二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 作者と好きなキャラとのハチャメチャ日常!!
- 日時: 2016/07/10 11:46
- 名前: 琴無月 ◆LbOhbV.5is (ID: dnI2gjfy)
- 参照: http://www.hatena.ne.jp/kotomimi3/
※この小説を見る際の注意※
この小説は様々な世界のキャラクターが一緒に生活するという多重クロスオーバー小説です。
オリジナル設定がところどころにあり、時には死んでしまったキャラまでいるという…
他作品のキャラ同士、時にはオリキャラ×版権キャラの恋愛もあります!
また、三次創作キャラも登場する可能性がありますので、十分にご注意ください。
このサイトでは初めましてとなります、琴無月と申します!
好きなジャンル?…いっぱいありますよw
皆様が執筆中の小説も楽しく見させてもらってます!
…くそ、私にも皆様みたいな文章力があったら…
タグ:ポケモン カービィ ソニック 黒子のバスケ スマブラ 鬼灯の冷徹 Happy Tree Friends ミッドナイトホラースクール とある魔術の禁書目録 ハイキュー!! 月刊少女野崎くん ソウルイーター 甘城ブリリアントパーク 弱虫ペダル 青の祓魔師 SHOW BY ROCK!! おそ松さん ディバインゲート クラッシュフィーバー クロスオーバー オリジナル設定有 オリキャラ
文章gdgdですいません…
では、まずは自己紹介からしていきたいと思います!
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- Re: 作者と好きなキャラとのハチャメチャ日常!! ( No.228 )
- 日時: 2016/06/19 22:06
- 名前: 琴無月 ◆LbOhbV.5is (ID: dnI2gjfy)
「あら、貴方達もお茶会に?珍しいですわね。私達以外の方が来られるなんて」
「Zzz…」
先に座っていたのは、時計を持ち、かなり露出の高い服を着たチュチュと、机に突っ伏して寝ているオベロンだった。
アラン(今度はお前らか…)
カエデ「ああ…ところで帽子屋は?」
チュチュ?「彼ですか?うーん、彼ならそろそろ来るはずなのですが…」
「僕を呼んだ迷子さんは誰かな?」
チュチュがそう言いかけた時、森の奥から人影が近づいてきた。
「あれ…僕が想像してたのと違ったみたいだね…思ったより大人だった。…こんにちは、僕が帽子屋だよ。ようこそ、僕達のお茶会へ。さあ、一緒に素敵な今日を祝おうか」
シルクハットをとってお辞儀をしたのは、意外なことにグリムだった…だが割と似合っている(!?)
アラン「(お前だったのか…!?てっきり征十郎とかだと…)お…俺はアランだ。遠くからある場所に目的があってここまで来た」
カエデ「で、俺はカエデ。途中からアランと同行してる」
シアン「二人は私達が誘ったにゃん!」
グリム?「へえ、となると君達は旅人さんか…さぞ疲れたことだろう、少しだけでも休んでいきなよ」
アラン「ああ、そうさせてもらう」
グリム?「ふふ、できる限りのもてなしはしてあげる。…それで、カエデくん」
カエデ「…ん、なんだ」
グリムはカエデに、ぴしりと視線を突き刺す。
グリム?「…どこかで見たことある気がするんだけど…気のせいかな?」
カエデ「は?」
グリム?「ああ、いや、ただ『そう見える』だけなんだ。違ったら気にしないで」
カエデ「…ああ」
カエデが素っ頓狂な声を上げると、グリムは忘れてくれとばかりに元の優しい笑顔に戻る。しかし、カエデは未だ先ほどの視線を気にしていた。
アラン「…(やはりうっすらとは覚えているのか)ところでだ、帽子屋」
グリム?「ん?」
アラン「雪の国について知っていることはないか?」
グリム?「あー…あのおかしな王様のいる、カラスのように闇の中ながら、銀のように白く冷たいところだね」
矛盾した、無造作に選んだような言葉を並べてグリムは呟き、紅茶をすすり息を吐いた。
グリム?「あそこの住人はみんなマリオネットだよ。そこから出ることもできず、持っているかもわからない、ただ雪のように冷たい心で、ただ王様だけに従い続けるんだ」
アラン「じゃ、じゃあマノンが奴に攫われたのは…」
グリム?「…君はその子を追ってここに来たんだね。王様には子供を『冷やす』力があるんだよ。その子はきっと、王様に『冷やされ』たんだろうね」
一松?「…キングだけにキンキンに冷やされるn」
バァアアアン!!!!
