二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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遊戯王デュエルモンスターズEXS「ロックします」
日時: 2017/06/18 00:18
名前: ロード (ID: MMm5P7cR)

初めまして、アニメもカードもどっちも好きな遊戯王ファンのロードと申します。
カードもやりますが、まだそれ程詳しくないので至らない部分もあります。その辺りはご了承ください。


注意事項
1 荒らしは厳禁
2 誹謗中傷は禁止
3 アドバイスは奨励しますが、批判や文句は禁止。
4 OCGに無いオリジナルカードや、都合の良いオリジナルカード、アニメオリジナルカード等が登場します。しかも主人公がそのオリカ使いです。抵抗感のある人はスルーしてください。
5 ルールはOCG準拠ですが、時折間違えることがあるのでその時はしっかり忠告してください。
6 文章のレベルが低く、時々おかしい所があるので時折訂正することがあります。
7 遊戯王についてある程度詳しくないとわからない所があるのである程度知っておいた方が良いです。
8 更新の速度が早かったり遅かったりと、更新の速度にムラがあります。
9 ルールはマスタールール3を施行しております。


登場人物
主人公 六道遊太 >>7

一条寺菊姫・岩ノ井翔太・鏡山大地・広野真薄 >>14

榊原龍矢 榊原龍奈 >>24

影沼和希 >>56

ロベルト・フランシス >>80


ストーリー
第一話「奇跡の騎士」 >>1 >>2 >>3 >>4 >>5

第二話「ネオスに込めた思い、マウスのHEROデッキ」 >>10 >>11 >>12 >>13

第三話「ディフォーマーVS新たなイクスロードナイト」 >>15 >>16 >>17 >>18 >>19 >>20 >>21 >>22

第四話「黒き炎!真紅眼の黒竜使いのアキラ」 >>25 >>26 >>27 >>28 >>29

第五話「デュエルと強さ」 >>30 >>31 >>33 >>34

第六話「戦いの幕開け」 >>36 >>37

第七話「EとD、二つのHERO」 >>38 >>39 >>40 >>41 >>42

第八話「七色に輝くレインボー・ドラゴン」 >>43 >>44 >>45 >>46 >>47

第九話「謎のデュエリスト、Dの挑戦!」 >>48 >>49 >>50 >>51 >>52 >>53 >>54

第十話「似たもの同士?ディフォーマーVSビークロイド!」 >>57 >>58 >>59 >>60 >>61

第十一話「頑張れ、岩ノ井!勇気の究極恐獣」 >>62 >>63 >>64 >>65 >>66 >>67 >>68

第十二話「大会前夜」 >>69

第十三話「いざ、選考会」 >>70 >>71 >>72

第十四話「揺れるペンデュラムと、炎のイクスロードナイト!」 >>73 >>74 >>75 >>76 >>77 >>78

第十五話「ジュニアユース開幕!」 >>81

第十六話「侵略のエーリアンデッキ」 >>82 >>83 >>84 >>85 >>86 >>87

第十七話「浸食!グレイドルの罠」 >>88 >>89 >>90 >>91 >>92

第十八話「己の運をギャンブルに乗せて」 >>93 >>94 >>95 >>96 >>97 >>98 >>99 >>100 >>101

第十九話「電撃ビリビリ!電池メンズ」 >>103 >>104 >>105 >>106 >>107 >>108

第二十話「LITTLE HERO」 >>109 >>110 >>111 >>112 >>113 >>114 >>115

第二十一話「舐められたシード」 >>116 >>117 >>118 >>119 >>120 >>121

第二十二話「宝玉の煌めき」 >>123 >>126 >>129 >>130 >>131 >>132

第二十三話「出陣! 黄昏の忍者隊」 >>133 >>134 >>135 >>136

第二十四話「アキラの実力」 >>137 >>138 >>139 >>140

第二十五話「休憩時間」 >>141

第二十六話「ピンチ! 呪いの酸巨人」 >>142 >>143 >>144 >>145 >>146 >>147

第二十七話「合体融合! VWXYZ」 >>148 >>151 >>152 >>153 >>154

第二十八話「飛翔せよネオス! コンタクト融合!」 >>157 >>158 >>163 >>164

第二十九話「通過点」 >>169 >>172

第三十話「星騎士の輝き。英雄騎士の強き心」 >>174 >>175 >>176 >>177 >>178

第三十一話「ネオスVSパワー・ツール! 友達だから」 >>181 >>182 >>183 >>184 >>185

第三十二話「菊姫の実力」 >>186 >>189 >>190 >>191 >>192

第三十三話「虹竜と竜姫神」 >>195 >>196 >>197

第三十四話「僕が憧れたHERO」 >>203 >>204 >>205 >>206 >>207

第三十五話「菊姫とアキラ」 >>210 >>211 >>212 >>213

第三十六話「菊姫さんと僕」 >>216 >>217 >>218 >>219

第三十七話「決勝戦! 遊太VSアキラ」 >>222 >>223 >>224 >>225 >>226 >>227

第三十八話「精霊達の秘密」 >>230

第三十九話「全国大会スタート!」 >>231

第四十話「野性解放! 熊五郎のビーストデッキ」 >>232 >>233 >>234 >>235 >>236

第四十一話「超こいこい! 花の花札衛デッキ」 >>238


オリジナルカード、もしくはアニメオリジナルカードの紹介

第一話で登場したもの >>6

第三話で登場したもの >>23

第五話で登場したもの >>35

第九話で登場したもの >>55

第十四話で登場したもの >>79

第十八話で登場したもの >>102

第二十二話で登場したもの >>122


作中に出たOCGカードとオリジナル。(二十五話までは小説の中に書いてあります)

