白い聖職者と銀色の侍 作者/竜吉 ◆l6j3DHrYv.

第三十三話「部屋に入る時はまずノック」
「リーバーさん一体何が――――――」
バン!っと扉を勢い良く開け、バタバタと慌ただしく駆け込んだ先にあったものは
慌ただしく駆け回る科学班と何かベレー帽を被った巨大ロボット、それと交戦している黒い人影
なんと言うか、メカ系ボスの部屋入ったらライバルが先に戦ってました!的な感じだ
「コッ、コムリン!?」
「オイィィィ!何だアレェェェ!!」
「コムイが作ったコムイの人格と頭脳を完全コピーしたロボットさ!」
「人格って、はっきり言ってそこいらないんじゃないですか」
「それはコムイさんの作ったロボットですから・・・・・」
何かもう苦笑するしかないアレン
っとそこへ逆立てた茶髪の男性が駆け寄ってくる
「アレン!ラビ!戻って来てたのか!?」
「リーバーさん!」
「ってか誰?この人」
「ああ、そっちは確かこの前入った仮エクソシストだろ?俺は科学班班長リーバーウェンハムだ」
「科学班?」
「エクソシストや探索部隊が活動するのに必要な武器や道具、団服の作成が主な仕事だな」
こんな状況だが、ついへえっと感心する
「つか、アレ止まんねーの?班長さん」
「それは俺達には多分無理だ。ほら―――」
リーバーの指差す先、コムリンの頭部に当たる部分を一斉に見る
そこには案の定コムイが乗っていたが、いつもと違って何故か妙にハイだった
青い青春カムバーーーックっと少々狂乱状態なのは連日の徹夜でいつもの事なのだが
今日はそれに拍車が掛かって見えるのは、気のせいではないと思う
「ってかコムイに何があったさ・・・・」
「俺にも分からないんだが・・・・・ただ、」
「何か心当たりがあるんですか?」
「リナリーちゃんが持って来たスライムの死骸みたいなモンを食べたら突然暴れだして・・・・」
((それだぁぁぁぁぁあああああっっっっ!!!!!))
スライムの死骸の正体に察しが付く銀時と新八は、脳内での思考が見事にダブる
リーバーさんの言うスライムの死骸はおそらくお妙の作った玉子焼きだろう
そしてリナリーさんが持って来た物であれば、スライムの死骸だろうが生物兵器だろうが
コムイさんなら迷わず口にするに違いない。ってか前はそんな威力なかったよな、姉上の玉子焼き
そんな事をつらつらと考えていると、ガシャンガシャンっと嫌な音を立ててコムリンが近づく
「とにかく、破壊するさ―――大槌小槌、満満満!」
「イノセンス、発動!」
イノセンスを発動させ、コムリンに向かってそれぞれの技を放つ二人。ってか容赦ねぇなオイ
が、コムリンの目(?)の部分が一瞬キラリ、っと光り銀時は悪寒を覚える
「ちょっ、お前ら待っ――――」
嫌な予感がし、二人を止めようとするが既に時遅し
さっきまで無かったコムリンの口(?)がグアアッと大きく開き
二人の攻撃を飲み込むと、そのままバッッと吐き出した
ドオオオンっと爆風が走り、風圧で髪の毛が逆立つ
辺りはシーンとなる
「・・・・・アイツには物理攻撃しか効かねぇ」
銀時の近くに降り立ちその沈黙を破ったのは、先に交戦していた人物――もとい神田だった

小説大会受賞作品
スポンサード リンク