二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- オリキャラと好きなキャラ劇場
- 日時: 2013/07/28 20:07
- 名前: のりは (ID: /B3FYnni)
はじめましての人ははじめまして。のりはです。
紀葉「オリキャラでっす!これはいわゆる短編集!」
ドンキー「しょうもない小ネタをつれづれとって感じだな。」
ヨッシー「どれくらいしょうもないかというと。」
ボーボボ「弁当に入ってる草みたいな奴と同じくらい。」
酷ぇ!!
ドンキー「例のごとく、キャラ崩壊注意だぜー。」
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- 親無しの子 ( No.681 )
- 日時: 2016/12/26 20:06
- 名前: のりは (ID: CkpTUGPA)
カキネ「…よく見たらヨッシーも同じことになってんぞ」
ヨッシーの容態を確認したカキネがつぶやく。
千樹「どうなっているんだ…!」
カキネ「わかんねえ!が!ドンキーはこんな能力持ってないし仲間に手ぇあげたりしないよな!」
椛「もしかして…何かにとりつかれているとか…?」
カキネ「そういうことだとは思う!」
カキネは宙に浮かんだモニターをいじりながらしゃべる。
カキネ「クソ…状態不明、名称不明、弱点不明…全部不明じゃねえか。なんなんだよ…。」
ブルー「叩けばもとに戻るんじゃねえか?」
椛「え、でも…。」
カキネ「試してみるしかねぇな」
ドンキー「…。」
黒い瘴気が一行へと襲い掛かる。
椛「!」
しかし椛の『慈愛の守り』の結界に阻まれた。
千樹「…むこうもやる気だな」
ブルー「それなら…ワンダライズ ブルー!」
ブルーが変身。この間僅か0.000000003秒!
ブルー「さすがにこんなところじゃユナイト・モーフは使えねえが、問題ねえ。ヴァリアンチウム・ブレードの錆びにしてやる!」
カキネ「おい、ドンキーにはやりすぎんなよ」
千樹とブルーが前に出る。
♪宇宙海賊 ガイゾック(The Wonderful 101)
千樹「ドンキー…俺たちの喋っていること、聞こえてないのか?」
ドンキー「…。」
千樹が語り掛けてみるも、反応はない。
千樹「…ダメか。本気で挑んでも大丈夫なのか…?」
ブルー「へたに手ぇ抜くより本気でやったほうがいいだろ。憑りついてんのがどれくらいの実力なのかわかんねえんだからよ!」
言いながら、ブルーはドンキーの方へ走って行き、ヴァリアンチウム・ブレードを振るう。
千樹「あ、おい…!」
ドンキーは難なくそれを避ける。
ブルー「おらぁ!」
次の一撃もドンキーはかわす。
そしてもう一撃を喰らわせようとすると
ガキィン!!
ブルー「どわっ!?」
素手でヴァリアンチウム・ブレードを弾いた。それはそのままブルーから離れたところへ。
弾いた側のドンキーの手からは血が出ている。ドンキーの表情は無表情のまま。
ブルー「あぁクソッ…!」
千樹「早く拾いに行けブルーさん!」
千樹は自身の武器、一樹を構えてドンキーを見据える。
千樹(椛さんがいるとはいえ、深手を負わせてもいいものか…?ただ、手を抜いたらこっちがやられるかもしれない…いや、やられるだろうな)
ドンキー「…。」
千樹「…ん?」
ドンキーは千樹をじっと見つめ、大股で歩み寄ってきた。
千樹「な、なんだ…?」
カキネ「おい千樹ッ!!距離をとれ!!」
カキネの叫びを受け取った後には、すぐに離れることはできなくなった。
ドンキーが一樹の刃の部分をガッチリと掴んでいたのだ。
千樹「あ…。」
一樹を離せば高速移動の能力はなくなる。
つまりすぐに遠くへ行くことはできない。
ドンキー「…。」
ドンキーはいまだに無表情。刀の先からは血が滴っている。
そしてその無表情のまま、千樹にだけわずかに聞こえる声で呟いた。
羨ましい。
妬ましい。
憎い。
愛されたい。
どうして俺は。
どうしてあいつは。
…会いたい。
千樹「…え?」
椛「千樹君危ない!!」
黒い瘴気が、今にも千樹を飲み込もうとしている。
ブルー「うらあああああ!!」
ブルーがドンキーの背後から切りつけようとしたが、黒い瘴気が阻む。
そしてそのまま二人とも
椛「千樹君ッ!!」
カキネ「ブルーーーーー!!」
飲まれてしまった。
続く
- 親無しの子 ( No.682 )
- 日時: 2016/12/26 20:07
- 名前: のりは (ID: CkpTUGPA)
千樹「…う…。」
目を開くと、真っ暗な空間が広がっていた。
千樹「なんだここは…?」
うぞぞぞぞぞ…
千樹「ん?…うわぁっ!?」
足に奇妙な感覚をおぼえて足下を見ると
無数の手が千樹の足を掴んでいた。
千樹「なんだよこれ…!」
そして声が聞こえてきた。
『おかあさん…おとうさん…。』
『さむいよ…。』
『どこにいるの…。』
千樹「…っ」
悪寒が走る。
子供の声だ。それも悲痛な声。
千樹「捨て子の声…?」
親を探しているような言いぶりだった。
もしやここの近くに捨てられていたという、孤児の声なのでは…。
『なんであのこはおかあさんといっしょなの』
『たのしそう』
『さびしい』
千樹「…。」
恐らく、妬みや寂しさなどの負の感情に付け込まれて化け物に襲われたのだろう、と千樹は考えた。
しかしドンキーは?何故憑りつかれている?
