二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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kskと世界の仲間達
日時: 2013/10/09 00:04
名前: 旧世界の神 ◆qG6Aph5m22 (ID: H1c8Uwl2)

クリックありがとうございます。
始めまして、旧世界と申します。
今回執筆させて頂く「kskと世界の仲間たち」は、ポケモンのリレー小説です。
この小説は「kskと愉快な仲間たち」の続編となりますので一読推奨します。
もちろん、前作を読まなくても楽しめるよう努力していくつもりです。

※現在前作はご覧になれません、ですが今作とは全くもって世界観から違うので読まなくても問題ありません

先述しましたがこちらは「リレー小説」です
多少のグダりはあるものだと思って御容赦ください

感想・意見大歓迎!
辛口意見お待ちしてます

※この作品はフィクションです。
実際の人物、事件、団体とは一切関係ありません。
どっか似てたとしてもそれは他人の空似です。
幻想です。


冬の小説大会では皆様の応援のお陰で金賞を頂く事が出来ました!
読者の皆様にはこの場を借りて作者一同より感謝の意を表させていただきます!

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Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達 ( No.146 )
日時: 2012/11/11 11:59
名前: ノポキ (ID: QiHeJRe.)

「おー、うまそうな匂いだな」
と言って入ってきたのはバハムートだった。
バハムートはそのまま流れるような動作で椅子に座る。

そう——
これこそがバハムートの作戦、名付けて
平然を装って食卓に混ざっちゃうゾ☆大作戦☆だった。
タートナックとアマテラスがポカーンとしてるのを見て
作戦成功だと思ったバハムートはそのままパンプキンパイを食べようとした。

「「ちょっと待った」」
しかし、平然を取り戻した二人が待ったをかけた。
最初に口を開いたのはアマテラスだった。
「ねぇ、どうしてここにいるのかしら」
「五月雨とご飯食べてるんじゃないの?」
タートナックも続いて言う。
「う”…………」
問い詰められてバハムートは答えられずに唸ってしまった。
何か言い訳をしなければ……
そう思い、とっさの言い訳を思い付く。

Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達 ( No.147 )
日時: 2012/11/12 20:50
名前: mポキ (ID: QiHeJRe.)

「じ、実は五月雨に部屋を追い出されたんだ!」
本当は自分で飛び出したのだが。
「それでみんなの所に行ってご飯を分けて貰おうと思ったんだ」
テレビを見て面白そうだったからだなんて言える訳がない。

バハムートが続いて、でも……と言おうとした時、ちょうど開きっぱなしになっていたドアの所を五月雨が通った。
そしてバハムートに気づいた五月雨はバハムートに声をかけた。
「おう、どうだ?隣の晩ごはんは美味しいか?」

バハムートはこの流れはマズイと思い、脱出を試みようとする。
しかし……
「隣の……」
「晩ごはん……?」
タートナックとアマテラスがそれをさせなかった。
「ねぇ、バハムート」
「一体どういうことかしら?」
ああ……、もうお仕舞いか——とバハムートが大人しくしていなかったことを後悔していると
「ねえバハムート、ステーキは好きかしら?」
突然アマテラスがそんなことを言ってきた。
バハムートは訳が分からなかったがそこは食の欲望には忠実な我らがバハムートである。
「大好きだ!!」
バハムートはキラキラ目を輝かせて頷いた。
だが……
「そう、竜のステーキって初めてだけど大丈夫かしら」
全然大丈夫じゃなかった。
天国から一転、地獄に落とされた気分だった。
「ねえバハムート……ミディアムかレアかウェルダン。どの焼き加減が好みかしら」
アマテラスが不気味に微笑みながら尋ねた。
「ろ、ローで……」
バハムートが恐怖に震えて出せた声は掠れていた。
焼かないで欲しい——そんなバハムートの願いは届くこともなく……
「分かったわ。ベリーウェルダンね」
無情にも丸焼きが決定した。
ちなみにタートナックは五月雨を連れて既に逃げている。


数分後、廊下には竜のステーキがあった。

これで六人目(上手に焼けました的な意味で)

Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達 ( No.148 )
日時: 2012/11/18 00:55
名前: 旧世界の神 ◆kkr9m4c7Y6 (ID: R/M39rbJ)

