二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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kskと世界の仲間達
日時: 2013/10/09 00:04
名前: 旧世界の神 ◆qG6Aph5m22 (ID: H1c8Uwl2)

クリックありがとうございます。
始めまして、旧世界と申します。
今回執筆させて頂く「kskと世界の仲間たち」は、ポケモンのリレー小説です。
この小説は「kskと愉快な仲間たち」の続編となりますので一読推奨します。
もちろん、前作を読まなくても楽しめるよう努力していくつもりです。

※現在前作はご覧になれません、ですが今作とは全くもって世界観から違うので読まなくても問題ありません

先述しましたがこちらは「リレー小説」です
多少のグダりはあるものだと思って御容赦ください

感想・意見大歓迎!
辛口意見お待ちしてます

※この作品はフィクションです。
実際の人物、事件、団体とは一切関係ありません。
どっか似てたとしてもそれは他人の空似です。
幻想です。


冬の小説大会では皆様の応援のお陰で金賞を頂く事が出来ました!
読者の皆様にはこの場を借りて作者一同より感謝の意を表させていただきます!

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Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達 ( No.106 )
日時: 2012/10/11 17:49
名前: 旧世界の神 ◆qG6Aph5m22 (ID: PhoX.UcX)

「……でも、『イカサマ』ってのは……卑怯ですよね」
白は遠慮がちに言った。
例え目の前の勝負で「黙認」されていたとしても、子供心には「ズルはいけない」とどうしても映るのだろう。
しかしそれを聞いてトムは、
「そいつは違うぜ白……勝負が綺麗な物だと思ってるならそのふざけた幻想は今捨てちまいな……勝負ってモンは「汚い」んだ……争って優劣を決めるって行為そのものが「汚い」……争いの無い平和な世界に生きてる身としちゃあ、勝負なんて汚らわしくて下らない物だろうさ……だがな、白……今お前はその「勝負の世界」に自ら足を踏み入れてる……俺達と同行するってのはそういう事だ……「生きる」か「死ぬか」の勝負で汚ねえだなんだ言ってる暇はねーぜ……例えドブ川の水でも「綺麗」だと思い込まなきゃァ「勝負」なんて出来やしない……ドブ水啜ってでも勝たねーと、待ってるのはドブ川よりもっと酷い世界だぜ……」
トムは白を見ないで言った。
これが彼なりの「忠告」であり「歓迎」だったのだろう。
ドブ川のような勝負の世界で死に、再び勝負の世界へと投げられた彼なりの。
白にはまだその言葉の意味は分からないだろうし、分かったとしても受け入れるだけの「心」の容量がない。
ただ、ここに居る連中は全員「ドブ川」に身を投げ入れる覚悟があるんだ、とそう言いたかったのかも知れない。
お前を守るに値する人間が揃っていると言いたかったのかも知れない。
ただ、トムは不器用だった。
「まあ、ドブ川の水なんぞ俺は飲んだ事もねーが……意外とうめーかも知れねーしな?」
トムをフォローしたかったのか、それとも普段の様に言いたい事を言っただけなのか。
kskはおどけて言った。
二人の真意は分からないが、白はただ静かに、
「はい」
とだけ言った。
そして、この二人は何か危ないから近づかない方がいいな、とも思っていた。
それと同時に、一人の男が口を開いた。
五月雨である。

Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達 ( No.107 )
日時: 2012/10/13 00:58
名前: 旧世界の神 ◆kkr9m4c7Y6 (ID: PhoX.UcX)

