二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- kskと世界の仲間達
- 日時: 2013/10/09 00:04
- 名前: 旧世界の神 ◆qG6Aph5m22 (ID: H1c8Uwl2)
クリックありがとうございます。
始めまして、旧世界と申します。
今回執筆させて頂く「kskと世界の仲間たち」は、ポケモンのリレー小説です。
この小説は「kskと愉快な仲間たち」の続編となりますので一読推奨します。
もちろん、前作を読まなくても楽しめるよう努力していくつもりです。
※現在前作はご覧になれません、ですが今作とは全くもって世界観から違うので読まなくても問題ありません
先述しましたがこちらは「リレー小説」です
多少のグダりはあるものだと思って御容赦ください
感想・意見大歓迎!
辛口意見お待ちしてます
※この作品はフィクションです。
実際の人物、事件、団体とは一切関係ありません。
どっか似てたとしてもそれは他人の空似です。
幻想です。
冬の小説大会では皆様の応援のお陰で金賞を頂く事が出来ました!
読者の皆様にはこの場を借りて作者一同より感謝の意を表させていただきます!
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- Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達 ( No.99 )
- 日時: 2012/10/07 00:24
- 名前: 旧世界の神 ◆kkr9m4c7Y6 (ID: PhoX.UcX)
番外編
【賭博鬼畜録ksk】
「ギャンブルを、しましょう」
ある日の昼下がり、特にやる事もなくホテルの一室でボーッとしていたkskに、突然トムは言った。
「どうした、急に……別に構わんがな、丁度退屈していた」
待ってました、と言わんばかりにパチンと手を叩いたトムは、近くに居た白を手招きした。
「こっち来いよ、ディーラー、やらないか?」
白は読んでいた本をその場に置き、トムの方に歩いて来た。
「いいのか? ホイホイ着いて来て……こいつは違法賭博だって構わずやっちまうような男なんだぜ?」
心外だな、とトムは言った。
「そんな事、まだ7回しかしていない……いや、8回だったか」
「まあいい……ディーラー……分かるか? 正確には親の事を指すが、カードの配り手なんかもこう呼ばれるな……」
kskは鞄から新品のトランプを取り出し、白の元に滑らせた。
どうやら、返事を聞く積もりは無いらしい。
「ええ、出来ますけど……どうしてわたしに?」
癖だ、とトムは答えた。
「カードを何年も触ってるとな、シャッフルに癖が付く……俺達はお互いの癖を覚えてるからな……特に新品なんか使った日には何がトップかなんて丸わかりだ、シャッフルに神経なんぞ使いたくないし、気楽にやれるから素人のお前に頼んだ」
はぁ……、と言いながら、白はカードを混ぜていった。
との混ぜ方は乱雑で、ksk達の思惑通りの物であった。
「……この位でいいですか」
「ああ、充分だ。トム……お前が先に種目決めていいぞ」
kskの譲歩を受け、トムはしばらく無言になった。
沈黙から10秒が経過しただろうか。
トムが口を開いた。
「……ブラックジャック」
「……チョーイイネ」
kskはトムの向かいに座った。
その二人の中間の位置から少し下がった場所に、白が座った。
- Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達 ( No.100 )
- 日時: 2012/10/07 00:41
- 名前: 旧世界の神 ◆kkr9m4c7Y6 (ID: PhoX.UcX)
ブラックジャック。
『21』により近付けるゲーム。
その意味では、kskの初手は最高だったのかも知れない。
白がkskに配った二枚のカード、それは「K」と「10」であった。
ブラックジャックのルール上、「10」以上は総じて「10」に統一される。
つまり、kskは『20』を手に持っているのだ。
白がそれを見た時、「十中八九勝利はkskにある」と思った。
対して、トムの初手は『14』。
「8」と「6」が配られていた。
(微妙な所だな……トムさん、どう出る?)