何を妬んだり寂しがったりすることがあるのか。
千樹は知らなかった。
『なぁヨッシー。お前って親父さんと仲良いのか?』
千樹「!?ドンキーの声!?」
『…ふーん。やっぱり楽しいのか?親子で話したりって』
千樹「…まさかドンキーも…。」
『そうか…羨ましいな』
千樹「親がいないのか…?」
「そうだよ」
千樹「!」
目の前に真っ黒い人型の何かが現れた。
千樹「何者だ…。」
「さぁ?名前とか姿とか忘れちゃって覚えてないな」
千樹「はぁ…?」
「覚えているのは…僕より幸せそうにしてる奴らをみんなぶち殺してやりたいってこと。そのために孤児に親の幻覚を見せておびき寄せて養分を吸い取ったこと。それはあのネクタイつけた奴にも通用したこと。あいつはバイタルが強いからあいつの体を使って村の奴らを全員ぶち殺そうって思ってること。それにはお前らが邪魔だからまずぶち殺してやろうって思ってること」
顔も真っ黒なせいで表情がわからない。声色も淡々としていて無感情に聞こえる。
「お前と緑の奴は随分幸せに過ごしてきたみたいだな。トラウマでも見せて苦しませようと思ったのに。あ、ちなみに馬に乗ってた奴と青い奴は今頃どっちも兄貴が死んだときの記憶を見てるだろうね。偶然の一致ってやつだね」
喋りながらどんどん近づいてきて、顔にあたる部分を息のかかる距離まで近づけてきた。
「ところで足元の手って誰のものだと思う?」
千樹「…。」
千樹は何も言わなかった。しかし相手の言わんとすることは理解した。してしまった。
「孤児たちだよ」
足元の手は一斉に伸び、千樹の体を覆いつくしていく。
千樹「…ッ!!」
「そのままドロドロの闇に飲まれて死んじゃいな」
千樹の体は無数の手に掴まれて
そのまま
深い闇の中へ
沈んでいった
憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い
寂しい寂しい寂しい寂しい寂しい寂しい寂しい寂しい寂しい寂しい寂しい寂しい
妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい
千樹「うあああ…!」
闇の中では負の感情が渦巻き、頭の中に痛みとなって響く。
千樹「あ…あ…。」
とてつもない痛みが絶え間なく襲ってくる。
耐えきれずに千樹は意識を失った。
カッ!!