「トムの言う通りだぜ……お嬢ちゃん、覚悟の無いガキが付いて来れる旅じゃねぇ」
バハムートも続く。
「そーだぜぇー、良いトコ生まれのアマちゃんなんぞが付いて来たって足手まといにしかならねーのは目に見えてんだぜぇー、第一、戦闘やら荷物持ちで役に立てないんなら新入りらしく情報集めに行って来いよ、フミキとタートに任せっきりにしてよぉー、そんなカード遊びに夢中になってんじゃぁねーぜ」
五月雨とバハムートは、生まれや育ちの環境的に、どうも白を良く思っていないらしい。
それはフミキに対する態度にも少し言える事だが。
「カード遊び」と言う表現を快く思わないkskとトムばバハムートを睨み付け、立とうとしたが、先に立った者が居た。
たまだった。
「テメー……ちょいとお喋りが過ぎるぜ……第一の教訓だ、『口は災いの元』」
たまは、先日の件で白の旅立ちに関する「白なりの覚悟」を知っている。
白には帰らなければいけない場所、そして約束があるのも。
それ故、たまには白が「覚悟」を持つ日もそう遠くない事を予感していた。
白の「魂」は、精霊使いとして戦うに相応しい物であると思っていた。
だからこそ。
五月雨とバハムートの発言を、許す訳にはいかなかった。
「ほぅ? やるってーの? 今?」
「あたしは大歓迎だぜーっ! 元からオメーは気に食わなかったしよー、あたしは食えねーモンが大ッ嫌いなんだ!」
五月雨とバハムートは立ち上がり、たまを睨んだ。
「……面白くなって来たんじゃない?」
kskの隣には、いつの間にかケフィが居た。

Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達 ( No.108 )
日時: 2012/10/13 01:33
名前: 旧世界の神 ◆kkr9m4c7Y6 (ID: PhoX.UcX)

「第一の回答だが……いいぜ、やってや……」
たまの言葉が途切れた。
たまだけでなく、そこに居た全員が硬直した。
戦いが始まる前に、「既に」勝負は着いていたのだ。
たまは立てない。戦闘対象の顔すら見る事が出来ない。
立とうとして視線を落とした瞬間、そして手を着いた瞬間。
その最も無防備な瞬間に、バハムートはたまの首に斧を突き付けた。
精霊も出していない、能力も発動していない。
そんな状態のたまから、一瞬にして勝負をもぎ取った。
五月雨は保険とばかりに拳銃をたまに向ける。
初対面のフミキに向けた拳銃と同じ、「ベレッタM1951」である。
「何かしようとしたらよおー、躊躇なくこの首落とすぜー、「竜」にならなくても人の首程度なら楽勝だぜー」
バハムートは余裕の表情で笑う。
白は何か言いたそうにしていたが、kskが制した。
「分かったか? 白……これが「勝負」だ……卑怯だとか正々堂々とか甘ったるい事言えるモンじゃない……死んだら抗議も出来ないんだからな」
白は黙った。kskの方は見なかった。
これが白の、現実への最後の抵抗なのであろう。
「さっきのトムの言葉……俺にはすげー理解出来たし共感出来た……俺もちょっと前まではドブ水飲むような生活してたからな……勝負ってのは甘くねーんだ、「最強」なんて居ない。ルールに縛られた戦いでの「最強」なんてのはな……所詮ただのお飾りなんだよ、「元最強」くん?」
たまは何も言わなかった。
どうにか毒針か何かを飛ばせないかと思考を巡らせてみたが、この場所で二人の見張りから逃れて隙を突く方法など存在せず、仮にあったとしても一発二発の毒針では動きを完全に止めて反撃を防ぐ事は不可能だろう。
それに、手で触れるには二人は遠すぎる。
「斧」は生物では無いので、もうどうしようもない。
立つ事も出来ず、たまは負けた。
「若いのがはしゃいでるのはもう無視してさ、ちょっと勝負でもしない?」
とケフィはkskに耳打ちする。
「ルールは簡単さ、サイコロを二個振って、大きい数が出た方の勝ち。ただしハンデとして、同じだった場合僕の勝ち。サイコロを振るのは、イカサマが出来ないように、凹凸のある畳でやろう」
kskはあの勝負と白の事も心配だったが、それよりギャンブルの方に興味があった。
「……よし、やろう」

Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達 ( No.109 )
日時: 2012/10/13 02:04
名前: 旧世界の神 ◆kkr9m4c7Y6 (ID: PhoX.UcX)

