白い聖職者と銀色の侍 作者/竜吉 ◆l6j3DHrYv.

第五話「帰還」



此処は黒の教団室長室


アレンはあの後、銀時を江戸中探し回った


しかし手掛かりは銀髪と言う事だけ

その上自前の方向音痴が拍車をかけ、結局銀時と会う事は出来なかった


しかも木刀がまだイノセンスと分からない状況なので

無線ゴーレムで報告するより一度休んで状況を整理した方が得策だと考え帰還した



そしてアレンは此処に報告書を提出しに来ていた


「任務ご苦労様。それでアレン君、話ってのはなんだい?」


アレンの前で話している白衣の男は黒の教団室長コムイ・リー

若き天才科学者で教団内サポート派の最高位だが、シスコンがタマにキズである


「実は――――」


アレンは任務先での一連の出来事を話し始めた



「――――アレン君は、その人の持つ木で出来た刀

つまり木刀がイノセンスで、銀髪の人が適合者の可能性があるって言いたいんだね?」

「はい、詳しい事はわかりませんでしたが・・・」

「気にする事無いよ。そこには後日調査に行って貰うから、ただ―――」

「どうしたんですか?」

「ひとつ引っ掛かる事があるんだ、AKUMA達はアレン君ではなくその人に攻撃していたんだよね」

「ええ、僕なんか眼中に無いようでした」

「イノセンスを持つエクソシストをAKUMAが無視した、と言う事は

その人は千年伯爵にとってイノセンスよりも価値のある物を持っている

あるいは能力があると考えたほうがいい」

「イノセンスよりも価値のある物、ですか」

「うん、詳しい事は調査しないとわからないけど

仮にその人が何かの裏切り者だったとしても、彼らにとって最優先なのはイノセンスの破壊の筈だし

とにかくその調査にはアレン君にも行って貰うから、それまで十分体を休めておくんだよ」

「はい、じゃあ失礼します」


そう言って室長室を後にした





オマケ


因みにAKUMA襲撃の数時間後、万事屋では――――


「・・・銀ちゃん、私が居ない間にテロでもあったアルか?」


・・・・・・帰宅した神楽が半壊した万事屋を無表情に眺めていた