二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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kskと世界の仲間達
日時: 2013/10/09 00:04
名前: 旧世界の神 ◆qG6Aph5m22 (ID: H1c8Uwl2)

クリックありがとうございます。
始めまして、旧世界と申します。
今回執筆させて頂く「kskと世界の仲間たち」は、ポケモンのリレー小説です。
この小説は「kskと愉快な仲間たち」の続編となりますので一読推奨します。
もちろん、前作を読まなくても楽しめるよう努力していくつもりです。

※現在前作はご覧になれません、ですが今作とは全くもって世界観から違うので読まなくても問題ありません

先述しましたがこちらは「リレー小説」です
多少のグダりはあるものだと思って御容赦ください

感想・意見大歓迎!
辛口意見お待ちしてます

※この作品はフィクションです。
実際の人物、事件、団体とは一切関係ありません。
どっか似てたとしてもそれは他人の空似です。
幻想です。


冬の小説大会では皆様の応援のお陰で金賞を頂く事が出来ました!
読者の皆様にはこの場を借りて作者一同より感謝の意を表させていただきます!

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Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達 ( No.171 )
日時: 2012/12/17 22:48
名前: タピオカ (ID: NPNDmgZM)

「なんだてめえ!」
蹴り飛ばされた五月雨が立ち上がった。
そして次の瞬間崩れ落ちる。
「なっ ! ? どうなってやがる ! ?」
ここで五月雨を蹴り飛ばした男が初めて口を開く。眼鏡をクイッと上げつつ。
「一体何時から、痺れているのが舌だけだと錯覚していた?」
「なん……だと…… ! ?」
「敵地に転がってる見覚えのない缶詰の中身を、まさか本当に食うような馬鹿が居たとはな」
「じゃあ、アタシの食ったワライダケをこの辺に生やしておいたのも……!」
『いや、それはテメーがバカなだけだろ』
全く同じセリフで、敵一人と味方数名から同時にバカにされたバハムートであった。
「まったく、お前達は役に立たんな。第一の提案だが、ここは俺に任せておけよ。この筋肉の着き方、おそらくコイツは能力ではなく徒手空拳で戦うタイプだ。お前の『雨』とは絶望的に相性が」
「悪い!」
言うと同時にたまは男に飛びかかっていた。
「学生服に眼鏡とは、ただの登山者って様子じゃないな! 第一の質問だ!オマエは何者だ ! ?」
「ふう、一発でも当たれば魂を抜かれるってのは結構面倒だな。しかも殴り返しても危ないときた」
「聞いていることに答えろッ!」
言いつつたまが放った不意の蹴りは、しかし男には届かなかった。
「そうだな、強いて言うなら寺生まれだ!」
蹴りから派生した右フックを、男は大きく地面に伏せて躱す。
と同時にズボンのポケットから数珠を取り出した。
「波ァ ! ! !」
男が数珠を振るった瞬間!たまが立っていた大地が爆ぜた!
「ぐあッ ! ?」
大きく空中に身を投げ出される。
「鳩の魂!」
空中で羽毛を展開し、衝撃を和らげつつ着地したたまの頬には、一筋の汗が流れていた。

Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達 ( No.172 )
日時: 2012/12/17 23:51
名前: タピオカ (ID: NPNDmgZM)