千樹「…はっ」
まばゆい光に千樹は起こされた。
周りを見れば闇はどこにもない。痛みも襲ってこない。
その代わりに、声が聞こえた。
『千樹〜!お前が親友でホントによかった!』
『お兄ちゃんのことはいつでも応援してるよ』
『えらいな、千樹。いい子いい子』
千樹「杉助…?紀葉…?木さん…?」
『お前は自慢の息子だよ』
『千樹、あなたはお兄ちゃんになるのよ』
千樹「父さん…母さん…。」
自分の大切な人たちの声。そして
♪エイトメロディーズ(MOTHER2)
椛「…千樹君」
気が付けば、椛に抱き寄せられていた。
千樹「椛…さん…。」
椛「大丈夫だよ千樹君…大丈夫」
優しい声で椛は語り掛ける。
ふと周りを見れば、そこは洞窟だった。
ドンキーの周りの黒い瘴気は自分たちに襲い掛かろうとしているが、椛の結界に阻まれて攻撃できない。
それどころか、少し苦しんでいるように見える。
カキネ「…そうか…なるほど」
カキネの声が聞こえた。
カキネ「憎しみとか…負の感情ってのは…愛に弱いのか。…俺が言うとちょっと変な感じだな」
ブルー「…俺よりはいいんじゃないのか」
ジョニィ「慈愛の守りって言うくらいだから、愛で能力を起こしているんだろう…ぐす」
ブルー「おい泣くなよ。俺も泣きそうになったけどよ!」
ブルーとジョニィも普通にしゃべっている。
千樹「…何、が」
カキネ「椛のおかげだよ。椛がお前を抱きかかえて力をこめたらブルーもジョニィもお前も治ったんだ。愛の力ってやつだろ」
千樹「…椛さん」
椛の顔を見ると、少し泣きそうになりながら微笑んでいた。
カキネ「その時さ、俺にはリーフちゃんや仲間の声が聞こえたよ。ブルーとジョニィもそんな感じだと。お前もじゃないのか?」
確かに聞こえた。大切な人たちの声。
椛「千樹君。あなたのことが大好きな人はいるよ。杉助も紀葉ちゃんも木さんも、あなたのお父さんとお母さんも、千樹君のことが大好きなんだよ。千樹君を愛しているんだよ。
それにわたしも…千樹君を心の底から愛しているよ。
一人じゃないんだよ。だから大丈夫だよ、千樹君」
暖かい。
さっきの闇の中とは全く違う。
負の感情とは正反対だ。
千樹「愛…。」
こみあげてくるものがある。
言うなれば…幸せ。
『なんなんだよ…これ』
続く
- 親無しの子 ( No.683 )
- 日時: 2016/12/26 20:08
- 名前: のりは (ID: CkpTUGPA)
ドンキー「ああああああああ!!」
ドンキーが叫び声をあげた。
それと同時に後ろに薄らと影が浮かんだ。
ブルー「!あいつ…。」
『ムカつくんだよ…!何が愛だ!そんなもの…!』
声色には怒りがにじみ出ている。
そしてドンキーの目は、虚ろな目から血走った目に変わった。
椛「…。」
椛はドンキーと影に歩み寄る。
椛「ドンキーさんを離してあげて…。」
『あ…?』
椛「こんなことをしても、誰かが幸せになるわけじゃないよ…だから」
『お前に何がわかるんだ!!』
影は吼えた。その気迫に少し圧されそうになるものの、椛は退かなかった。
『独りのまま誰にも愛されずに死んだ の気持ちが!!のうのうと幸せに生きてきたお前にわかるわけがない!!』
ジョニィ「死んだ…?」
カキネ「あいつ…怨念の塊か何かか」
『幸せになんかならなくていいさ…ただお前みたいな奴を殺したいだけなんだよ。憎くて憎くてしょうがないから!!』
椛「…どうしてそこまで…。」
椛の問いには何も反応を示さずに、影は続けた。
『それに…こいつの体はほぼ乗っ取っているから仮に が返したいと思っても無理だよ…ククック…。』
ブルー「無理やり引きはがすしかねえか」
千樹「…椛さん」
椛「…。」
椛は慈愛の守りを包むようにして手を組み、目を閉じた。
すると、椛の手から白い光が広がった。
『ぐおおおおおおおおおおおお!?』
光を浴びた影はもだえ苦しんでいる。
ジョニィ「な、なんだあれ?」