二十六話に登場したもの OCG >>149 オリジナル >>150

二十七話に登場したもの 龍矢が使用したカード >>155 江崎が使用したカードとオリジナル >>156

二十八話に登場したもの 真薄のカードとオリジナル >>167 石崎のカード >>168

二十九話に登場したもの OCG >>173

三十話に登場したもの 遊太のカードとオリジナル >>179 星野のカード >>180

三十一話に登場したもの 龍矢のカード >>187 真薄のカード >>188

三十二話に登場したもの 菊姫のカード >>193 天羽のカード >>194

三十三話に登場したもの アキラのカード >>198 龍奈のカード >>199

三十四話に登場したもの 遊太のカード >>208 真薄のカード >>209

三十五話に登場したもの アキラのカード >>214 菊姫のカード >>215

三十六話に登場したもの 菊姫のカード >>220 真薄のカード >>221

三十七話に登場したもの 遊太のカード >>228 アキラのカード >>229

お知らせ

>>200 >>237

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Re: 遊戯王デュエルモンスターズEXS(イクス) ( No.65 )
日時: 2016/05/16 10:51
名前: ロード (ID: rHtcSzQu)

さっきの岩ノ井の行動に、真薄と影沼店長が反応する。

「うんうん、特訓の成果が現れているな、『古代の機械』に対しては、最善の一手だ」

「あの時しっかり教え込んで良かったですね」

真薄は昨日の特訓を思い出す。あれは、影沼店長が岩ノ井に言った忠告である。

「良いか岩ノ井君、菊姫の主力モンスターである『古代の機械』は、殆どがバトルフェイズの間魔法・罠カードを発動出来ない強力なモンスター群だ」

「じゃ、じゃあどうすれば良いッスか…」

「答えは一つ、バトルフェイズの前に攻撃させなければ良い」

「あくまで『古代の機械』が魔法・罠の発動を封じるのは、バトルフェイズ中のみ…なら、メインフェイズで発動出来る攻撃封じカードを使えば、行動を封じることが出来る、表示形式を変更するカードもそれの代わりとして使える」

「なるほど…!」

それを思い出した真薄は、遊太に言う。

「あれだけ頑張ったんです、かなり良い所まで行ってくれるはずです」

「うん、最初あれだけ酷いデュエルをしていたけど、かなり良くなってる、行けるかもね」


3・岩ノ井のターン

「俺のターン、ドローッス!」(岩ノ井手札2→3)

「このメインフェイズに『竜脚獣ブラキオン』を反転召喚!反転召喚したブラキオンの効果で、『古代の機械巨人』を裏守備表示に変更する!」

ブラキオンがドン!と地面を揺らすと、『古代の機械巨人』はひっくり返って裏守備表示になる。

「まだまだッスよ!魔法カード『テールスイング』を発動!このカードは、自分フィールドのレベル5以上の恐竜族モンスターを対象に発動し、裏表示、もしくは選択した恐竜族のレベル以下モンスターを2体まで選び、それを手札に戻すことが出来るッス!」(岩ノ井手札3→2)(岩ノ井墓地2→3)

「ふぅん…!?」

「『テールスイング』で、裏守備表示の『古代の機械巨人』をアネゴの手札に戻すッス!」

ブラキオンが恐竜族自慢の尻尾を大きく振るうと、『古代の機械巨人』は吹っ飛ばされて菊姫の手札に戻った。

「ふむふむ…結構やるようになったじゃあないか」(菊姫手札1→2)


-------------------
『テールスイング』
通常魔法
自分フィールド上に表側表示で存在する
レベル5以上の恐竜族モンスター1体を選択して発動する。
相手フィールド上に存在する裏側表示モンスター
または選択した恐竜族モンスターのレベル未満のモンスターを
合計2体まで選択し、持ち主の手札に戻す。
-------------------


これを見て影沼店長と遊太が話す。

「店長、あのコンボは僕が教えたものですよ」

「ああ、ブラキオンの効果で全て裏守備にしたことで、レベルを気にせずあのカードを使える…よく考えたねえ」

岩ノ井は更に攻め立てる。

「俺は更に『超古代恐獣』を『大進化薬』の効果で召喚ッス!」(岩ノ井手札2→1)

恐竜というよりドラゴンに近い見た目の恐竜が召喚される、攻撃力は2700だ!

「行くッスよアネゴ!『超古代恐獣』で、プレイヤーにダイレクトアタック!」

『超古代恐獣』は口にエネルギーを溜め…それを勢い良くレーザー光線として発射した!

しかし、菊姫はというと。

「フン!対策は出来ても、根本的な戦術は変わってないみたいだね!罠発動!『神風のバリア −エア・フォース−』!」

「し、『神風のバリア −エア・フォース−』!?」

『超古代恐獣』のレーザーが、豪風のバリアによって防がれると、岩ノ井のフィールドに強力な風が吹く!その風が『超古代恐獣』と『竜脚獣ブラキオン』を巻き上げ、手札に吹っ飛ばしてしまった!

「『神風のバリア −エア・フォース−』は、相手の攻撃宣言時に発動可能!攻撃を無効にし、相手の攻撃表示モンスターを全て相手の手札に戻す!」(菊姫墓地2→3)

「や、やられたッス…!」(岩ノ井手札1→3)

「けど…カードを1枚伏せて、ターンエンドッス!」(岩ノ井手札3→2)


-------------------
『超古代恐獣』
レベル8
地属性
恐竜族 効果モンスター
攻撃力・2700 守備力・1400
このカードは恐竜族モンスター1体をリリースして
表側攻撃表示でアドバンス召喚する事ができる。
自分の墓地に存在する恐竜族モンスターが特殊召喚に成功した時、
自分のデッキからカードを1枚ドローする事ができる。
-------------------

-------------------
『神風のバリア −エア・フォース−』
通常罠
(1):相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。
相手フィールドの攻撃表示モンスターを全て持ち主の手札に戻す。
-------------------


岩ノ井

ライフポイント8000
手札枚数2枚
モンスター0体
魔法・罠ゾーンのカード2枚
発動しているカード1枚『大進化薬』
墓地の枚数3枚
除外されているカード0枚


4・菊姫のターン

「アタシのターン、ドロー!」(菊姫手札2→3)

(『古代の機械城』に、アドバンス召喚に必要なカウンターはもう乗っている、リリースしたら攻撃力アップは見込めないが…別に、これでも召喚補助には十分だしな)

「『古代の機械城』をリリースして、さっき手札に戻された『古代の機械巨人』を召喚するぜ!」(菊姫手札3→2)(菊姫墓地3→4)