「うあっ……ちくしょー………あっちぃよクソッ!」
バハムートはホテルの医務室に来ていた。
お客様の中に都合良くお医者様なんて居ない上、居たとしても精霊を診れる医者なんて居ないであろう。
このホテルは最早フミキの貸し切りに近く、バハムートが一人で医務室に入るのも容易い。
だからと言ってホテル内で騒いで良い訳ではないのだが。
「うぐぉ……しみるゥゥ……ッ!」
やけどなおしを患部に塗るバハムート。
丸焼きにされたのに火傷で済むのは流石としか言いようがない。
……と言うより。
「ちっくしょォ〜! 次だッ! 次! 次こそは絶対にお菓子を貰ってやるぜぇぇぇーっ!」
……この執念こそが真に流石と言うべきなのかも知れない。
「行こう! 次はkskの部屋だっ! ……多分あいつなら追い出しはしないだろーがぁ……そーやすやすと物よこすよーなヤツでもねーしなぁ……高々と物よこすヤツ……って日本語あるかァ〜?」
バタン、と医務室のドアをバハムートが蹴り開ける。
そして、ロクすっぽドアを閉める素振りも見せず、鼻歌を歌いながらkskの部屋に向かった……。
その二分後、斧を忘れた事を思い出したバハムートがダッシュで戻って来たが、結局ドアは開けっぱなしだった。

Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達 ( No.149 )
日時: 2012/11/19 00:24
名前: 旧世界の神 ◆VzaRU5g9vI (ID: R/M39rbJ)

「おっかし、お菓子ぃ〜欲しいっなぁ〜ぁ♪」
先程の事などすっかり忘れた様子で、上機嫌なバハムートは意味不明な歌を歌いながらkskの部屋を探す。
「kskの部屋は〜ァP02号室〜ん♪」
斧を背中に担いで朗らかに歌いながら歩く姿は、性別こそ違うが金太郎のようである。
正直バハムートなら森でリングマと相撲をしていても何ら違和感がないのだが。
そんな金バハムート、英語にするとゴールドバハムート(髪の色や服的にそこまで間違っていない)がkskの部屋を発見し、今度ばかりは、と祈るようにしてドアを蹴り開けた。
どうやらノックなどしようとも思わないらしい。
バハムートが中の様子など知らんと言った風に一歩踏み出すと、その瞬間頭から髪の毛が2、3本程散った。
「……ッ!」
ただならぬ「何か」を長くの間戦闘に慣れ親しんだ精霊としての勘で感じ取ったバハムートは、飛び退く様にして部屋から脱出した。
離れて見れば原因は一目瞭然であり、先程自分で開けたドアに「糸」が引っ掛かっており、開けられる事によってピンと張られる形となったのだ。
それは当然kskが「光線」によって作り出した物であり、その細さは普段物を掴んだりだの縛ったりする太さではなく、それどこの戦闘用具? と聞かれてもおかしくない程に細くて、精霊であるバハムートの目でもなければ見えなかったであろう。
光線の熱でバハムートの髪の毛は焼き落とされたのである。
背の高いバハムートだからこそ髪の毛で済んだが、一般人なら首が飛ぶ……なんて事はないじゃない!
ただ、首にキレーなラインが入るのは間違い無さそうだ。
(あっぶね……もう少しで前髪全部持ってかれる所だった……この高さなら、五月雨の身長位のヤツなら普通に通れそうでもあるけども……)
と、そんなまた五月雨に怒られそうな事を考えてからハッとして、部屋の中に目をやる。
(あぁ〜、コイツらカケゴトのジャマすっと怒るんだよなァ〜っ! こんなモン付けとくって事は確実にその真っ最中だろーしィ! またまた失敗かよぉぉ〜ん)
尻尾を巻いて(今は竜になっていないので無いが)逃げようとした矢先、予想していなかったkskの言葉が耳に届いた。
「お、バハムートか……何の用だ? 入れよ」
手招きするkskの方にゆっくりとバハムートは振り返る。
(待てよ……これはチャンスだ……っ! 何か知らないがチャンスっぽいぞ……お菓子貰えるかも……あわよくば晩御飯まで食えるかも……何だか知らないけど何となく行ける気がする……! で、何だっけ……お菓子貰える言葉……ドリンクバー? スカーフトリック? 爪ドリル三タテ? ぽわーおぐちょぐちょぐちょ……はトリトドンか……トリ……トリ……トリックルーム……トイ・ストーリー……和式トイレ……トリート……そう! トリートだッ!)
「トリートオアトリートッ!」
結局どんなに考えても強要になるのだ。
それがバハムートなのだ。
「……トリックオアトリートな」
ツッコミを入れたのは珍しくトムだった。

Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達 ( No.150 )
日時: 2012/11/21 00:01
名前: 旧世界の神 ◆VzaRU5g9vI (ID: R/M39rbJ)