「なんだ、お前達も大概バカなんじゃあないか?」
嫌味な口調で男が口を開く。眼鏡をクイッと上げつつ。
「わざわざ! 五月雨の好物であるトマトに毒を入れたのに! 理由がないとでも思ったのか? 本当に?」
能力を使わずに戦うタイプだ、な〜んて言ってた時には笑いを堪えるのに苦労したぜ、と男が続ける。
「この数珠から念を放って地面やそれと似たようなものを爆発させるのが俺の能力! だからこそ! 厄介な五月雨はからだがしびれてうごけない! となるように仕組んだのさ!」
と、その時である。
後ろで何をしていたのか、今まで戦闘に参加しなかったkskが、突如猛スピードで男に突っ込んで行ったのだ!
「テメェも大概バカだぜ寺生まれ! 自分の能力を得意げにペラペラとよーッ!」
光線を後方に放ちブースター代わりにする『光飛』である。
「チッ!」
男が数珠を振るう。
だが、地面が爆発する頃には、kskはすでにその一歩先を飛んでいた。
「軍に居た頃の演習でこんなのは散々体験済みなんだよ!地雷ってのはなあ、爆発される前に通り抜けちまえば一切問題無い!」
「参ったな、流石前大戦の英雄kskだ! だが!」
kskが男に衝突するその寸前、kskが爆風に飲まれた。
「クソッ!」
たまが撒いた羽毛を光線で巻き上げkskも落下の衝撃を和らげる。
「流石俺。流石寺生まれ。追いつけないなら待ち構えてれば良いのさ! 衝突の瞬間ともなると、やはり速度を落とすようだな」
男が自慢げに話す度に、邪魔と言うものが入るらしい。
ただし今度の邪魔はケフィと白、そしてさっきまで眠りこけていたMysonの三人同時であった。
「アブソーブカラーズ、緑色!」
「不知火、痺れ粉!」
「人が寝てるとこでドンパチやってんじゃねえええええええ ! ! !」
三者三様の攻撃に、しかし男は動じない。
どころか地面を爆破、色の球、痺れ粉、弾幕、これら全てを爆風で散らせてしまった。
「近づけないと分かって飛び道具に切り替えたのはまあまあ頭を使ってたと言えるがしかし、俺の、寺の力に隙はないぜ」
男が、先日たまが戦ったキティに勝るとも劣らぬ自信満々の笑みを浮かべた。
そしてまた、数珠が振るわれる。

Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達 ( No.173 )
日時: 2012/12/18 21:35
名前: タピオカ (ID: NPNDmgZM)

「おいksk! どうして飛ばない!」
爆風に地面を転がされつつたまがkskに問いかけた。
これで何度目になるだろうか。
たまに限らずkskも、五月雨も、他の全員も既に幾度となく爆発する地面に苦戦を強いられていた。
爆発する『地面』に。
「『光飛』で空を飛べるオマエなら地面を爆破するだけの、こんな能力は敵じゃないはずだろう ! ?」
たまも木の魂を応用し、疑似的に空中戦を展開できる。
それは既に試したのだが、生やした木の根元を爆破され、失敗に終わっていた。
ついでに言えばカーネルのビーム系統の攻撃は爆風に散らされたりはしなかったのだが
「まあそう焦るなよ。まず第一にだな」
kskがたまの口癖を真似る。男に聴かれないためだろう、小声である。
「この爆発は、奴の『能力』じゃあない」
「何を言っている ! ? それなら奴の言うとおり、わざわざ五月雨だけ毒で対処する理由がない!」
「俺が五月雨が奇襲にあったのと同時に飛び出さなかったのにはワケがある」
ここでkskが全力で後方に跳ぶ。
男が数珠を振るうのが見えたのだ。
直後、kskがそれまで立っていた大地が爆ぜた。
「俺は後ろで『ジェネシス』を呼び出し、奴の能力である『ダウンロード』を使って調べた。奴は確かに何かしらの能力を持ってはいるが、この爆発については能力によるものではない、と言うのがその結果だ。だから俺は光飛で突進したときこの爆破を地雷と呼んだ」
ここからは仮説だが、とkskが言葉を続ける。
「恐らく奴は何らかの別の能力を持っている。五月雨を毒で止めたのは本命である真の能力の邪魔をさせないためであり、爆破はいわば補助的なものでしかない、と俺は読んだ。戦いが始まってすぐのころに、奴がお前の能力について少し口にしていたろ?」
そういえば、とたまがハッとする。
「お前の能力について知ってるなら俺が飛べることを知っていても不思議はない。それでも爆破で攻めてくるっていうのは俺を空に逃がして本命の真の能力で叩き落とそうとしているんじゃないかと思うんだ」
kskの説明が終わるのと、男の背後に異常なまでの熱の塊が現れるのとはほぼ同時だった。
「みなさん!無事ですか!」
炎を纏った、少しばかり背の低い影。
聞き覚えのある幼い声。
男が警戒してその場を飛び退く。振るわれた拳を避けた男が何かを言おうとした瞬間、少年の纏った炎が剣を形作りリーチを伸ばし、男を焼いた。
「遅かったじゃねーか! タートナック!」
待ちくたびれたぜ、とバハムートが相方に続いた。
「ねーちん、遅かったじゃないか! そういえばボクに変身させられたまま空を飛ぶのは初めてだっけ?」
そこに更にケフィが続く。
「一体どういうこっちゃ、こりゃあ? そういや白の精霊のねーちゃんは俺が起きた時にはおらんかったようやけど」
私はねー「ち」んです、と訂正しつつ彼女、人間ではないのだがまあ彼女でいいだろう。彼女は説明を始める。
「あの男性は我々の存在に気づいて居ませんでした。そこで私抜きで奇襲をかけ、わたしの存在に気付かせないようにしつつ、私が鳥の姿で空を飛び、フミキさんとタートナックさんをお呼びする、という作戦を試してみたのです」
大成功でした、と笑顔で告げる。
「ねーちんから聞いたkskの予想通りなら、真の能力を使われる前にブチのめした方が早いからな」
と一足遅れて辿り着いたフミキが付け加えた。
「さあ、出てきなよ! 僕の友達をこんなに傷つけてくれたんだ!こんなもんじゃ済まさない!」
どんな稽古をつけられたのだろう、黒煙に投げられたタートナックの言葉は、これまでとは別人のように自信に溢れていた。

Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達 ( No.174 )
日時: 2012/12/18 23:50
名前: タピオカ (ID: NPNDmgZM)

「ああミスった、タートナックか! お前はノーマークだった!」
学生服の男の声。悔しさが滲み出ていた。
黒煙が晴れ、男の姿とそしてもう一つ、2mほどの高さの茶色い巨体、成程そこまでブッ飛んだサイズではないが「巨人」と形容されても不思議はないそんな巨体の姿が露わになった。
「無傷 ! ? なんで!」
タートナックが驚きを顔に浮かべる。
そう、男に傷は無かった。
身代わりに炎を受けたのは、少し表皮が焦げているその茶色の巨体だろうか。
「そいつはドサイドン! ドサイドンの精霊か!」
「俺とバハムートのときと言い、お前は精霊の種類に詳しいな、フミキ」
「ああ、知っている。ついさっきタートナックに警戒しろと告げたその精霊!」
「こいつは俺も知っているぜ」
とkskが口を挟む。
「5000℃のマグマの中でも活動可能な程の耐熱性、耐久性を誇る大地と岩石の精霊、確かにタートナックじゃ相性は最悪だな」
そこまで言って、kskが急にニヤリとした。
「そうか! つまりそういうことだな学生服! 全く、寺生まれとは笑わせる! ドサイドンか! そいつなら空中を飛んでいる俺を岩石で撃ち落とすぐらい訳ないだろうな!」
「おい、何を言っているんだよksk」
ワケが分からない、という顔でバハムートが尋ねる。
バハムートはおバカさんだから、他人にあれこれ聞くこと多い。がしかし、今回については彼女でなくともkskが何を言っているのか把握できていないようだ。
「俺たちが今まで散々悩まされてきたのは当然寺パワーなんて物じゃないし、他に奴に能力があるワケでも恐らくはない。蓋を開けてみれば簡単な話、あらかじめ埋めておいた爆弾を地下から精霊に起爆させてたってだけの簡単なトリック! 五月雨を痺れさせて戦えなくしたのも『雨』が厄介だったからだ! 能力を封じさせないためでなく、爆薬を湿気らされないために!」
この俺を騙すとはやるじゃねーか、とkskが最後に呟くように加えた。
「さらに言うなら、今身を守るためにドサイドンを地下から呼び出したということは、タートの炎から身を守る術はそれしかない、と言うことだ。そうだろう?学生服」
「……その通りだ」
kskの問いかけに、男は悔しそうに答えた。もはやその表情に、先程までの自信は見受けられない。
ここで男と対照的に、自信に満ちた声でタートナックが口を開く。
「つまり、僕が炎を放っている間、彼はそっちにドサイドンを回さなきゃならないから、爆弾を起爆できないし、kskの空中からの攻撃にも対応できないってことだね?」
「だから俺とタートがこの場を離れた隙にksk達を襲ったのか」
銃弾や炎は流石に爆風じゃ対処できないもんな、とフミキが納得したようにつぶやく。
「さて、千載一遇のチャンスを逃したお前にもう勝ち目はない。この場で大人しく降伏するか? それともまだ何か隠し玉でもあるのか?」
たまが男ににじり寄る。
能力のタネが割れたとは言え自分の拳を容易く避けられたことを忘れてはいないたまは右手に毒針を握っていた。
「……まだ俺は、負けるわけには!」
ドサイドンの精霊が大砲のような腕を構える。
男がポケットからナイフを取り出す。

