複雑・ファジー小説

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イエスタデイ・ワンスモア【不定期更新予定】
日時: 2017/08/25 20:17
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

「イエスタデイ・ワンスモアにお越し頂きありがとうございます」

大きくそれでいて全く何も存在しない舞台に蝶ネクタイを付けた少年が一人立っていた。

「それでは色んな世界への旅をどうぞお楽しみにしてください」

そして彼は何処かへ消える。その後、どこからかのスポットライトが当てられた舞台の隣に飾られた手書きの看板。その看板にはこれから行われる舞台の内容が書かれていた。

今回の舞台

題名:イエスタデイ・ワンスモア6

ジャンル:長編

キャッチコピー:近日公開

内容:近日公開

今までの舞台は>>25です。

今までの出演者は>>26です。

オリキャラを募集しています。

直、今回はスターシステムを採用しております。

ゆえに、ある舞台でキャラクターが死んでも、違う設定で他の舞台に出る事が出来ると言う事です。

オリキャラ応募宜しくお願いします。

エントリーシート(募集用紙)




名前(漢字表記の場合は振り仮名を)

性別(男か女かもしくはその他か)

年齢(舞台により年齢設定が変わるので、年齢の表記は曖昧でお願いします。例:20〜30代前半まで。年齢を特定したいのであれば、20歳のみ、で構いません)

性格(詳しくなくても構いません)

容姿(詳しくなくても構いません)

能力(超能力でも何でも良いです。直、世界観により設定に反映されないかもしれませんがご了承ください)

特技・趣味(何でもいいです)


サンプルボイス(三つ以上で性格に反映して下さい)


それ以外にもこういうキャラで設定して欲しい等の要望がある場合書きくわえても構いません。


直、と言うか必ずオリキャラは死んでしまいます。スターシステムを採用していますので死んでから一度も出ないと言う事はありませんがご了承ください。

オリキャラが来ない場合は勝手に舞台の幕を上げさせて貰います。

ちなみに、何度もオリキャラ投稿可能です!

追記

今まで失踪しまして本当に申し訳ありませんでした。不定期ながら、少しずつ更新を取り戻せたら良いなと感じております。とりあえずイエスタデイ・ワンスモアシリーズのみ執筆予定です。ただし申し訳ありませんが執筆予定だった小説は中止とさせていただきます。

Re: イエスタデイ・ワンスモア【オリキャラ募集中】 ( No.147 )
日時: 2016/08/24 15:03
名前: siyaruden (ID: AwUzQTp7)

スネグラーチカのプロフを修正しました

Re: イエスタデイ・ワンスモア【オリキャラ募集中】 ( No.148 )
日時: 2016/08/24 17:27
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