「まーいいけどよ! お菓子くれお菓子お菓子ィー」
糸に引っ掛からない様に腰を屈めて部屋に入るバハムート。
通り様に背中の斧が接触し、プツンと糸は千切れた。
「にしてもォー、何でこんなモン付けてんだ? 危ねーじゃん、どう見てもーォ? 今カケゴトやってる訳でもねーんだろ?」
適当に斧を立て掛け、ソファーに飛び込む。この様子だと今回も斧を忘れそうだ。
「いやぁ〜賭け事ならついさっきまでやってたんだけどー……ね?」
言いかけて、kskはトムに目線をやる。
「……まぁ、簡単に言うと外し忘れた……それだけだ」
ほーん、と適当極まりない返事をしてバハムートが机の上に目線を向けると、そこには異様な光景が広がっていた。
麻雀の牌、トランプのカード、サイコロ、コインなど、明らかにギャンブルで使う物が散らかっていた。
それだけではない、机の左側には、ペンチ、ヤスリ、紙ヤスリなどの工具の他、ライターやバーナー、熱した鉄板、オイルやキリ、マジックペン、ハサミ、カッターやニスなど、実に様々な物が並べられていた。
「何だぁ……アレ……何やってたんだ?」
当然不思議そうな顔をするバハムートに、これまた珍しくトムが答えた。
「イカサマ用の道具を作ってたんだ……特にやる事も無かったしな……慣れれば簡単に作れるぜ? バレない物を作るとなると技術がいるけどな……」
不気味に笑うトムに若干のオゾましさを感じながらも、バハムートは気になる質問を続ける。
頭が悪い奴程他人に質問したがるのだ。
それを知識として蓄えられるかは別だが。
「でもよぉー、どーやってこんな沢山のモン集めたんだ? 店のヤツから賭けで奪い取ったとか?」
何て事を言いやがる、とでも訴えるような目でトムはバハムートを睨んだが、バハムートは気にしていない、というより気付いてすらいない。
「失礼な奴だな……当然全部フミキの金で買った……工具もブツもな」
「やっぱりー? でもよォ、そーするとフミキって奴が幾ら金持ちでもよー、そろそろ金なんて無くなるんじゃねー? まああたしはアイツがどーなろーとどーでもいーけどよー」
金持ちに対しての無関心、というより一種の憎悪は健在の様子である。
「そうかもな……首都に滞在を始めて三ヶ月……寝泊まりはこんな感じのホテルを転々と貸し切り……異様に物は買うし、外食となると高層ビルを見下ろせる様なレストラン……しかも金食い虫も一匹くっついてると来た……ポケットマネーはもう流石に尽きるだろう……贅沢癖が抜けないのは仕方ないっちゃ仕方ないが、これから先野宿とかになったらどうなる事やら」
あたしは野宿慣れてるから別にー、と能天気にしている金食い虫。
やはり自分が馬鹿にされている事に気が付かないらしい。
ある意味最も人生を楽しめるタイプである。
「……それより俺は、『車』ってのに乗ってみたいな……聞けばフミキは車が好きらしいじゃないか、他の街にでも行くとき乗せて貰える様頼んでみるか……」
今までトム達が旅して来たのは、森だの荒野だの、どう考えても人様の手の行き届いている場所とは言い難い所ばかりである。
街から街に行くならば、電車も通っているし道路もあるだろう。
「お待たせー」
どこからともなくkskが現れ、トムとバハムートの座るソファの前の汚くない机にコップを二つ置いた。
「オレンジュースでいいか? っつーかもう注いだから変更は受け付けないがな」
えー、とバハムートが不満そうな顔をする。
「あたしはモモンの方が良かったなー、甘くてうまいんだよなー、モモン出せよモモンをー」
とか何とか言いつつも、結局コップの中身は空になる。
次の瞬間、バハムートが空のコップを机にドンと叩き付けた。
「……おかわり。あ、モモンジュースあんならそれ出せよ?」
kskとトムは顔を見合わせたが、すぐに二人揃って溜め息をついた。
(全く……ご馳走して貰って何て態度だ……態度が悪いとかデカいとかそういう次元の話じゃあない)
トムがkskに耳打ちすると、kskは苦笑しながら、
(まあ、ああやってゴネれるのが「交渉上手」ってのになるんじゃねーの? ことわざにもあるだろ、『憎まれっ子世に憚る』……ってな)
それを聞いたトムは笑いを必死に堪えながら、
(ふふ……あいつの場合、『世にバハ馬鹿る』だろうけどな)
kskは思わず吹き出したが、バハムートがあまりにもおかわりおかわりとうるさいので冷蔵庫に向かい、ジュースを注いでやった。
「あ、そうだ、トム……俺これから出掛けるからよ、そいつの世話頼むわ」
食器を適当に洗いながら、kskはバハムートの方を顎でしゃくって見せる。
「面倒見るーゥ? それじゃーあたしがガキみてーじゃねーかよ!」
トムは、デカいのは身長だけで、頭が幼稚なんだよ、と言ってやろうと思ったが、殴られそうなのであえてkskに質問した。
「……何処に行くんだ?」
すると今度は、TVに顎を向ける。
「ホラ……その映画、観に行くんだ」
TV画面には、『アウトレイジ コジョンド』という、多くのガラの悪そうな格闘ポケモン達が罵詈雑言を浴びせ合いながらドツき合っているCMが映っていた。
良く見ると、スポンサーの中にFUMIキングダムの名前もある。
「じゃ、そういう事で」
洗い物を適当に済ませたkskは、早足に部屋を出て行った。


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