二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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kskと世界の仲間達
日時: 2013/10/09 00:04
名前: 旧世界の神 ◆qG6Aph5m22 (ID: H1c8Uwl2)

クリックありがとうございます。
始めまして、旧世界と申します。
今回執筆させて頂く「kskと世界の仲間たち」は、ポケモンのリレー小説です。
この小説は「kskと愉快な仲間たち」の続編となりますので一読推奨します。
もちろん、前作を読まなくても楽しめるよう努力していくつもりです。

※現在前作はご覧になれません、ですが今作とは全くもって世界観から違うので読まなくても問題ありません

先述しましたがこちらは「リレー小説」です
多少のグダりはあるものだと思って御容赦ください

感想・意見大歓迎!
辛口意見お待ちしてます

※この作品はフィクションです。
実際の人物、事件、団体とは一切関係ありません。
どっか似てたとしてもそれは他人の空似です。
幻想です。


冬の小説大会では皆様の応援のお陰で金賞を頂く事が出来ました!
読者の皆様にはこの場を借りて作者一同より感謝の意を表させていただきます!

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Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達 ( No.151 )
日時: 2012/11/30 01:02
名前: 旧世界の神 ◆kkr9m4c7Y6 (ID: OTYRSbda)

(全く……kskの野郎、面倒事は全部俺に押し付けやがってよ……あいつは昔からこうだ、昔っから……はぁ、片付けも俺がやらないとな……)
心の中でブツクサと文句を言いながら、トムはテーブルを移動し、散らばっていたイカサマ道具を片付け始めた。
「……? 工具のほーはしまわねーのか?」
トムは答えず、黙ってテーブルの下から大きなダンボール箱を出した。
中には、ガラスだの木材だのの様々な素材と、図面や型板、拳銃のレプリカが入っていた。
「……今から銃弾を作るんだよ……所謂オーダーメイドって奴さ」
そしてもう一つ、今度は工具が大量に入ったダンボール箱をテーブルに乗せた。
「ガラス製、鏡製、亜鉛製、アルミニウム製、木製……その他諸々、特殊銃弾を作るのさ、フミキの依頼でな……どうやら様々な銃弾を作って試して見るらしいぜ? 銃弾じゃあ『悪霊』に対して大きなダメージが入る訳じゃない、それ以前に当たるかどうか……ってな訳で、色んな素材の弾を使って幅を広げてみるらしい……まぁ、これが効くかは疑問だがね」
ぱしぱし、とトムは図面を叩いて見せる。
拳銃で撃てる様にしっかりと素材に合わせた製作過程が書かれているそれは、フミキが拳銃のスペシャリストであることを無言ながら示している。
「ふーん……お前は銃弾とか作れんの?」
いかにも『興味ないね』といった表情のバハムート。
目線はTVに釘付けである。
「俺は銃に詳しい訳じゃないが、製作のあれこれなら軍に居た頃習ったからな……あん時の教官は誰だったか……まあいい、図面は完璧だし、作れるっちゃ作れるだろう……役に立つかは別としてな……それにしても、あんボンボンの社長が何処でこんなん覚えたんだか……あいつが軍に居た覚えは無いがなぁ……フミキの奴、最近銃を独学で改造したりなんかしてやがるぜ……あれはもう市販のモノとは比べ物になんねー完成度だよ」
そう言われて、バハムートはギョッとする。
先程のフミキの射撃のとんでもなさを思い出したからだ。
拳銃なんてのは本来、落ち葉に当たっただけでも着弾点がズレる物なのに、フミキは平然と跳ね返りを利用し、そしてそれさえもコントロールしていた。
軍レベルを超越した銃の完成度、そして類い稀なる射撃の実力。
それに実用性に疑問あるとは言え弾のバリエーションが増えた日には……と、ここまで考えてバハムートはゴクリと唾を飲む。
今度ばかりは本気で命に関わる。
「なあ、それ作るのって……止めにできねー?」
「だが断る」
トムは電動ノコギリの刃をチェックしながら即答した。
と、同時にバヒムートは大事な事を思い出した。
フミキに撃たれたのも、この部屋に来たのも、全てお菓子が原因だったのだ。
「そうだ! お菓子! お菓子くれよ!」
思い出すなよ、と言うかのような顔でトムはバハムートを睨んだ。

Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達 ( No.152 )
日時: 2012/12/04 00:50
名前: 旧世界の神 ◆VzaRU5g9vI (ID: Tf5VGYTU)