その瞬間の光景に、アランもカエデも呆気に取られてしまった。
一松がその言葉を口にした瞬間、グリムはライフルをどこからともなく取り出し、銃口を一松
に向けて躊躇なく発砲したのだ。
一松からは血の代わりにクラッカーのようにカラフルな紙テープが飛び散った。しかもそこには一松は元からいなかったかのようにいなくなっていた。
…怖いのはその瞬間もグリムはニコニコ笑っていた上に、アランをまっすぐ見ていた事、それどころかシアンもチュチュも平然としていて、依然としてオベロンも寝ていた事だ。
グリム?「取り乱しごめんね。さあ、話の続きをしようか」
アラン・カエデ「あ、ああ…」
二人の声はこの上なく震えていたが、グリムはそれを完全にスルーしていた。
グリム?「で、その子を『温める』方法は…赤いものを食べさせることなんだ。といっても、赤いだけじゃダメだよ。何かしらの条件があるけど、それを達成すること自体はとても簡単だ。でもねえ…問題なのは、それが人によって違うってこと」
カエデ「…っていうのは?」
グリム「ある人はパプリカ、ある人はイチゴ、ある人はトマト…中には赤唐辛子って人もいた。でも、ここまで来れば共通点…条件だけならわかってくれるかな」
アラン「…植物のものを生で…?」
グリム?「まあ、そんな感じだね。赤唐辛子の子、本当に可哀想だね」
カエデ「きっつい…」
グリム?「まあ、そんなのはほんの一部だし、君達の探している子はそんなことないと思うよ…」
アラン「そうであることを願いたいが…」
グリム?「何か、赤いのは持ってるかい?」
アラン「あるのはあるが…」
そう言って、アランはオズからもらったりんごを取り出した。
アラン「偶然なものだな…もしこれがマノンに効くのなら…」
グリム?「りんご…ね、今まで見たことは無かったし、試してみる価値は十分にあるよ」
カエデ「被ってないってことは…そいつに合う可能性は更に大きくなったってことか!」
アラン「そうか、それならひとまずは安心か…」
グリム?「まあ、王様に打ち勝ってその子に会いに行けること前提だけど…君達ならきっとできるから。頑張ってね」
アラン「ああ…なんとしても連れ戻してやる」
カエデ「俺もできる限りの手助けはするから…なんとしてでもこの世界の真実を知りたい」
グリム?「!!…」
カエデの言葉に、グリムはぴくりと肩を動かしたが、アランとカエデはそれに気づかなかった。
グリム?「…いい決意だよ。さてシアンちゃん、紅茶のおかわりを貰うとしようか」
シアンる「はいにゃ!!」
シアンはポットを手に取り、グリムのカップに紅茶を注ぐ。
するとグリムは、チュチュにこう言い出した。
グリム?「チュチュちゃん、時計を貸してくれないかな」
チュチュ?「え?…ああ、いいですわよ」
チュチュは自分の懐中時計をグリムに手渡す。するとグリムは…
アラン・カエデ「…は!?」
ポチャンという音とともに、またも呆気にとられる二人。
何故なら、グリムは入れてもらった紅茶にチュチュの時計を「わざと」落としたからだ…
- Re: 作者と好きなキャラとのハチャメチャ日常!! ( No.229 )
- 日時: 2016/06/19 22:08
- 名前: 琴無月 ◆LbOhbV.5is (ID: dnI2gjfy)
アラン「お、お、おい」
カエデ「何やってんだお前!?」
グリム?「??時計ってこうするものなんだよ」
チュチュ「そうですわよ♪これくらい知らないとこの世界では生きていけませんわ」
カエデ「うっそだろ…」
まるでそれが当然だというように首を傾げるグリムとチュチュとシアン。もちろんアランとカエデは混乱した。
グリム?「まあ、ゆっくり慣れていけばいいさ。…あ、そろそろ時間だね。シアンちゃん、オベロン起こして」
シアン「了解にゃん!!」
カンカンカンカンッ!!!!
