はありそうなその身長で見下ろされると、どことなく威圧感を感じる遊太。そして、遊太に言う。

「君は精霊を見る事ができ、そしてまだ使えていないが精霊の力を操ることができる」

「……?」

「そして流れ着いた『イクスロードナイト』達も、お前にすっかり懐いている」

「懐いて……?」

「一つ良いことを教えてあげよう。先程の決勝で、君のエクストラデッキの『イクスロードナイト』が書き換わったのは、お前が勝ちたいという思いと、『イクスロードナイト』達の、お前になら力を託しても良いという思いからそうなったのだ」

「……えっ?」

「だからこそ、『イクスロードナイト』達は力を貸した。力はお前のものとなり、カードは本物へと書き換わった」

「何が言いたいの?」

「つまりは、これから戦うお前の敵と戦う実力が、整ったというわけだよ。けれど……あと一つが足りない。それを満たすには、あのアキラを倒すしかない。頑張れよ……」

そう言って、モンスターは消えた。

一人残された遊太の所に、デッキの中の『イクスロードナイト』達のビジョンが見えてきた。

「相変わらずだな、奴は」

「本当にな、アルファ」

「何……? 皆はあのモンスターについて知っているの?」

「今は教えられないが、私達は奴によって導かれたとだけ言っておこう」

そう言って、ビジョンは消えてしまった。こうなってしまっては、何も聞けないので、仕方なくデュエルスペースを後にしようとした。

が。

「遊太君っ」

「あ、龍奈ちゃん。まだ帰ってなかったんだ」

「あの……さっき……」

「あっ……」

ひょっとしたら、あの精霊との会話を見られてしまったのではないのかと考える遊太。しかし、龍奈はというと。

「ねえ、さっき遊太君が話していたモンスター……」

「えっ……龍奈ちゃん、精霊が見えるの!?」

あまりのことに驚く遊太。それを聞いて、龍奈は続ける。

「精霊……? アレ、精霊っていうの……? まあいいや。あなたも、ああいうのが見えるのね?」

「うん……龍奈ちゃんの所にも、精霊が?」

「これなんだけど……」

龍奈は懐から、1枚のカードを取り出す。それはモンスターカードで、青い枠のモンスターであった。

「『竜姫神サフィラ』……? これが、龍奈ちゃんの精霊?」

「ええ……なんかこの大会中、目を覚ましたみたいなの。それに、レインボー・ドラゴンも……でも、このカードは……」

「ああ、予想がつくよ。以前、それを使ったデュエルで友達を泣かしちゃったんだっけ?」

「うん……けれど、サフィラはそんなことない。あなたは決して悪くないって言われた……」

「あ、そう……」

「そうなの。私……以前から遊太君には、ちょっと不思議な所があるって思ってたけど……今日、お陰で確信に変わったわ」

「あ、そう……で、僕はこれから、全国大会でアキラ君と戦わなきゃいけないということがわかったよ」

「そうすれば、ロベルトさんが遊太君に言いたいことを言ってくれるのね……」

「うん……そこまで言うんならきっと、よっぽど重要なことなんだと、僕は思うよ。だから、僕は絶対にロベルトさんの言う、『良いデュエル』を成し遂げてみせようと思う」

「それじゃあ、帰ってデッキの調整するから。それじゃあねー!」

そう言って、遊太も帰って行った。龍奈は、一人『竜姫神サフィラ』のカードを胸に抱きかかえる。

「遊太君、あんな未知の生物相手に、平然と話とかができている……ひょっとしたら、私もいずれ、ああいう風になるのかも……」

そう思いながら、龍奈も帰って行った。


第三十八話。終わり。

Re: 遊戯王デュエルモンスターズEXS(イクス) ( No.231 )
日時: 2017/03/31 17:37
名前: ロード (ID: MMm5P7cR)