「さっき機械城を破壊していれば、こんなにはならなかったはずだけど?まだまだ甘い所があるな岩ノ井!」

「ううっ…」

「更にアタシは、手札からフィールド魔法『歯車街』を発動!」(菊姫手札2→1)

デスクにフィールドが展開される。そのフィールドは、歯車で動く建物が大量に建っている街。まさに歯車街であった。

そして、そのカードが発動されたことに、危機感を感じる鏡山と岩ノ井。

「そのカードを…出すッスか!?」

「アネゴ、やっぱり本気だ!」

「ああ、本気も本気、マジだ!徹底的に叩き潰してやる…」

『歯車街』を知らない龍矢は、龍奈に質問する。

「なー龍奈、あのフィールド魔法一体何なんだ?」

「いわば『古代の機械』専用のフィールド魔法ね、このカードがある時、『古代の機械』のアドバンス召喚に必要なリリースを一体減らす事が出来るのよ」

「へえ、確かに『古代の機械巨人』とかは特殊召喚出来ないから、展開の補助をしてくれるな」

そういう所に感心する龍矢だったが、龍奈は別の効果を危惧していた。

(それだけじゃないわ、あのフィールド魔法には、もっと恐ろしい効果があった筈よ…)

これには遊太も岩ノ井が負けることを危惧する。

「店長、あのフィールド魔法は…」

「ああ、これはヤバいぞ…!」

「岩ノ井君も除去は入れてたけど…アレが出ている間は下手な除去は使えない…!」

遊太達は危惧している様子を見せているが、菊姫はそんな彼らを無視してデュエルを続ける。

「『古代の機械巨人』は、バトルフェイズの間相手は魔法・罠カードを発動出来ない!『古代の機械巨人』で攻撃をする!」

岩ノ井の場にはモンスターがおらず、伏せカードのみ。そこをついて攻撃をしようとするが。

「ま、待ったッス!攻撃の前に、罠カードを発動するッス!」

「何…?」

「罠カード『破壊輪』!このカードは相手モンスターを一体を対象とするフリーチェーンカード、対象にした表側表示モンスターを破壊して、破壊したモンスターの元々の攻撃力分のダメージを俺が受けるッス、そしてその後、受けたダメージ分のダメージを、相手に与えるッス!」

「チッ、あくまでギアゴーレムが発動制限をかけるのはバトルフェイズの間、その前に発動されちゃあ…」

「良しッス!行け!『破壊輪』!」

手榴弾が大量につけられたリングが『古代の機械巨人』の体に巻き付く。そして、『古代の機械巨人』を爆破する。

「これで、俺は3000ダメージを受けるッスけど、アネゴはモンスターを失って更にダメージを受けるッス!」(岩ノ井ライフ8000→5000)(岩ノ井墓地3→4)

「まあ、受けといてやる…!」(菊姫墓地4→5)(菊姫ライフ8000→5000)

(岩ノ井の奴、かなりメタ張りやがったな?『威嚇する咆哮』といい『破壊輪』といい…殆ど攻撃を介しないカードで攻めて来るな…)

「よし、アタシはカードを一枚伏せてターンエンド!」(菊姫手札1→0)


-------------------
『破壊輪』
通常罠(制限カード)
「破壊輪」は1ターンに1枚しか発動できない。
(1):相手ターンに、相手LPの数値以下の攻撃力を持つ
相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
その表側表示モンスターを破壊し、
自分はそのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを受ける。
その後、自分が受けたダメージと同じ数値分のダメージを相手に与える。
-------------------


菊姫

ライフポイント5000
手札枚数0枚
モンスター0体
魔法・罠ゾーンのカード1枚
発動しているカード1枚『歯車街』(フィールド魔法)
墓地の枚数5枚
除外されているカード0枚

Re: 遊戯王デュエルモンスターズEXS(イクス) ( No.66 )
日時: 2016/05/16 10:55
名前: ロード (ID: rHtcSzQu)

5・岩ノ井のターン

「俺のターン、ドローッス!」(岩ノ井手札2→3)

(今、アネゴの場にはモンスターはいない、伏せカードが気になるッスけど…今ここで攻めなければ駄目ッス!)

「『大進化薬』の効果で、『超古代恐獣』を攻撃表示で召喚するッス!」(岩ノ井手札3→2)

「更に俺は、『キラーザウルス』の効果を発動!このカードを手札から捨てて、デッキから『ジュラシックワールド』を手札に加えるッス!そして、手札から『ジュラシックワールド』を発動するッス!」(岩ノ井墓地4→5)(岩ノ井手札2→1)

すると、歯車街で包まれていた岩ノ井のフィールドが、急に熱帯のフィールドとなる。

「この効果で、恐竜族モンスターの攻撃力・守備力は300アップする!」(超古代恐獣攻撃力2700→3000)

「……」


-------------------
『キラーザウルス』
レベル4
地属性
恐竜族 効果モンスター
攻撃力・1800 守備力・1100
このカードを手札から墓地へ捨てて発動できる。
デッキから「ジュラシックワールド」1枚を手札に加える。
-------------------

-------------------
『ジュラシックワールド』
フィールド魔法
フィールド上に表側表示で存在する恐竜族モンスターは
攻撃力と守備力が300ポイントアップする。
-------------------


「行け『超古代恐獣』!アネゴに…ダイレクトアタック!」

ここぞと言わんばかりに攻撃を仕掛けようとする岩ノ井!決まれば大ダメージだ!

だが!

「悪いが、ここで罠カードを発動!」

「や、やっぱり!」

「おっと、モンスターを破壊する罠じゃあねえぞ?」

「罠カード『邪神の大災害』!」

「じゃ、『邪神の大災害』!?」

フィールド上に、黒い嵐が巻き起こる!