オベロン「!?!?」
シアンはフライパンとおたまを取り出すと、おたまでフライパンの面を叩きまくってオベロンを飛び起こさせた。
そんなオベロンにグリムは…
グリム?「紅茶切れちゃったんだよね。悪いけど入っててもらうよ」
オベロン?「ちょ、おい、やめ」
グリムはオベロンの顔をティーポットの口に押し込んだ。すると、オベロンは自分よりもはるかに小さい口へと吸い込まれていった…
アラン「な…何がどうなってるんだ」
カエデ「なんだこいつ…」
グリム?「…これでよし。紅茶のおかわりできたよ!飲むかい?」
アラン「…やめておく」
カエデ「俺も…」
ーーー
次の日の朝早く…
グリム?「あれ、こんなに早めに行っちゃうんだ」
アラン「一刻も早くマノンを探さないとな」
カエデ「俺も…できる限りのことはしねえとな」
アラン「ああ、頼むぞ」
カエデ「…別に。俺はただあの家からもっと離れたいだけだよ」
グリム?「素直じゃないねえ」
アラン「いつもこうだからな」
カエデ「なっ…るせーぞ変人…」
グリム?「ははは、褒め言葉として受け取っておくね。…ねえ、カエデくん」
カエデ「チッ…なんだよ」
吐き捨てるように舌打ちをしたカエデに、グリムは準備をしているアランに聞こえないような小声で言った。
グリム?「昨日言ってたこの世界の真実…どういうことかな?」
カエデ「は?」
グリム?「いや、少し気になってね」
カエデ「そうかよ…アランが言うに、この世界の俺達は本当はこんな俺達じゃないらしい」
グリム?「僕達じゃない…?」
カエデ「アランは大切な人を探すために別の世界から来た。だけど…本当の『俺達』はその別の世界にいて、この世界の俺達は歪められた存在なんだと」
グリム?「…僕達には別の『僕達』の姿があるってことか」
カエデ「ああ…だから俺はその『本当の俺』を見つけたいんだ、俺は本当は何者なのかを…それでアランについて行ってる」
グリム?「…そっか。でもね、カエデくん」
グリムの声のトーンが少しだけ低くなる。
グリム?「仮にアランくんの話が本当でも、『本当の僕達』が僕達とどれだけかけ離れているのかはわからない。場合によっては、今のアランくんと僕達の関係が全く違う可能性もある」
カエデ「…関係」
グリム?「…例えば、もし君と彼が『敵』だったら?」
カエデ「…!!」
グリム?「もしもそうだったなら、君は今までのアランくんとの旅を受け入れられる覚悟はあるのかな。それとも、アランくんと旅を共にした自分を受け入れる事は出来るのかな」
カエデ「…」
ちらっと、背中を向けているアランを見る。
カエデ「…そんなの、承知の上だ」
カエデは握りこぶしをさらに強く握りしめた。
カエデ「それに、あいつは信用できない奴ばかりの『ここ』じゃ初対面の俺のことを信じたバカだから…『俺』とあいつは敵じゃねェって信じる。それに、現実がどんなに残酷だったとしても…受け入れないと俺はいつまでもこんな奴のままだ。覚悟ぐらい、とっくにできてる」
グリム?「…『自分』を捨てる決心がついたんだね」
カエデ「もともとこんな俺なんて嫌だったからな。アランのいう、俺と違う『俺』になれるのなら何させられたって構わねェよ」
グリム?「…うん、君の覚悟はよくわかった」
そう言って、グリムはアランをチラッと見て、すぐにカエデに視線を戻す。
グリム?「後は君達がたどり着けるかどうか次第だ。無事にアランくんがすべてを終わらせられたなら、カエデくんも何かを見つけられるかもしれない。…アランくんにも言えることだけどね、くれぐれも、無茶はしないでね」
カエデ「!!…ああ」
するとアランが準備が終わったのか、カエデを呼ぶ声がした。
グリム?「…あ、でも、本当の『僕』と『君』の関係がどんなにひどい事でも、僕の事恨まないでね?」
カエデ「…場合によるな」
グリム?「ひどい!いい事言った気がするし許してくれると思ったのに!!」
カエデ「それとこれとは関係ねェよ」
ーーー
『この先を進めば雪の国だにゃん』
その言葉を信じて歩くと、いつしかそこは雪景色。その上昼なのに、何故か空は闇に包まれている。
カエデ「割と帽子屋の言ってた通りなんだな…」
アラン「…住人になるべく見つからないように進むほうがいいな」
雪に足跡をつけ、ゆっくりと進んでいく。
