二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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作者と好きなキャラとのハチャメチャ日常!!
日時: 2016/07/10 11:46
名前: 琴無月 ◆LbOhbV.5is (ID: dnI2gjfy)
参照: http://www.hatena.ne.jp/kotomimi3/

※この小説を見る際の注意※
この小説は様々な世界のキャラクターが一緒に生活するという多重クロスオーバー小説です。
オリジナル設定がところどころにあり、時には死んでしまったキャラまでいるという…
他作品のキャラ同士、時にはオリキャラ×版権キャラの恋愛もあります!
また、三次創作キャラも登場する可能性がありますので、十分にご注意ください。

このサイトでは初めましてとなります、琴無月と申します!
好きなジャンル?…いっぱいありますよw
皆様が執筆中の小説も楽しく見させてもらってます!
…くそ、私にも皆様みたいな文章力があったら…

タグ:ポケモン カービィ ソニック 黒子のバスケ スマブラ 鬼灯の冷徹 Happy Tree Friends ミッドナイトホラースクール とある魔術の禁書目録 ハイキュー!! 月刊少女野崎くん ソウルイーター 甘城ブリリアントパーク 弱虫ペダル 青の祓魔師 SHOW BY ROCK!! おそ松さん ディバインゲート クラッシュフィーバー クロスオーバー オリジナル設定有 オリキャラ 

 

文章gdgdですいません…
では、まずは自己紹介からしていきたいと思います!

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Re: 作者と好きなキャラとのハチャメチャ日常!! ( No.223 )
日時: 2016/06/19 21:59
名前: 琴無月 ◆LbOhbV.5is (ID: dnI2gjfy)

カエデ「おせーよホセ」

琴無月「スイマセンデシタァアアアアアアア」



琴葉姫さん

久しぶりの座談会でした(ぶっちゃけ存在忘れかけてた(!?))

狂乱Heykidsかっこいいですよね…!クルッテヘイキッズ!!(クズ)

琴無月「あとボーカルの方イケメン!!」

ベリアル「おいそれは俗に言うnmmnフラグだぞ」

琴無月「ゲンゲンくんとか扱ってる時点でね?」

ベリアル「アッ」

ロージア「ギャップ萌えの極みといえばアザゼルさんだよねーっ♪(ふふふ、愉快愉快…)」

アザゼル「黙れと言っているだろう、小童が…!!好きで何が悪い!?」

クロウ「おいおい、サンリオすきならお前も家畜家畜言ってねえでオレの家畜になれよ!!」

アザゼル「誰がなるかこの矮小ハリネズミ…!!」

クロウ「んだとぉ!?」

千代「えへへっ…こういう話になると熱くなるんだよね」

削板「根性があっていいと思うぞ!」

千代「そうかな…」

霊夢「いい方向…ね…」

琴無月「よく考えたらそうだよね…悪い意味のギャップなんてのもあるしね…」

オズ(ク)「爽やかな好青年だとおもったらコレクション厨のド変態とかいたりするしな!!」←←←

ショウキ「お前も人の事言えねえだろ…」

オズ(ク)「何を言う!私にはギャップなどないだろう!私はいつでもありのままの私だ!!」

可児江「(こいつら…)」

千代「…うん、頑張ろうね、雷刃の襲撃者さん!あなたも私みたいに全然上手く行かないかもしれないけど、あなたなら絶対出来るって信じてる!応援してるよ!」


こちらこそ意味不明なコメ返失礼しました…
それではようやく新作です!(クズ)

Re: 作者と好きなキャラとのハチャメチャ日常!! ( No.224 )
日時: 2016/06/19 22:00
名前: 琴無月 ◆LbOhbV.5is (ID: dnI2gjfy)

いつも通りの、いつもの朝。アランはいつもの様に起きて、顔を洗い、リビングへと向かった。
そこではいつものように、テーブルの椅子に座っているマノンが、明るく「おはようアラン!」と言ってくれる。
そんな代わり映えのない毎日に安心できた。とても幸せ。とても嬉しい。
今日もリビングの扉を開けて、大好きな其の姿が飛びついてくる…