「この罠カードは、相手の攻撃宣言時発動!フィールド上の全ての魔法・罠カードを破壊する!コイツで全てのカードを破壊するぜ!」


-------------------
『邪神の大災害』
通常罠
(1):相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。
フィールドの魔法・罠カードを全て破壊する。
-------------------


黒い嵐はフィールドの『歯車街』・『ジュラシックワールド』・『大進化薬』を全て破壊しつくした!(岩ノ井墓地5→7)(菊姫墓地5→7)

「でもアネゴ!それじゃあ俺の『超古代恐獣』の攻撃は…!」

「確かに、これだけじゃあお前の攻撃は防げない、だが岩ノ井、アタシが破壊したカードを良く見てみな!」

「ま、まさか…!」

この戦術を見て、影沼店長と遊太が勘づく。

「店長、あのコンボは…!」

「ああ、『古代の機械』では最重要のカードと言われている『歯車街』…それはただ『古代の機械』のリリースを少なくするだけじゃない、その真価は…破壊される事で発揮する!」

自分のカードまで破壊した菊姫は、高らかに宣言する!

「『歯車街』の効果発動!このカードが破壊された時、手札・デッキ・墓地より『古代の機械』モンスターを特殊召喚出来る!」

「な、何!?けどアネゴ、アネゴの『古代の機械巨人』は特殊召喚が…」

「全く早とちりは困るな、アタシのデッキには、特殊召喚できる最上級の『古代の機械』がある!」

壊れた機械の街、その瓦礫の中に、何かががうごめいていた。

「デッキより出ろ!『古代の機械巨竜』!アタシのデッキの中で二番目に強いモンスター!」

瓦礫の中から瓦礫を吹っ飛ばして出てきた、機械の龍。しかしそれは、龍矢の『パワー・ツール・ドラゴン』とは違い、歯車がむき出しかつボロボロの翼を持つ機械竜であった。

「こ、攻撃力3000!」

「コイツも魔法・罠封じを持つカード、そしてもう3つくらい効果があった筈だが…今はいいや」


-------------------
『歯車街』
フィールド魔法
「アンティーク・ギア」と名のついたモンスターを召喚する場合に
必要なリリースを1体少なくする事ができる。
このカードが破壊され墓地へ送られた時、自分の手札・デッキ・墓地から
「アンティーク・ギア」と名のついたモンスター1体を選んで特殊召喚できる。
-------------------

-------------------
『古代の機械巨竜』
レベル8
地属性
機械族 効果モンスター
攻撃力・3000 守備力・2000
このカードが攻撃する場合、相手はダメージステップ終了時まで魔法・罠カードを発動できない。
このカードの召喚のためにリリースしたモンスターによって以下の効果を得る。
●グリーン・ガジェット:このカードが守備表示モンスターを攻撃した時、
その守備力を攻撃力が超えていれば、その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。
●レッド・ガジェット:このカードが相手ライフに戦闘ダメージを与えた時、
相手ライフに400ポイントダメージを与える。
●イエロー・ガジェット:このカードが戦闘で相手モンスターを破壊した場合、
相手ライフに600ポイントダメージを与える。
-------------------


「ば、バトル終了!ターンエンドッス!」


岩ノ井

ライフポイント5000
手札枚数1枚
モンスター1体『超古代恐獣』(攻撃表示)
魔法・罠ゾーンのカード0枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数7枚
除外されているカード0枚


6・菊姫のターン

「アタシのターン、ドロー!」(菊姫手札0→1)

「ふむ…じゃあ行くぜ!手札より、魔法カード『強欲で貪欲な壺』を発動!」

「ええっ!?ドローッスか!?」

「その通り!デッキの一番上から10枚裏側除外でカードを除外することで、デッキより2枚ドロー!」(菊姫墓地7→8)(菊姫除外0→10)(菊姫手札0→2)


-------------------
『強欲で貪欲な壺』
通常魔法
「強欲で貪欲な壺」は1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分のデッキの上からカード10枚を裏側表示で除外して発動できる。
自分はデッキから2枚ドローする。
-------------------


これを見て、遊太は店長に言う。

「でも店長、10枚除外なんてちょっとリスキーすぎるんじゃないですか?」

「まあまあ、今の時代10枚も除外しなきゃタダで2枚ドローなんて許されないのさ」

「そうかな…?」

店長の言葉にも耳を貸さずに菊姫は続ける。

「更にアタシは更に『歯車街』を発動!これにより、手札の『古代の機械獣』を、生贄無しで召喚!」(菊姫手札2→0)

歯車むき出しの犬のようなマシーンが召喚される。攻撃力は2000と中々である。


-------------------
『古代の機械獣』
レベル6
地属性
機械族 効果モンスター
攻撃力・2000 守備力・2000
このカードは特殊召喚できない。
このカードが戦闘によって破壊した相手効果モンスターの効果は無効化される。
このカードが攻撃する場合、
相手はダメージステップ終了時まで魔法・罠カードを発動できない。
-------------------


「行くぞ!まずは『古代の機械巨竜』で、『超古代恐獣』を攻撃!ギガント・パウンド!」

機械巨竜の体当たりが『超古代恐獣』に直撃する!ぶつかった『超古代恐獣』は、あっという間に倒される…。

「ぐぅっ!」(岩ノ井ライフ5000→4700)(岩ノ井墓地7→8)

「そして『古代の機械獣』でダイレクトアタック!プレシャス・ファング!」

機械の獣による噛みつき攻撃が見事にクリーンヒット!2000の重い一撃が決まる…。

「うう…!」(岩ノ井ライフ4700→2700)

「アタシは、これでターンエンド」
 

菊姫

ライフポイント5000
手札枚数0枚
モンスター2体『古代の機械巨竜』(攻撃表示)『古代の機械獣』(攻撃表示)
魔法・罠ゾーンのカード0枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数8枚
除外されているカード10枚

Re: 遊戯王デュエルモンスターズEXS(イクス) ( No.67 )
日時: 2016/05/16 10:58
名前: ロード (ID: rHtcSzQu)


「岩ノ井君…追い詰められたね」

「ああ遊太君、今岩ノ井君の手札にあるのは『竜脚獣ブラキオン』のみ、よっぽど良いカードを引けないと、負けは確定だね」

「影沼店長、ホントに岩ノ井さん大丈夫なんですか?」

「心配ないさ真薄君、ここで良いカードが引ければ良いんだから」

「心配ですよ…」


7・岩ノ井のターン

「俺のターン!」

(ここで…ここで良いカードが引けたら良いッス…!『竜脚獣ブラキオン』だけじゃ、どうしようもないッス!)