一つずつ、一つずつ。…だが、その中には一つの違和感が。それは足跡を増やすごとにどんどん増えていった。
アラン「…なあ、カエデ」
カエデ「…ああ」
アラン「帽子屋の言っていたことと違うぞ…あいつの言うことが本当なら、住人もいるはずなんだが…」
そう、本当なら街を歩いているはずの住人が全くいないのだ。
家はあるのに、注意するべき存在の人がいないという奇妙な状況に、ふたりは眉を潜めていた。
カエデ「王サマとやらが何かをしかけてんのか…?」
アラン「…まさか。俺達が何に気をつけているかなんて気づいていないはず…」
「俺がどうかしたか?」
予想外のタイミングで聞こえたその低い声。
アラン「…お前…!」
カエデ「まさか…アンタが王サマってやつかよ…」
アーサー?「ああ、お供まで連れてくるなんてな。…この世界の真実、だったか。滑稽なことをこの少年に教えたものだ、アラン」
口角を上げるだけの、無機質な笑みを見せるアーサーに、アランは驚愕した。
普通なら彼は城にいるはず。二人が来ていることには警戒はしても気づくことは普通ないだろう。
アラン「…何故その事を」
アーサー?「先の見えている物語など面白くないだろう?」
アラン「…ッ!?」
アランには一瞬、アーサーの姿にノイズが走ったように見えた…
- Re: 作者と好きなキャラとのハチャメチャ日常!! ( No.230 )
- 日時: 2016/06/19 22:10
- 名前: 琴無月 ◆LbOhbV.5is (ID: dnI2gjfy)
アーサー?「ああ、すべて見ていたさ。君達が魔法使いによって林檎を手にしたことも、帽子屋に助言や忠告を受けていたことも。…この世界の真実?笑わせるな、この世界の真実は『この世界』でしかないんだ」
アラン「…この世界は現実なんかじゃない…!」
アーサー?「いい加減認めたらどうだ?夢だったのは君の望んだ幸せの日々だ。これが真実。…君だって、彼の虚構の幸せに惑わされているんじゃないのか?」
カエデ「そんなことねェ!」
カエデは自分に向けられた言葉を噛み付くように否定した。
カエデ「…ずっと見てた…アランが大切な奴を探す姿…あの目に虚構なんてモンはねーよ!」
アーサー?「…とんだ綺麗事を」
アーサーはカエデの訴えを嘲るように受け流し、指をパチンと鳴らした。
突然視界が揺らいだと思ったら、気がつくとそこは豪華な装飾が施された広間になっていた。しかし、その装飾はすべて氷。厳しい冷気がふたりを襲う。
カエデ「っ…!?ここ、は…」
アーサー?「ようこそ、雪の城へ」
アラン「城…!ここにマノンが…!?」
アーサー?「…さあ。言ったはずだろう、先の見えている物語など面白くない、と」
アラン「ぐっ…」
アーサーは広間の奥にある椅子に腰掛けていた。その前には、無数の水色に輝くハート、スペード、ダイヤ、クラブのピンをつけた兵隊達が並び、アランとカエデを睨んでいた。
アーサー?「…まあ、物語は終盤に差し掛かっているのは確かだ。…最後まで楽しませてくれよ?」
その言葉が合図であるのように、兵隊達は一斉に武器を構えた。
それに応えるかのように、カエデはスプレーガンを取り出し、アランはモンスターボールからリザードンを繰り出した。
アラン「…なら俺はその『最後』を一刻も早く見つけるだけだ!行くぞ、カエデ!」
カエデ「おう!」
アーサーの口元は更に鋭い弧を描いた。元のアーサーからは考えられないような、凶悪な笑だった。
アーサー?「…では、こいつらと遊んでもらおうか」
アーサーが手を振り上げたと同時に、無数の兵隊は二人に飛びかかった。
アーサー?「…二度と帰さない
逃がさない
もしこれがお前の夢だったとしても…お前には一生この鳥籠に閉じ込められていてもらおう」
ーーー
アラン「リザードン、全方向にブラストバーンだ!!」
リザードンから放たれた炎は、一気に兵隊達を焼き払っていく。
攻撃が当たらなかった兵隊も、カエデのスプレーガンから放たれる様々な色の光線が正確に打ち抜いていった。
兵隊自体は強くない。問題なく倒せる。だが…
アラン「クッ…数が多い」
カエデ「ダメだ…このままやっても無駄だろ…」
アラン「ここは攻撃範囲を広げるしかないな…リザードン、行けるか?」
アランは黄色く輝く石…キーストーンをつけた腕輪をチラッと見てリザードンに問いかけた。
