複雑・ファジー小説

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イエスタデイ・ワンスモア【不定期更新予定】
日時: 2017/08/25 20:17
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

「イエスタデイ・ワンスモアにお越し頂きありがとうございます」

大きくそれでいて全く何も存在しない舞台に蝶ネクタイを付けた少年が一人立っていた。

「それでは色んな世界への旅をどうぞお楽しみにしてください」

そして彼は何処かへ消える。その後、どこからかのスポットライトが当てられた舞台の隣に飾られた手書きの看板。その看板にはこれから行われる舞台の内容が書かれていた。

今回の舞台

題名:イエスタデイ・ワンスモア6

ジャンル:長編

キャッチコピー:近日公開

内容:近日公開

今までの舞台は>>25です。

今までの出演者は>>26です。

オリキャラを募集しています。

直、今回はスターシステムを採用しております。

ゆえに、ある舞台でキャラクターが死んでも、違う設定で他の舞台に出る事が出来ると言う事です。

オリキャラ応募宜しくお願いします。

エントリーシート(募集用紙)




名前(漢字表記の場合は振り仮名を)

性別(男か女かもしくはその他か)

年齢(舞台により年齢設定が変わるので、年齢の表記は曖昧でお願いします。例:20〜30代前半まで。年齢を特定したいのであれば、20歳のみ、で構いません)

性格(詳しくなくても構いません)

容姿(詳しくなくても構いません)

能力(超能力でも何でも良いです。直、世界観により設定に反映されないかもしれませんがご了承ください)

特技・趣味(何でもいいです)


サンプルボイス(三つ以上で性格に反映して下さい)


それ以外にもこういうキャラで設定して欲しい等の要望がある場合書きくわえても構いません。


直、と言うか必ずオリキャラは死んでしまいます。スターシステムを採用していますので死んでから一度も出ないと言う事はありませんがご了承ください。

オリキャラが来ない場合は勝手に舞台の幕を上げさせて貰います。

ちなみに、何度もオリキャラ投稿可能です!

追記

今まで失踪しまして本当に申し訳ありませんでした。不定期ながら、少しずつ更新を取り戻せたら良いなと感じております。とりあえずイエスタデイ・ワンスモアシリーズのみ執筆予定です。ただし申し訳ありませんが執筆予定だった小説は中止とさせていただきます。

Re: イエスタデイ・ワンスモア【オリキャラ募集中】 ( No.422 )
日時: 2016/12/22 18:04
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

メープルはエミュと話す。

「私、誰を愛しているのか分かりません……。私は誰を好きになったんですか?私は……どうすればいいんですか?」

「みゅ?どうしたみゅ?」

「私はただ、幸せになりたかっただけなのに。私はどうして……。

私は……」

土井はどんどん落ちぶれて行った。以前よりも酷く、以前よりも笑われ、以前よりも無能と言われた。

挙句の果てには任務に失敗をして、リストラの危機に直面してしまった。

逆に大木はどんどん有名になった。以前よりも高く、以前よりも慕われ、以前よりも有能と言われた。

任務は全て成功し、直属部隊のエースと呼ばれるまでに成長した。

「俺はこの生き方しか知らないんだ。人を殺して生きる方法しか。だから、俺は祈る。身勝手だけど。祈る」

大木は呟く。

「俺は……俺だ」

すると、エデルは大木に話す。

「あ、あの……私、暗殺者辞めます!」

「……ああ、ペットショップに就職するのか?」

「……は、はい」

そう言ったエデルの顔は少し寂しそうだった。

眼鏡の奥に光る涙をエデルは想い出ごとふき取り、その場を去る。

「さ、さよなら!……楽しかったです……」

「……エデル!?」

エデルはさよならの意味すら教える事無く走って消えてしまう。

「……」

翌日、ペットショップは閉店していた。エデルからは連絡も無い。また、連絡をしてもエデルから出る事は無かった。

「何かあったか、教えてあげようか」

大木の後ろには残間がいた。

「……残間さん」

「愛とは本当に素晴らしい。そう、全ての主人公に共通しているのは愛を持っていると言う事だ。後は少しばかりの神がかった運か。

私はずっと考えていた。そんな素晴らしい愛はどうしたら感じる事が出来るのかと。運命の出会いなんて意図的に起こせる事は不可能。ナンパと言うのも良いが、ロマンチックが無い。

偶然出会えた事に意味がある。そうは思わないか?