(そうしないと俺…アネゴと一緒に大会に出れないッス!一緒に大会に出て、恩返しとしてアネゴに見みてもらいたいッス!俺の、成長した姿を!)

こんなことを思い、岩ノ井は昔のことを思い出す。


俺は昔、デュエルモンスターズのカードを拾ってからデュエルを始めた。

そして、その拾ったカードは恐竜族のカードであり、俺はそのカッコよさに惹かれて恐竜族をメインとしたデッキを使うようにした。

始めたのは良かっただけど、俺は毎日のように負けまくっていた。

今時恐竜族なんて、って声が相手から聞こえていた…けど、俺は大好きな恐竜族を扱えて楽しかった。

しかし、そんな俺に災難が降りかかる。

「うわああ!」

「ぐひゃひゃ!恐竜族なんて弱いカード使ってるからこんなになるんだぜ!」

「さあ、負けたならレアカードよこしな!」

「ああっ!返して!俺のダイナソーカードをー!」

その日は、なんとレアカードを強奪されそうになっていた…。

よってたかって俺のデッキを奪い、中身を見ていた。

「カスみたいなカードばっかりだけど、一部レアが混じっているな、この3枚を貰って行くか!」

「ああ!それだけは〜!」

レアカードを奪われそうになった時、俺に奇跡が起こったんだ。

「ちょおっと待てい!」

一人の女の声が聞こえた。気の強そうな声で、デッキを奪った奴らがビビる。

「弱い物イジメでカード奪うなんて、コイツは滅茶苦茶許せん」

「誰だお前!」

「アタシは一条寺菊姫、ここいらじゃちょっとは名の知れたデュエリストだぜ?」

「き、菊姫だと!?面白い!デュエルだあ!」

そう、それが俺とアネゴの最初の出会いだった。

「アルティメット・パウンド!」

「ぐあああ!」

「よーし!アタシが勝ったからには、奪ったレアカード全部返しな!」

「ひえーっ!」

そうして、アネゴは俺にレアカードを返してくれた。

「たまにああいうのがいるんだ、お前も用心しときな」

「は、はい…」

「あ、それと…これ、お前のデッキに使えそうだからやる」

「こ、これって恐竜族最強レアカードの『究極恐獣』!?良いんすか!?こんなカード俺にくれて!」

「お前の恐竜族にはまだまだパンチが足りないからな、コイツがいればなんとかなるだろ、じゃあな」

助けてくれただけじゃなくて、まさか最強レアカードをくれるなんて。

俺はその姿に…アネゴのカッコよさに惚れてしまったッス…。

「あ、あの!」

「ん?なんだ?」

「アネゴって呼ばせてくださいッス!」

こうして、俺はアネゴと一緒になったッス…。


(それ以降、アネゴについてまわったッスけど、そこでも勝率はイマイチ…)

(アネゴに怒られたり殴られたりしながらも、一緒にやってきたッス…でも、成長してないって何度も言われたッス…)

(でも、俺だって成長してるッス!昨日店長に色々しごいてもらったり、遊太君や真薄君にカードの調整してもらったり…)

(それに、ずっとデッキの調整や戦術を自分なりに考えて来たッス!)

(だから、これに勝ってアネゴと一緒に大会で戦うッス!)

「ドロー!」(岩ノ井手札1→2)

(よし!まだ俺にはチャンスがあるッス!)

「手札より、魔法カード『トレード・イン』を発動!手札のレベル8モンスターを捨てて、2枚ドローするッス!」

「岩ノ井、ここでそれを引いてくるか…」


-------------------
『トレード・イン』
通常魔法
(1):手札からレベル8モンスター1体を捨てて発動できる。
自分はデッキから2枚ドローする。
-------------------


「『竜脚獣ブラキオン』を捨てて、2枚ドロー!」(岩ノ井墓地8→10)

ドローしたカードを見て、岩ノ井は驚く。

(こ、このカードは!?ここで、これがくるッスか…!けど、これじゃあ次のターン…けどこれで、なんとかなるッス!)

「手札より、フィールド魔法『死皇帝の陵墓』を発動!このカードは、モンスターのアドバンス召喚に必要な数×1000ポイントライフを払うことで、お互いにリリース無しで召喚出来るッス!」(岩ノ井手札2→1)

「何!岩ノ井お前…そこでそんなカードを引いて来るか!?」

「ライフを2000支払うことで、手札よりレベル7以上のモンスターをリリース無しでアドバンス召喚!」(岩ノ井ライフ2700→700)

「出ろ!俺の最強モンスター『究極恐獣』!」(岩ノ井手札1→0)

岩ノ井が召喚したのは、まるで羽根の無いドラゴンのような恐竜!見た目からして強靭である。


-------------------
『死皇帝の陵墓』
フィールド魔法
お互いのプレイヤーは、アドバンス召喚に必要な
モンスターの数×1000ライフポイントを払う事で、
リリースなしでそのモンスターを通常召喚できる。
-------------------

-------------------
『究極恐獣』
レベル8
地属性
恐竜族 効果モンスター
攻撃力・3000 守備力・2200
-------------------


これを見て、菊姫は感心する。

「へえ、やるじゃん…ここでそのモンスターを出せるとは、やるもんだねぇ!攻撃力3000の、アタシがお前にあげたカードとは!」

そして、これを見て遊太達も感心する。

「出た!岩ノ井の最強カード!」

「ここで切り札を出せるとは…やっぱり成長しています!」

「確かにこれは褒められるべきことだ…けど『究極恐獣』は、デメリットを持っていたはず…」

「でも…良いんじゃないですか?これならなんとか出来そうですよ!」

「まあね」

『究極恐獣』を召喚した岩ノ井は、ここで一気に畳みかける!

