複雑・ファジー小説
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- イエスタデイ・ワンスモア【不定期更新予定】
- 日時: 2017/08/25 20:17
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
「イエスタデイ・ワンスモアにお越し頂きありがとうございます」
大きくそれでいて全く何も存在しない舞台に蝶ネクタイを付けた少年が一人立っていた。
「それでは色んな世界への旅をどうぞお楽しみにしてください」
そして彼は何処かへ消える。その後、どこからかのスポットライトが当てられた舞台の隣に飾られた手書きの看板。その看板にはこれから行われる舞台の内容が書かれていた。
今回の舞台
題名:イエスタデイ・ワンスモア6
ジャンル:長編
キャッチコピー:近日公開
内容:近日公開
今までの舞台は>>25です。
今までの出演者は>>26です。
オリキャラを募集しています。
直、今回はスターシステムを採用しております。
ゆえに、ある舞台でキャラクターが死んでも、違う設定で他の舞台に出る事が出来ると言う事です。
オリキャラ応募宜しくお願いします。
エントリーシート(募集用紙)
名前(漢字表記の場合は振り仮名を)
性別(男か女かもしくはその他か)
年齢(舞台により年齢設定が変わるので、年齢の表記は曖昧でお願いします。例:20〜30代前半まで。年齢を特定したいのであれば、20歳のみ、で構いません)
性格(詳しくなくても構いません)
容姿(詳しくなくても構いません)
能力(超能力でも何でも良いです。直、世界観により設定に反映されないかもしれませんがご了承ください)
特技・趣味(何でもいいです)
サンプルボイス(三つ以上で性格に反映して下さい)
それ以外にもこういうキャラで設定して欲しい等の要望がある場合書きくわえても構いません。
直、と言うか必ずオリキャラは死んでしまいます。スターシステムを採用していますので死んでから一度も出ないと言う事はありませんがご了承ください。
オリキャラが来ない場合は勝手に舞台の幕を上げさせて貰います。
ちなみに、何度もオリキャラ投稿可能です!
追記
今まで失踪しまして本当に申し訳ありませんでした。不定期ながら、少しずつ更新を取り戻せたら良いなと感じております。とりあえずイエスタデイ・ワンスモアシリーズのみ執筆予定です。ただし申し訳ありませんが執筆予定だった小説は中止とさせていただきます。
- Re: イエスタデイ・ワンスモア【オリキャラ募集中】 ( No.447 )
- 日時: 2017/01/20 15:42
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
黒姫は名前を決める。
「勇気。どう?」
「苗字決めてくれないと駄目じゃないですか……ハハハ」
「ああ……ごめん」
勇気は黒姫の手を握る。
「でもやっと……自分が自分らしくなれると思います」
黒姫は手を離す。
「あ……す、すみません」
「違うよ。人形って良いね。私の運命に従ってくれるんだから。そう、私は貴方に名前を付ける権利がある。だけど……大事な人だからじゃない。
貴方がワタシの操り人形だからよ」
勇気は人形の姿になる。
「漆黒の世界は深いのよ。そんな薄っぺらな光でワタシが落とせると?」
人形は動く。
「黒姫……いや、今こそ本当の名前を」
「何を?貴方はもう……」
「例え、私や貴方への思いが偽りでも私は貴方を照らします。
勇気。この名前は私の唯一の名前です。
今こそ、勇気を持って!」
「笑わせないで。これは単なるシナリオ……」
「なら何故貴方はこのストーリーを描くんですか。
望んでいるからでしょ。
闇から救う光が現れる事を」
「無理よ。誰もワタシを知らない。誰も救おうとしない」
すると、大量の人形が現れる。
「黒姫様をお守りしろ。この世界は我々が唯一生きていける世界」
「……まさか、利用されていた人形達が逆に黒姫を利用していたのか?」
「黒姫様の言う事なら全てお聞きします。だからずっと此処にいてくださいね?