リザードンは首だけをアランに向け、コクリと頷く。
アラン「…よし。
…我が心に応えよ、キーストーン!」
そしてアランが天に腕を掲げると、キーストーンとリザードンの首についた丸い石から光が溢れ、リザードンは光に包まれた。
カエデ「アラン…!?」
カエデがあっけに取られている中、光に包まれるリザードンのシルエットは、見る見るうちに変化していった。
アラン「進化を超えろ…メガシンカ!!」
そして、光が消えたリザードンは、黒い体に青い炎を纏っていた。
カエデ「え…これって…?」
アラン「…絆の証だ」
カエデ「絆?」
アラン「詳しい事はまた後で話す。今はこいつらを薙ぎ倒すのが先だ」
カエデ「…ああ」
アラン「リザードン、もう1度ブラストバーンだ」
そしてリザードンから吐き出された炎の色は青。
その前の赤よりも勢いをはるかに増した青は、冷やかな青をかき消していく。
その光景に、カエデは思わず見とれてしまった。
青い炎が、青い氷を溶かしていく美しさをその目に映していた。
カエデ「………」
アラン「…カエデ」
カエデ「っ!!悪ぃ、ボーッとしてた」
アランに呼ばれたカエデは我に帰り、スプレーガンを構え直した。
カエデ「まだ気を抜くわけにはいかねェよな…」
アラン「勿論だ。…リザードン、もう1度燃やし尽くすぞ」
そしてアランとカエデの周りにたつ火柱は、どんどん兵隊達を飲み込んでいく。
しかし、
「やあああああっ」
アラン「…え」
嘆き叫ぶ兵隊達の中にひとつ聞こえた少女の声。
それはアランがずっと求めていた声だった。
アラン「…マノン!?」
カエデ「は、マノン…って」
アーサー?「気づいてしまったようだな」
アーサーは王座から2人を見下ろし嗤う。
アーサー?「さて、『彼女』を見つける事は出来るかな?」
アラン「…悪いが
この勝負、俺が勝たせてもらう」
アランは拳を握りしめた直後、声を張り上げた。
アラン「マノン!これくらいでは倒れないだろう!早く出てこい!俺の元へ!」
アランのはっきりとした声は広間中に響き渡った。
すると、兵隊の誰よりも早くアランの元へと迫る影が現れた。いち早く気づいたカエデは、思わずアランの名を叫ぶ。
カエデ「アランっ、早く逃げろ!!後ろからくる!」
だが、アランはカエデの方向さえ見ずに後ろを振り返り、首を横に振った。
アラン「…俺は大丈夫だ」
その直後にその影はアランへと激突した。
アラン「………ぐっ」
その衝撃が強すぎたためか、体中に激痛が走り、口からは少しばかり赤黒い液体が漏れた。
しかし、アランはその小さな影をしっかりと受け止めた。
カエデ「あっ…アラン、大丈夫か!?」
アラン「あ…ああ、これぐ、らい…大丈夫」
駆け寄ったカエデは心配そうにアランを見るが、アランはカエデを安心させようとかすかに笑顔を漏らした。
アラン「…それよりも、マノンを…」
マノン?「…ッ、離して!」
その影は、氷のように青く透き通った鎧を着たマノンだった。マノンはアランに対して敵意剥き出しの表情で、アランを引き剥がそうとしていた。
アラン「大丈夫、大丈夫だ…マノン、俺だ、アランだ」
マノン?「あ、らん…」
優しげなアランの声に、マノンの腕の力が少し弱まったような気がした。
アラン「ずっと探したぞ…ったく、迷惑かけて…」
マノン?「でも、私、アランのことなんて」
アラン「…」
アランはリンゴを取り出して、一口かじり小さなリンゴの欠片を作った。
アラン「…ほら」
その欠片を摘んだ指が、マノンの唇に触れる。
少し胸がトクンと鳴ったが、それを振り切りマノンの口の中にリンゴの欠片を押し入れ、マノンの体をぎゅう、と抱きしめた。
アラン「…帰ろう、マノン」
マノン?「……
アラン…?」
マノンは小さく震えた声を絞り出した。
アランが顔を上げてマノンの顔を見ると、目に光のあるマノンは一筋の涙をこぼしていた。
マノン「…ご、めんな、さい…私のせいで…また迷惑かけちゃった」
アラン「もう大丈夫だ、ほら…帰ろう?仲間が待ってるぞ」
マノン「うん…!!」
カエデ「(チッ、気に入らねえ…イチャイチャなら他所でやれよ…にしても………は?)」
その頃、完全に外野だったカエデは王座を確かめた。
…そこには、アーサーの消えた王座がただあるだけだった。
カエデ「な…なんで…さっきまでここにいたはずじゃ…」
