二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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遊戯王デュエルモンスターズEXS「ロックします」
日時: 2017/06/18 00:18
名前: ロード (ID: MMm5P7cR)

初めまして、アニメもカードもどっちも好きな遊戯王ファンのロードと申します。
カードもやりますが、まだそれ程詳しくないので至らない部分もあります。その辺りはご了承ください。


注意事項
1 荒らしは厳禁
2 誹謗中傷は禁止
3 アドバイスは奨励しますが、批判や文句は禁止。
4 OCGに無いオリジナルカードや、都合の良いオリジナルカード、アニメオリジナルカード等が登場します。しかも主人公がそのオリカ使いです。抵抗感のある人はスルーしてください。
5 ルールはOCG準拠ですが、時折間違えることがあるのでその時はしっかり忠告してください。
6 文章のレベルが低く、時々おかしい所があるので時折訂正することがあります。
7 遊戯王についてある程度詳しくないとわからない所があるのである程度知っておいた方が良いです。
8 更新の速度が早かったり遅かったりと、更新の速度にムラがあります。
9 ルールはマスタールール3を施行しております。


登場人物
主人公 六道遊太 >>7

一条寺菊姫・岩ノ井翔太・鏡山大地・広野真薄 >>14

榊原龍矢 榊原龍奈 >>24

影沼和希 >>56

ロベルト・フランシス >>80


ストーリー
第一話「奇跡の騎士」 >>1 >>2 >>3 >>4 >>5

第二話「ネオスに込めた思い、マウスのHEROデッキ」 >>10 >>11 >>12 >>13

第三話「ディフォーマーVS新たなイクスロードナイト」 >>15 >>16 >>17 >>18 >>19 >>20 >>21 >>22

第四話「黒き炎!真紅眼の黒竜使いのアキラ」 >>25 >>26 >>27 >>28 >>29

第五話「デュエルと強さ」 >>30 >>31 >>33 >>34

第六話「戦いの幕開け」 >>36 >>37

第七話「EとD、二つのHERO」 >>38 >>39 >>40 >>41 >>42

第八話「七色に輝くレインボー・ドラゴン」 >>43 >>44 >>45 >>46 >>47

第九話「謎のデュエリスト、Dの挑戦!」 >>48 >>49 >>50 >>51 >>52 >>53 >>54

第十話「似たもの同士?ディフォーマーVSビークロイド!」 >>57 >>58 >>59 >>60 >>61

第十一話「頑張れ、岩ノ井!勇気の究極恐獣」 >>62 >>63 >>64 >>65 >>66 >>67 >>68

第十二話「大会前夜」 >>69

第十三話「いざ、選考会」 >>70 >>71 >>72

第十四話「揺れるペンデュラムと、炎のイクスロードナイト!」 >>73 >>74 >>75 >>76 >>77 >>78

第十五話「ジュニアユース開幕!」 >>81

第十六話「侵略のエーリアンデッキ」 >>82 >>83 >>84 >>85 >>86 >>87

第十七話「浸食!グレイドルの罠」 >>88 >>89 >>90 >>91 >>92

第十八話「己の運をギャンブルに乗せて」 >>93 >>94 >>95 >>96 >>97 >>98 >>99 >>100 >>101

第十九話「電撃ビリビリ!電池メンズ」 >>103 >>104 >>105 >>106 >>107 >>108

第二十話「LITTLE HERO」 >>109 >>110 >>111 >>112 >>113 >>114 >>115

第二十一話「舐められたシード」 >>116 >>117 >>118 >>119 >>120 >>121

第二十二話「宝玉の煌めき」 >>123 >>126 >>129 >>130 >>131 >>132

第二十三話「出陣! 黄昏の忍者隊」 >>133 >>134 >>135 >>136

第二十四話「アキラの実力」 >>137 >>138 >>139 >>140

第二十五話「休憩時間」 >>141

第二十六話「ピンチ! 呪いの酸巨人」 >>142 >>143 >>144 >>145 >>146 >>147

第二十七話「合体融合! VWXYZ」 >>148 >>151 >>152 >>153 >>154

第二十八話「飛翔せよネオス! コンタクト融合!」 >>157 >>158 >>163 >>164

第二十九話「通過点」 >>169 >>172

第三十話「星騎士の輝き。英雄騎士の強き心」 >>174 >>175 >>176 >>177 >>178

第三十一話「ネオスVSパワー・ツール! 友達だから」 >>181 >>182 >>183 >>184 >>185

第三十二話「菊姫の実力」 >>186 >>189 >>190 >>191 >>192

第三十三話「虹竜と竜姫神」 >>195 >>196 >>197

第三十四話「僕が憧れたHERO」 >>203 >>204 >>205 >>206 >>207

第三十五話「菊姫とアキラ」 >>210 >>211 >>212 >>213

第三十六話「菊姫さんと僕」 >>216 >>217 >>218 >>219

第三十七話「決勝戦! 遊太VSアキラ」 >>222 >>223 >>224 >>225 >>226 >>227

第三十八話「精霊達の秘密」 >>230

第三十九話「全国大会スタート!」 >>231

第四十話「野性解放! 熊五郎のビーストデッキ」 >>232 >>233 >>234 >>235 >>236

第四十一話「超こいこい! 花の花札衛デッキ」 >>238


オリジナルカード、もしくはアニメオリジナルカードの紹介

第一話で登場したもの >>6

第三話で登場したもの >>23

第五話で登場したもの >>35

第九話で登場したもの >>55

第十四話で登場したもの >>79

第十八話で登場したもの >>102

第二十二話で登場したもの >>122


作中に出たOCGカードとオリジナル。(二十五話までは小説の中に書いてあります)