じゃないと人形は動けませんから」
「自分が生きる為に黒姫を……」
「じゃなきゃこんな負け犬に良い様に諂う様なマネ出来ませんよ。
生きていく為に我々は従順なフリをしていただけです。
この世界で微笑んでいたのは我々だけだったんですよ。
まあ現実に負けた犬がどうなろうが知りませんが」
黒姫は怯える。
勇気は戸惑う。
「嫌って程分からせてやるよ。此処は俺達の世界だ。これからも宜しく頼むぜ?黒き姫様?」
これは遠い昔の話。
「ねえ貴方?この子の名前、何にする?」
「……悩むなー。色々考えたんだけど全然しっくりこない」
貴方の名前は結局誰にも届く事はありません。
両親は何者かに殺される。
「餓鬼は?」
「無駄な殺しは不必要だ」
「大体、こういうのって復讐の始まりって雰囲気な感じが……」
「小説と現実を混同するな。とにかく餓鬼に銃撃っても弾が勿体ないだけだ。踏み潰して殺そう」
しかし警察が突入する。
凄く小さい時ながら両親が殺された一瞬の事だけはハッキリ覚えている。其処から漆黒の闇がワタシを包み始め目が濁んで行く。
アハハ!どうして……。
そこからワタシの名前は黒姫になる。自分で名付けた最初で最後の名前。
両親の望んだワタシにはなれなかった。
そう、両親の望んだワタシの名前は。
「おい!黒姫!」
「……」
裕子(ゆうこ)。
「男の子なら勇気。どちらも名前の由来は一緒。勇気を持って自分の人生や他者の人生を照らせる様な人になれ。
……ワタシは……誰?」
闇は破れ、光が闇を吸い込む。
勇気は呟く。
「やっと届いたな。両親の思いが」
黒姫は光の中へ消える。
「勇気……」
勇気は闇に止まる。
「俺なら大丈夫。貴方に貰った素敵な名前がある。
名は勇気。
君と同じだ」
黒姫は現実世界にいた。
人がぞろぞろと歩き、寄生虫の様に湧く。
「……」
黒姫は一歩踏み出す。
この時から黒姫は死者達のマリオネットでは無くなった。
自分の意思で人生を歩く。
死者達のマリオネット 完
- Re: イエスタデイ・ワンスモア【オリキャラ募集中】 ( No.448 )
- 日時: 2017/01/21 17:02
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
非日常達は同居する
僕等の教室は化け物しかいませんでした。
宇摩高校にあるクラスに転校する事になった主人公は早速、学校へ行くかどうも様子がおかしい。
それもそのはず、クラスメイト、担任は全員、未確認生命体だったから。
比喩された異名がそのまんまの世界。(鬼夜叉の木村。と言った場合そのまんま鬼夜叉の姿)
非日常達は日常に同居する。
「やっ!俺の名前は谷口省吾(たにぐち しょうご)!え?誰に向かって話してるって?まあまあ主人公の記念すべき自己紹介なんだから!それに俺、舞台初登場なんだよね!気合い入りまくり!え?舞台って何?何でそんなにメタ発言してるって?
最初のボケだから気合い入りまくり!」
谷口 省吾。高校二年生。性格は馬鹿だが多分憎めない。三度の飯より好奇心。現在谷口は学校近くの歩道を歩きながら今の台詞を全力で言っている。
容易は茶髪で顔は中性的なイケメンだが、性格が問題なので残念なイケメン……のはず。
基本制服。ちなみに今は八月なので夏服着用。宇摩高校の制服は紺色のブレザー。ネクタイは赤と黄色のシマシマ。学年区別は運動靴の色。今年は一年、青。二年、赤。三年、緑。一年上がる度にその色に買う必要はなく、
「まあまともな事を言うと、俺実は今日、学校来るの初めてでめっちゃ緊張してるんだ!
あ〜俺まだ恋人いないんだよね。高校生でまだ俺はピュアピュア!
でも学校は恋人を創る場所じゃないよね!そう言う雰囲気出さないと必死感出て恥ずかしい!
