白い聖職者と銀色の侍 作者/竜吉 ◆l6j3DHrYv.

第十二話「黒の教団」
「・・・さて、何から話したほうがいいかな?」
あの後、銀時たちはそのまま室長室に連れてこられた
現在ここに居るのは銀時、新八、神楽、定春、妙、アレン、神田、コムイの七人と一匹である
とりあえず双方適当に名乗って今に至る
「あのカラクリは一体何なんですか?あんな殺傷能力、普通のカラクリにはありえませんよ!?」
「・・君たちを襲った機械の名はAKUMA。
簡単に言うと、千年伯爵によって造られる生きた悪性兵器の事だよ」
「なんだよその千年なんとかっての」
「『機械』『死者の魂』『悲劇』を材料にしてAKUMAを作り
世界を終焉へと導こうとしている存在、いわば人類の天敵だね」
「なんかピン子と春江の対決並みにスケールのデカイ話だなオイ」
「その微妙に身近な例えやめてくれませんか?」
「って言うか、いまいちリアリティーにかけてる話ねぇ」
「まあ、AKUMAの存在は殆どの人には知られていないからね。
いきなりこんな話をされても戸惑うのは当然だよ」
ただ、とコムイは一旦言葉を切る
その顔は真剣で、銀時たちも体が無意識に硬くなる
「・・・その知名度とは裏腹にAKUMAは恐ろしい程の殺傷能力を持つ兵器だ
それは襲われた君たちが一番わかっている筈だろう?」
銀時と新八は無言で頷く
確かにあの時アレンが現れなければ二人の命も危なかったのだから
「じゃあ、あなた達は一体何者なんですか?」
「ここ、黒の教団は『世界の終焉を阻止するため設立された対AKUMA軍事機関』
アレン君達エクソシストは『黒の教団に所属しAKUMA退治を専門とする黒の聖職者』
と、言えばわかりやすいかな?」
「エクソシスト?」
「イノセンス
神の結晶と呼ばれる不思議な力を帯びた物質を対AKUMA用に武器化できる適合者の事だよ
その対AKUMA武器だけが世界で唯一AKUMAのボディに傷をつけ破壊することが可能なんだ
だからイノセンスを千年伯爵は虱潰しに破壊している」
「先生、神楽さんが授業についていけずに寝ています」
「ま、俺にとっちゃアクマだろうと神の結晶だろうと迷惑な事には変わりねーけどな」
その言葉に対してコムイは苦笑するしかなかった
「で、何か質問は?」
「だったら何で万事屋が襲われたんですか?そのAKUMAが狙っている物がイノセンスって物質なら
万事屋が襲われる理由にはならないじゃないですか」
「そこなんだよ本題は。単刀直入に言わせて貰うとね――――」
坂田銀時、君にはエクソシストになる可能性があるんだよ

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