スネグラーチカのプロフの修正は確認しました。これからも応援宜しくお願いします。

此処から本編です。


香川と恋色羽は大学の屋上で話し合う。

「いや〜……身体が軽いね!肩こり、腰痛、全部直ったよ!」

「おっさんか」

すると屋上に大量の不良が現れる。

「……」

「おい、こいつが恋色羽一族の恥さらしだ。超能力があるとか言いやがって!」

恋色羽は一人の男性を見て驚く。

「空模様……」

空模様はタバコを吸いながらリーゼントを整える。

「お前のせいで、恋色羽一族が馬鹿にされてんのよ。どう落とし前つけてくれるんだ!コラ!」

香川は事情を聞く。

「この女は、自分には輪廻転生を操作する力があるって騒ぎ始めたんだ」

「騒ぐくらいなら問題無いだろ」

「恋色羽の一族は全員、ある教団の創始者だ」

「ある教団?」

「新興宗教、真漸亜まざあ教。現在は改名してマザー教だけどな」

「マザー教って……香具師」

「香具師は恋色羽一族の妻と付き合った不届き者だ。奴は死んで当然だった」

「どう言う事だ?」

「本来、恋色羽一族と付き合っていいのは、空模様一族のみだからだ。まあ、もう病死した恋色羽のジジイはいないからな。香具師のような異端者はいない」

「……やはり真漸亜教が絡んでいたか」

「どうして知ってるの?香川」

「恋色羽と言う苗字は他には見ない。私は一度だけ恋色羽と言う苗字に出会っている」

「そんな……」

線六等神社せんろくとうじんじゃ。その神社で恋色羽一族に会っているんだよ」

空模様は呟く。

「デタラメだ。……部外者がいると厄介だ。恋色羽!家に帰れ。これは最後の警告だ。マザー教……いや、真漸亜教はまだ存在しているぞ?」

「空模様よ。香具師は本物だったぞ」

「冗談は嫌いだ。我々の教団に入れば直ぐに分かる」

空模様達は、コンビニの駐車場で騒ぐ。

「あ〜……眠い。しかし空模様さん。大学に行く為にわざわざ俺達呼んだんですか?」

高校三年生の空模様達はタバコを吸いながら空を見る。

「本当は恋色羽を強制的に連れて行きたかったんだが、まさか大学教授がいるとはな。あいつはいつも一人だったくせに……」

すると赤と白の巫女服を着た少女がホウキを持ちながらやってくる。

「おい!そこの不良!タバコを消せ!リーゼントをやめろ!学校に行け!!」

「あ?お前、そこら辺の神社だろ。俺は空模様一族の空模様 転生(そらもよう てんせい)だぞ。お前の神社は俺達のお陰で経営が維持出来てんだからな!」

「知らん!他人に迷惑をかけるな!」

一人の眉毛が無く明らかに危険な不良が鉄パイプ持ちながら少女に近づく。

「ホウキで人殴れんのか?」

不良は鉄パイプを思いっきりフルスイングする。少女はホウキで止める。

「そのまま悪人を貫くと蓬莱延命呪詛呪像様がお怒りになるぞ!」

「何語だよ!」

すると、一人の男性が警察を呼ぶ。不良達は逃げる。空模様も逃げていく。

一人の男性は少女の元へ行く。

「大丈夫・・・・・?漆奈美旗うるしなみはたさん」

「大丈夫だ!一十真にのまえとうま!」

「あんな不良なんか・・・・・・ほっとけばいいのに」

「駄目だ!私は不良をどうしても更生させたいんだ!」

一と漆奈は神社へ行く。神社の名前は線六等神社。其処には、香川と恋色羽がいた。

「神社は喫煙禁止!」

「すまない」

「ポイ捨て禁止!」

「す、すまない……」

恋色羽は全力で笑う。

「君の為に、私はこんな神社に来たのだよ?」

「こんな神社?」

「私は仏教徒ではありませんからね。貴方みたいな文化の安売り&押し付けは嫌いなんですよ」

「更生してやる!」

一は漆奈を抑える。

「文化の違いは善悪で決めるものじゃ・・・・・・・」

「だからって神の前でタバコを吸っていい訳無い!無礼者!蓬莱延命呪詛呪像様が悲しむぞ!」

「とりあえず、恋色羽一族について話そう」

「恋色羽一族?」

漆奈は一、香川、恋色羽を迎える。

「まず恋色羽一族について教えて欲しい」

漆奈は恋色羽を見る。

「恋色羽については話さないのか?」