カキネ「…あのお守り、あいつに対してかなり有効だな」
影はドンキーの体から今にも引きちぎれそうだ。
椛「お願い…もう傷つけないで…!」
椛は願っていた。
仲間たちの無事を。愛する人の無事を。
ジョニィの言っていた通り、慈愛の守りの能力の引き金は愛。
救いたい気持ちを具現する治癒と守りたい気持ちを具現する結界。
そして憎しみに囚われたものにとっては刃となる。
『おおおおおおおお…ぐがががががが…。』
椛「お願いだから…!」
『あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!』
バシッ
影がドンキーから完全に離れる直前。
苦しみながらも影はドンキーを動かし、椛の手から守りを離れさせた。
椛「…!」
光は消えた。
『し゛ね゛っ゛!!』
影の手が椛へのびる。
千樹「っ!」
しかし、すんでのところで千樹が椛を抱えて回避した。
椛「せ、千樹君…。」
千樹「よかった…避けられた…。」
椛「でもお守り…。」
ブルー「お、おい…!」
ブルーの驚きの声に反応し、二人がその方を見ると
♪EV22 因縁(The Wonderful 101)
ヨッシー「…。」
ヨッシーが立っていた。手には叩き落された慈愛の守りを握っている。
椛「ヨッシー君…!」
ジョニィ「よ、ヨッシー…大丈夫なのか?」
ヨッシー「…はい」
慈愛の守りは光を放っている。その光は段々と輝きを増している。
千樹「守りが…。」
カキネ「どんどんまぶしくなるぞ…。」
『ぐううううううう…。』
影は光を見て、先刻ほどではないが苦しんでいるようである。
ヨッシーは少しずつ前へ出る。
『その光を止めろ!!』
影がヨッシーへ手を伸ばすが
バキィッ
『ごっ…!?』
ヨッシーがドンキーの顔面ごと影を殴り倒した。
ブルー「ど、ドンキーごと殴ったぞおい…。」
カキネ「…あれ事故じゃなくてわざとだろ。何か思うところがあるんじゃないか?」
椛「思うところ…?」
千樹「…。」
ヨッシーは何も言わずに、倒れたドンキーのほうへと歩みより、胸倉をつかんだ。
ヨッシー「ドンキーさん…。」
ヨッシーは、悲しそうな顔をしていた。
ドンキー「…。」
『は、放せ!!』
ドンキーは応えない。影は守りの光から逃れようともがいている。
ヨッシー「…僕はドンキーさんのことを親友だと思っています。頭は悪いけど、優しくて強いドンキーさんを尊敬しています。マリオさんもあなたを友人だと言っていました。マックさんはあなたが一番のライバルだと。ロボットさんはあなたに恋慕の情…深い愛情を抱いてます」
ドンキー「…。」
ヨッシー「ディディーさんはあなたのことをよく慕っているし、他のコングファミリーもあなたを信頼している…何よりあなたの育ての親であるクランキーさんは、厳しさこそあったけど、ずっとあなたを大事に育ててきた…。」
ドンキー「…。」
ヨッシー「違うんですか、ドンキーさん…あなたにとって、僕たちはどうでもいいものなんですか…?」
喋っているうちにヨッシーは涙を流していた。
ヨッシー「なんとか言ってくださいよ…!」
守りの光が
『…!?』
一際強くなった。
続く
- 親無しの子 ( No.684 )
- 日時: 2016/12/26 20:08
- 名前: のりは (ID: CkpTUGPA)
ドンキー(…あれ?)
ドンキーの意識は、先ほどまで暗闇の中にあった。
暗闇の中で、自分の父親の姿をした影をずっと追いかけていた。
影しか見えず、何も聞こえない暗闇で。
しかし今は
ドンキー「なんだこれ」
目の前で映像が流れている。
誰かに抱かれている映像。
それが進むと、映像の視点では地面に下ろされた。
ドンキー「…父ちゃん?」
映っていたのは自分の父親。
父親の外見は知っている。写真で見たからだ。
そして、よく見ると背景は自分の故郷であるDKアイランドだった。
ドンキー「…これってもしかして」
赤ん坊の時の記憶?
