白い聖職者と銀色の侍 作者/竜吉 ◆l6j3DHrYv.

第十九話「船上での出来事」
僕が最初に思った疑問
何でここにいるんだ
「どうも、ヅラオです」
そう言って出てきたのは狂乱の貴公子桂小太郎だ
しかし今はマ○オの様な格好をしている
「ヅラオさんは今回どんなゲームを開発したんですか?」
「ヅラオじゃない、桂だ」
「え、今アンタがヅラオっていったんじゃん・・・」
「俺が作ったゲームはアクションRPGだ。タイトルは『スーパーヅラオブラザーズ』
子供から大人まで幅広い年齢層で楽しめるぞ」
「桂さんさり気無く無視ですか。ってかどこかで聞いたようなタイトルですね」
「ああ、アレはあっちがパクッたから気にするな」
「バレバレなウソついてんじゃねぇよ!―――とりあえずどのような内容なんですか?」
「ある日ジョウイ王国で平和に暮らしていたエリザベス姫が新鮮グミという悪の組織に拉致られてしまい
エリザベス姫を助けるためにヅラオが新鮮グミに立ち向かうというストーリーだ」
「ジョウイ王国に新鮮グミですか、変わった名前ですがどこかで聞いたような・・・
ってかストーリーも某ゲームと似てますね」
「ああ、それで近々訴えようと思っている」
「テメェが訴えられそうなんだよっ!!」
「今日は特別ゲストとしてエリザベス姫を呼んでいる」
「そうだったんですか!それでは登場してもらいましょう!」
会場から再び拍手が起こる――が、登場してきた人物の異様な姿に場が静まり返る
出てきたのは当然桂のペットエリザベスである
ところが今はピンクのドレスを着てクチバシ(?)には口紅、そして頭には小さい冠を乗せている
シーンとなっている会場で何とか司会者は重い口を開く
「・・・何ですかコレ、オバQ?」
「オバQじゃない、エリザベス姫だ」
「いや、エリザベス姫って言うからもっとちゃんとした人かと思ったんですけど
ほら、エリザベス女王とかいるでしょう?あんな感じの・・・」
「常識と言う名の眼鏡を捨てろ。そうすれば見えなかったモノが見えてくるはずだ」
「桂さんには常識の眼鏡をかけて欲しいですね
それではゲームシステムなどを紹介してもらえますか?」
「うむ、プレイヤーはヅラオを操作して数々の困難を乗り越えエリザベス姫を助けてもらう」
大きなスクリーンにゲーム画面が映し出される
見た感じほとんどが某有名ゲームと似ているが、一応背景が若干和風になっていた
「さぁ司会者殿、少しプレイしてみてくれ」
そう言って桂は司会者にコントローラーを渡す
だがコントローラーを渡された司会者は怪訝な顔をする
「あの、桂さん。このコントローラーってファミコンのじゃないですか?」
「ああ、スーパーヅラオブラザーズはファミコンソフトだ」
「ええええええええ!?古っ!!あんたどんだけ古いんだよ!!?
今時ファミコン持ってる人なんてほとんどいないですよ??」
「レトロ感を出したくてファミコンを選んでみたんだ
最近のゲームは3Dだのなんだのでグラフィックに力を使いすぎて内容がつまらない物も多いからな」
「限度があるだろ!!それにレトロ感出したくてって存在自体がレトロなんですよ!
ってかレトロの過剰摂取ですよこれ!」
*
「・・・桂さん何やってんでしょうね」
「さあな、資金稼ぎのつもりじゃね?」
「資金稼ぎって・・・ってか今時売れないでしょファミコンって」
「DSでも俺は売れないと思う」
「??あの人って銀時さん達のお知り合いなんですか?」
「どっちかと言うと腐れ縁より腐った縁アル」
「アレンさんラビさん、とりあえず移動しましょう。アレ多分イノセンスじゃないですよ、直感的に」
「え、でも」
「大丈夫だよ、直感的に」
「直感的にって・・・ん、何さアレ」
*
「おい!あそこにいたぞ!!」
突然何者かが番組に乱入してきた
「カァァツラァァァ!!」
「む、新鮮グミか!」
そこに居たのは近藤率いる新鮮グミ、じゃねぇや真選組である
「何が新鮮グミだ!真選組だ真選組!今日こそお縄についてもらうぞ桂!!」
そう言って土方が桂に向かって刀を振りかざすが、当然桂はそれを避ける
ガキィィッッ
が、土方の刀は別の物を斬ってしまったらしい
「!!貴様ァァ!よくもスーパーヅラオブラザーズを破壊したなァ!!」
「ゲームの心配する暇があったら自分の心配をするんだな・・・・あ?」
土方によって破壊されたゲームにバチバチと稲妻が走る
そして徐々に光り始めた
「・・・もしかしてヤバイんじゃないんすかコレ?」
「コイツァ・・・」
「まさか・・・」
「「「「「「「ギャアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!」」」」」」」
カッと勢いよく光ったかと思うと、全員その光に飲み込まれた

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