「『究極恐獣』で『古代の機械獣』を攻撃!アブソリュート・バイトォォォ!」

『究極恐獣』が『古代の機械獣』を粉々に破壊する!(菊姫ライフ5000→4000)(菊姫墓地10→11)

「更に『究極恐獣』の効果発動!このモンスターは相手フィールドのモンスター全てに攻撃しなければいけない!俺は『究極恐獣』で『古代の機械巨竜』に攻撃ッス!喰らえー!」

二度目の攻撃が機械巨竜に襲い掛かる!しかし、機械巨竜も負けじと反撃し、お互いに破壊されてしまった…。(岩ノ井墓地10→11)(菊姫墓地11→12)

「自爆特攻…か」

「『究極恐獣』は、相手モンスターに1回ずつ攻撃出来るッス…だけど、攻撃出来るなら必ず攻撃しなければならないカード、例え相手モンスターの攻撃力が高くても…」


-------------------
『究極恐獣』
レベル8
地属性
恐竜族 効果モンスター
攻撃力・3000 守備力・2200
自分のバトルフェイズ開始時にこのカードが
フィールド上に表側表示で存在する場合、このカードから攻撃を行い、
相手フィールド上に存在する全てのモンスターに1回ずつ
続けて攻撃しなければならない。
-------------------


「けどこれで…」

「これでアタシもお前も、手札とフィールドにモンスターは無し…次のドローで全てが決まるな」

「お互いに、次のドローで全てが決まるッス!俺は…ターンエンドッス!」


岩ノ井

ライフポイント700
手札枚数0枚
モンスター0体
魔法・罠ゾーンのカード0枚
発動しているカード1枚『死皇帝の陵墓』(フィールド魔法)
墓地の枚数11枚
除外されているカード0枚

Re: 遊戯王デュエルモンスターズEXS(イクス) ( No.68 )
日時: 2016/05/16 11:00
名前: ロード (ID: rHtcSzQu)

8・菊姫のターン

(あの状況で『究極恐獣』で攻撃出来るとはな…普通だったら、手札が無いのと伏せカードも無いのが怖くて自爆特攻出来るもんじゃあない)

(けど、岩ノ井はあそこで勇気を持って攻撃してきた…その勇気、褒めてやるぜ!)

「アタシのターン」

外野の遊太達は戦々恐々とする。何故なら。

「ここでモンスターを引かれたら…岩ノ井君の負けですよね、店長」

「上級モンスターでも同じ、岩ノ井君が自分で貼った『死皇帝の陵墓』は相手にも影響がある、菊姫はリリース無しで上級モンスターを召喚出来る…ライフなら4000もあるしね」

「岩ノ井さん…なんとか耐え凌いでください!」

「ドロー!…チッ!」(菊姫手札0→1)

ドローしたカードを見て舌打ちする菊姫。

「カードを一枚伏せてターンエンド」(菊姫手札1→0)

これを見て、遊太達はほっとする。

「なんとか耐え凌ぎましたね!」

「ああ、だが岩ノ井君も…次にモンスターを展開出来なければお終いだ…」

「ここ一番の引きが…勝負を左右しますね!」


菊姫

ライフポイント4000
手札枚数0枚
モンスター0体
魔法・罠ゾーンのカード1枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数12枚
除外されているカード枚


9・岩ノ井のターン

(ここで、良いモンスターを引ければ…あるいは…ここでなんとか蘇生出来るカードを引ければ!)

「俺のターン…ドロー!」(岩ノ井手札0→1)

岩ノ井が引いたカードを見てみると、それは…!

「こ、これは…!アネゴ、今このカードを使うッス!」

「ん?」

「魔法カード『死者蘇生』を発動!自分、もしくは相手の墓地のモンスターを1体、特殊召喚出来るッス!」(岩ノ井手札1→0)


-------------------
『死者蘇生』
通常魔法(制限カード)
(1):自分または相手の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。
-------------------


「ここでそのカードを引くのかよ…!やるな、岩ノ井…!」

「俺は…自分の墓地の『究極恐獣』を攻撃表示で特殊召喚するッス!そして攻撃!アブソリュート・バイト!」

攻撃力3000の直接攻撃が、菊姫を襲う!その攻撃は、まさにパワフルな恐竜の如し!

「く…」(菊姫ライフ4000→1000)

「アネゴ…これが俺の成長の証ッス!ターンエンドッス!」


岩ノ井

ライフポイント700
手札枚数0枚
モンスター1体『究極恐獣』(攻撃表示)
魔法・罠ゾーンのカード0枚
発動しているカード1枚『死皇帝の陵墓』(フィールド魔法)
墓地の枚数11枚
除外されているカード0枚


この状況を作り出した岩ノ井に、遊太達は嬉しそうな声を上げる。

「よし!これで菊姫も『死皇帝の陵墓』の効果を使えなくなりましたね店長!良いぞ、岩ノ井!」

「次のドローフェイズでモンスターを引けなければ殆ど負けが決まる…」

「次の菊姫のドローに全てが掛かっていますね!岩ノ井さんも、凄く頑張ってますよ!」

これを見て、審判をしている鏡山も驚く。

「岩ノ井がここまでアネゴを追い詰めるなんて…よっぽど腕を上げたんだな、岩ノ井…かなりやるようになったな…!」

そして、デュエルが始まってから殆ど喋っていない龍矢と龍奈も。

「凄いぜ岩ノ井の奴!あそこまで菊姫を追い詰めるなんてよ!」

「夕べ、何かあったのかしら…」


10・菊姫のターン

「アタシのターン、ドロー!」(菊姫手札0→1)

ドローしたカードを見て、菊姫はニヤッとする。

「岩ノ井、ここまでよくアタシを追い詰めた、ああ見えてお前も色々頑張っていたんだな…」

「だがここまでだ、この勝負、アタシの勝ちだ!」

「ええっ!?」

「お前と同じカードを引いちまったからな…手札より『死者蘇生』を発動!アタシの墓地から『古代の機械巨竜』を攻撃表示で特殊召喚する!」

機械巨竜がまた召喚される、しかし、互いに攻撃力は3000。

「アネゴ、『究極恐獣』と攻撃力が同じ『古代の機械巨竜』じゃ、相打ちになるだけじゃあないッスか…」

「だーかーら!早とちりは困るって言ってるだろ!伏せカードオープン!『リミッター解除』!フィールドの機械族モンスターの攻撃力を全て2倍にする!」(菊姫墓地12→13)

「ま、まさかそんなカードを伏せていたなんて!」

機械巨竜はリミッターが解除され、暴走する。暴走した機械巨竜は攻撃力が2倍に跳ね上がる!(古代の機械巨竜攻撃力3000→6000)

「あ、ああ…!」 

「『古代の機械巨竜』で、『究極恐獣』を攻撃!ギガント・パウンド!」

暴走する『古代の機械巨竜』の体当たりが『究極恐獣』を直撃する!