俺の最高の学園生活が今始まるぜっ!」
周りの目は冷たい。
「ママー。あの人変な事言ってるー」
「駄目!見ちゃ!」
「……」
谷口はドキドキしながら校門の中に入り目の前の大きな学校にビックリする。
「すげー!予算どれくらいなんだろ!」
谷口は教師用玄関口に入り上靴を履き職員室へ向かう。
そこには担任の先生が大量の紙で溢れた机を整理していた。
「君が転校生?俺は西園寺 協志郎(さいおんじ きょうしろう)。
周りからは怒ると怖いもんで、鬼の狂志郎って言われてるんだ。まあ熱血硬派だと思ってくれれば良いよ」
西園寺 狂志郎……協志郎。見た目は冴えなく髭を生やした科学部顧問でああり、科学の先生だが怒ると怖い。
「まあ、ウチのクラスは見た目で誤解されやすい奴ばかりだけど皆、良い奴だから」
「は、はい!見た目?」
谷口は西園寺に連れられ教室へ向かう。2年A組。谷口のクラス。
「おーい、席付け。今日は転校生を紹介する」
谷口は元気よく教室のドアを開ける。
「どうも!俺!たにぐ……」
谷口が見た景色はまるで地獄の様だった。
別に地獄の様な酷い光景があった訳じゃない。
真面目にクラスメイトは席に座り少しお喋りしている奴もいるし勉強している奴もいる。
だが、全員化け物だった。
西園寺は人型から鬼に変わる。
「谷口。早く自己紹介しろ。今日は朝からプリント作成してきたんだ」
「ええええええええええええええええええええ!!!!」
谷口は動揺し周りを見る。
「ようこそ、宇摩高校未確認生命体クラスへ。驚くのは無理も無い。此処では無償で勉強したい未確認生命体が集まるクラス。
宇宙人、悪魔、天使、地底人、改造人間、サイボーグ、強化人間、架空動物、生物兵器、オカルト等。最近は吸血鬼や式神も転校してくるようになったな。
俺は鬼の狂志郎。ちなみにファンタジーデスティニーって言う舞台に出ていた鬼だ。宜しく」
「……夢?」
「どうした?まさか勉強出来るなんて思って無かった?ちゃんとカリキュラムは設定してあるから大丈夫。
でも普段から人型で良いけど決して本体は出さない事。つまり元の姿に戻らない事。
約束出来るよな?出来ないなら今此処でボコボコに殴る」
「は、はい!出来ます!って体罰だろ!
……何だこれ!?」
「えっと席はスネグーラチカの隣だな。スネグーラチカ。谷口に教科書見せてやれ」
「私が……?」
「それじゃプリント配るぞー。今回はテスト対策プリント英語だ。五分以内に解き終われよ。んで終わったら、互いにプリント交換して丸付けろ。大体こういうのって友達いない奴、避けられるけど、ちゃんと丸つけろよ。互いのプリントに名前も書いておくんだぞ。皆仲良く平等に。高校でこんな馬鹿な事言わなきゃダメなんて……。そういえばトラパンツ洗濯に出したままだった……」
西園寺はツノをタオルで磨きながら黒板に今日の予定を書く。
谷口はスネグーラチカに話す。
「俺!谷口!宜しくな!」
「私はジェド・マロースの娘よ 控えなさい」
「へ?」
スネグーラチカは教科書を谷口に投げそっぽを向く。
「え?」
すると、前の席の化け物が話す。
「自己紹介しよう。我が名はサラマンデス。サディスに仕えるサディスクラブがひとりである」
「サディスクラブ?部活?」
サラマンデスは語る。
「昔は武断の時代だったが今はどうやら文治の時代らしい。時代の流れに乗るのは癪だが勉学も出来ぬ俺にこれからの人類を考える資格があるのかと考え、人類が学んでいる事をそのまま……」
「あ、うん……」
「スネグーラチカの事か。彼女は身分が高い妖精だ。簡単に言うと高嶺の花だ。まあ本当の高嶺の花なら自らあんな人を見下すオーラを出さないモノだがな。ちなみに俺は種族はドラゴン。宜しく頼む」
- Re: イエスタデイ・ワンスモア【オリキャラ募集中】 ( No.449 )
- 日時: 2017/01/21 17:15
- 名前: モンブラン博士 (ID: JJ3BeOFP)
今回の話はコメディですね!