第三十九話「全国大会スタート!」


自分の部屋で、デッキを確認する遊太。この日の為に、一生懸命こさえたデッキ。

それを、しっかりと見つめる『イクスロードナイト』の面々。

「じゃあ、そろそろ行こうか」

「戦場へと向かう準備は、できたようだな」

「お前の力、全国の強者達に見せてこい」

「わかった!」

デッキを懐にしまって、家を出る遊太。そして、家の前には菊姫達が待っていた。

「よう、デッキは調整し終わったか? そんでもって、心構えはできたか?」

「大丈夫。この日のために一生懸命こさえたデッキ、そう簡単には負けはしないよ!」

「俺達は残念ながら、観客席で応援になるけどな。まあ、二人の活躍、期待しているぜ!」

「頑張ってくださいね!」

「期待しているッスよ、アネゴ!」

そして、仲間たちと共に会場へと向かう遊太達。目指すは。

「東京アリーナへ、行こう!」

「オウッ!」

ゆっくりとした歩みから、遊太達は全国大会が開催される会場、東京アリーナへと向かって行った。


電車やバスを乗り継ぎ、東京アリーナへやって来た遊太達。

「じゃあ、僕と菊姫は選手として裏口から行くから。皆は観客席から見てて」

「わかった」

アリーナへとやってきた遊太達、遊太と菊姫は裏口へ行き、真薄、龍矢、龍奈、岩ノ井、鏡山は観客席へと向かって行った。

そして、控室へとやって来た遊太と菊姫。そこには、全国の厳しい予選を勝ち抜いてきたであろうデュエリスト達が、一堂に介していた。無論、その中にはアキラもいた。

「遂に来ちまったな、全国の舞台へ」

「うん。これから僕ら二人はきっと、アキラ君並のデュエリストを毎試合相手にしなきゃいけないんだろうね」

「なんだ遊太、ビビってるのか? いつものお前なら、デュエルが楽しみ! って言うと思ってたのに……流石に全国相手じゃ勝手が違うってか?」

「そんなんじゃないよ」

胸の前で手を握りしめ、遊太は菊姫に言う。

「ロベルトさんに言われたことは、凄く気になっている僕だけど……こんな奴らとデュエルができる! そう思ったら、ちょっぴり……落ち武者震い?」

「武者震いな。まー、それを聞いてこっちも安心しちまったぜ、お前、いつも通りだなって思った」

「まあね。菊姫、きっとトーナメントでは当たるかもしれないけど、その時は恨みっこ無しだよ!」

「無論、こっちも手加減なんてする気なんてさらさらねーし」

お互いに腕をぶつけ合い、闘志を確認する遊太と菊姫。その様子を、隅から眺めている人物がいた。アキラである。

「……なんだよ、あんなことしやがって」

その瞬間、アナウンスが流れる。

「会場の準備が出来ました! 出場予定のデュエリスト達は、ただちに入場してください!」

そのアナウンスを聞いて、遊太と菊姫はアイコンタクトをして並ぶ。

「行くか」

「うん」

他のメンバーと一緒に、二人は並んだ。そして、会場へと入って行った。

会場へと入ったその瞬間、選手たちがスポットライトに照らされる。その直後、会場から大きな歓声が沸き起こった! その大きさに、一時は耳を塞ぎそうになる遊太。

「わあ……」

その歓声に慣れた時、遊太は観客席に座っている人の多さに驚く。まるで、東京全ての人間がここに来ているような感覚を、遊太は感じた。

(龍矢君や真薄君も、この会場の何処かにいるのかな……でも、ここからじゃわかんないか)

そして、デュエルリングの前に集合すると、そこに意外な人物が現れた。

「やあ、デュエリスト諸君、こんにちは! 僕の名前は、影沼和希! 今大会の解説に任命された人物だよ!」

(え、ええええ!? なんで影沼店長がこんな所に!? そ、そりゃあロベルトさんとは友達だって言ってたよ? けど……まさかこんなことになるなんて……)

余りの事に驚く遊太だが、菊姫も同時に驚いており、遊太に話しかけてきた。

「な、なあ遊太……なんで影沼店長が解説なんてやっているんだ!? これって……どういうことなんだ?」

「さ、さあ……」

とりあえず、閉口することにした遊太。そして、和希店長は続ける。

「まず、大会のルールを説明しよう。まず全てのデュエルはマスタールール3で行います! そして、トーナメント方式でデュエルは行われ、最後まで勝ち上がったデュエリストが優勝となります! 優勝したデュエリストは、金のトロフィーと、賞金50万円が送られます!」

「デュエルの組み合わせは、既に大会本部の厳正な審査により決まっております。また、予選を好成績で突破したデュエリストは、この全国大会でシードが与えられます! では、組み合わせを発表致します!」

会場の上部に備え付けられている、大きなスクリーンにデュエリスト達は注目する。その組み合わせを見て、遊太は。

(僕は……ちぇっ、シードじゃないのか。けれどこの組み合わせ……順調に勝ち進んで行けば、準決勝で菊姫に当たって……決勝で、アキラ君と当たる!)

(アタシは……結構どん尻って感じだな……まあいいや。どっちみち勝ち進めばいいだけだし……しかし、順調に勝てば遊太と当たるな。アイツとやり合うまで、負けるわけにはいかねえ!)

(俺はどっちでも良い……ただ、勝って俺という存在を知らしめるだけだ。だが……あの遊太には、勝ちたい。奴が決勝まで上がってくれば、俺が潰せばいいだけだし、そこまで上がって来なかったら……俺の思い違いだったということだ……!)

