白い聖職者と銀色の侍 作者/竜吉 ◆l6j3DHrYv.

第十五話「食堂にて」



コケコッコーっと次の日


とりあえず昨日案内された食堂に向かう銀時ら


「でも不思議ねぇ。どうして朝起きたら卵焼きが無くなってたのかしら」


首を傾げる妙に、銀時と新八はギクリとなる


「そ、そりゃお前アレだよ。きっと妖精がどっか持ってったんだよ」

「そそそうですよ姉上。それに卵焼きくらいまた作ればいいじゃないですか」


とりあえず納得したような妙にホッとする二人

と言うのも、実は昨日妙が寝ている間に卵焼きをコッソリ処分したからだ

因みに処分の方法はご想像にお任せしておく


「けどよ、今日の飯は何てったって黒の教団様の所だからな。普段よりいいもん食えるだろ」

「それもそうネ、酢昆布たくさん頼んで酢昆布パーティーするヨ」

「んな貧乏丸出しのパーティーしねェェェ!!!あるだろ!もっと他に!

俺たちが滅多に食えないもん食うんだよ」

「っていうか僕達が滅多に食べられない物って結構ありますよね」

「はっ!まさか銀ちゃん!大盛り鯖茶漬けでパーっとするアルか!」

「いい加減にしろよ貧乏チャイナ娘、っていうかお前らの思考って冷めてんなオイ

なんで思いつかないかなぁ。普段お前ら何食って生きてんだよ」

「アンタがちゃんと給料くれればもっといい物食ってるだろうよ」

「そうヨ!私が酢昆布だけの女だと思ったら大間違いネ!」

「でも晩御飯に焼肉ぐらいは期待できるかも知れませんね」

「やきにくってなんだっけ」

「・・・・・・」


新八は思わず神楽から目を逸らした

悪いのは神楽じゃない、今のボンビー生活なんだ!

と、涙を流す新八だった





で、此処は食堂


カウンターにはオネエ口調のジェリーとか言う男の人が注文を受け付けていた(どうやら料理長らしい)

まあ普段激烈キャラがそこら中に転がっている所に住んでいる僕達は大して動揺しなかったが

それに人は良さそうだったし


とにかく適当に注文してテーブルに座る

神楽ちゃんが大量に注文してもさっきの人は驚いてなかったから、他にも大食いの人が居るんだろうか


「そういえば今日ですね。結果が出るの

どうなっちゃうんでしょうね僕達」

「やっぱ団服は死覇装風だな。コートとか似合わなそうだし」

「オイィィィイイイ!!それ以前に考える事が山ほどあるだろーが!!」

「何言ってんだよ新八君。ビジュアルってのは結構大事なんだよ?」

アンタはビジュアルの他に見直す事があるだろーが!んだとコノヤロー

と、言い合いをしていると後ろから声が掛かる


「あなたが兄さんの言ってた坂田銀時さん?」


振り向くと、そこには黒髪の少女が立っていた


「初めまして、私はリナリー・リー。よろしく」


どこかで聞いた事のある名字。それにアジア系の顔立ちにはどこかデジャウを感じた


「あの。ひょっとして、あなたって室長さんの兄弟か何かですか?」

「そうよ。私の兄はあなた達が昨日会ったコムイ・リーよ」


やっぱり。と、思う反面少し驚いたりもした

そんな新八らを他所に、リナリーは銀時に向き直る


「それよりお取り込み中悪いけど、兄さんが用があるらしいの。ちょっと来てもらえるかしら?」

「わーったよ。行けばいいんだろ」


そう言って銀時は気だるそうに立ち上がる


「すいません、僕も一緒に行っていいですか?」

「?別に構わないと思うけど」

「んだよ新八。このねーちゃんに興味でも湧いたのか?思春期ですか?」

「違うわボケェ!アンタ一人だと正確な情報がこっちに伝わらないからだよ!

それに僕はお通ちゃん一筋なんですから!!」


そんなやり取りをリナリーは苦笑しながら見ていた


「とりあえずついて来てください」


そう言って歩き出すリナリーに二人は続いた