「……私は恋色羽を捨てました」

「そうか。では簡単に説明すると、恋色羽一族は真漸亜教の創始者の血を受け継ぐ者達」

「真漸亜教とは?」

「真漸亜教は本来ある人間の能力のみを信じる宗教。簡単に言えば、神、超能力、ロボット等を認めず人間の持つ五感、そして親を信じるモノとして信仰されていった宗教」

「信じるのは神では無く親だと?」

「この神社は真漸亜教の領地内。なので真漸亜教以外の神社や教会は毎月、金を真漸亜教に納めないといけないんだ」

「九里戸市にそんなのがあるとは……」

恋色羽は呟く。

「そして私は超能力を手に入れてしまった為に、周囲から苛められてきた。だから此処から抜け出したの」

「……もっと遠くへ逃げろよ」

「だって大学入ってたから……」

「……止めろよ」

「え〜結構頑張って九里戸大学に入ったんだよ!その努力を無駄にしろと!?卑劣!悪魔!サディスト!喉越しすっきりコシ無しうどんめ!」

「讃岐うどんで良くない?」

一は香川を見る。

「・・・・・・それで何が目的で?」

「異端者だった彼女には用の無いはずの恋色羽一族が今さらわざわざ、こんな超能力とか言ってる奴を追っているのかが不明でね」

漆奈は考える。

「蓬莱延命呪詛呪像様にお声をかけるしかない!」

「……神頼みか?」

「そうです。私達漆奈一族の守護霊です」

「幽霊なんていないね」

「フランは?」

「……もう忘れたよ」

すると一が思い出すように話す。

「そうだ!真漸亜教じゃなくて・・・・・・マザー教自体は無くなっているよ?」

「香具師が死んだからか?」

「そうらしい。そこからマザー教に異変が起こって、色んな宗教に分裂しているって聞いたよ・・・・・・・・!噂・・・・・・・だけど」

「よし、恋色羽一族の内部事情を見てくるか!」

「・・・・・・止めておいた方が」

「そんなの関係無い!香川達と出会ったのも何かの縁だ!それに上手く行けば真漸亜教に金をつぎ込まなくて良いかもしれないからな!」

「行くか。真漸亜教に」

恋色羽は覚悟を決める。

Re: イエスタデイ・ワンスモア【オリキャラ募集中】 ( No.149 )
日時: 2016/08/24 18:42
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

香川達は、真漸亜教 本部の元へ行く。現在はしん・真漸亜教と活動している。

「でっかいコンクリートの建物だな」

「一応実家」

「でも真漸亜教は分裂したから結局誰に会いに行けばいいんだ!」

「・・・・・・怖いよ」

「恋色羽。事情を聞いて判断しろよ」

「……うん」

「怖いのか?」

「……トラウマだからね」

「大丈夫だ。私が付いてる」

「……」

「あれ?突っ込まないのか?」

「早く行こう」

漆奈はホウキを持って潜入する。すると信者達が狂気的な目としてぬいぐるみと叫んでいた。

「ほあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」

「……」

「俺は絶対に勝って見せる!見てろよ、熊のぬいぐるみ!!!!俺は出来る!何でも出来る!天才だ!頑張れ俺!俺は最強!空前絶後の超人類ィイィイィイィイィイィイィ!!」

「駄目だ。こいつ等」

すると信者達は恋色羽を見る。

「教祖様!恋色羽が帰ってきました!」

すると現れたのは狂気的な目をした空模様だった。

「リーゼント!」

「……戻って来ると信じていたぞ。犯罪に手を染めなくて良かったよ」

「……お父さんは?お母さんは?」

「みーんな、みーんな、死んじゃった。全部香具師と言う男のせいだ」

「どう言う事?」

「一人娘のお前が消えてから、後継ぎがいなくてな。だから、当時幹部だった奴等で決めあっていたんだ。そして決まったのが香具師。そしたら、名誉会長の父親、母親が病死。俺の親も事故死。そして香具師は自殺。そこから真漸亜教は空中分解。幹部達がそれぞれの教団を造ってんだよ!つまりさ、お前がいなくなったからこんな事になったの。だから、責任取れ」