??「『キミ達』はもう『御役御免』なんだ。…これだけで、この世界のこと…わかってくれたでしょう」
カエデ「なっ…!?…」
その瞬間、突然にしてカエデの意識は遠のき、そのまま、床へと崩れ落ちた。
そして、アランも同じ声を聞くこととなる。
- Re: 作者と好きなキャラとのハチャメチャ日常!! ( No.231 )
- 日時: 2016/06/19 22:11
- 名前: 琴無月 ◆LbOhbV.5is (ID: dnI2gjfy)
「こうして、一人の少年は探し求めた少女と再開し、一人の少年は真実と向き合うことが出来ました
そして君も君が愛する人も親しい人もみんなみんなみーんな、消えてしまいましたとさ」
聞いたことのない声に顔を上げる。
アランは目の前に飛び込んできた光景に目を疑がった。
…マネキン
アランが抱きしめていたのは、ずっと追い求めたマノンではなく、無機質で冷たいマネキンだった。
まさかと思い後ろを向くと、カエデがいたはずのところにもマネキン。アーサーが座っていたはずの王座にもマネキン。配下が立っていた所にもマネキン。
全てが、まるで今まで幻を見ていたかのように変貌していた。
アラン「マ、マノン…?カエデ…?ど、どうして…」
「少しだけでも、楽しんでくれたかな?」
マノン“だった”マネキンを押しのけた時、再び聞こえた男の声。
アランの後ろに歩いてきたのは、今までアランが現実世界でも会っていない、道化師のような姿をした青年だった。
アラン「お前は…マノン達に何をした!?」
「別にボクは“今は”何もしてないよ。ただちょっと前まで、君達に夢を見せていただけさ」
アラン「!!…つまり、お前は」
その男は不敵な笑みをこぼした。
「そうだよ。ボクが黒の魔道士。“君”に夢を見せていたのも、このマネキンに皆の魂を移し替えたのもボク。でも、本当のボクは黒の魔道士でもなんでもないんだよ」
アラン「何…ッ!?」
その瞬間、地鳴りとともに地面が割れ、その割れ目は広がって穴を作った。
アラン「お前…何を!?」
?「ふふ、その気になればこのくらい簡単に出来る。でもね、それができるのはボクだけじゃないんだよ」
アラン「ぐっ…!?」
必死に姿勢を取ろうとしても、すぐに穴に引き込まれる。それに加えて、次の男の言葉がアランの気をひきつけ、穴への注意を失わせた。
「彼らは意外と近くにいるかもね?…ボクの目的はその後の力を利用して、世界を『リメイク』する。これはただの「計画」の課程の一つに過ぎないんだよ」
そしてついに足場を失い、落ちていくアラン
の意識が消える間際に聞こえた声。
「…『………』のためなら、『彼女』を利用してでも」
ーーー
白澤「おはよーアランくん!」
アラン「…」
眠たげな目をこするアランに、珍しく白澤が挨拶してきた。
アラン「俺は男だぞ…なんか食べたのか」
白澤「失礼しちゃうなあ、僕だって男をぞんざいに扱うなんてしないよ」
アラン(嘘だろ…)
白澤「で、アランくん、なんか寝起きすごく悪いし、冷や汗もかいてるけどどうしたの?」
アラン「…」
白澤は目を逸らしたアランの顔をのぞき込んだ。
白澤「…やっぱり何かあるみたいだねー?あっち行こう。そこでゆっくり話すとしようか」
ーーー
白澤「…夢?」
アラン「ああ。この世界が全てかき乱された世界で、マノンを探す夢だった…シアンも操祈もオズも、皆俺の知っている奴らじゃなかった」
白澤「そっか…でもいつも冷静な君がその様子だと、まだ何かしらあるよね。…話せる範囲でいいから、教えてくれないかな」
アラン「…魔道士」
白澤「え?」
アラン「世界をそうしたのは黒の魔道士って男だ…それだけなら良かったんだ。所詮は夢なんだから。だが、あいつは…皆に魂を移し替えたとか、自分は本当は黒の魔道士でも何でもない、世界を“リメイク”するための「計画」の過程の一つに過ぎないと言っていた…これは、夢を通して“俺”に何かを伝えようとしていたのか…?」
白澤「…リメイク」
アラン「そのリメイクとはどういうものなんだろうか…下手をすればあの世界のように、壊れてしまうのか?」
白澤「そいつの言ってることはわかんない…けど、油断はできないね。そいつはアランくんに夢を通じて語りかけようとしていたのかもしれない。もしそうなら…予知夢であるというのは確かなのかも」