はずだった。

アラン「…マノン?」

アランは違和感にすぐ気がついた。いつもならドアの音で気づいて駆け寄るマノンが、今日はずっと椅子に座っているのだ。
きっと眠いのだろう。そう思いながら、アランはマノンの後ろに近づき、

アラン「おはよう、マノン」

と言った。するとマノンが振り向く。

アラン「…!?」

おかしい。どう考えてもおかしい。
マノンはアランのことをきっと睨んでいた。いつもなら、アランにこんな表情を見せるなど考えられないことだ。

アラン「どうしたマノン、寝起きでもわる…」

そう、アランが言いかけた時…






パアンッ

と、乾いた音が鳴り響いた。
その瞬間、アランの片頬は赤く染まり、痛みが走る。
そう、突然マノンがアランの頬を引っ叩いたのだ。
突然の出来事が理解できないアランは、そのまま何も言えず立ち尽くしていた。
そして、マノンがゆっくりと口を開く。

マノン「アラン…」

アラン「…え」

マノン「アランなんて…


アランなんて大ッ嫌い!どっかに消えちゃえ!!」

アラン「ッ…!!??」

アランはたった今、マノンの口から吐かれたその言葉の意味が理解できなかった。
いつも明るく素直で、アランを尊敬していたいつもの彼女とは全く違う。

アラン「え…なんで…」

アランは驚愕のあまり震えながら、憎しみに溢れた彼女の瞳を見つめた。
すると…一人の声が。

「その子は俺の物だ」

一人の青年が、マノンの肩に手を置いた。
アランはその青年の顔を見て、これまた絶句した。
何故なら、彼は金髪の瞳に金色の目、どう考えても最近嫁に入ってきたアーサーだった。しかし来ている服が違う。水色の服に身を包んでいたのだ。

アラン「アーサー…!?」

アーサー?「アーサー?誰に向かって言ってるんだ?」

アラン「は?」

アーサー?「俺は氷の王。ずっと俺を待ち続けていたこの子を迎えに来た」

アラン「…ふざけるのもほどほどにしろ」

アーサー?「ふざける…?俺は1ミリもふざけていない。むしろお前がどうかしているんじゃないかな?」

アラン「そんなことあるわけない…昨日まで俺とマノンは…」

アーサー?「…もしかすると、それは全て“夢”だったりはしないか?」

アラン「……夢?」

アーサー?「ああ、何もかも、見るものの自己満足でしかない、絵空事に過ぎない夢。君が見ていたのは、正にそれだろう。元からこの子は、俺と共にいたからな」

アラン「そんなこと、あるわけ…」

アーサー?「そんなに真実を受け入れられないのか?夢に溺れ、それ以外が見えないなど…惨めなものだな」

アラン「違う!マノンはずっと俺といたんだ!夢なんかじゃない…そういうお前こそどうなんだ!?」

アーサー?「ほう…というのは?」

アラン「お前こそ、夢を見ていたんじゃないのか?マノンがお前を求めていたという夢を!」

アーサー?「…なるほど、そういうこともあるかもしれないな。…なら、こうするのはどうだ?」

アーサーはアランにくるりと背を向けた。

アーサー?「…俺の国に来い」

アラン「お前の国に?」

アーサー?「そうだ。そうすれば気づくだろう。どちらが夢を見ているのか」

アラン「…だが、お前の国なんてどこに」

アーサー?「さあな。それはこの施設を抜けた先にいる紫色の猫に聞いてみるといい」

アラン「猫…?」

アーサー?「俺から話せるのはここまで。さて、お前が全てを理解することを期待しよう」

そして、アーサーはマノンとともに光を放ち消えていった。

アラン「!!待て…!!」

言い終わらないうちに、その部屋にはアランだけが残った。

アラン「……必ず」

アランは、拳を握りながら玄関へと走った。

アラン「必ず、俺が正しいってことを証明しなければ…マノン…!!」

ーーー

アラン「…何だ、これは」

玄関に向かったアランを待っていたのは、いつもの玄関ではなかった。
そこには白い壁が一面に広がり、その下にはとても小さな扉がついていた。
そしてその側にはケーキが一つ。

アラン「なん、で…昨日まではこんな事になっていなかった筈なのに…」

そしてアランは、床に置いてある、さらに乗ったケーキに一目やり、小さな扉と交互に見た。

アラン「…これはもしや…」

ケーキのさらに一緒に乗せられていたフォークを取り、ケーキを一口口にする。

すると…!!