私は愛を感じたいんだ。これは全ての人に共通すべきだろう。私はただ、少しばかりロマンチックを求めているだけ。

漫画では少しモノ足りない。現実では少しモノ足りない。

ならどうするか。

自分で物語を創るんだよ。

私はタイムリーフ系のSFラブストーリーが大好きだ。

ロマンチックで壮大で何より、まさしく運命的だ」

「……」

「私はこんなシナリオを考えた。

愛する彼女が近日死ぬ。それをタイムリーフして救う。王道だけど、こんなに感動的で運命的で壮大な愛を感じる事は無い。

スケールが大きい程、小さなモノを救うのは大変だ。其処に愛がある。愛を感じられる」

「……何を言っているんだ」

「ああ、それは非現実的だ。

だけど、非現実的な事が起こらないと物語にならないだろ?

言ったはずだ。私には、愛への渇望と少しばかりの強運があると。

私は超能力者。

時を巻き戻す能力を持つ」

「……」

「今、エデルはペットショップのロッカーに入っている。どうやら昨日私に会いたくてペットショップに来てくれてね。嬉しい程に泣いていたよ」

「……お前、まさか」

「私は悲劇のヒーロー……。君はただの噛ませ犬だ。まあ、噛ませ犬にもならないほどの奥手だったがな」


ペットショップは爆発する。

「エデルーーーー!!!!」

「安心しろ。数日後、葬式のタイミングで時を巻き戻す。そして私が彼女を救い、攻略完了。

ハッピーエンドだ」

「お前……残間!」

残間は笑う。

「さて君も良い人にしないと。君はエデルをペットショップにいる事に気付き、火の中に入り死ぬ。

ロマンチックだね。噛ませ犬では無く良い人として死ぬんだ。本望だろ」

残間は大木を掴み、火の中に投げる。

「……大丈夫。時を巻き戻せば皆、元通り。ハッピーエンドだ。

ただ、戻るのは昨日。君は私の能力を知る事も無く彼女を取られる。

まあ、妥当な女でも用意してハッピーエンド扱いにしてやろう。

それも愛だ」

残間はその場を立ち去る。

しかし、彼には誤算があった。

大木は一般人では無い事。

彼は暗殺者である事。

「私に必要なのは愛。愛があれば人は生きる事を止めない。私は何か間違った事を言っているか?」

Re: イエスタデイ・ワンスモア ( No.423 )
日時: 2016/12/23 11:34
名前: モンブラン博士 (ID: JTGaf1wb)

最近はメープルがよく登場しているのでとても嬉しいです。
恋もしているので私には完全にヒロインに見えます!

またキャラクターを投稿しますが、今回のキャラは人格にかなり問題がありますので、心配です。

名前 ムース=パスティス
性別 女
年齢 20〜25歳
性格 優雅で穏やかな言動だが、異常なほど冷酷非道なサディスト。
容姿 桃色のロングへアに桃色の瞳が特徴の白人の美女。純白のコルセット姿。
能力 なし
特技・趣味 拷問器具の購入&人に拷問すること。お気に入りは電気椅子、ギロチン、縛り首など。
サンプルボイス

「私はムースですわ。ごきげんよう」
「今日は何人の国民を磔にしましょうか」
「国民の悲鳴や血を見ながら大好物のムースを食べる……ああ、なんて幸せなのでしょう」
「この国の国民は全て私の玩具ですわ」
「あなた様は可哀想な方ですわ。拷問の楽しさが理解できないだなんて……」
「凶暴な人食いワニに食い殺されて生まれる血の池は絶景ですわ」
「朝から聞く断末魔は脳を起こすのに最高の目覚まし代わりですわ」
「友情、恋愛……なんですか、それ?」