「責任って……」

「お前が超能力なんて騒がなきゃ俺達は幸せだったの!全てのご先祖様の怒りを治めるにはお前が教祖になってずっとこの部屋にいれば良いんだ」

「監禁……?」

「言い方が悪ければな!でも、信仰すべき親、ご先祖様の傍にずっといるんだぜ!最高だろ?」

漆奈は驚く。

「そんな理屈が通用出来る訳無い!なんだこれは!ただのカルト教団じゃないか!」

「違う!」

「・・・・・怖いよ〜此処」

「恋色羽。お前が責任を取れ」

香川は止めようとするが恋色羽は空模様の傍へ行く。

「恋色羽……」

「私のせいで……」

すると信者達が香川達を追い出していく。

「恋色羽!」

「……」

香川達は外に追い出される。漆奈は叫ぶ。

「此処まで酷い教団だったとはな!こんな悪は初めてだ!!」

一は漆奈を連れて逃げようとする。漆奈は止める。

「何をしているんだ!?」

「無理だよ!何か怖いし!あんな教団と関わる理由は無いよ・・・・・!」

「でも悪は見逃せないんだ!」

「ふえええええええええええ!」

「香川!そうだろ!」

「……」

「香川!?」

「今回の原因は全て恋色羽が家出をしたからだ。つまり悪いのは恋色羽だと結論が出た」

「香川!ロボットじゃないんだからこういう時は何でもいいからがむしゃらに助けなさい!」

「英雄は最後まで自分の信念を通さないといけない」

「……香川と恋色羽。仲良さそうだったけど全部英雄だのそう言う理由で付き合ってたの?」

「……」

香川はその場を立ち去る。一は漆奈を強制的に連れて行く。

「……私は」

香川は車いすの少女を見る。すると真漸亜教にあった熊のぬいぐるみを持っていた。

「君。そのぬいぐるみは?」

「おまじないです!このぬいぐるみに話せば、何でも願いが叶うって!」

「……真漸亜教か?」

「前はそうだったけど今は違います」

「今は?」

「今の名前は、真・真漸亜教。物に心や神が宿ると言われている宗教です」

「……成程。理解した。真漸亜教と真・真漸亜教は全然違う宗教だったのか。しかし何の為に」

香川はポケットに手を突っ込むと血濡れた過去ともう一つの過去があった。

「恋色羽の手帳か?」

香川は手帳を見る。其処には、毎日の出来事が書かれていた。最初は辛い日々を送っていると言う事が分かる。しかしある日から書いている事は次第に明るくなっていた。

「……私と出会った日か」

「5月23日。今日、かつて私を助けたヒーローと会った。やっと出会えた。最悪な出会いだったけどこれから、私の人生が始まると思った。やっと大学に入って良かったと思った」

香川は過去を握り締める。

そして遠く昔に香川は恋色羽を助けた事を思い出す。

「……悪い事ばかりじゃない」

香川は建物の中へ入る。建物の中にはっさっきの車いすの少女を含めた数十名がぬいぐるみにひたすら想いを伝えていた。そして其処には眠っている漆奈と恋色羽がいた。空模様は叫ぶ。

「何の用だ!」

「お前はいや、お前等は洗脳されている」

「どう言う事だ!」

「どうした?」

「あ、教祖様。今回の資金はこれくらいです」

「まあまあだな!」

教祖は香川の方を向く。

「用が無いなら帰れェ!それとも入団希望者か?」

「信者達をマインドコントロールするのは楽しいか?一十真」

教祖は姿を現す。正体は一十真。

「テメェ、いつから俺が黒幕って気付いていた?」

「ついさっきだ。お前は金目的でマザー教を崩壊させ、救いを失った信者達に新たな宗教を洗脳させ、信者達から大量の金を詐欺した」

「でもよ、崩壊させたのはあんたと恋色羽だぜ?」

「……」

「まあ、恋色羽を此処へ連れて帰るのは、信者達の要望にはなるべく応えねぇといけねえからな。まあ、可愛いからこのまま頂いても良いだが」

「……漆奈は?」

「同じ理由だよ。それに俺は彼女が好きだったからな。たっぷり信者にして洗脳させる予定だったぜ」

「警察はもう呼んだ。このイカれた教団は終わりだ。悪は滅ぶ」

「……お前、英雄気取りか?笑えるな。この世にそんな物があると思ってんのか?おい、分かるだろ?お前なら」

「……」

「俺には分かるぜ?お前の苦しみが」

「……」

「僕は苦しかったんだ。だから、勝ち組になりたかったんだよ」

香川はタバコを吸う。

「この世にヒーローなんていない。誰も俺を僕を助けてくれなかった!」

「俺は!…………うああああ……」

「僕・・・・・・もう」

香川は血濡れた過去を話す。

「香具師は、それでも前を向いていたぞ。私も必ず英雄になる」

「分からないよ・・・・・僕には」

車いすの少女は訳も分からず教祖の元へ行く。

「私、もう歩けないの?もう治らないの?くまさんに願っても駄目なの?」

教組は笑う。

「そうだよ。僕はうそつき。もうテメエの身体は治らねえよ」

「……」

一は熊のぬいぐるみを投げ飛ばし高笑いする。

「僕、英雄にはなれないよ」

そして警察は、一を逮捕。カルト教団の事件が公になる。

香川は漆奈、恋色羽と共に大学の屋上で話す。

「良かった!良かった!悪は消えたのだ!」

「……空模様達はリハビリが必要なほどの洗脳を受けていたみたい」

「どうやって洗脳をしたのかな?そう言えば一って何処なの?」

「一は……」

一方、一は呟く。

「香川……君は僕と同じだ。僕と同じだよ」

一の方を医師が見ている。

「彼は二重人格の可能性が高いです」

「二重人格?」

「香川と言う男にも二重人格があるかもしれませんね」

Re: イエスタデイ・ワンスモア【オリキャラ募集中】 ( No.150 )
日時: 2016/08/25 16:49
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