アラン「…!?」

みるみるうちに、アランの体は縮んでいったのだ…!!(心配ご無用、服もちゃんと縮んでます(クズ))

アラン「この現象…どこかで見た事があるが…まあいい、この先に何かあるかもしれない。行ってみよ…」

そう言いかけて扉を開けようとしたが、扉には鍵がかかっていた。
すると、扉にはある文字が浮き出てくる。

ーー残念!鍵はテーブルの上だよ!!ーー

アラン「…リザードン」

アランは頭の中の何かが途切れたのか、リザードン(小さくなってる)をモンスターボールから出して…

アラン「ブラストバーン!!」

それと同時にリザードンは燃え盛る炎を吐き出し、扉を打ち破った。

アラン「よくやった、リザードン。…さあ、行くか」

アランはリザードンをボールに戻し、扉をくぐり抜けた。

アラン「…!?」

その直後、アランはあっけに取られた。
何故なら、そこはいつものような住宅地ではなく…






絵本に出てきそうな森の中だったからだ。

Re: 作者と好きなキャラとのハチャメチャ日常!! ( No.225 )
日時: 2016/06/19 22:01
名前: 琴無月 ◆LbOhbV.5is (ID: dnI2gjfy)

喋らないはずの鳥や芋虫や蝶たちが、森を走り抜けるアランに話しかけてくる。

蝶「お兄さんお兄さん」

芋虫「今からどちらにお向かいで?」

鳥「そちらの都合がよろしけりゃ」

『あたしらと一緒に遊びましょ』

それはなにかのリズムに合わせて喋っており、まるで歌っているようにも聞こえた。
彼らはまともに話すことはなく、ただそのフレーズを繰り返すだけ。
だが、それが尚更アランを奇妙がらせた。
アランはそれをすべて無視して森を駆け抜けていく。

そしてその声も消えていき、少し安心して走る速度を緩めた…その時。

「お兄さぁん」

聞いたことのある猫なで声。
振り返ると、そこには長い金髪に金色のしいたけ目の少女。
アランの予想通り、それは食蜂操祈の声だった。
…ただ、狼の着ぐるみを着ているが。

アラン「今度は操祈か…本当にここは何なんだ」

食蜂?「あれえ?お兄さん、初めてここに来たんですかぁ?」

アラン「…そうだが」

見た感じ、食蜂もアランの知る「食蜂操祈」では無いようだ。

食蜂?「ここはまあ、所謂御伽の国ですねぇ。とある黒の魔道士が、全ての者に夢を見せる為に作り上げた国なんですよお」

アラン「夢…」

咄嗟にアランは、先ほどアーサーが言ったことを思い出した。

アラン「おい!…俺が見ているのは夢なのか?それとも…今まで夢を見せられていたのか?」

食蜂?「さあ、それは私にも。すべては魔道士のみぞ知る…ってことです。…そ、れ、よ、り、も♪」

食蜂は、アランの腕にぎゅーっとしがみついた。

食蜂「あっちにあるお花畑でぇ、一緒にあそびませんかぁ?」

アラン「はあ…!?」

食蜂はその金に輝く目を妖艶に光らせ、豊満な胸にアランの腕を押し付けたり、アランの耳や首筋に軽く息を吹きかけたり、中学生とは思えない誘惑をしていく。
普通の男ならこれで既に堕ちていただろう…だが、マノン一筋のアランにはそうはいかなかった。