備考 人口2000万の王国、パスティス王国の王女。言動こそ丁寧かつ優雅であるが、言動の端々には他人の生命を「玩具」としか認識していない異常性がある。友情や愛情とは無縁で理解することができない。

Re: イエスタデイ・ワンスモア【オリキャラ募集中】 ( No.424 )
日時: 2016/12/23 15:38
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

モンブラン博士さん、オリキャラ投稿ありがとうございます。

キャラクターの方は全く問題ありません。個人的に中世のヨーロッパの王族を思い出しましたね。想像が膨らみます。

ただ、オリキャラの出演は次回の、廻る世界に弾丸を、の方で採用させて頂きます。

確実にオリキャラの出演を満足させて頂く為です。

今までは現在書いている物語終盤に投稿してくださったキャラは無理やり終盤の方で出演させてしまい、私の力量不足でそのオリキャラが活躍しないまま物語が終わらせてしまってました。ですので、次回の物語にてちゃんと出演させて頂きます。少々、お時間を取るかもしませんが宜しくお願いします。

オリキャラを優先しつつ、いかに物語の中で自然に活躍させる事が出来るのかが昔からのモットーですので。

未熟な所もあり、まだまだ理想の様に行きませんが応援宜しくお願いします。

此処からは本編です。







大木はボロボロになりながら部屋に帰る。

「残間……エデル……」

すると、手紙が大木のポストに入っていた。

「大木さん。私、実は残間さんがストーカーって事に気付きました。

相談しようと思いましたが、迷惑がかかるので止めました。

ごめんなさい。勝手にこんな事をして。

だから、全部、全部終わったら、また会ってくれますか?

また、隣で笑ってくれますか?

本当に勝手だけど。

私は貴方の為に全てを終わらせて帰ってきます。

明日……」

その後の手紙は翌日、互いが出会う時刻と場所が指定されていた。

場所はペットショップ。エデルは残間とも仲直りがしたかったのかもしれない。

「……うあああああああああ!!!」

大木は泣き叫ぶ。

「ど、どうすれば……。残間を殺す。でも、奴は超能力とか訳分からない事言ってたな……。いや殺人鬼を信じる方がおかしい。ん?俺も殺人鬼か」

現在、超能力は天淵一族しか使えない。理由は血統らしいが詳しい事は現在も不明。何か裏があるのかもしれない。

時代背景は裏で量産型戦闘用プロトタイプロボット(つまり、試作段階)が開発されている程度。クローン技術は哀川博士等の天才は開発可能な時代。オカルトはオカルトのまま。もう一つ、ジャンルがあるがその部分はいずれ。

一方、残間は動揺していた。

「……な、何故だ。此処はエデルからメール等の遺書があってもおかしくない。

ロッカーで死ぬ間際に私に何かを送ろうとするのが普通のはずだ。

私の考えたシナリオとは違う方向に進んでいる。

このままでは私が彼女を死んだという事実は、エデルの周りの友人程度の情報しか来ない事になる。

彼女にとって私は特別だ。愛があるのに彼女の死を告げられるのは愛も無い友人と何も変わらない時と一緒になってしまう。

私が一番に愛する彼女の死を知るべきだ。

それが愛だ」

すると、残間の元に大木が現れる。

「残間……」

「大木!何故、お前が生きている。私のシナリオが……私の愛する物語が……」

「……」

「私の愛を邪魔する者め。生き帰って直、私の彼女攻略を許さないと言うのか。

だが、私は負けない。何故なら私は愛を信じているからだ」

「お前……」

「最後には、愛は勝つ。

私の能力を見せてあげよう。

全てのモノに幸福を!