二十六話に登場したもの OCG >>149 オリジナル >>150

二十七話に登場したもの 龍矢が使用したカード >>155 江崎が使用したカードとオリジナル >>156

二十八話に登場したもの 真薄のカードとオリジナル >>167 石崎のカード >>168

二十九話に登場したもの OCG >>173

三十話に登場したもの 遊太のカードとオリジナル >>179 星野のカード >>180

三十一話に登場したもの 龍矢のカード >>187 真薄のカード >>188

三十二話に登場したもの 菊姫のカード >>193 天羽のカード >>194

三十三話に登場したもの アキラのカード >>198 龍奈のカード >>199

三十四話に登場したもの 遊太のカード >>208 真薄のカード >>209

三十五話に登場したもの アキラのカード >>214 菊姫のカード >>215

三十六話に登場したもの 菊姫のカード >>220 真薄のカード >>221

三十七話に登場したもの 遊太のカード >>228 アキラのカード >>229

お知らせ

>>200 >>237

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Re: 遊戯王デュエルモンスターズEXS(イクス) ( No.215 )
日時: 2017/03/01 19:44
名前: ロード (ID: MMm5P7cR)

三十五話で菊姫が使用したカード


モンスター

-------------------
『古代の機械猟犬』
レベル3
地属性
機械族 効果モンスター
攻撃力・1000 守備力・1000
(1):このカードが召喚に成功した場合に発動する。
相手に600ダメージを与える。
(2):このカードが攻撃する場合、
相手はダメージステップ終了時まで魔法・罠カードを発動できない。
(3):1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。
自分の手札・フィールドから、
「アンティーク・ギア」融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、
その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。
-------------------

-------------------
『古代の機械魔神』
レベル8
地属性
機械族 融合・効果モンスター
攻撃力・1000 守備力・1800
「アンティーク・ギア」モンスター×2
「古代の機械魔神」の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードは他のカードの効果を受けない。
(2):自分メインフェイズに発動できる。
相手に1000ダメージを与える。
(3):このカードが戦闘で破壊され墓地へ送られた場合に発動できる。
デッキから「アンティーク・ギア」モンスター1体を召喚条件を無視して特殊召喚する。
-------------------

-------------------
『古代の機械飛竜』
レベル4
地属性
機械族 効果モンスター
攻撃力・1700 守備力・1200
「古代の機械飛竜」の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。
デッキから「古代の機械飛竜」以外の「アンティーク・ギア」カード1枚を手札に加える。
この効果の発動後、ターン終了時まで自分はカードをセットできない。
(2):このカードが攻撃する場合、
相手はダメージステップ終了時までモンスターの効果を発動できない。
-------------------

-------------------
『古代の機械究極巨人』
レベル10
地属性
機械族 融合・効果モンスター
攻撃力・4400 守備力・3400
「古代の機械巨人」+「アンティーク・ギア」と名のついたモンスター×2
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
このカードが守備表示モンスターを攻撃した時、
その守備力を攻撃力が超えていれば、
その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。
このカードが攻撃する場合、
相手はダメージステップ終了時まで魔法・罠カードを発動できない。
このカードが破壊された場合、
自分の墓地の「古代の機械巨人」1体を選択し、
召喚条件を無視して特殊召喚できる。
-------------------



魔法・罠

-------------------
『リビングデッドの呼び声』
永続罠
(1):自分の墓地のモンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。
そのモンスターを攻撃表示で特殊召喚する。
このカードがフィールドから離れた時にそのモンスターは破壊される。
そのモンスターが破壊された時にこのカードは破壊される。
-------------------

-------------------
『聖なるバリア −ミラーフォース−』
通常罠
(1):相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。
相手フィールドの攻撃表示モンスターを全て破壊する。
-------------------

-------------------
『貪欲な壺』
通常魔法(制限カード)
(1):自分の墓地のモンスター5体を対象として発動できる。
そのモンスター5体をデッキに加えてシャッフルする。
その後、自分はデッキから2枚ドローする。
-------------------

-------------------
『歯車街』
フィールド魔法
(1):このカードがフィールドゾーンに存在する限り、
お互いのプレイヤーは「アンティーク・ギア」モンスターを召喚する場合に
必要なリリースを1体少なくできる。
(2):このカードが破壊され墓地へ送られた時に発動できる。
自分の手札・デッキ・墓地から「アンティーク・ギア」モンスター1体を選んで特殊召喚する。
-------------------