「ぐあああ!」(岩ノ井ライフ700→0)

「…アタシの勝ちだな」


岩ノ井は菊姫を後一歩の所まで追い詰めたものの、寸での差で負けてしまった。

「あ、アネゴ…俺の…負けッス…」

負けを認め、項垂れている岩ノ井に、菊姫は腕組みをして見ているだけである。

それを、遊太達は黙って見ているだけである。

そして、菊姫がやっと口を開く。

「お前、どこであの戦術覚えた?」

「え…?」

「だから、何処であの戦術覚えたのかって聞いてる」

岩ノ井はここで自分が考えた…とは言えず、正直に答える。

「じ、実は…真薄君や遊太君、店長に特訓してもらって出来たコンボッス…」

「あ、そう?そうなのかい」

「で、でも…俺の負けッス…大会への出場は…駄目ッスよね…」

「…昨日までのお前だったらな」

「え?」

予想外の返答に、素っ頓狂な声を上げる岩ノ井。

「昨日までだったら、お前はアタシにそのまんま出場停止を言い渡してたかもしれねえ、けどさ、お前遊太の受け売りな筈なのに、自然にコンボ出来てたよな?」

「ほえ?」

「友人の力があったとはいえ、お前は紙束だったあのデッキをあそこまで強化した」

「更には、猪突猛進な攻撃だったとはいえ、コンボを絡めたデュエルをした」

「その戦術やデッキから、お前の熱意が大分伝わって来た、絶対にアタシに認めさせたいって思っていた…」

「あ、アネゴ…」

「それらが含んだデュエルから、お前は大会に出ても問題無いって、アタシは判断した」

「て、てことは!?」

「ああ、出場停止命令は取り下げだ」

「ほ、ホントッスか!?」

「ああ、ホントだ」

「や、やったッスー!」

思いっきり喜びをぶちまける岩ノ井。自分が尊敬する相手から認めてもらえたということから、相当嬉しさがにじみ出ているのだろう。

これには思わず遊太達も顔が綻ぶ。

「じゃあ、お前達、頑張ろうな!明日の大会!」

「おーっ!」

岩ノ井が出場停止命令を解除され、岩ノ井も共に出場出来るようになったことを喜ぶメンバー達。

「じゃあ、今日は解散、各自明日の大会に向けて、しっかりデッキ調整しておくこったな!」

「うんっ!」

菊姫の号令によって遊太達は一斉に自宅に帰って行く。

そして、遊太は家に変える途中に思う。

「皆も、岩ノ井も成長している…僕だって、皆と一緒に成長してきた、だから、僕も大会で…優勝を目指す!」

遊太は決意を新たにして、家に帰って行った。

第十一話。終わり。

Re: 遊戯王デュエルモンスターズEXS(イクス) ( No.69 )
日時: 2016/05/16 18:32
名前: ロード (ID: 0llm6aBT)

第十二話「大会前夜」


岩ノ井が出場停止命令を菊姫によって解除され、気兼ねなく大会に出場することが出来るようになった遊太達。

この2習慣の間特訓してきた遊太達は、以前よりもかなり実力が上がっており、大会への出場準備は万全であった。

そして、大会が明日に迫った夜。彼らは何をしているかというと……。



まず、岩ノ井はというと。

自分の部屋でひたすらデッキいじりをしており、大会に向けて少しでもデッキが良くなるように調整していた。

「アネゴに認められたのは良いッスけど…正直言ってまだまだッス!だから…ちょっとでも多く勝てるようにデッキを練り直してみるッス」

「アネゴについている身として、せめてベスト8には入ってみせるッス!」

「ウオー!やるッスよー!」

といった具合に闘志を滾らせていた。



鏡山はというと。

机でカードを広げて、デッキを組み直していた。

「今回の大会、出場するデュエリストを選考するだけあって、今まで以上の激選が予想される…」

「だからこそ、こうやってあらゆる状況に対応出来る罠や魔法を入れる事で、どんな状況にも耐えられるようになるはず…」

「…あの岩ノ井がアネゴ相手にあそこまでやったんだ、俺もやらなきゃ男がすたる!」

「よし!」

岩ノ井と同じように決意を固めていた。



菊姫はというと。

ベッドに横になりつつ考え事をしていた。

「まさか岩ノ井があそこまでやるようになっていたとはな、正直驚いた」

「いや、岩ノ井だけじゃねえか、鏡山も、真薄も、榊原兄妹も…」

「特に、遊太の伸びっぷりは異常だ、まるでアニメの主人公みたいな凄腕っぷり、恐ろしいな…」

「…つくづく凄い奴を友達にしちまったもんだ、けど…」

ベッドの近くにある机から、自分のデッキを取り、中身を確認する。

菊姫のデッキは、菊姫自慢の『古代の機械』デッキ。中でも『古代の機械巨人』がキラリと光る、上級者向けのデッキだ。

「大会で当たったら、友達でも容赦はしねえ、アタシが勝つだけさ」

デュエルの心構えを胸に宿し、夜を過ごしていた。



真薄はというと。

自分の机でデッキを再確認しながら、物思いにふけっていた。

「明日は初めての大会だ、凄く…ドキドキするな…」

大会だから大勢の人が来るだろう、それに、出てくる人も相当な強さを持っているに違いない。

しかし、真薄は意外と緊張していなかった。何故なら。

「でも、勇気だったら…不思議とワクワクしちゃうんだろうな… 今の僕みたいに」

そう、今の真薄のドキドキは、緊張からのドキドキではなく、ワクワクの心で満ちていた。

始めての大会。一体どんな人がいるのか、楽しみになっていた。

まるで、自分が好きなアニメの主人公、遊戯王DXの上代勇気のように。

「ねえネオス、僕…大会でHEROになれるかな?」

真薄が独り言のように呟いた、その時。

(ああ、なれるさ…きっとな)

