白い聖職者と銀色の侍 作者/竜吉 ◆l6j3DHrYv.

前回までのあらすじ


神楽が福引で当てた旅行券でバチカンに行く事になった万事屋御一行

しかしまたもや謎のカラクリに襲撃を受け、辺境の土地に不時着してしまう

なんとか生き残るも今度は謎の二人組みに出会う。なんか謎ばっかりだなオイ

しかし片方は銀時の事を知っている様子だが――――

第十一話「交渉成立」



「ちょ、銀さん。もしかしてあの人・・・」

「あー?」

銀時は完璧に忘れてしまっているが、新八にはアレンに見覚えがあった

前に謎のカラクリに襲撃された時、二人を助けた人だ

そしてようやく銀時も、うっすらとだが思い出す


「「・・・・・・」」


二人は踵を返し歩き出す


「あっ。すいません、聞きたい事が!」

「オイ、結局こいつらはなんなんだよ!!」


二人を引き止めようとしているアレンと状況が全く飲み込めない神田

そして同じく首をかしげている神楽と妙


「銀ちゃん、あの白髪とロン毛「いや知らなくていいから、知らなくていいから!!!」

「それより宇宙船も壊れちゃったし、どうやって帰ればいいんでしょうかね?」

「大丈夫よ新ちゃん、きっと救援の船が来てくれるわ」

「銀ちゃーん、私お腹すいたー」

「そーいや腹減ったな」

「機内食は食べましたけど、あんな事があったんじゃ流石にお腹すきますよね」

「あら、じゃあ卵焼き「イヤイヤイヤもうちょっと落ち着いた所で」


と、移動しようとする(立ち去ろうとする)四人と一匹

が、前にコウモリの様な物が飛んでくる


『――――そこの人ー?』


「「「「??」」」」


呼び止められたのでとりあえず立ち止まる


「・・・なんなんですか、このあきらかに通信とか盗撮に使ってそうな生き物は」

「ったくどうなってんだよ一体。万事屋襲われるわ宇宙船襲われるわ変な奴らに襲われるわ

アレ、何か俺襲われてばっかじゃね?」


最近ろくな事がねぇ、っと頭を掻く。ろくな事が無いのはいつもの事だが

何であれ、銀時と新八は早くここから立ち去りたかった

なんかこの前襲われたのも、今回襲われたのもこいつ等が関係してるんじゃね?

と、あながち間違いでもない事を思っていたからだ


「コムイさん!」

『アレン君、この人達は――』

「僕が江戸で出会った銀髪の人です!」

『!?、本当かいそれは?』

「ええ、木刀も持ってるし間違いありません」

「モヤシ!状況を説明しろ!!」

「アレンです!・・・この人は今日僕達が探しにいく予定だった人ですよ」

「何!」

「・・・オーイ、用がないんなら俺帰らせてもらうぞ」

「待て、テメェには聞きたい事がある」

「オイオイ兄ちゃん、知らない人に個人情報は教えちゃ駄目よって習わなかったのか?」

「いやなら力ずくでも聞き出す」

「ちょっ、神田!暴力は・・・」

「あー、いいよいいよ藤村君。俺もう帰るから」

「だから藤村って誰ですか!?ってそうじゃなくて!!」

『もしもーし、そこの銀髪の人』

「あ?」

『君は以前謎の敵に襲われて、それを倒したらしいね』

「知らねーよ、しつこい新聞勧誘はしばいたけどな」

「だから新聞勧誘は関係ねぇっつってんだろ!!

・・・やっぱりあのカラクリとあなた達は何か関係あるんですね」

『うーん、まああることはあるんだけどね』

「やっぱり・・・」

「新八、何の話ネ」

「この前万事屋が破壊されたでしょ?その時現れたカラクリとこの人達は繋がりがあるって事だよ」

「で、俺に何の用ですか?」

『・・・君が倒したカラクリ――って言うか機械の事について話が聞きたいんだ』

「オイオイ、テメーらみたいな胡散臭い連中をホイホイ信じろってか?

個人情報は厳重に管理しねーと、どうなるかわかんねーしな」

『勿論君たちが必要な情報も提供する、まあ種類によるけどね』

「銀さん――」

「しゃーねーな」

『交渉成立だね。二人とも、この人達を案内してあげて』

「・・チッ、さっさと来い」

「皆さんついて来て下さい」


そう言うと二人は建物に向かって歩き出した

僕らもその後を追う

「銀さん大丈夫なんですか?」

「ま、なるようになるだろ」


なるようになるって・・・一番困るんですけどソレ

まあとにかくあのカラクリやあの人達の事がわかるんだし

さっきコウモリから「室長ォォーー!判子くださィィーー!!」とか聞こえたけど気にしないでおこう


そう思いながら門をくぐった




そして始まる



戦いが――――