-------------------
『古代の機械射出機』
通常魔法
「古代の機械射出機」の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):自分フィールドにモンスターが存在しない場合、
自分フィールドの表側表示のカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊し、デッキから「アンティーク・ギア」モンスター1体を召喚条件を無視して特殊召喚する。
(2):墓地のこのカードを除外し、自分フィールドの表側表示のカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊し、自分フィールドに「古代の歯車トークン」(機械族・地・星1・攻/守0)1体を特殊召喚する。
-------------------

Re: 遊戯王デュエルモンスターズEXS(イクス) ( No.216 )
日時: 2017/03/02 14:44
名前: ロード (ID: MMm5P7cR)

第三十六話「菊姫さんと僕」


アキラと菊姫のデュエルが終了したことで、残すは決勝戦と3位決定戦となった。

決勝に進出した遊太とアキラは、既に全国への出場を決めていた。が、ブロックごとに全国出場者は3人選出されるため、3位決定戦を必要としていた。

そして、その3位決定戦は、広野真薄と一条寺菊姫であった。この二人は共に、友人同士であった。

「2週間前はお前、全くルールすら理解していなかったって言うのに、いつの間にかベスト4で全国出場権をかけて戦おうとしている。すげえことじゃねえか」

「はい、喜ばしいことです」

対戦を控えているというのに、どこか和気藹々としている二人。それは、お互いを褒め称えるものであった。

「菊姫さんも、アキラ君にあそこまで対抗するなんて……やっぱりあなたは強いデュエリストです!」

「ハッ、褒めたって勝ちは譲ってやんねーぞ」

「もちろん、全力で戦いますから、菊姫さんも全力でお願いします!」

「おう、わかってらあい!」

そう言って、二人は握手を交わす。その後、菊姫は真薄に言う。

「そういやさっき、お前遊太に憧れてデュエル始めたとか、遊太に追いついてみせるとか言ってなかったか?」

「あ、はい。言いましたけど?」

「そういうことは、アタシに勝ってから言うんだな。アタシにも勝てないようじゃ、遊太にはまだまだ追いつけないぜ」

「はい。ですけど、菊姫さんだって強いデュエリストですよね。ですから、やってみせます。ここで勝って、遊太君に追いついてみせます」

「見せてみろよ、その追いつくデュエルって奴をよ」

そして、観客席の遊太達はというと。

「いよいよ、菊姫と真薄君のデュエルが始まるね……」

「ああ、真薄はこの俺に勝ったからな……俺の方が経験者だって言うのに、たった2週間のデュエリストが勝っちまうなんてよ〜」

「もう龍矢ったら……もう少しツメが甘くなかったら、勝てたかもしれないじゃない」

「でも、アネゴは結構デュエリストとしては強い方ッスよ。それはもう、さっきのデュエルが出来るくらいには……」

「ああ、アネゴはどこか、デュエリストとして一皮剥けたような気がするからなあ」

「今のアネゴは、本当にやり手ッスからねえ」

口々にデュエル予想をする龍矢龍奈に、取り巻き二人組。

それに対し、遊太はというと。

(ねえ皆……どっちが勝つと思う?)

(この策士ドゥフトの目を持ってしても、デュエルの行方はわからぬ)

(それはどうして?)

(今の二人は、実力が拮抗しているからな)

(あーそー、でもコイツの予想、時々当てにならねえ時があるから気をつけろよ)

(そうかデュナス……まあ頭の悪いお前には、わからないだろうがな)

(なんだとドゥフト! そういうテメエは、頭が良いと言っても知識が若干偏ってるじゃねえか!)

(落ち着け二人とも、見苦しいぞ)

(うう……わかったよデューク)

精霊達の声と、デュエルの予想をしていた。というより、『イクスロードナイト』達が好き放題言っているだけだが。

そして、デュエルリングへと向かって行った菊姫と真薄。

お互いにデッキを交換してシャッフルした後、先攻後攻を決める。菊姫は先攻で、真薄が後攻だ。

「全力でやり合おうぜ、真薄」

「負けませんよ、菊姫さん」

「それでは3位決定戦、一条寺菊姫選手と、広野真薄選手のデュエルを行います!」


「「ルールはマスタールール3! ライフポイントは8000!」」

「「デュエル!」」 

Re: 遊戯王デュエルモンスターズEXS(イクス) ( No.217 )
日時: 2017/03/02 20:05
名前: ロード (ID: MMm5P7cR)

1・菊姫のターン

「アタシのターン、アタシはカードを2枚伏せて、手札から『古代の機械飛竜』を召喚!」(菊姫手札5→2)

「飛竜の効果発動! 召喚・特殊召喚された時、デッキから『古代の機械』カードを手札に加える。アタシは『古代の機械猟犬』を手札に加える。これにてターンエンド」(菊姫手札2→3)


菊姫

ライフポイント8000
手札枚数3枚
モンスター1体『古代の機械飛竜』(攻撃表示)
魔法・罠ゾーンのカード2枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数0枚
除外されているカード0枚


2・真薄のターン

(初手から猟犬を手札に加えた……という事は、次のターンで融合かな……とりあえず、ここは臆さず攻めていく!)