アラン「離れろ、気持ち悪い」

食蜂?「えええ、なんでですかあ」

食蜂はぷくーっと頬をふくらませる。

アラン「俺はそれどころじゃない…助けなきゃいけない大切な人がいるんだ…」

食蜂?「そんなの無視すればいいじゃないですかあ。…どーせ夢かもしれないんですよお?」

アラン「それでも、だ」

アランは食蜂の腕を振りほどいた。

アラン「俺はあいつを守るって決めたんだ!たとえこれが夢でも!」

食蜂?「…」

食蜂はほんの一瞬びっくりしたような顔を見せたが、すぐにくすくすと笑い出した。

食蜂?「あははははっ!夢でも守るだなんて、おばかさんですねえ、あなた」

アラン「は?」

食蜂「だけど、そういうおばかなところ、嫌いじゃないですよお。乙女心をくすぐられましたあ♪まあ、せいぜい頑張ってくださいなあ」

アラン「え?あ、ああ…」

食蜂「でも、辛くなったらいつでも慰められに来てくださいねえ☆」

アラン「いや、それは遠慮しておく」

食蜂「全く、冗談ってのが通じませんねえ貴方。まあいいでしょう、私はこれで身を引かせていただきまあす、それではあ♪」

食蜂は森の中へと消えていった。

アラン「なんだったんだあいつは…」

疑問に思いながらも、アランはマノンを探すため森を進んだ。

ーーー

アラン「しかしアーサーといい操祈といい、なぜ俺の知ってる人があんなことになってるんだ…?」

そう思いながら進むと、森は途切れ、視界が明るくなった。
目の前には、とても綺麗な川があり、様々な生物が暮らしている。

アラン「行き止まりか…?こいつらの邪魔をするわけにも行かないしな…」

すると、突然後ろからハンカチで口を塞がれ、その瞬間意識が朦朧としていった。

アラン「ん!?んんんっ!?」

?「動くな。今からお前には我が当主と対面してもらう」

その言葉を最後に、アランは気を失った。

ーーー

目を覚ますと、そこはとても綺麗な屋根裏部屋。
ベッドも机も、床も壁も掃除が行き届いていて、童話でよく見る屋根裏部屋のイメージとはまた違っている。

アラン「ここは…」

??「目が覚めましたか?」

また聞き覚えのある声。起き上がってみると、そこにはオレンジ色のふんわりしたワンピースを着た緑髪のポニーテールの少女と、後ろには黒服の男達。

アランは目を疑った。何故なら彼女は…

アラン「お前は…」

?「あ、申し遅れました。私はフグロ家当主のジャクリンと申します」

アラン「…は?」

ジャクリン?「ああ、確かに突然ここに連れてこられては、状況が把握できませんよね…」

どう見ても、彼女はジャクリンにしか見えない。だが、関西弁ではなく敬語を使っているあたり、彼女もアランの知っているジャクリンではないのだろう。

アラン「…ジャクリン、俺はどうしてここに…」

アランが問うと、後ろにいる男の1人が口を開いた。

黒服「お前は今から我が次期当主の許婚となってもらう」

アラン「…は?」

ジャクリン?「元々私のお兄様がここの当主になる予定だったのですが、どれだけ説得してもやらないと申すもので…私が当主になることになりまして、私だけではこの家系を任せきれないと、お父様が許婚を探すように申されたのです」

アラン「だが、なんで俺を」

ジャクリン?「…私の一目惚れ、です」

アラン「…一目惚れ…?」

ジャクリン?「はい、愛する人のために動く貴方の姿を見ていました…その姿に惹かれたのです、どうか私とともにこの家系を引っ張って欲しい、お願いします」

アラン「…だが、俺は…」

ジャクリン?「それでは、明日までにどうするかお考えください…いいお返事をお待ちしております」

Re: 作者と好きなキャラとのハチャメチャ日常!! ( No.226 )
日時: 2016/06/19 22:03
名前: 琴無月 ◆LbOhbV.5is (ID: dnI2gjfy)

ーーー

一人残されたアランは、ベッドに腰掛けたままだった。

アラン「…もう夜か」

部屋は暗くなっており、窓からは月の明かりが入り込んでいる。
だが、アランは月には全く興味がなかった。どうすれば、あの自分の勝手でアランをここに連れてきた当主に見つからないように、ここを抜け出せるのか。
だが、ここはかなりの豪邸だろう。下手に窓から出れば、すぐに見つかってしまう。
どうするか…そう考えていると、ドンドンと、窓を叩く音が聞こえる。