コンティニューシナリオ(やり直す物語)!」






時は巻き戻される。

だが、時を巻き戻されている事を知るのは残間のみ。大木、エデルは何も知らない。

残間はエデルの元にいた。


「愛があれば何度でもやり直せる。

今まで、何度運命を変えた事か。運命は変更を嫌うが、私は運命に好かれているからね」

実は残間は何度も同じ時を繰り返していた。

自分の物語の通りにならない時は時を戻し、物語の展開を構築し直す。

「ハッピーエンドこそ、シナリオは美しくなる」

エデルはロッカーの中に押し込められる。

「や、止めて!!!」

エデルは気絶してしまう。残間はエデルの携帯を取り出し、メールを打ちこむ。

「死ぬ前だから言うね。貴方の事が大好きだよ。永遠に愛してるわ。

これでシナリオは完成させる。後は爆弾を設置し、死んだら時を戻し私が彼女をロッカーから救う。そして二人は結ばれハッピーエンドだ」

残間はその場から立ち去ろうとすると、其処には大木がいた。

「……何!?」

「……」

「そうか。通常なら私はもう爆弾を設置して外に出ていたんだ。メールの内容を考えてしまったせいでその分の時間がロスしてしまったのか」

「な、何を」




時は巻き戻る。


「ならば、また時を戻すのみ。私の愛は無限大だ。あんなサブキャラに負ける訳が無い」

大木の元にはメールが来ていた。

「助けて」

一回目に閉じ込められた時に携帯は外に置いてきてしまっていた。

二回目は残間が携帯を彼女のポケットに入れていた。

そして、三回目にしてエデルは携帯を使い大木に助けを求める。

時を巻き戻す能力に弱点は無い。

しかし、使用する人間により弱点が生まれる。

大木はエデルの元へ向かう。

「残間!」

残間は叫ぶ。

「またシナリオが……。

何故だ!何故、私の物語は完成しない!」

大木は呟く。

「お前、エデルの事を考えた事はあるのか?」

「……ああ、私は彼女を愛しているからね」

「お前が愛しているのは、エデルじゃない。

エデルを愛している自分自身を愛しているんだよ。証拠にエデルが助けてって叫んだのはお前じゃない!

本当の愛を知らない奴に愛を語る資格は無い!」

「サブキャラが私のシナリオを崩壊させるな!

私は主役だ。愛と強運を持つ優しい主人公……。

ハッピーエンドをお前は邪魔するのか!」

「ハッピーに終わるのはお前だけだよ」

「それはそうだろう。私のシナリオだからだ!」

「誰もお前のシナリオに参加した覚えは無いよ」

残間は時を戻そうとする。その時、ロッカーからエデルが現れる。

「エデル!ああ、私の愛するエデルよ。時を戻してこんな噛ませ犬からすぐに解放して」

エデルは残間を殴る。残間は倒れる。

「わ、私は……貴方の事好きじゃないです!」

「……うああああああああああああああ!!!

こ、これは……私の世界なんだ。

私が主人公なんだ。

そうだ、これは……チャンス。

そう、私には主人公ならではの運がある。

噛ませ犬に洗脳されたヒロインに殺されそうになる私だが、私は君に愛の言葉を囁く。

すると、君は洗脳が解け私の愛に気付く。

気付け!

私は主人公だ!大木は黒幕!

今までのシナリオを想い返せ!

私は主人公だ。ペットショップで運命の出会いをし、君は……」

大木は残間を殺害する。

「……確かにお前は主人公だ。

だが、俺もエデルも皆主役だ。この世に脇役なんていないんだよ」

「……私は人を愛しただけだぞ。

私はエデルを愛した。

何故、私の愛を受け入れられない。

愛する事の何がいけない……!」

残間は死ぬ。

名前、残間義景。彼はただ人を愛したかっただけであった。

彼に異常な何かが無ければ、彼は本当に主人公になれただろう。愛の為に生きられる究極の愛の戦士、理想のヒーローだ。

ハッピーエンドはまだ遠く。

Re: イエスタデイ・ワンスモア【オリキャラ募集中】 ( No.425 )
日時: 2016/12/24 16:41
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