「僕のターン、ドロー」(真薄手札5→6)

「僕は、魔法カード『コンバート・コンタクト』を発動。自分フィールドにモンスターがいない時、手札・デッキから1枚ずつ『N』を墓地へ送って、2枚ドローする。僕は、手札から『N・エア・ハミングバード』。デッキから『N・フレア・スカラベ』を墓地へ送って、2枚ドローする」(真薄墓地0→3)

「そして僕は、魔法カード『古のルール』を発動。手札からレベル5以上の通常モンスターを特殊召喚できる。僕が特殊召喚するのは、当然『E・HERO ネオス』!」(真薄手札6→4)(真薄墓地3→4)

またしても召喚されるネオス。今大会何度目だろうか。

(召喚権を残した……ってことは、もう1体召喚してコンタクト融合か?)

「僕はそして手札から、『N・アクア・ドルフィン』を召喚します」(真薄手札4→3)

真薄の場に現れたのは、人型をしたイルカ宇宙人。攻撃力は600と、かなり貧弱だが……? 

「アクア・ドルフィンの効果発動! 1ターンに1度、手札を1枚捨てることで、相手の手札を1枚確認して、モンスターカードを選ぶ。僕のフィールドのモンスターより攻撃力の低いモンスターだった場合、破壊して500ポイントのダメージを相手に与える! 僕は、手札から『N・グロー・モス』を墓地へ送って、効果発動! エコー・ロケーション!」(真薄手札3→2)(真薄墓地4→5)

アクア・ドルフィンから放たれた超音波が、菊姫の手札を直撃する。すると、手札の『古代の機械猟犬』が浮かび上がる。

「さっきサーチした、猟犬が……」

「見つけましたよ! パルス・バースト!」

アクア・ドルフィンの強力な超音波攻撃によって、猟犬は破壊されてしまう。ハンデスと共に、500ポイントのダメージが菊姫に与えられる! 

「チッ、やってくれるじゃねえか……」(菊姫手札3→2)(菊姫墓地0→1)(菊姫ライフ8000→7500)

「更に僕は、魔法カード『NEX』を発動! フィールドの『N』を1体選択して、墓地へ送る。そのあとエクストラデッキから、それに適応した『N』モンスターを特殊召喚する! 僕は、アクア・ドルフィンを墓地へ送って、エクストラデッキから『N・マリン・ドルフィン』を特殊召喚!」(真薄手札2→1)(真薄墓地5→6)

フィールドのアクア・ドルフィンが、1段階進化する。それにより、攻撃力も900にレベルアップする。

「進化なんてさせやがって……一体どんな効果を持っていやがるんだ?」

「いいえ、効果は使いません。僕は手札から『スペーシア・ギフト』を発動。フィールドに存在する『N』の数だけデッキからドローします。僕の場にはマリン・ドルフィンがいます……マリン・ドルフィンはアクア・ドルフィンとしても扱うため、デッキから2枚ドローします」(真薄手札0→2)(真薄墓地6→7)

「手札増強のための、進化って訳か……」

「行きますよ! 僕はネオスとマリン・ドルフィンで、コンタクト融合! 現れろ『E・HERO マリン・ネオス』!」

マリン・ドルフィンとネオスのコンタクト融合。それによって、現れ出たのはレベル8のコンタクト融合体! 攻撃力は2800と、中々高い。

「そして、マリン・ネオスの効果発動! マリン・ネオスは1ターンに1度、相手の手札をランダムに1枚破壊出来る!」

「何!? そんなのアリかよ!? ぐうぅ……」(菊姫手札2→1)(菊姫墓地1→2)

「そして僕は、マリン・ネオスで『古代の機械飛竜』を攻撃! ハイパーラピッドストーム!」

水切りのような水の鎌が、飛竜を直撃する。

「くっ……ちっとはやるじゃねえか」(菊姫ライフ7500→6400)(菊姫墓地2→3)

「僕は、カードを1枚伏せてターンエンドです。本来コンタクト融合したモンスターは、エンドフェイズにエクストラデッキに戻りますが、マリン・ネオスはその例外で、エンドフェイズになってもエクストラデッキには戻りません」(真薄手札2→1)

「……そうかい」


真薄

ライフポイント8000
手札枚数1枚
モンスター1体『E・HERO マリン・ネオス』(攻撃表示)
魔法・罠ゾーンのカード1枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数7枚
除外されているカード0枚


3・菊姫のターン

(ハンデスにあの攻撃……真薄の奴、中々頭脳的な攻撃をするようになったな。だが、その程度でやられる訳にはいかねえよ!)