「また食い物か……お前はそれ以外頭に無いのか?」
ノコギリの点検を終え、次に万力の動作を確認しながらトムは言った。
「悪いかよ」
言葉的には、否定でもなく、肯定でもなく。
質問を質問で返してくるバハムートに多少の苛つきを感じながらもトムは淡白に答えた。
「……別に」
嫌味や文句を言われるとでも思っていたのか、バハムートは少し驚いたように、ふーん、とだけ返した。
それからしばらく静寂が続いた。
TVだけはこの後すぐに『ライボルトイレブン』が始まる事を告げていたが、興味がないのでバハムートは電源を消した。
「……生物の素晴らしい所は」
トムが急に小難しい事を言い出したので、バハムートはゴースでも取り付いたかと思ったが、どこぞの祈祷師の様に発狂する訳でもなく、トムが真剣な顔付きだったので黙って聞く事にした。
「生物の素晴らしい所は、『進化』する所だ……『進化』は、この世で俺が最も尊いと思っている物だ……何故なら、『進化』を止めた時、その生物は確実に滅びるからだ……『進化』とは、意図して起こる物では無い、その生物の生きようとする向上心から生まれる物であり、『進化』なくして世界は成り立たない。そしてその『進化』に最も関わりの深い物は、『食』だと俺は思っているッ! それはどうしてか? 生物は古来より『食』を求めて海を捨て、そして海に残り、姿を変え、力を持ち、知恵を活用し、物を作り、自分以外の何かと交流して生きて来た……! つまり、『食』とは生物の『進化』 の源であり、『進化』の原動力であり! そして『進化』そのものであるッ! そして! それを何よりも重んじるお前は何よりも『進化』の可能性を秘めた存在であるッッ!!」
座って居た椅子を蹴飛ばし、机に手を叩き付け、次第に声を大きくして力説するトム。
そんな目の前の信じ難い状況にバハムートは困惑の色を隠せない。
(い、意外な一面を見ちまったな……)
そして、とまだ口を止めないトム。
「その食を生きる目的としている所が実に素晴らしい、何かを食べる為には手段を選ばず、危険を省みず、そういう所が生物として素晴らしい! ……人間としてはかなり駄目な部類に入るが……生きる目的があるというのはとても素晴らしい事だ」
だが俺は、と言いかけてトムは口を止める。
「俺は昔から戦う事を生きる目的として生きて来た……そして死んでからも、いや、正確には死んだかどうかは分からんが……そもそも俺は死人を生き返らせるなんて事を信じてはいない……恐らくイエローが最期に放ったあの光線の様な物で一命を取り止めたのではないかと俺は推測している……だがそれでもフミキに命を救われたのは紛れもない事実だ、そしてその恩を返す為に戦うのも当然だと思っている……たがしかし、しかしだぞ? この戦いでもし俺が生き残ったら次は何をする? 戦いだけで生きて来た俺が次の目的を見付けられるだろうか? 明確な目的を持って生きている奴を見るとな……ふとそんな事が頭をよぎるんだ……フン、俺の昔からの悪い癖だ……十年経っても全く治りゃしない、またkskに笑われちまうな……」
今まで「何言ってんの?」とでも言うような顔でボケーッとしていたバハムートが、ここに来てようやく口を開いた。
「ん……まあ、むつかしーコトはわかんねーけどよ、あたしもこの町に来てさ、すっげーな、とかやっべーな、とか思う訳さ? そうすっと、アレもコレもやりたくなるし、目に入るモンはぜーんぶ食いたくなっちまう……だからさ、やりてーコトなんてすぐ見つかると思うぜ?」
あくまで自分主観でお気楽だが、これが彼女の足りない頭を捻って考えた最善の励ましの言葉なのだろう。
やれやれ、と首を(折れない程度に)振ってトムは椅子に座った。
「……俺はそんなお前みたいな思考じゃないんだが……まあいいや、一応礼は言っとく」
おーう、と上っ面だけの返事をしたバハムートは、急に手を叩いて「そうだ!」と言いつつ飛び上がった。
「それにしても珍しーモン見れたなー、お前があんなにカンジョーテキになんの初めて見たぜー」
座ったばかりの椅子が吹き飛ばんばかりの勢いでトムは立ち上がり、両手で「待った」のポーズを出した。
「それは秘密にしろ……絶対にだ」
「んどぉ〜しよっかぁぁぁ〜んなァ〜ん? ん? んん?」
弱味を握られる一方(というより弱味の結晶)だったバハムートが人の弱味を初めて握ってつけ上がる。
一番友達にしたくないパターンの奴である。
余談だが、自分で自分を「口が固い」と言ってる奴は大体信用ならないのである。
「……ここに昨日買った『不思議なアメ』(税込580円)があるだろ?」
「話を聞こう」
ある層の方々が喜びそうな名前と値段のお菓子を賭けて、今、最大の商談が始まろうとしていた。

Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達 ( No.153 )
日時: 2013/02/23 02:15
名前: 旧世界の神 ◆VzaRU5g9vI (ID: 9kDns1lV)

「これより商談を始める……俺の要求は『秘密』、お前の要求はこの『アメ』で間違い無いな? 言っておくがこれは食いかけだから半分程度しか入っていないぞ」
トムはアメの袋を片手で持ち、上下に振って見せる。
「構いやしねーさ、お菓子貰えんならなぁ〜」
と、言いつつもバハムートは、『お菓子を貰いつつ相手の弱味を手に入れる』方法を足りない頭で考えていた。
「お前が何を言おうと恐らく誰も信用しないだろうがな、精霊の中に信じる奴がいるかも知れん……何せ俺も話した事が無い奴もいるからな」
そう言って、トムはポケットから一つ、ボイスレコーダーを取り出した。
「今回の承認は『音声』で行う……紙だと紛失する恐れがあり、筆跡鑑定にも時間がかかり、いざと言う時の証拠になりにくいからだ……もしお前が約束を破った時には、この内容をフミキやたまにでも聞かせよう……生真面目なあいつらの事だ、お前はどうなるだろうな」
想像しただけで、バハムートはぶるると震える。
魂まで蜂の巣になりそうだ。
「録音の許可を……後でゴネられても困るからな……」
「ゴネるゥ!? そりゃーあたしをバカにして……」
バハムートが机を叩いて叫んだが、その声は途中で消えた。
トムが立ったのだ、机に置いてあった新弾試し撃ち用の拳銃を拾って。
「俺が『許可を』と言っているんだッッ! お前の返事は『許可』か『拒否』か! 二つに一つッ! 他は無い! いいか!? 次に別の事を言ったら即時撃つ! 咳をしても撃つ! 黙っても撃つ! はぐらかしても撃つ! 拒否しても撃つッッ!」
実にクレイジー、と内心バハムートは思った。
『竜』になるには本体である五月雨との距離が離れすぎているし、斧は真後ろにあるがいくらバハムートとはいえ人間時の脚力で銃より速く取るのは無理である。
反抗の可能性を全て潰されてしまったので、バハムートは仕方なく許可した。
「わーった……分かった! 分かったから! 許可する! 許可します!」
トムは無言で拳銃を投げ捨てた。
拳銃は部屋の隅に当たり、そのまま落ちた。
ボイスレコーダーには大きく分けて次の事を録音した。
まず、自分達がバハムートとトムである事。
『アメを袋ごと』渡す代わりに『10月31日にP-02号室で起こった全ての事』をお互いに口外しない事。
双方がこの契約に納得している事。
上記の約束はどちらかが約束を破った場合その瞬間破棄される事。
『アメを袋ごと』バハムートに渡し、それをバハムートが受け取った事の証明。
今後一切今回の件や取引に文句は言わず、これをネタにユスリや脅しを行わない事。
最後に、ボイスレコーダーの所有権はトムにある事。
一通り録音し終わり、最後のシメに入った時、事件は起きた。
「……よし、それでは、ここに取引の終了を宣言しま……」
最後の一言が今まさに言われようとした。
刹那。
バハムートは椅子を蹴り、真後ろに飛んだ。
立て掛けていた斧を掴み、そのまま水平にスイングする。
「す」
同時だった。
最後の一言が言われるのと、椅子が倒れるのと、ボイスレコーダーが真っ二つになるのは。
「これで……あたしの…………」
ニヤリ、とバハムートは笑う。
「完全勝利ィィィィィィーーッッッ!!」

Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達 ( No.154 )
日時: 2012/12/08 01:04
名前: 旧世界の神 ◆VzaRU5g9vI (ID: Tf5VGYTU)