「しかし何で、ペットショップの店長がこんな事を……。それに超能力もよく分からなかったし……」

「でも助かったから良いよ!まあ、死んじゃったのは……」

「……結局、俺は暗殺者だ」

エデルはその後暗殺者を辞め、動物関連の資格取得の為、大学に行く事になる。

大木は普段の生活に戻る。

二つの物語は交差し、結ばれた。

結局、残間は何者なのかは不明。

藍楷は大木と酒を飲む。

「藍楷……俺はこのままなのかな……」

「どうしたの?」

「もし、俺が時を巻き戻せる能力を持っているとするだろ。

俺は……大木になる前に戻りたいと思うのかな」

「……。

自分がちゃんと理解出来ていれば容姿、名前なんてどうでも良い。

今いる貴方が貴方らしくあればそれで良いんですよ」

「……そうか。

それじゃ、もしもだけど、俺がまただれかと入れ替わっても……こうして会ってくれるか?話してくれるか?」

「やっぱり貴方は貴方です。今度、入れ替わった時は私の事……」

「ああ、俺も全力で探すよ。

君の名を」

「映画の見過ぎね。今度、入れ替わる時は私と入れ替わって下さいね?」

大木と藍楷は良き友として、これからも関係を続ける。

藍楷は大木に好意を寄せていたが大木は藍楷を何でも話せる親友として感じている様だ。

藍楷はそれに満足する。

しかし、藍楷の傍には土井がいた。

「藍楷!てめえ……クソ女……ふざけんなよ」

「……」

「大木なんかにお前を渡すかよ」

「知ってたの?」

「殺してやるよ。俺はエリートだ……」

土井は叫ぶ。

「俺は!最強の暗殺者!土井だ!」

藍楷の正体は小林財閥の残党。見境 紬(イエスタデイ・ワンスモア1、2、3に出演)の部下。

暗殺の腕は最強。ヒワノ、ドゥーロ、桐生等と共に活動していた。

しかし、藍楷は小林財閥崩壊前に土井を暗殺する為に暗殺候補施設にスパイとして潜入。

だが、土井の魅力、そして見境の指示により土井を暗殺では無く監視する様に指示される。

「見境様。土井の監視を終了します。私の心の中でどうぞ眠って下さい。

貴方は気高い悪魔。それでいて、乙女でした。

私はそうありたい」

藍楷は土井を殴り飛ばす。

土井は重傷を負う。

「さて、大木さんは誰が好きなんでしょうね」

その後、土井は完全にリストラ候補に名乗りを上げられ、笑い者にされる。

ベリーベルは土井の元へ行く。

「暗殺しか俺には無いんだよ。だけど、暗殺が怖いんだよ。

俺はもう嫌だ!

何で……こんな事になったんだよ。俺は……」

「……(そろそろ終わりかね……)」

メープルは大木と話す。

「……」

「ど、どうした?そんな顔して……」

「私は誰を好きになったんですか?私は今の貴方も昔の貴方も好きです」

「……」

メープルは泣き始める。

彼女もまた、大木と土井の入れ替わりによって人生が変わってしまった一人。

そして、彼女は選択する。

どちらの彼氏を選ぶのか。

「戻らないと……大木さんの所に」

「……知ってたのか?」

「彼には私が必要なんです……。それに彼が本物ですから……」

苦渋の選択だった。

しかし、メープルは自分の彼氏(土井)が不幸に陥っているのに自分だけが幸せになる事は出来なかった。

これも優しすぎる愛。

「……」

大木は止める事が出来なかった。

人生を選択したメープルの決断を止める事は出来なかった。

メープルは家を出ると、ベリーベルがいた。

「行くのか?」

「私は彼を愛してますから……。私は彼の心を愛しているんです。姿、名前なんて関係ありません!」

「あいつを、土井と思うな。

姿だけ変わるなら確かに土井は大木だ。

だけどな。

金と権力が変われば人は簡単に変わっちまう。

入れ替わる前の大木と土井はどう足掻いても帰って来ないんだよ」

「……」

「今、愛している男の元に帰れよ。大木の元に」

「私は誰を愛したんですか?誰を好きになったんですか?