「組み合わせは、これで発表されました。後は、組み合わせ通りにデュエルを進めて行くだけです! それでは、一旦解散といたしましょう! 第1試合は、すぐに始まりますよ!」

そうして、散り散りになるデュエリスト達。開会式が終わったことで、遊太と菊姫は、早速影沼店長のところへと向かって行った。

「影沼さん! 一体これはどういう風の吹きまわしですか!」

「ん〜? なんのことかな?」

「なんで解説なんてやっているんですか!?」

「ロベルトに、解説やってくれないかって言われたら、なし崩し的に解説になっちゃって……ああ、心配しないで、解説はちゃんとやるから!」

「……」

「そんなことより、君達はデュエルがあるだろう。僕のことを気にして1回戦で負けたりなんかしたら、ロベルトさんとの約束、果たせないかもよ?」

「あ、そうだった……」

「じゃあ、解説者席に行ってくるから、頑張りな」

そう言って、影沼は行ってしまった。

「約束……か。この間言ってたけど、やっぱり何かあるんだろうな」

「うん……関東予選が終わった時、ロベルトさんから言われたんだ。全国大会で、アキラ君とデュエルして、良いデュエルを見せてくれたら教えてあげる……と言われたんだ」

「そりゃあまた……難儀だな」

「うん、難儀だけど……言われたからにはやるしかないと思ったよ。良いデュエルを……してみせるってね」

「わかった。でも、それを成し遂げる前に負けても……文句言うなよ」

「わかってる。それじゃあ、戦う時まで!」

「おうっ!」

互いに離れて行く遊太と菊姫。そして、遊太は拳を握りしめる。

「やるしかないね。この全国大会……」

意を決した時、遊太の周りに『イクスロードナイト』のビジョンが見える。

『イクスロードナイト』達も、臨戦態勢MAXのようだ。

全国大会。スタート! 


第三十八話。終わり。 

Re: 遊戯王デュエルモンスターズEXS(イクス) ( No.232 )
日時: 2017/04/01 18:18
名前: ロード (ID: MMm5P7cR)

第四十話「野性解放! 熊五郎のビーストデッキ」


全国大会に出場した遊太は、ロベルトとの誓いを果たすため、全国大会での勝利を勝ち取ろうと思った。

その1回戦、遊太は1回戦の相手、森野熊五郎との対決に備えてデッキを見ていた。

「現状、このデッキを組むのに1晩はかかったけど……まずは1回戦を勝ち上がることに専念しよう! にしても、森野熊五郎って……結構強そうな名前だなあ。名前はともかくとして」

「おめえさん、オラのこと呼んだだか?」

「えっ、君……森野熊五郎君?」

「そうだよ」

目の前に、坊主頭の太っちょな男の子が現れていた。見るからに穏やかそうな少年であった。

「おめえさんが、関東予選……というか、大会初出場でいきなり準優勝を成し遂げたっちゅう、六道遊太だか?」

「うん、そうだけど?」

「大したもんだなあ、オラなんか村一番のデュエリストだって言うのに、何べんも大会に出てやっと結果を残したっちゅうのに、おめえさんは初出場でコレだからなあ」

「い、いやあ……それ程でも」

「まあ、おめえさんにデュエリストとしての才能があったから、当然のことだよ」

「あっ、うん……ところで、君はどこ出身なの?」

「山形の農村だ。結構良い所で、オラはそこで村一番のデュエリストだっただよ」

「へえ〜、そうだったんだ。村一番のデュエリストって、なんだか良いよね。皆の期待とか凄そうで」

「確かに凄かっただよ。けれど、オラは殆ど綱渡りでの勝利だったし、ここに出れたはいいけど、東北予選を3位での通過だから皆は期待されていない所があるだ……その証拠に、皆応援に来てねえだよ」

「でも、このデュエル大会は全国で生放送されているんでしょ? きっと君のデュエルを、遠くから見てくれていると思うよ」

「……そうだな。ありがとう、ちょっぴりいい気分になれただよ。これなら、デュエルに集中できそうだな」

「よかったあ。あんまり集中できないでいたら、本来の実力なんて出せないだろうから……」

「ああ、そう思えたら、楽になれただよ。テレビで見ていてくれるなら……あんまり気になんねえなって。おめえ良い奴だな、遊太」

「うん。だって、折角こんな舞台でデュエルができるんだよ? 全力を出せなかったら、悔いが残るだろうし」

「おめえ……やっぱり良い奴だな……けれど、オラたちはデュエルする相手同士! オラを本気にさせちまったこと、後悔すんなよ?」

「後悔? そんなのないよ、だって、お互いに全力でやらなくちゃ、デュエルは面白くないもん」

「ハハッ、おめえ面白い奴だなあ」

そう熊五郎が言った時、モニターに結果が映る。

「一条寺菊姫選手と仁科弘毅選手のデュエルは、菊姫選手の勝利で終了致しました。次のデュエルの準備にとりかかります!」

「おっ、菊姫の奴、もう勝っちゃったのか。じゃあ、僕は応援に来ている皆の所に行くから……それじゃあね!」

菊姫がデュエルに勝ったのを見て、すぐさま観客席の皆の所に向かって行った遊太。それを見て、熊五郎はどこか寂しくなる。

「やっぱり……近くで応援されるってのは羨ましいなあ。オラなんて……まあ、テレビで皆が見てくれるなら、嬉しいだよなあ。まあ、オラも皆と繋がっているし……このカードで」