「アタシのターン、ドロー!」(菊姫手札1→2)

「リバースカードオープン! 永続罠『古代の機械蘇生』!」

「『古代の機械蘇生』?」

「『古代の機械蘇生』は、自分フィールドにモンスターがいない時、墓地から『古代の機械』モンスターを1体特殊召喚できる。ただし、『リビングデッドの呼び声』などと違って、蘇生効果は毎ターン1度ずつ使える上に、蘇生したモンスターの攻撃力は200アップする」

「まさか……」

「そ、アタシは墓地から『古代の機械飛竜』を特殊召喚する!」(菊姫墓地3→2)

墓地から特殊召喚された飛竜。そして、効果を発動させる。

「飛竜は特殊召喚に成功した時、デッキから『古代の機械』カードを手札に加えられる。アタシは手札に、モンスターカード『古代の機械熱核竜』を手札に加える。ただ、これを使用したターン、カードのセットが出来なくなるからこれ以上カードをセットできねえがな」(菊姫手札2→3)

「そうですか……だから、今までそれを召喚する前に、カードをセットしていたんですね」

「そういうこと。そしてアタシは、手札からフィールド魔法『歯車街』を発動!」(菊姫手札3→2)

(あっ、あれは……『古代の機械』のリリースを1体減らして、破壊されたら『古代の機械』を特殊召喚できるフィールド魔法……)

「そしてアタシは、フィールドの『古代の機械飛竜』をリリースして、手札から『古代の機械熱核竜』を攻撃表示でアドバンス召喚! 『歯車街』の効果で、リリースは1体少なくできたからアドバンス召喚できたのさ」(菊姫手札3→2)(菊姫墓地2→3)

菊姫の場に、古めかしくもまるでリアルなドラゴンのようなマシンドラゴンが現れる! 攻撃力は3000と、レベル9に相応しい。

「……」

「そしてアタシは手札から、速攻魔法『収縮』を発動! フィールドの相手モンスターを1体、攻撃力を半分にする!」(菊姫手札2→1)(菊姫墓地3→4)

マリン・ネオスは元から人間大の大きさしかなかったものの、収縮によって更に小さくなってしまう。しかし、それに臆する真薄ではない。

「そうくるとは思いました。けれど、僕は罠カード『和睦の使者』を発動! 僕のフィールドのモンスターは戦闘では破壊されず、戦闘ダメージも0になる!」(真薄墓地7→8)

「……チッ、その手で……来たと。アタシはこれで、ターンエンドだ」


菊姫

ライフポイント6400
手札枚数1枚
モンスター1体『古代の機械熱核竜』(攻撃表示)
魔法・罠ゾーンのカード2枚
発動しているカード2枚『古代の機械蘇生』 『歯車街』(フィールド魔法)
墓地の枚数5枚
除外されているカード0枚


4・真薄のターン

(僕が……菊姫さんを追い詰めている! ライフも、モンスターも……これなら、行けるかもしれない……)

「僕のターン、ドロー!」(真薄手札1→2)

「この瞬間、速攻魔法『禁じられた聖杯』を発動! 相手モンスター1体のモンスター効果を無効化し、攻撃力を400ポイントアップする! さすがに、手札を0にされるのはキツイからな……」(菊姫墓地5→6)

「ですが、僕は確実にあなたを追い詰めていますよ。僕は手札から魔法カード『フォース』を発動! フィールドのモンスター2体を選択する。選択した1体の攻撃力を半分にして、そのモンスターの半分の攻撃力をもう1体に加える。よって、僕のモンスターの攻撃力は3200から4700になり、『古代の機械熱核竜』の攻撃力は1500となる!」(真薄手札2→1)(真薄墓地8→9)

「……やべえな」

「行きますよ! マリン・ネオスで『古代の機械熱核竜』を攻撃! ハイパーラピッドストーム!」

再び攻撃がクリーンヒット! それにより、菊姫のモンスターはあっけなく破壊され、大ダメージを負ってしまう。

「ぐううう……」(菊姫ライフ6400→3000)(菊姫墓地6→7)

「よおーし……行けるかもしれない。僕はこれで、ターンエンド」


真薄

ライフポイント8000
手札枚数1枚
モンスター1体『E・HERO マリン・ネオス』(攻撃表示)
魔法・罠ゾーンのカード0枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数9枚
除外されているカード0枚


まさかの菊姫が一方的にやられる展開で、観客席の遊太達は驚く。

「ウソでしょ? あの真薄君が、菊姫を追い詰めているなんて……!」

「全く驚きだぜ……真薄はまだライフを1ポイントも減らしていないのに、菊姫はもう3000だなんて……」

「そうね、驚くことしかできないわ……」

「アネゴが……追い詰められているなんて!」

「本当に、すげえ……」

まさか菊姫が追い詰められるなどとは、思いもしなかった観客一堂。

しかし、菊姫はというと。

(全くやってくれるじゃねえか……この野郎!)