「そしてェェェェェェェーーー」
と叫びながら、バハムートはダッシュする。
「そのまま逃げるが勝ちッ! 銃を拾われる前に!」
完全なる勝利を確信していたバハムートだったが、その自信はボロクズのように打ち砕かれ、踏みにじられ、ゴミのように捨てられた。
『これより、トムとバハムートによる取り引きの開始を宣言する』
『これより、トムとバハムートによる取り引きの開始を宣言する』
トムの両手から、聞き覚えのある声がしたからだ。二回も。
「……『レコーダーの許可』ってのは……普通『個数』は言わないんだ……こんなマネをする輩がよく居るからな……たまじゃあないが、『第一の交渉の基本』ってヤツよ」
さて……と言いトムは拳銃を拾う。
「うっうおっうおうおうおっうおおおおーーーーッッ! 逃げるんだよォーッ!」
全力ダッシュで部屋から飛び出すバハムート。
間一髪、トムの放った銃弾には当たっていない。
壁に当たって砕ける銃弾を見て、トムは、「ガラス弾は耐久性低し、しかし足場へのトラップになる」と呟いた。
そして気付く。
「あいつ……斧忘れてんだよ……」
その後、トムはルームサービスを読んでガラスの片付けと、斧を廃品回収に出すよう頼んだ。
一方その頃。
「お? 何やそれ、アメちゃんやないか。誰に貰たん?」
そんなMysonを無視し。
「アラ……あんた、まだ生きてたのね……案外しぶといじゃない、今度からゴキブロスって呼んであげようかしら」
そんなアマテラスとタートナックの横を通り抜け。
「第一の発見だ……お前には話が……」
そんなたまを急行突破し。
無言で睨んで来るフミキは角を曲がって避け。
誰もいないエントランスフロアーに辿り着いたバハムートは、ようやく立ち止まって手に抱えていたビニールの袋を置いた。
ビニールの中には、あの『アメの袋』が入っている。
「にひひ……ついにお菓子があたしのモンだぁ〜ぐへへ……」
袋を開け、中から包みを取り出す。
その両端を両手で摘まみ、一気に引く。
すると、中からとっても甘そうなアメが……………………
出てこなかった。
結論から言うと、包み紙のゴミが丸めて入っていた。
「…………」
バハムートは無言で無表情になり、残りの袋の中身も全て開けて行く。
包み紙を取り。取り。取り。しかし中から出てくるのはまた包み紙。
結局……中身は全て空だった。
泣きそうなのとキレそうなのが混じり合わさりながら、そっと空の袋に手を伸ばすと。
一つ、紙が折り畳んで入っていた。
バハムートは見た。その紙を。
藁にもすがる思いだった。
「契約通り、『アメを袋ごと』渡したし、お前も了承したからな。今回も俺の完全勝利だ」
と、書いてあった。
「あんの野郎ォォォォォォ〜〜!」
バハムートは絶叫した。
これは敗北の絶叫やない、明日の勝利の為の絶叫や。
その様子を、映画から帰ってきたkskが丁度見ていた。
kskは全て察した様子で、「ドンマイ」とだけ言って部屋に戻っていった。
全力で笑いを堪えながら。

これで七人目(また騙されたな的な意味で)

Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達 ( No.155 )
日時: 2012/12/08 22:54
名前: たま (ID: iZt7ppNj)

結局、全員からお菓子をもらえなかった上に痛めつけられ、さすがに軽く落ち込んでいるバハムートは五月雨の部屋に戻った。
「も、戻ったか……」
五月雨は何故かボロボロになっていた。
精霊の受けたダメージが精霊使いにも伝わることを知らないバハムートはストレートに訊いてしまった。
「なんでボロボロなんだよ?」と。
ここで五月雨は
「ちょっと……落ちてな……その、階段から……まぁ心配すんな」
と、答えた。部屋には階段なんてないのに。
他の誰かならここでつっこまれるだろう、しかしバハムートは
「そーかい。気をつけろよな!」
もちろん、ボロボロなのはバハムートも同じだが大体の理由は聴かなくてもわかるので五月雨は何も訊かずその場は収まった。

「ところで……今夜はパーティーだ」
五月雨のこの言葉を訊いたバハムートはボロボロになる前のテンションを取り戻しつつあった。
「今度こそ美味いもの食えるんだろうな!?」
もちろんだ、と五月雨は答えバハムートは、更にテンションが上がった。
そしてドアがノックされ五月雨が入れ、というと一同が五月雨の部屋に入ってきた。


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