懐からカードを取り出す熊五郎。そのカードは、魔法カードで『エアーズロック・サンライズ』と書かれていた。


そして、1回戦で多くのデュエリストが散って行った。当然、菊姫とアキラは勝ち星を上げており、遊太もそろそろデュエルの時間であった。

「そろそろ、僕のデュエルの時間だね」

「頑張れよ、なにしろ相手は、全国出場を成し遂げた強いデュエリストだぜ!」

「もう、龍矢ったら。全国大会に弱いデュエリストが来るわけないでしょ」

「でも、その強いデュエリストの中には、遊太君や菊姫さんも含まれているんですよね。凄いことですよ」

「うん。龍奈ちゃんや真薄君の言う通り、強いデュエリストとして僕は来ているんだよね!」

「相手は3位通過とはいえ、油断はできないもんだよ」

「それじゃあ、行ってくる!」

観客席から離れた遊太。そして、控室を通ってアリーナの中央にデカデカと設置されたデュエルリングの近くへと向かって行った。

そして、アナウンスが流れる。

「これより、1回戦最終試合! 六道遊太選手対森野熊五郎選手のデュエルを始めたいと思います! 両者、位置についてください!」

アナウンスと同時に、二人は位置について向かい合う。

「さっきおめえが言ったお陰で、大分集中力が冴えているだよ。だから、勝ちに行かせてもらうだよ」

「それは良かった! 僕もデュエリストとして、全力で行かせてもらうよ!」

そして審判に言われ、ジャンケンをする二人。その結果、遊太が後攻、熊五郎が先攻を取った。

二人は、デュエルリングに上がった。デュエルリングにデッキをセットして、準備を整えた。

「それでは1回戦最終試合、六道遊太選手と森野熊五郎選手のデュエルを始めます!」


「「ルールはマスタールール3! ライフポイントは8000!」」

「「デュエル!」」

Re: 遊戯王デュエルモンスターズEXS(イクス) ( No.233 )
日時: 2017/04/03 18:25
名前: ロード (ID: MMm5P7cR)

デュエルが始まると同時に、実況席から声が聞こえる。

「さあ、始まりましたジュニアユース全国大会、1回戦最終試合。実況は私、ロベルト・フランシスと」

「解説の影沼和希でお送りいたします!」

「さあ、まずは熊五郎選手のターンです!」


1・熊五郎のターン

「オラのターン! オラはフィールド魔法『古の森』を発動!」(熊五郎手札5→4)

熊五郎のフィールドが、森に包まれる。だが、普通の森とはどこか違った様子を感じた。

「何だろう……この森の違和感……」

「神様の森で悪さをしたら、罰が当たるだよ。そうばあちゃんが言ってた。オラはモンスターを1体セットして、伏せカードを1枚セットして、ターンエンドだよ」(熊五郎手札4→2)


熊五郎

ライフポイント8000
手札枚数2枚
モンスター1体『裏守備表示』
魔法・罠ゾーンのカード1枚
発動しているカード1枚『古の森』
墓地の枚数0枚
除外されているカード0枚


「熊五郎選手、まずは慎重な立ち上がり。フィールド魔法、裏守備モンスター、伏せカードだけでターンエンドしました」

「まずは、場を固めていくことを優先したんでしょうね。序盤からあまり動くと、警戒されますからねえ」

「さて、次は遊太選手のターンです!」


2・遊太のターン

「僕のターン、ドロー!」(遊太手札5→6)

手札を見る遊太だが、その内容に少し違和感を覚える。

(うーん……ちょっと手札が良くないかな……でも、できないならできないなりに!)

「僕は手札から、『ロードナイト・ヒーティ』を召喚!」(遊太手札6→5)

まるで蝋燭のような炎を宿した『ロードナイト』が現れる。

「そして、僕は手札から速攻魔法『英雄騎士への覚醒』を発動! この効果で、自分フィールドの『ロードナイト』1体を墓地へ送り、墓地へ送った『ロードナイト』と同じ属性の『イクスロードナイト』をエクストラデッキから特殊召喚する! 僕は、炎属性のヒーティを墓地へ送って、炎属性の『イクスロードナイト・デューク』を攻撃表示で特殊召喚する!」(遊太手札5→4)(遊太墓地0→2)

炎の鎧に紅いマントを身に着けた『ロードナイト・デューク』。攻撃力2800の貫通と連続攻撃持ちは厄介だ。

これには、思わず実況席も盛り上がる。

「おーっと! 遊太選手、いきなり攻撃力2800と貫通持ち、更には連続攻撃の強力モンスターを召喚した!」

「いやねえ、序盤から速攻で行く事を決めたんでしょうねえ」

「行くよ! 僕は、デュークで裏守備モンスターを攻撃! フレイムベル・セイバー!」

デュークの攻撃により、貫かれる裏守備モンスター。その裏守備モンスターは、コアラのようなモンスターであり……。

「デュークのモンスター効果発動! 守備モンスターを攻撃した時、攻撃力が守備力を上回っていれば、その分貫通ダメージを与える! デュークの攻撃力は2800! そのモンスターの守備力は……」