誰か教えて下さい。

名前なんか、姿なんか、そんなのを求めてはいません!探してません!君の名前なんてどうでも良いんです。

私は誰の隣にいれば良いんですか?」

「探しているモノはもう何も無い」

「……そんな」

メープルは何処かに消える。

ベリーベルは呟く。

「……彼女も変わってしまったか」

そんなベリーベルも変わっていた。

メープルは土井の元にいた。

「大木さん」

「俺は土井……土井だ。笑うな……。俺を笑うな!」

「もう大丈夫ですよ」

「もう……嫌だ。助けて……」

土井は泣き始める。

「死ぬまで一緒ですよ?」

「……!」

メープルは土井と心中する。

メープルは意識不明の重体。土井はその場にはいなかった。

メープルは病院で眠る。その傍には土井がいた。

「俺のせいで……俺のせい……」

土井はベリーベルの元にいた。

「メープルは何で俺と心中を?」

「優しすぎたんだよ。お前と死ぬ事でお前が幸せになるって思ったんだろ。

好きな人と死ねるからな」

「……俺はどうすれば……」

「今日は聖夜の前の日、クリスマスイブだ。

幸せを願え。

お前は何をしたい?」

「俺は……自分を取り戻す。

俺は……失ったもう一人の俺を取り戻す。

……俺は大木……いや土井の元に立つ。

俺の本当の価値をメープルに見せる。俺が何なのか見せる。

その為に、土井を殺す」

「メープルは望んでないぞ?それに暗殺者なんて知らないだろうし」

「俺が俺である為に。メープルを二度と一人にはしない。

俺の価値は大木を殺して初めて俺が俺らしく、いられる。俺は初めて人生を歩ける」

「……」

「俺は暗殺しかないからな」

土井は笑う。

落ちぶれても、大木と能力は対等。努力の違いのみである。しかし、土井は努力をする。

「大木ー!」

土井は大木を初めて探し始める。

Re: イエスタデイ・ワンスモア【オリキャラ募集中】 ( No.426 )
日時: 2016/12/26 18:33
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