サラマンデスが正論を言っていて笑えます。
- Re: イエスタデイ・ワンスモア【オリキャラ募集中】 ( No.450 )
- 日時: 2017/01/21 17:59
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
モンブラン博士さん、感想ありがとうございます。
コメディですけど、まだボケとツッコミを誰にしようか考え中ですね。前のコメディは探り探りで全くコメディじゃなくなった時もあったんですが今回はぶっちぎってとにかく小ボケでも大量生産してやろうと思います。後は未確認生命体だけにしか出来ないボケとかやりたいです。
レギュラーを決めて、後はゲストキャラみたいな感じでグダグダでやりたいです。
ちなみにスネグーラチカの異名は氷に咲く華の妖精です。凍った高嶺の花ですね。ただの花と違い触れられない。ポジションはどうしようか考えてます。ヒロイン候補だと思うんですけどまだまだ序盤ですので。
サラマンデスは武断を纏いし竜。サラマンデスは他の登場人物を解説したナビゲーション的立場ですかね。後、皮肉を言うキャラでブラックな感じなポジションかと。
別に知らなくても良いのですが生徒として登場予定なのはエミュ、サーメルティとンコダーイ星人と蓬莱延命呪詛呪像やオカルト関係。後はこれまで頂いたオリキャラを見て決めさせて頂きます。
いかにキャラクターを崩さずにコメディに馴染ませるのかが難しい……。
いじられキャラとかツッコミとか高校が舞台だから恋愛模様も絡ませたいので。とはいえあくまでも恋愛が主体になるとちょっと違う感じなので。ラッキースケベも良いですけどハーレムは何か毛色が違う気がするので。バランスを結構考えますね。
谷口は個人的にボケとツッコミの二刀流で頑張ってほしいんですよ。今回は戦闘も物語も感動もほぼ皆無なんで谷口に裏とかありません。ただの純情ピュアピュア高校生です。
西園寺は誰も突っ込まない様な小ボケです。学校あるあるをひたすら言わせます。彼だけセンスを孤立させたい。ずっと一人で語らせたい。んで、ちょっとだけ谷口に絡む。大体こういうキャラは終盤で何か凄い良い奴になるか、凄い裏があるんでしょうね。まあ無いんですけど。ただのヤクザ感満載の教師ですね。怒ると椅子とか窓に投げる様な破天荒です。此処のキャラ変も気に入ってますよ。
私にとってもある意味気合いが入った作品なので是非応援宜しくお願いします。
と言うかこんな裏設定を書いたのも久々です(笑)
- Re: イエスタデイ・ワンスモア【オリキャラ募集中】 ( No.451 )
- 日時: 2017/01/23 18:41
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
第一話 日常に同居する非日常達
宇摩高校に転校してから早くも数週間。谷口は完全に浮いていた。
「無理無理無理っ!どう仲良くなるんだよ!周り化け物だらけっ!馬鹿でも何となくこの領域は駄目だって!」
全ての高校入学の手続きは親が施しており、誤って未確認生命体クラスの入学手続きをしてしまい谷口は一人人間なのに化け物達と授業を行う事になる。
西園寺は呟く。
「え〜まあ覚えなくて良いけど谷口にそれぞれ自己紹介頼むぞ。後、谷口は係と部活と委員会を決めておけよ。後は日直か。
帰宅部は原則無しだから」
机が廊下寄りの一人の女子生徒は手を上げながら呟く。
「ではそれぞれ、各自で自己紹介してください。種族、もしくは故郷の星の名前や魔族の場合はどの魔界出身なのか天上界出身なのか、また生まれた研究所、もしくは蘇った場所でも可能です。式神は主を答える必要はありません。何処の宗派か言って頂ければ。
自分の出生を知らない方は週一で来るセラピスト、クメーラ先生の元で必ず診断を受けて下さい」
花で出来た小さな化け物が谷口に寄る。
「俺、フラワー。出席番号19番。種族、植物。生まれた場所は雑草。花なのに人間に近い命を宿して生まれた突然変異だ。花の種類はチューリップ。声帯とかは俺も良く分からない。まあ未確認だからね」
「……はいって。もはや花の説明にしかなって無い気がするけど」
前の席のサラマンデスは鱗を磨く。
「制服を着る時に引っ掛かって痛い。人型は必ず制服着用と言う形だけの規律等無駄だと思うな」
西園寺は突っ込む。
「それだと女も全裸になるぞ。俺は良いけど道徳が黙っちゃいないし学校にそういうエロを持っていくな。家でエロについて考えろ」
「鱗から何故エロの話に?西園寺先生の方がそういう妄想をしてる事になるな。それに家で考えるとは何だ?どういう事だ?教師が何故生徒に」
「うるせえよ!ちょっと話乗っただけで何でそんなに返ってくるんだよ……。誰かツッコミ呼んで来い。てか、未確認生命体にツッコミの文化なんてあるのかよ」
谷口は気合いを入れる。
「このままじゃ駄目だ!これが現実とは思えないけどしょうがない!