「『デス・コアラ』の守備力は1800だ」

「よし! 1000の戦闘ダメージを相手に与える!」

「その前に、『デス・コアラ』のリバース効果発動! このモンスターがリバースした時、相手の手札の枚数×400ポイントダメージを与える! おめえの手札は4枚、よって1600のダメージを与える!」

「えっ、ぐうっ……」(遊太ライフ8000→6400)

「こっちも1000ダメージを受けるだがよ……忘れちゃいねが? オラのフィールドの『古の森』の効果発動。このフィールド魔法が発動している間、攻撃を行ったモンスターは攻撃したバトルフェイズ終了時、破壊される!」(熊五郎ライフ8000→7000)(熊五郎墓地0→1)

「んなっ!?」

森がざわめく。デュークはそのざわめきに迷い惑う。そして、森の奥深くに飲み込まれてしまった。

「デュークが、破壊された!」(遊太墓地2→3)

「言ったろ、森で悪さすると罰が当たるって」

「……僕は、カードを2枚セットして、ターンエンド!」(遊太手札4→2)


遊太

ライフポイント6400
手札枚数2枚
モンスター0体
魔法・罠ゾーンのカード2枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数3枚
除外されているカード0枚


「速攻を決めようとした遊太選手でしたが、ここは熊五郎選手が上手く防いだ。フィールド魔法で上手く後続を防ぐことができましたね、影沼さん」

「うーん、これはねえ……フィールド魔法『古の森』がある以上、そう簡単に攻撃はできませんよ。破壊耐性持ち以外は、ことごとく破壊されてしまいますからねえ」

「ですが、それは熊五郎選手も同じこと。お互いに影響を及ぼすこのカード、どう料理していくんでしょうか?」


3・熊五郎のターン

「オラのターン、ドロー!」(熊五郎手札2→3)

「オラは、モンスターを1体セットして、ターンエンドだよ」(熊五郎手札3→2)


熊五郎

ライフポイント7000
手札枚数2枚
モンスター1体『裏守備表示』
魔法・罠ゾーンのカード1枚
発動しているカード1枚『古の森』
墓地の枚数1枚
除外されているカード0枚


4・遊太のターン

「僕のターン、ドロー!」(遊太手札2→3)

「僕は手札から、魔法カード『英雄騎士の再生術』を発動! 自分の墓地の『英雄騎士』魔法カード1枚と『ロードナイト』モンスター1体をそれぞれ手札に加える! 僕は手札に、『英雄騎士への覚醒』と『ロードナイト・ヒーティ』を手札に加える」(遊太手札2→4)(遊太墓地3→4)

「更に僕は、手札から『ロードナイト・クリスティ』を召喚! そして、クリスティの効果で、手札から『ロードナイト』を1体特殊召喚できる! 僕は『ロードナイト・クレス』を特殊召喚! そして、クレスの効果でデッキから『ロードナイト』モンスター『ロードナイト・テラ』を手札に加える!」(遊太手札4→2→3)

「そして僕は、『英雄騎士への覚醒』を発動! 水属性のクリスティを墓地へ送って、同じ水属性の『イクスロードナイト』モンスター、『イクスロードナイト・ジエス』を攻撃表示で特殊召喚!」(遊太手札3→2)(遊太墓地4→6)

関東大会決勝戦でフィニッシャーとなりかけた、氷の騎士が現れる。鋭い三又槍を持っている。

「ジエスが『英雄騎士への覚醒』で特殊召喚に成功した時、墓地から『ロードナイト』モンスターを特殊召喚できる。僕は、墓地のデュークを特殊召喚する!」(遊太墓地6→5)

「そして、ジエス以外のモンスター以外の攻撃を放棄することで、ジエスは自分フィールドの『ロードナイト』モンスターの数だけ、通常の攻撃に加えて攻撃できる! フィールドのモンスターは2体。ジエスは3回攻撃できる!」

「なるほど……モンスター1体の連続攻撃で、『古の森』の効果による破壊を最小限に抑えようという訳だな?」

「その通り、僕はジエスで伏せ守備モンスターを攻撃! アイス・シェイバー!」

伏せ守備モンスターに勢いよく攻撃を仕掛けるジエス。しかし、リバースしたモンスターはデカいハムスターであった。

「『素早いビッグハムスター』のモンスター効果発動! リバースした時、デッキからレベル3以下の獣族モンスターを、裏守備表示で特殊召喚出来るだ! オラは『子狸たんたん』を、裏守備表示で特殊召喚する!」(熊五郎墓地1→2)

「またモンスターを……でも、僕は攻撃を続ける! アイス・シェイバー!」

ジエスの攻撃で、裏守備で特殊召喚されたタヌキは破壊される。しかし……。

「『子狸たんたん』のリバース効果発動! デッキからたんたん以外の獣族・レベル2モンスター1体を特殊召喚する! オラはデッキより、『素早いモモンガ』を特殊召喚する!」(熊五郎墓地2→3)