アラン「予知夢…」
白澤「でも、なんであえてアランくんなのかはわからないし、今のところは黙っておいた方が無難じゃないかな。今言って混乱させたりするのは危険だ」
アラン「…わかった」
白澤「…そう暗くならないで。アランくんは何も悪くないんだから。今日は何の行事もないし、いつも通りにしているといいよ」
アラン「ああ、…ありがとう、話聞いてくれて」
ーーー
アラン「カエデ、何やってるんだ」
カエデ「ギクッ!?」
自分の部屋に戻ったアランが見たのは、なんとリザードンの毛をくしでとかしているカエデだった。
カエデ「けっ…毛玉がついてて目障りだっただけだよ!!別に好きでやったわけじゃ…」
アラン「リザードンに毛玉なんてつかないぞ」
カエデ「ぐっ……やっ…やったっていいじゃねーかよ!悪いか…!?」
アラン「いや別にいいんだが…勝手に俺の部屋に入るのはいただけないな」
カエデ「そ、それは…悪かった」
カエデはそっぽを向いて小さな声で言うが、言葉は続いた。
カエデ「…俺さ」
アラン「なんだ?」
カエデ「夢を見たんだ」
アラン「…夢?」
カエデ「ああ。それも、リアルかよってくらい長い夢をな。…最初は牢屋みてェなところに閉じ込められる夢だった。暗いし、居心地悪いし、もう精神が抉られそうなくらいに嫌な気分だった。…だけどな、アンタが助けてくれたんだよ」
アラン「…俺が?」
カエデ「ああ。…というか、リザードンが?…どっちでもいい、とにかく、アランのリザードンが黒くなって、青い炎で牢屋を壊してくれたんだ。…すっげえ、綺麗だった。アンタのおかげで脱出できた…そういう夢だ」
アラン「…そうか」
アランはくすっと笑った。
アラン「…やっぱりカエデはカエデだな」
カエデ「は!?なんだよそれ!俺らしいところ一つも出してねえぞ!?」
アラン「ずっとカエデはカエデらしいところ見せてるぞ。…そうだ。カエデ、今から暇か?」
カエデ「んだよ…まあ、する事ねーけど」
アラン「昼にホルンとバトルしようと思っている。現実世界でも青い炎、見せてやろうか?」
カエデ「…!!しょ、しょうがねェなあ、そんなに見てほしいなら見に来てやるよ…」
アラン「(…あの世界でもカエデは「カエデ」のままだった…これには何か意味があるのか…?まあ、今は気にしないでおこう)」
すると、現実で一番聞きたかった声が…
マノン「アラーン!おはよーっ!!」
駆け寄ってきたマノンに、アランの目は輝く。
アラン「!!マ、マノン…!!お、おはよう」
マノン「もーっ、全然来ないから私から来ちゃった!あれれ、カエデさんもいるんだ!おはよう、カエデさん!」
カエデ「おう、おはよ」
いつもの様に満面の笑みを見せるマノンを抱きしめたい衝動を抑えて、アランはマノンを誘う。
アラン「…マノン、昼にホルンとバトルしたいと思ってるんだが…」
マノン「ほんとーっ!?アランのバトルしてる姿、また見れるんだ!やったー!!」
カエデ「うおおっ、機嫌いいなアンタ…」
マノン「ノンノン!私はいつもこんな感じだからっ!」
ぴょんぴょんと跳ねるマノンと、そのテンションにビクッと肩を一瞬震わせるカエデ。その二人を見つめ、アランは安堵の息を吐いた。
…二人共、「いつも通り」だ。
いつも通りの、いつもの朝。代わり映えのないからこそ、安心できる。
改めて実感できる、そんな朝だった。
ーーー
一通り話を終えてアランと別れた白澤は、アランの話していたことについて考えていた。
白澤「黒の魔道士…ねえ」
彼にとって一番気になっていたのは黒の魔道士の目的。数ある彼についての欠片をかき集めると、なんとなく誰なのかがわかったような気がしてきていた。
白澤「どっちにしろ男なんだし、ぶっちゃけ誰かなんてどうでもいいんだけど…皆の幸せを壊すこと、それだけは放っておけないね…
『ーーー』くん?」
そう言った白澤の後ろで、「いつも通り」ではない白澤を楽しそうに見る男がいた…
続く
- Re: 作者と好きなキャラとのハチャメチャ日常!! ( No.232 )
- 日時: 2016/06/19 22:12
- 名前: 琴無月 ◆LbOhbV.5is (ID: dnI2gjfy)
後書き
お待たせいたしましたぁあああああああああああああ!!!!!琴無月です!!