Re: 遊戯王デュエルモンスターズEXS(イクス) ( No.218 )
日時: 2017/03/03 16:19
名前: ロード (ID: MMm5P7cR)

5・菊姫のターン

「アタシのターン。真薄よお、お前随分と成長したよなあ。始めて会った時は、カードの使い方すら、おぼつかなかったって言うのに。今じゃこんなだぜ?」

「は、はい。ありがとうございます」

「けどよお、アタシから言わせれば、お前はまだまだだね」

「えっ……」

「確かにやってくれたぜ。ハンデスだのフォースだの色々……けれど、アタシは負けない。ライフがこれだけ差が付こうとも、アタシは負けない」

「……」

「だから、このままやってやろうじゃねえか! アタシのターン、ドロー!」(菊姫手札1→2)

(……来た! このカードなら、アタシは一気に逆転できる!)

(そう、ピンチの時は、いつだってデッキが助けてくれる……)

「アタシは永続罠『古代の機械蘇生』の効果を発動! 墓地より『古代の機械飛竜』を特殊召喚だ!」(菊姫墓地8→7)

「そして手札に、『古代の機械箱』を手札に加える。そして箱の効果で、もう1枚の機械箱を手札に加える」(菊姫手札2→4)

「何だ……何をやってくるんだ……?」

「そして、フィールド魔法『歯車街』の効果で、リリース1体でレベル8『古代の機械』モンスターを、アドバンス召喚する! 来い、アタシのエースの、もう一つの姿! 『古代の機械巨人 −アルティメット・パウンド−』!」(菊姫手札4→3)(菊姫墓地7→8)

現れ出でたのは、菊姫が最も信頼するエースモンスターの『古代の機械巨人』。しかし、どこか違う雰囲気をかもしだしている。

「こ、これは一体……? アルティメット・パウンドって、確か『古代の機械巨人』の攻撃名……どういうこと?」

「行くぞ、魔法カード『一騎加勢』を発動! アルティメット・パウンドの攻撃力を1500上げる! そして攻撃だ! アルティメット・パウンド!」(菊姫手札3→2)(菊姫墓地8→9)

思いっきり右腕でぶん殴る『古代の機械巨人』。攻撃力3000の一撃が、マリン・ネオスに襲い掛かる! 『一騎加勢』によって強化されたアルティメット・パウンドの一撃は、重い一撃。その重い一撃を、もろに喰らう真薄! 

「うああっ……」(真薄ライフ8000→6300)(真薄墓地9→10)

「更に、コイツは相手モンスターを破壊した時、手札の機械族モンスターを1体捨てることで、もう1度攻撃が出来る! 機械箱を捨てて、もう一回攻撃だ! アルティメット・パウンド、2回目ェ!」(菊姫手札2→1)

「なにぃっ!?」

2回目の攻撃が、真薄を直撃する! 攻撃力4500の攻撃は、恐ろしいものがあった! 

「うわあああっ!」(真薄ライフ6300→1800)

「……やったぜ。アタシはこれで、ターンエンド」


菊姫

ライフポイント3000
手札枚数1枚
モンスター1体『古代の機械 −アルティメット・パウンド』
魔法・罠ゾーンのカード1枚
発動しているカード2枚『古代の機械蘇生』 『歯車街』(フィールド魔法)
墓地の枚数10枚
除外されているカード0枚


圧倒的優位に立っていたはずが、瞬時にして不利な状況になってしまった真薄。

これには思わず、観客席の遊太達は思わず感嘆とする。

「まさか、あの状況から一発逆転するなんて……」

「ウソだろ……?」

これには真薄も驚いてしまう。

「まさか、あの圧倒的優位からあそこまで逆転するなんて……やっぱり菊姫さんは凄い!」

「フン。一応言っておくが、アルティメット・パウンドは貫通効果を持っている。守備で逃げようとしても、無駄だぜ。このモンスターは、圧倒的攻撃に特化した性能のモンスターだからな!」

「はい」


6・真薄のターン

「僕のターン、ドロー!」(真薄手札1→2)

「……よし、僕にも来た……魔法カード『貪欲で無欲な壺』を発動! 墓地の違う種族のモンスター3種類。戦士族のアクア・ドルフィンと、昆虫族のフレア・スカラベ、植物族のグロー・モスの3体をデッキに戻してシャッフルした後、2枚ドロー! ただし、このカードを発動したターン、バトルフェイズは行えない」(真薄手札1→3)(真薄墓地10→8)

「自分バトルフェイズをスキップしてまで、ドローにこだわるのか……」

「ええ、僕はカードを1枚セットして、モンスターを1体、裏守備表示でセットして、ターンエンド!」(真薄手札3→1)

(確かに、その攻撃的な能力が、先程僕を追い詰めた……けれど、その攻撃に特化しすぎた能力が仇です!)