アラン「?」

アランが窓を見ると、人影が窓に手をついている。
不思議に思って、窓を開けてみると…

?「アンタ、俺の妹の許婚にされた奴だろ?」

アラン「…カエデ…?」

?「?なんで俺のこと…まあ、妹から聞いてたか」

開け放たれた窓からヒョイっと入ってきたのは紛れもないカエデだった。彼は服装もちゃんと元のままで、いつもの緑色のパーカーを着ていた。…話からして、彼も元のカエデではないようだが。

カエデ?「アランつったよな。…災難だったな。突然こんなところに連れてこられて。窮屈だったろ」

アラン「ああ…ジャクリンの兄で、当主になるはずだったのはお前でいいんだな?」

カエデ?「…そうだよ。誰がこんな家の当主になるかって話だ」

アラン「…お前、何かあったのか」

カエデ?「特に何も。…けどな、この家系として恥ずかしくない行為をしろだの、子供は跡継ぎになれだの、そんな大人どもがいい顔したいだけの意味わかんねえシキタリに縛られるなんてうんざりなんだよ」

カエデは部屋の壁をひと蹴りして、アランの方を向いた。

カエデ?「…なあ、こうするのはどうだ」

アラン「なんだ」

カエデ?「俺がアンタをこの“牢獄”から出してやるかわりに、…一緒にお前と旅するってのは」

アラン「…お前も?」

カエデ?「ああ。“二人で”ここから脱出するってやつだ」

アラン「本当に、ここから出す術はわかってるんだな?」

カエデ?「知らなかったらこんな話持ち出さねーだろ。…それに俺だってここから出て、外の世界ってのを満喫してえし」

アラン「…わかった、乗ろう」

カエデ?「交渉成立だな。ほら、こっちだぜ」

カエデは窓から出て、アランに来るように合図した。
本当に見つからないのだろうか…という疑いも胸に、アランはカエデについていった。

ーーー

アラン「まさか本当に出られるとはな…」

カエデ「な?信じて正解だったろ?」

カエデが案内した抜け道を進むと、そこはもう屋敷の敷地外。

カエデ「よく抜け出して遊びに行ってたからな…それなりの理由つければ叱られなかったし」

アラン「自由奔放な割には頭がいいんだな」

カエデ「ここを抜け出すためだけに鍛えた頭脳ってやつだしな。…んで、アランはどこに向かおうとしてんだ?」

アラン「…俺は」

『俺の国へ来い』

アラン「…カエデ、アーサーって知っているか?」

カエデ「アーサー…?確か雪の国の王だったはず」

アラン「その雪の国はどこにあるんだ?」

カエデ「こっから北東だったっけか…でも、なんでだ?雪の国はかなり遠いところって聞いたぞ」

アラン「…大切な奴が攫われた」

カエデ「攫われた…?」

アラン「ああ。そのアーサーっていう男に。だから俺はあいつを助けに行って、この世界の真実を知りたいんだ」

カエデ「真実?」

アラン「前に出会った奴から聞いたんだ。ここは夢を見せる場所だって。だが俺は夢から醒めたわけじゃない、今見ていること自体が夢なんだと証明させたいんだ」

カエデ「…そうか」

カエデはそっと笑みをこぼした。

カエデ「俺に出来ることならやってやるよ。助けたいんだろ?そいつのこと」

アラン「ああ…ありがとうな」

カエデ「!…その代わり、ちゃんとヘマせずにあいつのところに行けよな!俺もいるわけだし」

アラン「わかってる。ほら、早く行くぞ」

カエデ「…ああ」

そっぽを向くカエデに、成り立ちは違えどカエデはカエデだなと思いながら、アランは広がる森を抜けた。

ーーー

カエデ「アラン、もしこれが本当に夢だったら、現実世界ってどんな感じなんだ」

アラン「なんだ突然」

カエデ「…アンタの言うことが本当なら、どうせ俺は消えるんだろ。その前に聞いておきたいって思った」

アラン「そうか…夢から醒めても、お前は消えない。…もともとお前は人間関係は違うが現実世界に存在するからな」

カエデ「…は?」

予想外の答えにカエデはそう声をこぼすことしかできなかった。

アラン「本当のお前はジャクリンと兄妹じゃない。普通の友人。ジャクリンもあんな豪邸の当主じゃない、バンドをやっているだけのあそこまで金銭的に突出したわけでもない普通の少女だ」