高校では空模様達が遊んでいた。

「空模様、お前大丈夫か?」

「ああ……。しかし俺が洗脳されているとはね……」

「そういえば転校生がうちの学校に来たんだろ?」

「外国人らしいけど、ちょっとヤバいんだ。まあ、この学校がヤバいんだけどな」

空模様達は他のクラスに行く。すると一人の女性が先生や生徒に指を刺して話す。

「ワタシは奇跡ヲ起こセルヨ」

「レリミューラ?」

レリミューラは無邪気に笑う。

「信ジなイ人ニハ、奇跡ヲ起コしテ天罰ヲ与えルヨ」

「頭大丈夫か?」

その後、レリミューラの周りの生徒達、先生が姿を消す。学校は警察に連絡するが信じてもらえない。空模様はある人物を思い出す。

「俺の洗脳を解いた人なら……」

大学の屋上では、香川と漆奈、恋色羽が話し合う。

「最近、忙しくて、客人を呼べないんだよ」

「……」

「ほら手帳返したろ?何で怒ってんだよ?」

漆奈は香川に話す。

「乙女心を香川は分かってない!」

「いやいや俺は結構頑張ったよ?俺頑張って無かったら恋色羽……」

「……ん?香川って手帳読んでないの?」

「読んだよ」

「読んでその反応なの?」

「ああ」

「何か、込み上がって来る物とか無いの?」

「無いね」

「……だからうどんは駄目なのよ」

「うどんを馬鹿にするな!」

すると空模様がやってくる。

「香川の兄貴!」

「Vシネマみたいだな」

「リーゼント?何しに来た!悪党!」

「……」

「別に恋色羽は用は無い。香川パイセン。ちょっとヤバい事になりまして」

「何だ」

「カクカクジカジカ」

「成程、理解した」

「え?カクカクジカジカしか言って無いよ?」

香川は呟く。

「レリミューラと言う女性が奇跡とかいって人を消しているのか。お前は悪い夢を見ていたと考えて良い」

「違いますよ。香川のおやっさん」

「奇跡なんてこの世には無い。全ての現象には必ず理由があるからだ。意味も無く人が消える訳が無い」

「奇跡がありますよ。ただし、私だけに!私は輪廻転生を操る事が出来るから!」

「それは真漸亜教から逃げ出したい為についた嘘だろ」

「……え?何何?全く聞こえないな〜?」

「……」

そして数時間後、空模様はレリミューラを呼ぶ。レリミューラは話す。

「前ニ会っタ事アルよネ?」

「そんな運命の出会いだの奇跡だの信じない。それに私は君と会った事は無い」

「何デ断定出来ルの?」

「本題に入ってくれ」

「ワタシは奇跡を起こせルヨ!例えば……」

香川の後ろに、女性が現れる。

「悪魔ヲ召喚スルと言ウ奇跡」

「どうも悪魔のフロイデ・ヴァーンズィンよ」

「コスプレか?」

漆奈は怒る。

「私は本物の巫女です!」

「あ、ああ……」

フロイデは笑いながら、香川を見る。

「貴方ならレリミューラを認められるはず....」

レリミューラは大学以外の景色を真っ黒に染める。