「もう一枚」
トムの声に迷いは無かった。
白が恐る恐る配ったそのカードは「5」。
合計は『19』となる。
普通ならナイスチャレンジ、となる所だが、kskの手が良すぎる以上、これはどうにもならない。
勝負は決した、と白が思った瞬間。
「もう一枚……」
再び、トムの声であった。
白は驚いてトムを見る。
「何してる……もう一枚だ、さっさとよこせ」
でも、と白は口をこぼす。
トムは右手を白に向けたまま、
「良く、運の絡むゲームを嫌う奴に、チェスや将棋を勧める奴がいる……確かに、運が絡まないゲームと言えばそれだ。しかし、これは俺の持論だがな……そういう奴には「分の良い賭け」を学ばせた方が良いと思うんだ……」
もっとも、とトムは続けた。
「俺は、分の悪い賭けが大好物なんだがな」
トムは白の持っていたトランプの一番上のカードを取り、自分のカードと共に地面に叩き付けた。
「……ブラックジャック」
一番上のカードは、「2」だった。
- Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達 ( No.101 )
- 日時: 2012/10/07 22:21
- 名前: 旧世界の神 ◆qG6Aph5m22 (ID: PhoX.UcX)
「やるなあ、トム」
kskはトムのカードを拾い、ひとつの束にして白に返した。
「納得いかない……」
kskが白の顔を見ると、白はぎょっとした表情をした。
どうやら、声に出たのは意外だったらしい。
「おいトム……白は納得いってないみたいだぜ」
「い、いえそんな」
白は否定したが、トムは答えた。
「4枚目を取った理由か? 特に無い……2が来ると思ったからだ」
でも、と白は言った。
「あまりにもリスキーです……『19』のままでも、十分に勝機はあった」
トムは肩をすかし、白の持っている一番上のカードを弾いた。
それは「A」だった。
「何となく『21』が作りたかった……それだけだ。別にこれは負けたら指や耳持ってかれる訳じゃない……ただの遊びだ、何したっていいだろう」
それを聞いて、kskが笑う。
「お前なら命賭けてても四枚目貰いそうだけどな」
「……さて、どうかな」
トムが元の位置に戻る。
「さあksk……次のゲームを決めな」
もう決めてある、とkskは答えた。
そのゲームとは。
「……ポーカー」
「……サイコー」
- Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達 ( No.104 )
- 日時: 2013/02/23 01:50
- 名前: 旧世界の神 ◆qG6Aph5m22 (ID: 9kDns1lV)
ポーカー。
これは五枚のハンドの役の強さで勝敗を決めるトランプゲームである。
主にアメリカでプレイされ、三大トランプゲームとして有名だ。
まず、白がカードをシャッフルする。
そして、まずトムに五枚、次にkskに五枚を渡す。
お互いに配られたカードをじっくり見てから、ハンドの交換に入る。
一試合形式なのでベットは無しである。
まずトムが一枚、そしてkskが四枚。
四枚のカードを出す、という事は相当手が悪いのであろう。
対して、トムはかなりの良手と見える。
白が大体の勝敗を見据え、二人にカードを配った。
不意に、kskが言う。
「なあ白……後でディーリングポジション教えてやるよ……やっぱ気になって仕方ない」
同感だ、とトムも続く。
「ディーリングポジション、ってのはトランプの束の持ち方でな……左手の親指を左側、人差し指を外側、それ以外を右側に寄せるんだ……やってみろ」
白は戸惑いながらも、言われた通りに指を 置く。
不自然ながらも、しっかりと持つ事が出来た。
「む、まあ上出来だ……それよりksk、早くカードをセットしろよ」
kskは自分の前を指差して、
「もうセットしてるぜ、既に」
と言った。
「オープン」
白の声で、二人は一斉にカードを表向きにする。
トムの手は、「8」が三つと「4」が2つ。
よって、フルハウスが成立する。
対するkskの手は……
「10」! 「J」! 「Q」! 「K」!
そしてッ!
「A」!
しかしそれだけではない!
五枚のカード全てが「スペード」である!
『ロイヤルストレートフラッシュ』成立ッ!
「「スペード」は「不幸」を表すってどっかで聞いたが……果たしてそれは本当かね?」
- Re: 【ポケモン二次創作】kskと世界の仲間達 ( No.105 )
- 日時: 2012/10/11 17:22
- 名前: 旧世界の神 ◆qG6Aph5m22 (ID: PhoX.UcX)
有り得ない、と白は呟いた。
目の前の現象が受け入れられず、めのまえがまっくらになった! という状態である。
この『ロイヤルストレートフラッシュ』という手、長くポーカーに携わっていても目にする事は殆どない。
それを、ここで目の前で、4ハンドチェンジという悪手から成し遂げたのだ。
4ハンドチェンジというのはつまり初手が『ノーペア』という事である。
そこから四枚のパーツを連続して拾う確率は一体どれ程であろうか。
詳しくは分からないが、白にはそれが奇跡的な確率である事は理解していた。
新品のトランプという事もあり、カードの重なりには充分注意を払った筈なのだ。
それなのに目の前の男たちは、この奇跡に大して喜びもせず、今にもその手を束ねて片付けてしまいそうな雰囲気すら感じられる。
白にはそれが理解出来なかった。
「……ksk、そろそろイカサマの種明かしをしてくれ、白も混乱している。何より俺が知りたい」
トムが唐突に口を開いた。
イカサマ。
それがこの『奇跡』の原因である。
「了解」
とだけ言ってkskがトランプの「K」を取り、表面を軽く指で払うと、「K」の下からハートの「7」が落ちた。
「これがイカサマの種さ。トムの気をシャッフルの仕方で反らしている内に、前の試合で使った「K」と「10」を限界まで細くした「糸」で元のハンドに縛っておいた……後は落ちた「A」もな。これが全部「スペード」だったから咄嗟にやってみようと思ったんだ……白に返す時に「K」と「10」だけを返さないのが苦労したなぁ、トムが気を引いてくれて助かった、それにしてもコイン以外をパームしたのは久し振りだ……そして、「A」の回収もだ、トムが話してる間に「糸」でバレないように引くのはスリリングだったぜ」
白が「A」と「10」に手を伸ばし、目に近付けて見ると、細い「糸」が巻き付けてあった。
普段kskが使用する糸の太さは鉛筆程度だが、それはシャープペンシルの芯よりももっと細かった。
「じゃあ、残りの二枚はどうしたんです? このイカサマでも用意出来るのは三枚までの筈です」
白はkskに問うが、kskは
「普通に来るのを待ったさ……来ると思ったから」
と答え、白はこの二人がこういう奴等なのだと察し、これ以上の詮索はしなかった。
「しかしやるな……ksk……お前の成長を見くびっていた俺のミスだ」
それを他所に、トムは一人だけ敗北感を抱いていた。
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