普段の生活で赤ん坊の時のことを思い出すことはない。
だが、目の前の映像は目線がえらく低いし、自分で動く気配もない。
それに…父親が目の前にいる。
深層に隠されていた記憶…でないと説明がつかない。
しかし、なぜこれを見せられているのか。
ドンキー「…!?」
映像を眺めていたドンキーは動揺した。
父親の表情を見て。
ドンキー「な、なんで…。」
父親は
ドンキー「なんで泣いてるんだよ…っ」
涙を流していた。
ドンキー「なんで…!」
自分を置いていったのは何か理由がある。
そう考えていたが…そう自分に言い聞かせていたが。
本当は怖かった。
単純に自分が邪魔で、捨てられてしまったのではないかと。
自分は愛されなかったのではないかと。
そうも思ってしまうことが怖かった。
だが、目の前の父親は。
涙を流して去ろうとしている。
?「そういうことじゃろう」
ドンキー「!」
聞きなれた声が耳に入った。
子供のころからずっと聞いている声。
ドンキー「…爺ちゃん…。」
振り返れば、自分の祖父であるクランキーがそこにいた。
クランキー「あれがうれし泣きしとるように見えるか?どう見ても別れを惜しんでるじゃろうて」
ドンキー「…父ちゃんは…。」
クランキー「どうして去っていったのかはワシも知らん…だが、不本意だったんじゃろ。そもそも邪魔で捨てるならなぜわざわざワシのところまで来る?」
ドンキー「…!」
クランキー「前に話したじゃろ。ワシのところまで来て置いていったのなら、少なくとも邪魔だったから捨てたわけではないと。忘れたのか?」
ドンキー「…っ」
捨てられたわけじゃない。
愛されなかったわけじゃない。
そう理解した時、ドンキーは泣きだした。
クランキー「まったく…気持ちは分かるがあやつだけに固執するな。お前の愛する者たちがどうでもいいわけじゃなかろう」
ドンキー「俺…の…。」
『僕、ドンキーさんみたいに優しくないですし』
『ドンキー、調子はどうだ?』
『チーム戦頑張ろう、ドンキー!』
『ドンキー、ちょっと試合しねえか?』
『ドンキーさんのことが大好きです』
声が聞こえる。余計に涙があふれてくる。
ヨッシー、お前は優しい奴だよ。
マリオはよく気にかけてくれるな。モテるわけだ。
ディディーはちょっと頼りないが、俺の自慢の相棒だ。
マックは一番のライバルって言っても過言じゃないかもな。
ロブ、俺もお前が大好きだよ。
クランキー「さっさと戻って、元気な姿を見せてやらんか、このアホウ」
ドンキー「…うん」
闇は、消えた。
そして。
『あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!』
影がのたうち回り、ドンキーから完全に離れ
『あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛…。』
やがて消えていった。
ジョニィ「…消えた?」
千樹「ドンキーは…?大丈夫なのか?」
ヨッシー「…!」
ドンキー「…あ」
ドンキーは元に戻った。虚ろな目も血走った目もしていない。
ヨッシー「ドンキーさん…!」
ヨッシーがドンキーに抱き付き、声をあげて泣き始めた。
他のメンバーも寄ってくる。
ブルー「どうなるかと思ったぜ…。」
カキネ「ドンキー、大丈夫か?なんともないか?」
椛「よかった…無事で」
ドンキー「…うん」
千樹「…ドンキー、泣いてるのか」
ドンキー「え?」
千樹に言われてドンキーが自分の顔を触ると、確かに湿っている。
ドンキー「…本当だ」
さっき見たのは、夢だったのか?
…でも嘘ではない。
ヨッシー「うえええええ…。」
今まさに、自分のために泣いてくれる親友がいる。
ドンキー「…はは」
大事なことを、思い出した。
続く
- 親無しの子 ( No.685 )
- 日時: 2016/12/26 20:09
- 名前: のりは (ID: CkpTUGPA)
♪EV46 ハッピーエンド(The Wonderful 101)
その後、村にメンバー全員で戻って、フォスターに事後報告をした。
フォスター「そうか…討伐してくれたか」
ジョニィ「一つ聞きたい…拾われることもなく死んでしまった孤児っているのか?」
ブルー「え?…あー、誰にも愛されること無く死んだとか言ってたな、あれ…。」
フォスター「む…詳しいことはわからんが、心当たりはあるぞ。村ができて間もないころ…村のはずれで子供の遺体が見つかったことがある…衰弱死だったようだが…まさか」
カキネ「じゃあそいつの怨念…みたいなもんだったんだろうなぁ。多分」
フォスター「そうだったのか…。」
ヨッシー「…何にせよ、もういなくなりましたから…安心して暮らせるでしょう」
フォスター「あぁ…感謝している」
椛「あの…これからは」
フォスター「わかっている…このような事態が起こらないように…とは言っても、外の子を持つ者の考えにまで影響はもたらせないが…それでもここにいる者、来た者への情は忘れない」
そこまで言うと、フォスターは静かに目を伏せた。
フォスター「去ってしまった者への情も忘れない…それが弔いになるだろう…。」
依 頼 完 了 !
帰路につくメンバーたち。
千樹「それにしても災難だったなドンキー…。」
ドンキー「…ああなってよかったとも思うけどな」
千樹「え?」
ドンキー「大事なことを思い出せたんだよ。本当に大事なこと…これから死ぬまでずっと覚えていたいことをさ」
千樹「…そうか」
椛「千樹くーん!」
千樹「あっ、今行きます!」
ヨッシー「ドンキーさーん」
ドンキー「おう!」
愛されたことがない?
それは忘れてしまっているだけでしょう
誰しもが愛されたことがあるはず
思い出せなければどんどん落ち込んでしまいます
愛を思い出して
まだ続く
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