瞬間、ドバッ!と鮮血が散った。

男の腹を、巨大なツララが貫いていた。
「予想以上に役立たずでしたわね。クズが!」
凍てつくような声。

Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達 ( No.175 )
日時: 2012/12/20 23:26
名前: 旧世界の神 ◆kkr9m4c7Y6 (ID: Tf5VGYTU)

「面白くも何ともありませんわ……ウジ虫駆除の余興程度には楽しめると思いましたのに……」
謎の女。
急に現れ、寺生まれの男を氷柱で突き刺し、そしてksk達を見る。
名前も何も分からないが、ただ一つ、ドス黒い『何か』をこの場の全員が感じていた。
「がっ……は……て、てめーは……」
女は寺生まれの男をまるでゴミでも見るかのように一瞥すると、再び氷柱を出現させ、寺生まれの男の脳天に向けて躊躇なく降り下ろした。
しかし、その攻撃は空を切った。
「あっぶねーッ! 間一髪ってヤツだ……こいつを『魂』にするのが一瞬遅かったら……」
女の氷柱よりも、たまの拳が寺生まれの男の心臓を貫く方が速かった。
急いで距離を取るたまが戻る先の、ksk一行の方に女は振り向く。
目を見た瞬間全員が理解した。
こいつはアラシである事を。
五月雨は思った。
(恐ろしい……心の奥底から何かを『恐い』と思ったのは何年振りか! あの毒入りのトマトを食って更に歯を一本折られた! なのに口の中の痛みがまるで全くなくなっちまった……背骨を凍らされた様な気分! あいつの目は、『今からカキ氷を作るから氷を削ろう』とか! そんな気分で俺達の命を削り取って今にも喰ってしまいそうな! そんなオゾましさを秘めた目だ! 異常だとか狂ってるとか! そんなフリーマーケットみてーに安っぽい言葉じゃ表しきれない漆黒のクレバスの様だぜ! こいつの目はッ!)
その場に居る誰もが驚愕し、恐怖した。
「クッ……何故俺を助けた」
「い、今はそんな事はどうでもいいッ! 事態は既に、『今助けられた』とか『今助けた』とかそんな事を言ってる場合じゃあない! 『どうやって助かるか?』という次元なんだよ!」
寺生まれの男の魂は放したが、以前女からは一瞬たりとも目を離さないたま