「また……けれどもう一度攻撃だ!」

遊太はもう一度攻撃するが……。

「『素早いモモンガ』のモンスター効果発動! このモンスターが戦闘で破壊された時、ライフを1000回復するだ!」

「くっ、ライフ回復か……」

「それだけじゃねえだ。『素早いモモンガ』はその後、デッキから同名モンスターを任意の数だけ、裏守備で特殊召喚できるだよ。オラは、2体の『素早いモモンガ』を、裏守備表示で特殊召喚!」(熊五郎ライフ7000→8000)(熊五郎墓地3→4)

「また、モンスターを特殊召喚……」

「森の獣達は、1匹いると思ったら100匹はいると思えと言われただよ。その実、うじゃうじゃと出てくるだからねえ」

「……ターンエンド! このバトルフェイズ終了時、『古の森』の効果でデュークは破壊される……」(遊太墓地5→6)


遊太

ライフポイント6400
手札枚数2枚
モンスター2体『ロードナイト・クレス』(守備表示) 『イクスロードナイト・デューク』(攻撃表示)
魔法・罠ゾーンのカード枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数6枚
除外されているカード0枚


この状況を経て、実況のロベルトと影沼は語る。

「さて、モンスターの状況は遊太選手が有利ですが……どうも上手く攻め込めていませんね雄太選手は」

「フィールド魔法『古の森』は意外に厄介なフィールド魔法ですからね」

「ですが、熊五郎選手の使う獣族には、モンスターを展開するモンスターが多いですからねえ、これは厄介ですよ」

「さっきも、モンスターを減らすはずが、逆にモンスターを更に展開してしまいましたからねえ」

「さあ、どうなるのでしょうか、このデュエル!」

(さあ遊太君……ここからどんな展開を見せてくれる?)

Re: 遊戯王デュエルモンスターズEXS(イクス) ( No.234 )
日時: 2017/04/05 20:07
名前: ロード (ID: MMm5P7cR)

遊太が熊五郎に苦戦している間、遊太や菊姫を応援に来た真薄や龍矢達はというと、そのデュエルの行方をただひたすら成り行き任せに見ていた。

「うーん……遊太君、どっか苦戦していますよね。やはり全国まで来ると、簡単には勝てないんですかねえ……」

「そうだよな。龍奈が言った通り、やっぱり全国大会に弱い奴が出てくるわけがねーよな」

「ですけど……遊太君なら何とかしちゃいそうな気がする……そんな気がするんです」

「そうなのか……」

そして、何処かへ行っていた岩ノ井と鏡山が戻って来た。

「売店でポップコーンとか買ってきたけど」

「食べるッスか?」

「「食べるー!」」


5・熊五郎のターン

「オラのターン、ドロー!」(熊五郎手札2→3)

「よし……オラは『素早いモモンガ』2体を反転召喚して、手札から魔法カード『鏡写しの宝札』を発動! 自分フィールドに同名モンスターが2体表側表示でいる時のみ発動可能。その2体をリリースして、デッキから2枚ドローする! オラは『素早いモモンガ』2体をリリースして、2枚ドロー!」(熊五郎手札2→4)(熊五郎墓地6→9)

「そしてオラは、手札から魔法カード『魔獣の懐柔』を発動! 自分フィールドにモンスターがいない時、自分のデッキからレベル2以下のカード名が異なる獣族モンスターを3体、特殊召喚するだ。この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化され、エンドフェイズに自壊するだ。エンドフェイズまで、獣族以外は特殊召喚できねが」

「モンスターを、デッキから3体も!?」

「オラはデッキから、レベル2以下の『コアラッコ』『ラッコアラ』『キーマウス』を、それぞれ守備表示で特殊召喚するだよ!」(熊五郎手札4→3)(熊五郎墓地9→10)

森の中から、ラッコのようなコアラと、コアラのようなラッコ、そして尻尾が鍵のようになっているネズミが出てきた。

(3体も特殊召喚したってことは、何かしてくるはず……)

「オラは『コアラッコ』と『ラッコアラ』をリリースして、手札からレベル7モンスター『百獣王 ベヒーモス』を攻撃表示でアドバンス召喚!」(熊五郎手札3→2)(熊五郎墓地10→12)

2体の生贄で現れたのは、如何にも獣という姿の野獣! 攻撃力は2700と、かなり強い。

「『百獣王 ベヒーモス』の効果発動! このモンスターがアドバンス召喚に成功した時、リリースしたモンスターの数だけ自分の墓地から獣族を手札に加えられる! オラが手札に加えるのは、先程リリースした『コアラッコ』と『ラッコアラ』!」(熊五郎手札2→4)(熊五郎墓地12→10)