真薄の脳内に、そんな声が聞こえたような気がした。真薄はキョロキョロ部屋を見渡すが、誰もいない。

自分の目の前で、デッキから『E・HERO ネオス』のカードがチラリと見えているだけである。

「…まあ、別にどうってことないよね」

真薄はデッキをしまい、部屋を出た。



榊原兄妹はというと。

「龍矢ー!お風呂上がったわよ、龍矢も入りなさーい!」

兄妹二人の部屋の前で、大声を上げる龍奈。しかし、返答は無い。

「龍矢!いい加減お風呂入りなさ…ちょっと何しているの龍奈!?」

「あ、龍奈…ちょっとね」

ドアを開けて部屋に入った龍奈が見たのは、部屋の床にバラバラに置いていたカードを、めくろうとしていた龍矢であった。

「何って…引きの訓練さ、どんなカードを引けるかがカギだからね〜」

「もう!そんなことやってる暇があったら、さっさとお風呂に入って明日に備えなさい!」

「うう…わかったよお…」

「そういうことしたくなる気持ちはわかるわ、けど、そんなことするより、自分のデッキを信じる方が良いでしょ?」

「うんわかった、明日に備えて今は休むよ」

「そういうこと、じゃあ、早く寝ましょうね」

兄妹の営みをしていた二人。その絆は、確かである。



そして、遊太はというと。

「明日は大会かあ…僕、ああいうの初めてなんだよな、いろいろやりたいことあるし、それに…」

遊太は自分の『ロードナイト』のデッキを見る。

「あのフランシスさんに、聞きたいことが沢山あるから…」

そう、遊太は何故、あの高名なカードデザイナーのロベルト・フランシスさんが自分に『ロードナイト』達を渡したのか、聞きたいからであった。

「けど、今はそれよりも…色んな人とデュエルがしてみたい!大会だからこそ出会える、いろんなデュエリストに!」

「くーっ!燃えて来た!明日が随分楽しみになってきたぞ!」

部屋で一人で盛り上がっていた。明日のデュエルが、楽しみで楽しみで仕方ないようだ。

実際、バトルアリーナでのデ特訓ュエルも楽しんでいた遊太にとって、大会はこれ以上ない程楽しみなものであった。

とは言っても、皆は殆どその様子を見ていないが…。

「さて、明日に備えて今日は…寝るぞおぉぉぉ!」

既に風呂に入っていた遊太は、そのままベッドに入って寝てしまった。

だが。

「…ワクワクして、寝れないな…」

そう思いながら夜を過ごしていた。



「遊太…遊太…!」

心地良く眠っていた遊太の耳に、声が聞こえる。

声はどんどん大きくなり、それにより遊太は目を覚ます。

「あれ、ここは…」

目を開けた遊太が目にしたのは、全てが白に包まれた、何も無い世界であった。

「あ、あれ…そういえば、前にもこんな夢を見た事があるような…」

遊太は謎の既視感を感じる。

すると、白の向こう側から、ガチャリガチャリと音が聞こえた。向こう側から、人のような誰かがこっちに来ているようだ。

そして、遊太の目の前に現れたのは…。

「や、やっぱり…『イクスロードナイト』!?」

イクスロードナイト達は、遊太の目の前に現れると同時に、遊太に話しかける。

だが、そのイクスロードナイト達は、遊太がまだ実際に召喚していないモンスターであった。

まず、蒼い鎧を身に纏い、雪の結晶のような盾を持つ騎士が話しかける。

「遊太君…君は明日の戦いへと向かって行くのだな…」

「…戦いって大会のこと?」

イクスロードナイト達に、恐る恐る話しをしてみる遊太。

「そう、数々のデュエリストが戦う、戦場へと向かって行くのだ」

次に、ドラゴンのような騎士が遊太に話しかける。

「心配するな、その時は俺が奴らを一網打尽にしてやる、イクスロードナイトの荒ぶる飛竜と言われたこのデュナスにかかれば、他の奴らなんてイチコロよ」

その言葉に、赤い炎を身に纏っているような鎧の騎士が言う。

「デュナス…その油断が命取りだぞ」

それを聞いて、獣のような鎧の騎士が言う。

「デュークの言う通りだ、力押しの戦術では絶対ロクな事にはならん」

それに横槍を入れるかのように桃色の鎧を身に纏い、胸に薔薇の花を刺している騎士が言う。

「私の華麗なる薔薇剣術にて、敵を美しく蹴散らしてやろう!ラララ〜〜♪」

…というか、全然話と噛み合ってないことを口走っている。

「ローズ、お前と言う奴は…」

各々が勝手に話を進めるので、纏めにかかる獣のような騎士。

「ともかく遊太、お前は自分の知りたいこと、そして自分のワクワクの為に戦いへと向かって行くのだな?」

「うん」

「なら、悔いを残すな、自分の出来る最大限を、やってみせるのだ」

「言われなくても、そのつもりだけど?」

「だからこそ、最大限をやるのだ」

「うん、わかってる…けど、君達は何者なの?わざわざ僕の前に現れたりして…」

「…我々の正体はいずれわかる…いずれな…」

そう言うと同時に、白い光が満ちていく。目を開けていられないぐらいに…!

「この光…またか!」

光へと包まれた遊太は、そのまま眠りについてしまった。



「ん…朝だ…」

窓から差し込む朝日が、遊太の目を覚まさせる。

「なんか、以前見たような夢を見た気がするけど…まあいっか!」

「そうだ!今日は大会の日!」

「よーし!早速、行くぞー!」

遊太は朝ごはんを食べた後、デッキを持って駆け出して行った。

第十二話。終わり。


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