「た……確かにそうらしい……俺の名はαだ……たま、お前の強さは聞いている……それは認める! しかし、あいつと真っ向からやり合うなんて真似をしてみろ! お前は二度と朝日を拝めなくなる!」
知っているぜ、とたまは返す。
「俺は先日、恐らくだがあいつと同じ階級の奴と戦った、だが手も足も出なかった! そして今回のこいつは……あいつとはまた違った恐ろしさがある」
そんなたま達の会話などどこ吹く風、女は髪の毛をいじりながら言った。
「私……アラシ幹部のグレイフィアと申しますわ、あのキティが撃退されたと聞いて、こうして貴方達を駆除に参りましたのですけど……とんだ見込み違いでしたわね……ですが、アラシ様に与えられた体がまだ本調子でないキティと違って……私、手加減致しません事よ?」
グレイフィア、と名乗る女は一行に向き直った。
途端にフミキが叫ぶ。
「何か来るぞ! 全員木の陰や岩の後ろに避難しろーッ! やまおとこ、聞こえるかッ! てめーは山頂まで全力で駆け上がれ!!」
そう言って、キャンプの方に銃弾を数発撃ち込む。
すると、ひぇー、とやまおとこが怯えて逃げ出す声が聞こえた。
一行も慌てて避難する。
「他人の心配をしている場合ですの? あの様な者に興味はありません、しかし! 貴方達は始末致しますわ! おいでなさい! グレイシアちゃん!」
グレイフィアの周囲に粉雪が舞い、その雪の間に見え隠れするかの様に、『氷犬の悪霊』は姿を現した。
「吹雪、ですのよ!」
瞬間、大気が凍り付く様な感覚に見舞われ、それが凍った風だと理解するのにさほど時間は掛からなかった。
「いでーッ!」
転んだ。
またしてもバハムートだ。
「何をやってる、馬鹿! 早く『竜』になって防げーッ!」
バハムートが『竜』になって吹雪を防ぐのと、吹雪が通り過ぎるのは、ほぼ同時だった。
「く……何とか射程外に逃れ氷付けは防いだが、足と腕が地面にくっついちまった……氷を冷蔵庫から出してすぐベロに付けた時みてーに! 凍ってるんじゃなく、張りついちまつた!」
このままでは、バハムートは格好の餌食である。
「五月雨! バハムートを戻すんだーッ!」
少し離れた岩陰から、フミキが叫ぶ。
全員バラけてしまった上に、こちらはまだ射程範囲内である。
バハムートを助けに行く事が出来ない。
「はぁ〜、全身冷てぇ〜……出来るならやってるぜ! しかし、バハムートが地面に張りついちまって戻せない! ダメージがリンクしてる俺も同様だ! この氷、水じゃ剥がせねーぜ! 氷にくく、そしてある程度の温度がある液体でねーと無理だ!」
『雨』を自分の氷に降らせながら、五月雨は言う。
そして、吹雪を放ち続けるグレイシアから、グレイフィアは氷柱を一本受け取る。
「これでまず一人、グシャっとして差し上げますわぁ〜……フフフ……」
絶対絶命、誰もがそう思った瞬間。
「待ちな」
一人の男が、岩の陰から出て来た。
(まさか?! グレイシアちゃんの吹雪を物ともせず出て来る者が!? 有り得ませんわ! タートナックとやらの炎ですら、この風力ならロウソクの様に吹き消せる筈! それ以上の温度を持つなど……)
「てめーの相手は、この俺だ」
kskだった。
「kskさん!? 何故kskさんが?! 僕の炎を持ってしてもタイミングが合わなければ出るのは危険だと言うのに!」
kskの後ろにには、『ジェネシス』がプカプカと浮遊していた。
その様子を見て、グレイフィアは勘付いた。
「ナゾは解けましたわよ……貴方、その精霊を『熱し』ましたわね……? 『光線の源』とは即ち『光エネルギー』と『熱エネルギー』の塊……それを利用し、『ジェネシス』とやらを『熱エネルギー』で暖めた……そして機械が寒さに強い事も利用した! そして精密機械であればある程冷却作業も重要になる、つまり寒さに強い! そしてその寒さに強い性質を、暖める事によりさらに増幅! そして、精霊と貴方の感覚はリンクしている……つまり、貴方は短時間のみ極端に寒さに強いと言う事! だからこの吹雪の射程の中で動く事が出来る!」
そうだぜ、とkskは答える。
「お見事ですわ、貴方のその狡猾さ、キティも大変評価しておりました…… キティ程の人間が貴方に負けたのも納得ですわ! そのアイディア! 爆発力! 評価に値しますわ! しかし……それも付け焼き刃、貴方は今、例えるなら『ホットドリンクを飲んだハンター』という所でしょう……幾ら精密機械とはいえ、限度があります……限度が来れば『ジェネシス』のシステムダウンと共に寒さに耐えきれなくなるでしょう……」
フン、とkskは鼻を鳴らす。
「そうなる前に貴様を倒す」
「あそこに居る炎を纏えるタートナックと違い、貴方は一時的に寒さと風を凌げるだけ……私の氷攻撃には全く耐性が無い、つまり私は貴方を氷攻撃で始末すれば良いだけの話ですわ……」
「始末される前に貴様を叩き潰すッ!」


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