「何だ?」

フロイデは呟く。

「奇跡よ」

「ワタシは奇跡ノ子。コノ腐敗されタ世界に落とさレタ選ばれシ者ダヨ」

空模様は怯える。

「……こえーよ……」

「何かがあるはずだ……」

「何もないわ。選ばれし者、香川」

恋色羽は驚く。漆奈は構える。

「どう言う事!?」

「香川、貴方は....超能力者。瞬間的に記憶出来る能力」

「……」

レリミューラは笑う。

「ワタシはこノ奇跡デ、無力な人間ニ天罰を下スヨ。貴方モ、奇跡の力デコンな奴等ヲ殺すんダ」

恋色羽、漆奈は香川に話す。

「超能力者だったの?」

「あれほど、否定してたのに……」

「私は超能力を超能力と思った事が無い」

「贅沢な悩みね」

「俺が出会った超能力者は、香具師と一十真」

「私は?」

「お前は普通の人間だ」

「そんな……」

「普通で良いんだ。普通が一番いいんだよ」

レリミューラは奇跡を起こし、腕から大量のモンスターを召喚する。

「普通ガ良イ?ソンナ面白くなイ事じょーく二もならなイヨ。ワタシと貴方ハ選ばれシ者」

空模様は後悔する。

「俺が呼ばなきゃこんな事には……」

フロイデは呟く。

「これも彼女が起こした奇跡。全て、必然で運命なのよ。さあ、自分を偽らないで。ちゃんと自分の口から言いなさい。私は選ばれた者ですって。私は神の運命で奇跡を起こせる様になりましたって。奇跡はこの世に腐る程ありますって。此処はちゃんと責任を持って言いなさい。貴方はいい加減な事、矛盾しか話さないから...」

恋色羽は周りを見る。

「香川は、本当にいい加減な事しか言わないけど……」

「蓬莱延命呪詛呪像様。我々をお助け下さい。奇跡を……!」

香川は呟く。

「超能力は果たして奇跡か?」

「奇跡ダヨ」

すると雨が降り始める。

「あくまでも私個人の考え方だが超能力は障がいだと考える」

香川は円周率、周期表等をスラスラと言い始める。

「凄いネ」

「私はサヴァン症候群だ。これが超能力と言われる正体でもある」

「.....面白いネ」

「私以外にもこの障がいや色んな障がいを持っている人はおり、サヴァン症候群もその他の障がいも生かしている人はいる。障がいは個性だと思っている素晴らしい人もいる。

ただ、私はこの障害を持って良かった事はあまり無い。嫌な事も全て覚えてしまう。これ程辛い事は無い。頭の中で随時フラッシュパックされていく。良い事もだけどね。

私が何故、SF等が嫌いか。それはサヴァン症候群がアニメや小説の影響で意図的では無くても軽く見られているからなんだ。勿論、対象外もあるけどね。まあ、別にそんな深く考える人もいない訳だし。面白くて取り上げているって言うのも分かる。

しかし香具師が持っていた過去を覗く力。一が持っていた二重人格。

彼等は幸せだったのか?何度も思うよ。アニメやドラマの世界だったらどれだけ良かったか。

こんなのが死ぬまで続くんだよ?