カエデ「え…そうなのか?本当に?」

アラン「本当だ。…こうさせたのも、すべて俺に夢を見せている元凶なんだろうがな」

カエデ「元凶?」

アラン「話してなかったか、その夢を見せる奴というのはこの世界を作り上げた黒の魔道士という男らしい」

カエデ「ふーん…なら、そいつを倒せば俺も元に戻れるのか…元の“カエデ”に?」

アラン「多分な。そいつのせいで俺の大切な人も変わってしまったわけだから」

カエデ「…そうか…だったら、一刻も早くそいつの居場所を突き止めねえとな。俺もアンタも、こんな世界からはおさらばしてやろうぜ」

アラン「ああ…そうだな」

頷きあったその時、またしてもアランにとって聞き覚えのある声が。

「黒の魔道士をお探しなんですか」

見ると、赤い帽子に赤い服の金髪の男。
それはどう見ても…

オズ?「ああ、僕はオズと申します。それにしてもあなたがた、見ない顔ですね…なのにまさか黒の魔道士を知っているとは」

アラン「みさ…狼に聞いたからな」

カエデ「俺もついさっきこいつに聞いたところだ」

オズ?「そうだったんですか…よろしければうちに来ませんか、黒の魔道士についてお教え致しましょう」

アラン「いいのか?」

オズ?「彼を探す人はめったにいませんからね、とても珍しいあなたがたは特別です」

カエデ「特別…?まあいいか。案内してくれ」

オズ?「…ええ、もちろん」

Re: 作者と好きなキャラとのハチャメチャ日常!! ( No.227 )
日時: 2016/06/19 22:04
名前: 琴無月 ◆LbOhbV.5is (ID: dnI2gjfy)

アラン「すごい…!!」

カエデ「家全体菓子って…」

オズ?「どうです?僕にかかればこんな家もすぐに作れるんですよ」

アラン「しかも触っただけじゃ手につかないのか、凝ってるな」

えっへんと言わんばかりに笑うオズの家は、壁も屋根もすべてが甘い香りの漂うお菓子。
この世界のオズも魔法使いらしく、この家はオズの魔法で作り上げたらしい。
その魔法のおかげで、屋根のチョコも溶けないという。

オズ?「さあ上がってください、軽食をご用意します、椅子にかけてお待ちください」

ーーー

出された軽食を頬張りながら、カエデは尋ねた。

カエデ「なあ、本当に俺は夢の中の存在なのか?黒の魔道士…奴は俺達に何をしようとしてるんだ」

オズ?「僕達についてはわかりません…ですが、アランの話す通りこれがアランが見ている夢であり、本当の僕達は別に存在しているのなら、彼には何かしらの目的があったのでしょう。…場合によっては、彼のほんの気まぐれという可能性も有り得ます」

アラン「そんな…全て奴の気まぐれで…?マノンも、みんなも変わってしまったのは…」

オズ?「…彼は、昔からそういう人でしたから」

カエデ「そういう…って」

オズ?「彼はとにかく楽しければ誰かを動かすのも躊躇わない性格です。夢を見せれば、それに合わせ夢を見ている者が人形のように動く…彼にとってはさぞ楽しいことでしょう」

アラン「…そんな、こと」

オズ?「…今度は僕達が人形ですか。本当に、笑うしかありませんね」

そう、虚しく笑うオズ。
アランの手は震えていた。

アラン「…奴を…奴を倒せばマノンも…アーサーも…操祈もカエデもオズも…みんな救われるんだな?」

オズ?「そうかもしれませんが…夢を見る者が彼を見つけるのは困難の極みですよ。倒すなどもってのほかですよ」

アラン「なら見つかるまで見つけるまでだ…!こんな、一人の私利私欲のためにみんなを傷つけて作られた世界なんていらない…絶対に引きずり出してやる…!」

カエデ「…落ち着け、アラン。いくらアンタの大切な人がそいつのせいで傷つけられたからって、ここで感情的になっても何も始まらねェだろ」

アラン「っ…」

顔を歪ませ黙り込むアラン。それに対し、オズははあ、と息を吐いて立ち上がった。

オズ?「…わかりました。やはり貴方の、その方への想いは強いのですね」

アラン「…ああ」

オズ?「僕が彼を見つけ出す方法について教えられるのはたった一つだけですが…彼が昔僕と一緒にいた時に、『僕の望む世界は一つの物語だ』と…そう言っていました。それに何かヒントがあるはずです」