真薄

ライフポイント1800
手札枚数1枚
モンスター1体(裏守備表示)
魔法・罠ゾーンのカード1枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数8枚
除外されているカード0枚


7・菊姫のターン

「アタシのターン、ドロー!」(菊姫手札1→2)

「行くぞ、アルティメット・パウンドで、裏守備モンスターを攻撃! アルティメット・パウンド!」

貫通を伴ったその一撃が、伏せ守備モンスターを襲う。しかし、真薄はというと。

「罠カード発動! 『攻撃の無力化』! 相手モンスター1体の攻撃を無効にして、バトルフェイズを終了させる!」(真薄墓地8→9)

「くっ……やられた! そこまで見抜くとは……」

「本来なら、『古代の機械巨人』は攻撃宣言時、魔法・罠を無効化する効果を持っています。けれど、アルティメット・パウンドは攻撃にその重点を置いているため、魔法・罠の無力化ができなくなっています……」

「チッ、そこまで読んでいるとはな……アタシは手札からカード1枚を伏せて、ターンエンド!」(菊姫手札2→1)


菊姫

ライフポイント3000
手札枚数1枚
モンスター1体『古代の機械巨人 −アルティメット・パウンド』(攻撃表示)
魔法・罠ゾーンのカード2枚
発動しているカード2枚『古代の機械蘇生』 『歯車街』(フィールド魔法)
墓地の枚数10枚
除外されているカード0枚


8・真薄のターン

「僕のターン、ドロー!」(真薄手札1→2)

(来た! このカードなら、行けるかもしれない!)

「僕は、裏守備モンスターの『E・HERO アナザー・ネオス』を反転召喚!」

ネオスを子供のようにしたモンスターが現れる。攻撃力は1900と、レベル4では上出来な部類だが。

「そして僕は、アナザー・ネオスをもう1度召喚します。アナザー・ネオスはデュアルモンスター。もう1度召喚することで、カード名を『E・HERO ネオス』にすることができます!」

「何っ!? ってことは……」

アナザー・ネオスが大きくなると、本来のネオスとなる。これを真薄は。

「魔法カード『ミラクル・コンタクト』を発動! 自分の手札・フィールド・墓地から融合素材となるモンスターをそれぞれデッキに戻した後、エクストラデッキから『E・HERO ネオス』を融合素材とする融合モンスターを、召喚条件を無視して特殊召喚する! 僕は、墓地のエア・ハミングバードと、フィールドの『E・HERO ネオス』となっているアナザー・ネオスをデッキに戻して、コンタクト融合!」

エア・ハミングバードと、アナザー・ネオスが銀河に入って融合したその姿は、背中に大きな翼を持つネオス! 

「現れろ、『E・HERO エアー・ネオス』! そして、エアー・ネオスの効果発動。自分ライフポイントが相手より下回っている時、その差だけ攻撃力をアップする! 今のライフ差は1200……よって、攻撃力は3700にアップ!」(真薄手札2→1)

「な、なーる……そう来る訳ね……」

「エアー・ネオスで、アルティメット・パウンドを攻撃! スカイリップ・ウィング!」

翼による強力な一撃が、アルティメット・パウンドを直撃する! アルティメット・パウンドは粉々に砕け散ってしまった。

「ぐう……だが、『古代の機械巨人 −アルティメット・パウンド』の効果発動! コイツが戦闘と効果で破壊された時、墓地から『古代の機械』モンスターを手札に加え、デッキから『融合』を1枚手札に加える。アタシは『古代の機械猟犬』を手札に加え、『融合』を手札に加える」(菊姫ライフ3000→2300)(菊姫手札1→3)

「でも、僕はこれで終わりません! 速攻魔法『コンタクト・アウト』! 融合モンスターを1体エクストラデッキに戻し、メインデッキに融合素材が揃っていれば、特殊召喚できる! 僕はデッキからネオスを攻撃表示。エア・ハミングバードを攻撃表示で特殊召喚する」(真薄墓地9→10)

これを見て、観客席の遊太達は大いに驚く。

「ま、真薄君、やるぅ〜……これが決まったら、菊姫は……」

「間違いなくアネゴは、やられるッス!」

「アネゴ〜!」

「行きますよ! 僕はネオスでダイレクトアタック! ラス・オブ・ネオス!」

これで決まるかと、全員が思ったが……。

「速攻発動! 『収縮』! 相手モンスターの攻撃力を半分にする! ネオスの攻撃力を、半分にするぜ!」(菊姫墓地10→11)

「うっ、やられた……」

「だが、ダメージは受ける……!」(菊姫ライフ2300→1050)

「……そして僕は、エア・ハミングバードでダイレクトアタック! ホバリング・ペック!」

800とはいえ、痛いダメージが加わる。

「ん、んん……どうにか、耐えきったぜ! どうした、何かやることはあるか?」(菊姫ライフ1050→250)

「ぼ、僕は……これでターンエンドです……」


真薄

ライフポイント1800
手札枚数0枚
モンスター2体『E・HERO ネオス』(攻撃表示) 『N・エア・ハミングバード』(攻撃表示)
魔法・罠ゾーンのカード0枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数10枚
除外されているカード0枚