友達創ろう。じゃないと寂しい。ウサギみたいに死んじゃうよ」
すると谷口の後ろの席の化け物は谷口の耳で呟く。
「ウサギは一匹でも死なないよ。ウサギを多く買わせる為の商業戦略なのよ。だから……え〜と……その例え間違ってるよ!え〜と……あの」
「どんなツッコミの仕方だよ!ほぼボケだろ!てか、俺初期設定、性格が馬鹿なの!そろそろキャラ固定させたいの!何、これ!?ちょっとぷかぷか世界観浮いてない!?
レギュラー決めておけよ!どんだけ作者はコメディ不慣れなんだよ!
俺、馬鹿なのにめっちゃ突っ込んでるじゃん!
どうなってんだよ!と言うか確実に俺の設定間違えてるだろ!作者の予定だとボケとツッコミの二刀流使いだったろ!ツッコミしかしてないよ!」
「あ、私サーメルティ!……え〜と……うん、ツッコミ頑張る!」
「……今回中にレギュラーとか決めないと駄目だ。後、キャラ固定とキャラポジションだ。最低、俺合わせて三人だな」
西園寺は机を並び替え、面接の様な感じにする。
「ならよ、オーディションしようか」
「いやいや記念すべき第一話で何でレギュラーオーディションすんだよ!
ちょっと待って!俺ボケたい!何?未確認生命体ではお昼休みを第四の壁破って面接するの?そう言う文化があるのかよ!
てか何で先生はノリノリなんですか!」
「面接員には定評があるんでね。応募者の緊張具合、他人の人生を決められる感じがなんともたまらないだろ!」
「この人、鬼だ!いやマジで鬼だけど!待ってくれよ!先生ボケすぎ!小ボケキャラじゃないの?あんまりストーリーに絡まない感じのポジションだったじゃん!第一話でこんなに設定が変わるの!?」
「では次の方どーぞ」
「始まってる!?」
化け物は教室に入る。
「受験番号3番。ポジションはボケ希望。サラマンデスである!
得意分野はブラックユーモア。例えば。
あれ?谷口ってどんな未確認生命体だったか?
あ、そうだ。疫病神だ。
……以上」
「……わ、笑いどころは分からないんだけど」
「谷口は別に疫病神ではないが疫病神扱いされると言う、あのサディスもフンと鼻で笑うと言う素晴らしい大ボケだ」
「それ、笑われてるだけだから!てかサディスってそんなに笑わない人なの?鼻で笑うのが珍しいくらい笑わないの?と言うか、サディスって誰だよ!しかもちょっとサディスいじってるよね?後で怒られても知らないし」
「俺がサディスを愚弄する事はしない!ふざけた事を抜かすと思えば!
では是非採用宜しく頼む。これだけ俺のキャラを削ったんだ。レギュラー頼むぞ。レギュラーでは無かったらこれからの行事の写真お前だけ心霊写真にしてやるからな」
「怖い!!地味だけどめっちゃ怖い!アルバムに一枚も載せられない!どういうイジメだよ!」
サラマンデスは去る。
西園寺は紙に書く。
「何書いてるんですか?」
「ちょ、見るなよ」
紙には、りゅうってどんな漢字だっけ?と間違った竜の文字が羅列していた。
「面接中何やってんだよ!馬鹿な俺でも竜は分かるよ!てか先生が漢字書けないってどう言う事だよ!俺達、竜も知らない教師に授業されてるのかよ!」
「りゅうってアレだ。鰡だ。ボラとも読めるけどな」
「ふむふむ、でも瀏とも読めますよね!ええ、意味全然分からないけど!りゅうを漢字で変換したらこの細かすぎて良く見えない漢字があったからドヤ顔で先生に対抗したけど!」
すると、扉からサーメルティが現れる。
「きゅ、急に……ツッコミからボケにか、変わるんかーい。わ、私、全然、ツッコミ分からないや……ど、どうしよ」
「それがもうボケだよ……駄目だ。ツッコミいないとボケが溢れる……。俺しかツッコミいないのかよ」
「しばし、待てみゅ!」
「みゅ!?」
突如、教卓からギターを持った獣人が現れる。
「私の名前はエミュ!あ、ちょっと待ってさっき食べた弁当が……みゅ。
大丈夫みゅ。歌ったら鼻からステーキ出そうけどちゃんとツッコミするみゅ」
「……出オチの塊かよ!どこから突っ込めば良いか分からないよ!馬鹿でも分かるぞ!レギュラー無理だ!」
「ミュ!獣人と言うハイスペックキャラなんていないミュー!