アラン「…物語」

カエデ「この世界も一種の物語…ってことか?」

オズ?「多分そうなのでしょう…すみません、力不足で」

アラン「いや、一方的に騒いだこっちも悪かった。…ところで、聞きたいことがあるんだが」

オズ?「…というのは?」

アラン「お前とそいつ…昔から仲間だったように聞こえるが、なにか関係があるのか?」

オズ?「…」

オズはしばらく黙り込み、口から放ったのも一言だけ。

オズ?「…僕は僕を騙した彼から身を隠した…それだけですよ」

ーーー

カエデ「えーっと、ここら辺か」

アラン「…そうだな。しかし、帽子屋か…一体どんな奴なんだ…」

それはオズの家を後にする時だった。
オズから手渡された地図、その右上の方に描いてある×印。

オズ?『それは帽子屋の住むところ。貴方のいう猫も、きっとそこにいるでしょう』

ヒントをくれるという猫の居場所を教えてくれたオズは、加えてアランに一つりんごを手渡した。

『これはきっと役に立ちます。持っておいてください』と。

カエデ「しっかしこれ、何に使うんだ?」

アラン「それは俺にもわからない…だがオズが意図してやったことだ、究明の鍵にはなるだろう」

カエデ「そう…か」

二人が歩いているうちに、道は開け、大きな長いテーブルの置いてある広場のようなところに行き着いた。
そこでは色とりどりの花が咲き、鳥達が美しい音色を奏でている。

「にゃにゃにゃー?貴方達は迷子さんかにゃ?」

「ケッ、つまんない茶会に遭遇しちゃいましたか、不運だね」

突然ふたりの前に出た、対照的な声の主。
それは、ピンクと紫のボーダーのドレスを着たシアンと、同じ色のスーツを着た一松だった。
ちなみに一松には猫耳がある。
もしかして、と察したアランは、すかさず問いかける。

アラン「お前らが紫の猫か」

シアン?「にゃあ?具体的にはよくわかんないけど…紫色の猫なんてあたし達しかいないし、多分それで合ってるにゃ!」

一松?「僕達になんか用?」

カエデ「知ってたらでいいんだけど、雪の国への道を教えて欲しい」

シアン?「雪の国…かにゃ?おにーちゃん、わかるかにゃ?」

一松?「わかるかって…何回も言ったことあるでしょ」

シアン?「そっかー!!あたしすっかり忘れてたにゃ」

カエデ「…おい、知ってるんなら早く答えろよ」

シアン?「にゃにゃっ!!ごめんにゃ、だからそんな怖い顔しないで…」

一松?「…シアンにそんな口を…?」

カエデ「!?お、俺は何もしてねェぞ!?」

アラン「と、とにかくだ…とりあえずその雪の 国へ案内してくれないか?」

一松に睨まれたカエデの代わりに、アランがやんわりと申し出た。しかし…

一松?「あー、僕もここから出たいし、そのついでに連れていきたいのはやまやまだけど、あのくそ帽子屋のせいでお茶会とやらに参加させられるから今日は無理」

アラン「そ、そうか…」

シアン?「!!じゃあ御二方もお茶会一緒にやるにゃん!」

カエデ「は?」

シアン?「楽しい事は大人数な程もっと楽しくなるにゃ♪」

カエデ「いや、俺達は…」

アラン「…わかった」

カエデ「え!?アランやる気なのかよ!?」

アラン「できれば早く行きたいが…どうせ彼らのいうことが本当だとしても明日にならないと雪の国へは行けないからな」

カエデ「ま、まあ確かにそうだけどさ…信頼できるのかよ、こいつら」

アラン「…さほど敵意は感じられないし、疑うよりはましなんじゃないか」

カエデ「…うー、わかったよ。今回は乗ってやる」

シアン「やったー!そうと決まれば早速椅子に座るにゃん!」


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