白い聖職者と銀色の侍 作者/竜吉 ◆l6j3DHrYv.

 



第三十八話「ヒーローは美味しいところをかっぱらう」



いつの間にかコムリンに登り、コムイに木刀を突きつける銀時

どうやったかは知らないが、多分騒ぎに紛れてコッソリ登っていたのだろう


「つーわけで。ゴリラの敵討ちだ」

「いや近藤さんまだ死んでませんから。多分」

「よくもラビ君や神田君を」

「元凶は沖田さんなんですけどね」

「煩せェよ新八ィィ!さっきからいちいちツッコんでんじゃねェェェ!!」


銀さんそれは仕方ない。ツッコミがなくなったら新八はただの眼鏡だ by竜吉


「それってフォローしてくれてるんですか?それともけなしてるんですか??」


ってか、早くコムイにトドメささないとまたコムリン動いちゃうよ?


「っせーな、だから今やろうとしてんだろうが」

「でも確かに早くしないと本当にマズイですよ」

「わーってるよ」


ダンッと強く踏み切り、銀時は勢い良く飛び上がる


「激技!鋭鋭刀ッ!!」


チェェストォォーー!!っと某戦隊シリーズの技を盛大にパクってコムイに斬りかかる銀時

でもこれならいける――っと思った新八だったが


プスッ


何か小さい物が突き刺さった音と言うか、今一番鳴ってはいけない様な音がした

バッとコムイの方を見ると、吹き矢の様なものを持っている


「銀時さ―――」


さっきの音に覚えがあるアレンは、おそるおそる銀時に声をかけようと上を向く

が、銀時はそこにおらず、下の方で痙攣していた


『エクソシスト、活動停止確認』

「っちょっ、銀さ『捕獲しまス』


何か言いかけた新八を遮り、コムリンは銀時を腕に掴み、そのまま持ち上げる

銀さああああああああん!!っと新八の必死の叫びも虚しく、銀時はコムリンの中へ収容された



犠牲者第二号、坂田銀時





「銀時さんまで――――」

「しかも何かコムリンの様子がおかしいんですけど!?」


キィィィィィイイイイっとコムリンの目の部分にベタな蛍光ピンクの光が集まり始める

ビーム撃ちそうな、ってか本当にビーム的なものを撃とうとしている


「コムリンビィィィィイイイムッッッ!!!!」

「ちょっ、コムイさん!!ホント待っ―――――」



誰もが何かビームを発射するようなそんな感じの音を予想した


・・・・・・が



メショ。。。



((((・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・メショ?))))


「兄さん!!」


ダークブーツ
黒い靴を発動させたリナリーが、コムイの頭に脚を思いっきりめり込ませていた





「助かりました。リナリー」

「こっちこそ、兄さんが迷惑掛けてゴメンね」


操縦者を失ったコムリンは、程無くして停止した

中に収容された人達は、包帯でぐるぐる巻きにされていたりしたが全員無事であった

しかし、問題は最初にコムリンに捕まった近藤だった



外傷は特に無い。が、



近藤の頭は見事に度利府になっていた



一体コムリンが何をしたのかは不明だが、気絶しているのが救いなのかは定かだ


「やりましたねィ近藤さん。これで立派な度利府の仲間でさァ」

「言ってる場合か総悟ォォォ!!」

「大丈夫でしょうか、近藤さん・・・・・・」

「ほっとけよ」


どの面々にも疲労の影が濃い

まああれだけ駆けずり回っていたのだから、仕方ない



しかしこの時の彼等は、もう一つの危機を忘れてしまっていたのであった



「あっ。そう言えば、妙さんに伝えて欲しい事があるって言われてたのよ」


コムイの襟首を掴みながら振り返ったリナリーは、女神の様な笑顔だった(一同後日談)


「姉上が・・・・・?」

「料理が出来上がったから皆を呼んできて欲しいって」



その瞬間

確かに時が止まった



((((遅かったかぁぁぁぁぁっっっっっ!!!!!!!))))