「じゃあ、まず僕から振るね」
と言って、ケフィは不知火を出し、その手にサイコロ2つを握らせた。
「頼むよ、不知火」
不知火がサイコロを投げる。
畳の凹凸で不規則に跳ね、やがてサイコロが止まった。
出目は……双方共に『6』!
「これが不知火の能力さ、応用も効くでしょ? 直接攻撃以外なら運を全て味方に出来る。これで、僕の勝ちは決定……」
と、ケフィの勝利宣言の途中で、ドアが開いた。
ドアの向こうからは、タートナックが首を覗かせた。
状況を自分なりに理解したであろうタートは、
「フミキさん……戦うのには「理由」があるって言いましたよね?」
と、「後ろに居るであろう男」に言った。
「さあな……果たして理由がどんなのかは全く分からないが」
ぎい、とドアが閉まる。
「これだけは言うぞ……五月雨……前にも言ったよなァ? それはオモチャじゃあない……人にチャカ向けんなら自分も撃たれる覚悟は出来てんだろうなァ?」
フミキの手には、軽量型の拳銃「コルト・キングコブラ」と、クイックドロウ、つまり速撃ちに適した「スタームルガー・ブラックホーク」が握られていた。
身の危険を感じた五月雨は拳銃を下ろした。
フミキの「殺気」は本物である。
とてもボンボンの社長とは思えない、「強者」の目をしている。
精霊も能力も無いのに、人を従わせる「何か」を持っている。
「分かった……分かったよ悪かったよ、お前も戻れバハムート」
五月雨はバハムートに戻るよう告げたが、バハムートは聞かなかった。
「嫌だね! コイツは買い物の時もあたしを勝手に魂にしやがった! チーョシに乗ってるぜっ! そろそろこいつはチョーシから降ろしとくべきだ!」
そう言って、斧を振りかぶった。

Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達 ( No.110 )
日時: 2012/10/13 02:50
名前: 旧世界の神 ◆kkr9m4c7Y6 (ID: PhoX.UcX)

「おいよせッ!」
五月雨の声も虚しく、バハムートは斧を降り下ろした。
たまは咄嗟に体制を整えたが、直撃すれば魂で防いでもダメージは避けられないだろう。
たまが衝撃を覚悟した瞬間、がらん、と斧が落ちた。
そして次に、バハムートの膝が落ちた。
「う……クソッ……どうなってる……」
バハムートが横を見ると、ポーチを片手に佇む白の姿があった。
「これが私の能力……『アブソーブカラーズ』……色を球体にして取り出し、それをポーチに保管する……そして、その球体を何かに投げ付け、色によって効果を発揮させる……今投げたのは『緑色』、『睡魔』の色です。……卑怯、じゃないんですよね?」
白は静かに言った。
これが白なりの「覚悟」。
勝負という現実に立ち向かう「覚悟」。
ドブ川の世界に飛び込む「覚悟」。
五月雨は白の姿を見て、
「さっき言った事……半分は取り消すぜ、だが俺はお前を認めない……」
そう言って、意識を失った。
バハムートも同様だ。
その一部始終を見ていたkskは、
「さて、俺はちょっと外に行くかな……ギャンブルをするには興ざめな空気だ、それに、白の能力はまだ未熟……『睡魔』が部屋に充満してるぜ、少し昼寝して来る」
立ったkskと、『ジェネシス』に戻ったトムを見て、
「今回は僕の勝ち、で良いんだよね?」
とケフィは言う。
しかしkskは、
「何を言ってる……サイコロは振った、勝負は終わってるぜ、既に……」
kskが指差した先には、畳に「突き刺さっている」サイコロが2つあった。
「騒ぎに乗じて、角の尖ったサイコロにすり替えたのさ、所謂「ゴト賽」って奴だ、ギャンブルでペテンやる奴なら結構な種類持ってるのが常識だぜ……そして、それを「糸」でコマのように回転させて落とし、畳に突き刺した……この賭けには、「サイコロが突き刺さった」時に関するルールは何も無かったよな? 振り直しでもなく、負けでもない。つまり、勝負はお流れさ」
kskはその「ゴト賽」を手の上で跳ねさせながら、ドアへ向かった。
「……これで良かったのかい? 結果的には僕が9割勝ってた訳だけど」
ケフィは「突き刺さったサイコロ」を畳から引き抜いて言った。
それに対し、kskは急に、
「なぁ、ギヤンブラーとパンピーの決定的な違いって知ってるか? ……ギャンブルに対し、「好きだからやる」か、「金儲ける為に、つまり勝つ為にやるか」の違いらしい……俺は、楽しめればそれでいい」
そう言って、ケフィに背を向け歩き出した。
白とすれ違う時、
「ようこそ、ドブ川へ」
と言って、部屋を後にした。
目的地は自然公園。
目的は昼寝。
「……スピードkskはクールに去るぜ」


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