お知らせ。

大みそか辺りから正月まで一切小説を更新する事が出来ません。ご了承ください。

オリキャラは勿論、募集中です。ただ、返答は長らく出来ません。申し訳ございません。

新年も引き続き応援宜しくお願いします。

皆さん、良いお年を。

此処からは本編です。

大木は闕見我と話す。

「大木。もうすぐ大みそかだ」

「そうっすね。まあ、今年も暗殺ですよ」

「……大みそかから正月まで休めばいいじゃないか」

「暗殺者に休みなんてありません!……闕見我さんが一番分かってるでしょ」

「楽しかったな……」

闕見我はある気配を感じる。

「……忍者か」

「合計7人。天淵一族ですか?」

すると、闕見我は呟く。

「すまない」

闕見我は大木を気絶させる。

忍者達は闕見我の前に現れる。

「闕見我」

「……私の敵はあまりに大きく、私はずっと逃げていた。

私の味方もあまりに大きく、私はずっと甘えていた」

闕見我は消え、現れたのは滓雅。

「私はずっと嘘をついていた。ずっと大木から逃げていた。ずっと見て見ぬフリをしていた。

虚と言うターゲットだけ見て天淵一族を見て見ぬフリをした」

「その代償がこれだ。抜け忍。その暗殺者の首を取り我々の元に戻るのかと思えば。

心に迷いが生じる者から戦争で死んで行くんだ。

死ね」

闕見我は虚を暗殺する為に用意した分身(意思は統一されている。つまり闕見我の中身も滓雅)。しかし、大木に出会った事で闕見我である罪悪感が芽生えていた。

偽りの姿で大木を騙してた事に違和感を感じていた。

「私は嘘をついていた.....だけど、虚と言うターゲットを暗殺する為と自分に言い聞かせて大木とかを騙していたのよ」

「忍が裏切るのは普通の事だ。だが、裏切ってはならない主がいる。お前は此処で主の為に死ぬのだ」

滓雅は大木を見る。

「私はもう嘘をつかない。これが本当の私」

大木は気絶している。

「.....私はもう逃げない。さようなら、ありがとう」

滓雅は天淵一族と戦う。




真っ暗な大みそかに鐘の音が聞こえる。

どこかでクラッカーの音が聞こえる。

どこかでそばのすする音が聞こえる。

世界中が時差の中波の様に幸せな新しい年を迎える。


どこかで逃げずに戦う忍者の音が聞こえる。

「もしも全てが終わったら....

今度は本当の私を見て.....

次は大木ね.....

大木の秘密を聞きたいから。

また、いつか会いたいな.....」

その後、闕見我ととある武器商店はいなくなった。

誰もが、逃げたと呟いた。

一人を除いて。

どこかで逃げずに戦う忍者の音が聞こえる頃、どこかで逃げずに戦う暗殺者の音が聞こえる。

大木は滓雅を見ていた。

「今日は冷える……。

俺も来年になっちゃうけど終わらせようか。

滓雅に次会っても立派に秘密を言える様に」

大木はその場を去る。

大木は土井を探す。

「土井は確か、アダムの日本支部にいるはずだ。

……俺は」

大木は貝田やエデル、等の仲間を思い出す。

「……俺には暗殺がある。

世間では最低の嫌われ者だが、俺にとっては最高の嫌われ者だ」

土井は大木を探す。

「あいつはエイトハンドレッドの直属部隊……」

一度も会った事の無い二人は互いの元へ歩く。

外路の電灯が大木を照らす。誰もいない道路の真ん中で大木は立つ。

「俺の人生は暗殺だった。それを悲しい、怖い等と言う奴がいるだろう。

だが、俺の人生は輝いている。

俺の周りの暗殺者のお陰でね。

その事を入れ替わって気付いたよ。

そしてお前もだ。土井」

「俺の人生も暗殺だ。暗殺しか無い。だが、お前の様な考えを持つ者はどれくらいだろうな。

俺の予想は五人程。お前も入れてな。

俺の人生はクソだった。

雪の様に埋もれて周りの暗殺者に馬鹿にされ笑われた。

その事を入れ替わって気付いたよ。

ついでに俺なんかと死のうとした可哀想な彼女もな。

お前を殺す。大木」

土井を照らす街灯はチカチカ点滅していた。

互いに会った事の無い二人だが互いの事は全て知っていた。二人とも、会った事の無い人間に入れ替わっているからだ。

もはや、互いの事をこれまでの人生と共に歩んだ本名で呼ぶ事も無く10カ月間に過ごした名前で呼んでいた。

「土井。俺はお前に全てを壊された。

……復讐をするつもりは無い。

だが、けじめは付けさせて貰う。

俺が学んだ暗殺でお前を殺す。俺はエイトハンドレッドの直属暗殺者、大木だからな」

「同じ暗殺と言う行為でもお前の動機と俺の動機は全く違う。

俺はお前がいる事で俺は俺で無くなるんだよ。本当の俺は暗殺でしか表現不可能なんだ。

だが、お前に本当の俺は見せられないな。

その時、お前は道路を真っ赤に染めてる最中だからだ」

「互いの過去を全てを……終わらせるぞ!」

「上等だ……天才が。10か月の栄光と共に消えろ!」

未来の為、過去の想い出と共に「現在」を全力で走る。全力で生きる。

世間から見れば、ただの犯罪者。殺人鬼だ。

誰かの目からはどう見えているのだろうか。

ベリーベルは土井と大木の戦いを見る。

「いや、見ないよ。大みそかに殺し合いなんて縁起でもない。

……そう、世間的に考えればな」


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