リリースしたモンスターを、すかさずサルベージするという無駄のない動き。そして……。

「オラは手札から、魔法カード『融合』を発動! 手札の『コアラッコ』と『ラッコアラ』を融合して、エクストラデッキから『コアラッコアラ』を融合召喚する!」(熊五郎手札4→1)(熊五郎墓地10→13)

融合して現れたモンスターは、コアラとラッコをそれぞれ合わせたような融合モンスター。攻撃力は2800と、かなり高い。

「オラは更に、リバースカードオープン! 罠カード『幻獣の角』を発動! 発動後、このカードは攻撃力800ポイントアップの装備カードとなる! そして、装備モンスターがモンスターを戦闘で破壊して墓地へ送った時、デッキから1枚ドローできる! オラは『百獣王 ベヒーモス』にこのカードを装備する!」

ベヒーモスに生えている角が、更に鋭く猛々しくなる。その攻撃力アップは、わりと馬鹿にできるものではない。

(……)

「更にオラは、フィールド魔法『クローザー・フォレスト』を発動するだ。このフィールド魔法の効果で、自分フィールドの獣族モンスターの攻撃力は、オラの墓地のモンスターの数×100ポイントアップするだ! 今オラの墓地にはモンスターが7体。攻撃力が700ポイントアップするだ。森にいる獣たちの怒りを買うと、恐ろしいことになるだよ」(熊五郎手札1→0)(熊五郎墓地13→14)

フィールドが怪しげな森に包まれると、ベヒーモスの攻撃力は2700から3400にアップし、『コアラッコアラ』の攻撃力は3500にアップする。

「くっ……攻撃力アップが地味に痛い……」

「更にオラは、伏せカードオープン! 『幻獣の角』! その効果で、このカードを装備カードとしてベヒーモスに装備する。その攻撃力は800アップの4200だ! 行くだよ……ベヒーモスでデュークを攻撃! ビースト・タックル!」

デュークに思いっきり体当たりを仕掛けるベヒーモス。それにより、デュークは倒されてしまう。

「ううっ……」(遊太ライフ6400→5000)(遊太墓地6→7)

「そして、罠カード『幻獣の角』の効果で、デッキから1枚ドローするだ!」(熊五郎手札0→1)

「なら僕も罠カードだ! 罠カード『英雄騎士出撃』! 戦闘・効果で『ロードナイト』が破壊された時、デッキからレベル4以下の『ロードナイト』を特殊召喚する! 僕は『ロードナイト・ルナ』を守備表示で特殊召喚する! そして、ルナのモンスター効果発動。特殊召喚に成功した時、デッキから『英雄騎士』魔法・罠カードを1枚手札に加える。僕は『英雄騎士への覚醒』を手札に加える」(遊太手札2→3)(遊太墓地7→9)

「オラは更に攻撃するだ。『コアラッコアラ』で、ルナを攻撃するだ! ブレッド・コナー!」

貝を割るように攻撃する『コアラッコアラ』の攻撃で、ルナは再び破壊される。しかし、遊太は。

「罠カード『英雄騎士の迎撃準備』を発動! 戦闘・効果で『ロードナイト』が破壊された時、デッキから守備表示で『ロードナイト』モンスターを特殊召喚できる! 僕は、デッキから『ロードナイト・ボルカ』を特殊召喚する! そして、ボルカの効果発動! 特殊召喚に成功した時、相手モンスターを1体破壊して、相手に1000ポイントダメージを与える! 僕が破壊するのは、『百獣王 ベヒーモス』!」(遊太墓地9→10)

ボルカの効果で、ベヒーモスは炎に包まれ破壊される。そして、ダメージを受ける。

「ぐうう……ただではやられないだな」(熊五郎ライフ8000→7000)(熊五郎墓地14→16)

「そうだよ。やられるわけにはいかないしね」

「オラは、カードを1枚セットして、ターンエンドだよ。このエンドフェイズ、『魔獣の懐柔』の効果で特殊召喚された『キーマウス』は破壊されるだ。それにより、フィールド魔法『クローザー・フォレスト』の効果で攻撃力が100ポイントアップして、800アップだ」


熊五郎

ライフポイント8000
手札枚数0枚
モンスター1体『コアラッコアラ』(攻撃表示)
魔法・罠ゾーンのカード2枚
発動しているカード1枚『クローザー・フォレスト』(フィールド魔法)
墓地の枚数16枚
除外されているカード0枚


そして、実況席。

「一気にモンスターを展開し、一気に攻めをかけた熊五郎選手。後続も確保するなど、準備に暇がありません」

「そうですねー、ベヒーモスのサルベージと融合で一気に攻めたてている辺り、そこらへんはしっかりしていると思うんですよね〜」

「ですが、遊太君もそう簡単にはやられていませんよ」

「まだまだ、デュエルがどうなるかはわかりませんね」


6・遊太のターン

「僕のターン、ドロー!」(遊太手札3→4)