もう一度言う。SFに出てくる超能力はいくら優れていても障害だ。しかしSFはそれを進化と呼ぶ」

「....」

「こんな力が奇跡か?奇跡であってたまるか!私にはこの世の中が軽すぎる。誰も理解してくれないこの重さを」

すると世界はねじ曲がって行く。

レリミューラは笑う。

「超能力ハ奇跡。奇跡。奇跡」

「どうしてそんなに受け入れられるんだ?どうして普通じゃない事を貴方は受け入れられるんだ?」

香川は発狂しようとする。しかし恋色羽が抱きしめる。

「私は普通だ!普通なんだ!」

「人と違う能力を持つ事ってこんなに苦しいんだね。香川……」

「別に誰も悪くない。小説もアニメもドラマも世間も。悪いのは私の弱さだ。私が……」

「……今度は私がヒーローになる番だね」

香川は古い過去を思い起こす。

香川はサヴァン症候群で人と違う事に苦悩する。インターネットで調べてもアニメやドラマ、小説の事しか出ない。そんな時、不良に絡まれている恋色羽を助ける。

「痛い……!空模様さん!逃げましょう!」

「恋色羽!今度こそ、金もってこいや!」

恋色羽は香川を見る。

「また逢えますか?」

「……また明日会えるよきっと」

香川はその場を去る。その時に香川は人を救う意味を考え、英雄と言う考えに辿り着く。

恋色羽はその時に奇跡を信じる事になる。そして奇跡を信じ、英雄との再会を望む。

世界はいつしか、大崩壊を始める。フロイデは呟く。

「良い暇つぶしにはなったわ。さあ、私の進化した超能力の仕上げよ」

漆奈はずっと願う。

「蓬莱延命呪詛呪像様。奇跡を。蓬莱延命呪詛呪像様。奇跡を」

そして大学は崩れ落ちようとする。香川は呟く。

「俺達死ぬな?」

「だから言ったじゃないですか。宇宙人来る前に死ぬって」

「そうだな」

「……」

「また来世だな。お前の超能力で一緒に行けるだろ?」

「また明日ですよ……!」

「ああ……今度こそ必ず会いに行く」

レリミューラは狂気的に騒ぎ始める。

「奇跡!奇跡!奇跡!アハハハハ!」

そして世界は崩壊する。








「おいおい今日も学校かよ」

「あ〜超能力欲しい……」

「ねぇ?私の服綺麗?」

一人の教祖が話す。

「……誰でもただで救済をいたします」

「あ、はい!香具師さん」

普通の世界でフロイデは呟く。

「今までの現象は全て私が見せた幻。まあ、本当は飽きたから全てリセットする予定だったけど、ある奇跡により一部の人間のみ、記憶を維持したまま現実世界に戻る事が出来たのね.....」

漆奈は蓬莱延命呪詛呪像を崇める。

「昨日、世界が滅亡する夢を見た。ただ貴方が守ってくれた。ありがとう。でも、香川と恋色羽って誰なんだろう?」

すると一が漆奈を呼ぶ。

「・・・・・・友達が空模様に苛められるよ!」

「何!?」

空模様は一人の少女に向かって叫ぶ。

「お前……」

「貴方達ハ、ワタシヲ、冒涜シタかラ、天罰ガ下ルヨ!ワタシは奇跡ノ子ナノ!!」












一人の教授が大学を案内しながら、超能力について話す。

「超能力とか言う不可解な事はあり得ず、幽霊等もいません。まあ私も無宗教ではありますが、意識はしておりませんので大晦日に神社でおみくじは買いますよ。信じませんがね」

場は盛り上がる。

「本当に超能力とか想像力が豊かですよ。私にはそんな才能はありませんからね。光の反射で透明になれるとか。科学っぽい事を引用してはレーザー、レーザー。ハハハッ!まあアニメで楽しめる分良いんじゃないんですか。
私は、あ!どうしてこのような現象が起こるんだ!どうして身体の構造がこうも変わるんだ!何故こんなに都合が良いんだ!

とか考えてしまって。ああ、天才は苦悩するな〜」

場は盛り上がる。

「特に幽霊や輪廻転生とか信じてる人。馬鹿とは言いませんがあまりにも死後を期待しすぎて……。笑っちゃいます。霊能力者とか陰陽師とか。凄いですよね。あれで金稼いでいるんですから」

教授のポケットに血濡れた過去は無かった。

舞台は屋上へ変わる。すると、近くにいた少女が手帳を落とす。教授は良い人ぶって手帳を拾い上げようとする。すると手帳は風でパラパラとページをめくり始める。手帳の中身は空っぽ。

少女は教授を見ながら呟く。

「香川教授」

「……」

教授の目には大きな涙の粒が垂れる。

「恋色羽か?」

其処には、車いすを動かす恋色羽がいた。

「また逢えましたね」



無題 完

Re: イエスタデイ・ワンスモア【オリキャラ募集中】 ( No.151 )
日時: 2016/08/25 19:26
名前: 霧風赤司 ◆.k1XJsDMDk (ID: zGyV0OIp)  

名前 無名名無(むめ いなむ)

性別 男

年齢 10〜20

性格 無口。

容姿 黒髪に赤いパーカーを着て、黒いジーパンを履いている。

能力 無に戻す(出来事を一段階前に戻す。連続使用も可能。例:一口食べたプリンを無に戻せば、無限に食べられる。)

特技・趣味
特技はプリン速食べ。最高記録は一万四千個。(原理は一口食べ→胃を無に戻す→無からもう一回食う→飽きたらやめる)
趣味はプリン作り。
その他
無類のプリン好き。
冷蔵庫には常に30個程度入っている。
人間の扱いに反感を抱いている。

サンプルボイス(三つ以上で性格に反映して下さい)

「俺は無名名無。」
「むめいななしじゃ無い、むめ いなみだ。」
「プリンだ、プリンをくれ、ならばやる。」
「死ね、クソ虫どもが、無に戻れ。」


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