9・菊姫のターン

「アタシのターン、ドロー」(菊姫手札3→4)

「真薄……お前よくここまでやったよな」

「えっ……」

「アタシをここまで追い詰めた挙句、後一歩の所で勝っちまいそうなところまで来たんだからな」

「菊姫さん……」

「だが、お前は結局まだまだだったってことだ」

「ええっ……!」

「魔法カード『融合』発動! 手札の『古代の機械巨人』1体と、『古代の機械箱』と『古代の機械猟犬』を融合させて、『古代の機械究極巨人』を融合召喚する!」(菊姫手札4→0)(菊姫墓地11→15)

『融合』によって現れた、菊姫の最も信頼する切り札モンスター! しかし、観客席の遊太はアレ? と思う。

「菊姫……なんで『融合』で究極巨人出したんだろう? 菊姫の手札には融合できる『古代の機械猟犬』があったはずなのに……」

しかし、遊太のデッキに入っていた『イクスロードナイト』はというと。

(わからないのかね、遊太君)

(アルファ……)

(菊姫がわざわざ『融合』で出した理由、それは真薄のデッキの象徴で出して見せたことで、自分との違いを出して見せたということなんだろう)

(自分との違い?)

(同じ融合でも、自分と真薄の融合ではこんなにも違うってことを示したいんだろう。自分との、実力の差を……)

(菊姫……)

(あの少年、真薄はそれだけ菊姫に認められているということだろう。だからこそ、自分との違いを見せつけたんだ……)

(菊姫の奴、そんなことまで考えていたなんて……)

そして、菊姫は攻撃を仕掛ける! 

「アタシは、『古代の機械究極巨人』で『E・HERO ネオス』を攻撃! ギガント・パウンドォォォッ!」

究極巨人の攻撃が、ネオスにクリーン・ヒットする! その攻撃力の差が、真薄を襲う! 

「うっ、ううう……」(真薄ライフ1800→0)

こうして、真薄は菊姫に負けた。同じ融合でありながら、こんなにも大きな差を残して……。

「うう……僕の、負けです……」

Re: 遊戯王デュエルモンスターズEXS(イクス) ( No.219 )
日時: 2017/03/03 17:35
名前: ロード (ID: MMm5P7cR)

こうして、菊姫は全国出場を決める3位となり、真薄は4位となった。

そして、デュエルリングを降りた二人は。

「菊姫さん、僕……」

「分かってる。アタシをあれだけ追い詰めて、あやうく負けそうになったぐらいだからな。アレは流石にアタシでも焦ったぜ」

「でも、菊姫さんが『融合』で究極巨人を出したことには驚きました。まるで、自分の融合との格の違いを、見せつけるかように……」

「あ、わかった? アレは結構舐めプレイって思われそうだと思ってたけど、これがアタシの実力ってことを、知らしめておきたくてな……」

「菊姫さん、そういう所ありますからねえ。けれど、僕は負けました。これが、菊姫さんと今の違いなのかなって……」

「まあ、あのカードがドローできなかったら、アタシは負けていたかもしれんがな。全く、お前の引きには感心するよ……」

「でも、僕は菊姫さんには負けました。菊姫さんと僕には、こんなにも差があるんだな……と思いました」

「まあ、そう認めてくれてありがとうよ。アタシもこれで、全国へと心置きなく行けるって訳だ」

「はい。僕も、あそこまでやられたら全くたまったものじゃないです」

「ああ、全くだな。ちょっとやりすぎたかもしれんが……」

「アネゴ〜!」

菊姫と真薄がそんな話をしていると、岩ノ井と鏡山が向こうから菊姫を呼ぶ。

「おや、アイツらがアタシを呼んでいるよ。んじゃ、行くか真薄」

「はい」

そう言って、二人は観客席へと戻って行った。

そして、戻って来た菊姫と真薄はというと。

「あ、アネゴ〜! 勝ってくれてありがとうッス〜!」

「あそこで負けたら、示しがつかなかったですよ〜!」

「おいおいお前ら……戦ったのはアタシなのに、なんでお前らが泣きそうになっているんだよ?」

「だって……あやうくアネゴ負けそうになっちゃって……」

取り巻き二人、岩ノ井と鏡山がアネゴと慕う菊姫に取り巻けば。

「お前凄いな真薄! まさか菊姫をあそこまで追い詰めるなんてよお!」

「ホント、やってくれるんだから」

「あ、はい。一生懸命頑張りました。ですから、あの結果になったのではないのかと……」

「相変わらず、真薄君は謙遜するねえ」

龍矢と龍奈、遊太が真薄をほめちぎる。それを見て、菊姫が遊太に言う。

「遊太、次はお前の番だぜ!」

「あっ、そうだね。アキラ君との……決勝戦!」

「アタシは全国でアキラとカタをつける。その前に、お前がアキラをぶっ倒して来い!」

「うん、わかったよ!」


次回、堂々の決勝戦! 

第三十六話。終わり。


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