「僕は手札から、魔法カード『英雄騎士への覚醒』を発動! 自分フィールドの『ロードナイト』、ボルカを墓地へ送って、炎属性の『イクスロードナイト・デュナス』を、攻撃表示で特殊召喚!」(遊太手札4→3)(遊太墓地10→12)

「そして僕は、1000ポイントライフを支払ってデュナスのモンスター効果発動! このカード以外のモンスターを全て破壊して、500ポイントのダメージを相手に与える! ビッグバン・バーストインパクト!」

デュナスが作り出した巨大な火球が、フィールドのモンスターをほとんど破壊する! それにより、ダメージを受ける熊五郎。

「この効果だと、自分のフィールドのモンスターも破壊されるんだけどね……」(遊太ライフ5000→4000)(遊太墓地12→13)

「ぐっ……だけど、罠カード『魂の綱』を発動! 自分のモンスターがカード効果で破壊された時、1000ライフを支払うことで、デッキからレベル4以下のモンスターを、特殊召喚できるだよ! オラは、デッキからレベル3の『ユーカリ・モール』を守備表示で特殊召喚するだ!」(熊五郎ライフ7000→6000→5000)(熊五郎墓地16→18)

「でも、僕は攻撃を続ける! 僕は、デュナスで『ユーカリ・モール』を攻撃! ドラゴンズ・ロア!」

デュナスが放った炎の竜が、『ユーカリ・モール』を破壊する。が。

「このままでは終わらねえだよ! 『ユーカリ・モール』は戦闘で破壊された時、デッキから『コアラ』と名の付くモンスターを1体、特殊召喚できるだよ……! オラは、レベル7の『ビッグ・コアラ』を攻撃表示で特殊召喚!」(熊五郎墓地18→19)

現れ出たのは、見るも巨大なコアラモンスター。攻撃力は2700と強力だが、フィールド魔法『クローザー・フォレスト』の効果で900アップする。

「やるね……僕はカードを2枚伏せて、ターンエンド!」(遊太手札3→1)


遊太

ライフポイント4000
手札枚数1枚
モンスター1体『イクスロードナイト・デュナス』(攻撃表示)
魔法・罠ゾーンのカード2枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数13枚
除外されているカード0枚


7・熊五郎のターン

「オラのターン、ドロー!」(熊五郎手札0→1)

「よし、オラは魔法カード『貪欲な壺』を発動! 墓地のモンスター5体をデッキに戻して、2枚ドロー! オラは『素早いモモンガ』3体と、『素早いビッグハムスター』、『子狸たんたん』をデッキに戻して2枚ドロー!」(熊五郎手札0→2)(熊五郎墓地19→15)

「これで、『クローザー・フォレスト』の効果は下がって攻撃力400アップになるだがよ……オラは手札から魔法カード『野性解放』を発動! フィールドの獣族・獣戦士族を1体選択! そのモンスターの攻撃力は、そのモンスターの守備力分アップするだ! 『ビッグ・コアラ』の守備力は2000。攻撃力3100から5100にアップするだよ!」(熊五郎手札2→1)(熊五郎墓地15→16)

「……!」

「行くだよ! 『ビッグ・コアラ』でデュナスを攻撃! ユーカリ・ボム!」

『ビッグ・コアラ』の巨体による体当たりが、デュナスにクリーンヒット! 大ダメージが遊太に加わる。

「ぐうっ……リバースカードオープン! 罠カード『道連れ』! 自分のモンスターが戦闘で破壊される、もしくはフィールドから墓地へ送られた時、フィールドのモンスターを1体破壊する! 僕が破壊するのは、君の『ビッグ・コアラ』!」(遊太ライフ4000→1800)(遊太墓地13→15)

デュナスは破壊されてしまうも、デュナスが破壊された場所から、黒い手が現れて『ビッグ・コアラ』を引きずり込んでしまった。(熊五郎墓地16→17)

「……やっぱりやるだね。オラは手札から、魔法カード『命削りの宝札』を発動! 手札を3枚になるようにドローして、エンドフェイズに手札を全て捨てる。このカードを発動して以降、特殊召喚できず、相手の受ける全てのダメージを0になるだ。オラはデッキから3枚ドロー!」(熊五郎手札0→3)(熊五郎墓地17→18)

「破壊されても、すかさず手札補充を重ねてくるか……」

「オラはカードを3枚セットして、ターンエンド!」(熊五郎手札3→0)


熊五郎

ライフポイント5000
手札枚数0枚
モンスター0体
魔法・罠ゾーンのカード3枚
発動しているカード1枚『クローザー・フォレスト』
墓地の枚数18枚
除外されているカード0枚


そして実況席。

「ふむ……熊五郎選手、強化カードでモンスターを破壊し、手札増強カードで場を固めましたが……」

「とは言っても、『命削りの宝札』でドローしたカードは全て墓地へ送らなくてはならない。その伏せカードが墓地送りのデメリット回避とも思えますよ」

「さあ、これに対し遊太選手はどんな攻めを見せるのか! ライフ差は遊太選手が圧倒的不利! どうやって挽回するのか!」


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