唯一無二の私をゲストキャラ扱いするミュか!」
「ボケまくってるじゃん!全然、駄目じゃん!ツッコミ!」
サーメルティは手を上げる。
「え〜と……ギターはいつ使う……のっ!
……私、ツッコミ合ってない気がする」
「今さらかよっーー……!
駄目だ……固定キャラはどうにか定まらないと……ヒロインと親友ポジション。
自分で言ってて恥ずかしい……」
すると、教室の扉は開かれる。
「ちょっと!ずっとスタンバってたけど!?」
「ツッコミ!?」
「何で受験風面接なの!?今、八月よ!と言うかずっと並んでいた私の気持ちになりなさいよ!」
「これはヒロインの……スネグーラチカか!!」
其処にいたのはフラワーだった。
「何でだよ!其処は最初に出て来た……可愛いヒロインじゃないのかよ。キャラ崩壊してたけど。と言うかお前、男だろ」
「レギュラー獲得のために性別変えたのよ!プンプン!これで駄目だったら暴れてやるー!」
「……花の性別って雄蕊と雌蕊だよな?まあ、一つしか無いのもあるけど」
「私はどっちもあるから性別をチェンジ出来るのよ。凄いでしょ。これで親友ポジションとヒロインポジションは私のモノ!
ヒロインに候補しちゃおっかな?
俺達、親友になれそうだよな?」
エミュはギターが引き始める。サーメルティはリズムに乗って歌い出す。
「予想はサラマンデスとスネグーラチカだったんだけどな……。ツッコミいないけど……」
すると、フラワーの前にスネグーラチカが現れる。
「……!」
「....主人公が面接するなんて何を考えているの?
ちゃんと話し合ってからレギュラーを決めるべきよ。
あ....これ連絡先、別に私はどうでも良いけど一応レギュラー候補決める時、誰も来なかったら呼びなさいよ?」
「よっしゃ!連絡先!」
「そんなに喜ばないでよ....恥ずかしい」
「初めてスマホに友達の名前書ける。今まで親しか連絡してこなかったからな」
「そっち?それにスマホの無駄遣いね....電話料金とか....」
フラワーは怒る。
「ちょっと!?私のポジション奪う気!」
「貴方はマスコットキャラクターが一番よ」
「マスコット!?」
エミュとサーメルティは歌い続ける。
「……それじゃ面接とか無しに真剣に友達創るよ」
西園寺はまだ竜と言う文字が書けないでいた。
「まだやってたのかよ!調べろよ!」
「教師のプライドが……」
エミュとサーメルティは惹かれ合う。
「みゅ!ユニット組めるみゅ!」
「そうだね!私ツッコミよりボケの方が楽しい☆」
「……はいもう、五時間目始めましょう」
第一話 日常に同居する非日常達 完
西園寺と谷口は放課後、誰もいない教室で呟く。
「凄いグダグダでしたね。予想以上」
「冷静ツッコミヒロイン、いじられマスコットは決まったな。マスコットがただの花なのはおかしいが。まあ良いだろう。追加設定に実は式神でした!みたいなの付けるから」
「キャラポジは王道ですね。後は此処にどうゲストキャラを入れるか。
そして準レギュラーを誰にするか。後、なるべく未確認生命体ネタ入れたい……。この重要設定忘れちゃうと大分駄目になりそう。今回で西園寺さん鬼設定忘れられてますよ」
「準レギュラー(サブキャラ)と俺の鬼設定が大事な訳だな?
異名ネタも何か霞んで来てるしね。一話で早いよな」
「まあパターンが固定化されればどうにかなりますよ。やはり仲間集めの序盤はパターンを創るのは難しいですから。だからどうしてもグダグダ感が出る」
「俺はつまようじを棍棒にして使うぞ!」
「学校あるあると鬼あるあるを入り混ぜた方が良いと思います」
「……」
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