五月に投稿するとか言っといてもう六月後半です!!orzすみません、クラフィのサンリオコラボとかオズさんグリムさん☆6実装とかサンリオアザゼル様とかキティなDRTHちゃんが好きすぎて浮かれてました!!!要はクラフィ楽しい!!!(クズ)そしてVOEZにもハマりました!!AquariusとBeyond the horizon好き!!文ストやリゼロにもハマりそうです!!(!?)ラムちゃんレムちゃん可愛い!ラインハルトさんかっこいい!!太宰さん国木田さんイケメン!!乱歩さんと鏡花ちゃんマジ天使!!(氏ね)
さて、今回はアランくん(とカエデくん?)が歪な世界を探検するというカオスなお話でした!
一応登場人物の元ネタをまとめておくと、
アーサーさん→「雪の女王」の女王
みさきち→「赤ずきん」の狼
ジャクリンちゃん→「親指姫」のカエル(でも可愛い(クズ))
カエデくん→「親指姫」の魚(お前親指姫のカエルだろとか言わないの←)、「オズの魔法使い」の同行者
オズくん(デ)→「ヘンゼルとグレーテル」の魔女、「白雪姫」の女王
グリムさん→「不思議の国のアリス」の帽子屋(アリスはルイス・キャロルだろって?言うな(クズ))
一松、シアンにゃん→「アリス」のチェシャ猫
チュチュちゃん→「アリス」の時計うさぎ
オベロンくん→「アリス」の眠りねずみ
となっております!オズくんは「シンデレラ」の魔法使いにしようかなとか、烏野1年組を「ブレーメンの音楽隊」としてだそうかなとか思ってましたが没にしました()
そしてカエデくん以外のキャラは大体性格や口調を変えようかなと思ってましたがアーサーさんは相変わらず中二だったし(個人的には「先の見えている物語など面白くない」ってセリフ割と好き←)、みさきちや一松、オベロンくんも割といつも通りでした…でもうちのグリムさんは、いろんな二次創作でよく見かける黒子っち大好き黄瀬っち並のドロシーちゃん大好きなネタキャラ(いざと言う時には…?)って設定なのでかっこよくできたよね!!←←←
そして「黒の魔道士」は…最後にフラグ立てていきましたね←こいつが誰なのか、これがどうなっていくかはお楽しみに(ドクズ)あ、グリムさんは緑だよ!(氏ね)
さて、ここからすごく偉そうな綺麗事並べるモードに入ります…ダメな方は読み飛ばしちゃってください(クズ)
いつも通りの生活退屈って思う人もいるかもしれませんが…突然に生活が大幅に変わるってのも割と辛いと思います…(失礼)私が二次元に行ったとしても、最初は嬉しくてもいつかは現実(特にフォーリミやpas(クズ))がこいしくなって「いつもの生活に戻りたい」なんて思ってしまうかも知れません…
いつも通りの生活がどう思うかなんて個人差があるし、心の底から退屈だとか、辛いとか思う人もいるかもしれません。
ですが、私は言えます。「こんな現実でよかった」と。
確かに勉強も人間関係もとても辛いです…が、こんな人生だったからこそ、大好きな作品も見つけられて、好きなバンドや曲もできて、素敵な人に出会えて、こうやって小説書いたりいろんな方とお話できたんです。
とっても嬉しいです。
…ただ、少しずつ生活は変わります。三年後には私も大学生です(受かるかはわかりません)。いつか、私がこの小説を終わらせる日が来るかも知れません。
だからこそ、変わってしまう前に今の全てを楽しめたらいいなと思います!
これからもよろしくお願いします!
↑ここまで読み飛ばしてOK
と、すっごく中二がかった偉そうなこと並べてしまいました…気に障られた方本当に申し訳ありませんorz
さて気を取り直して、次回はうちのオリキャラ、ホルンが主役の七夕回です!
七夕…といっても、普通の七夕ではありません!!夏といえば…肝試し!そう、ホルンが赤司くんと肝試しします!!お楽しみに!!(クズ)
それでは!!
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