二次創作小説(紙ほか)

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バカな自分は召喚獣? 〜二学期編〜 お知らせあり>>270
日時: 2016/03/25 21:41
名前: 糖分摂取魔 ◆YpycdMy5QU (ID: 4.tSAP96)

初めましてな方は初めまして。そうでない方はお久です。こちらはバカとテストと召喚獣の二次創作であり以下のスレッド

【バカな自分は召喚獣?〜一学期編〜】及び【バカな自分は召喚獣?〜夏休み編〜】

の続章となっています。読まれていない方はそちらもよろしくお願いします。


暑い夏も乗り切ってやってきました二学期編!夏休みを満喫したいつものメンバーとFクラスの前に立ちふさがったのは……無敵の鉄人による持ち物検査!?

『お願いします、西村先生!僕らにその本を返してください!』
『僕らには———僕らにはその本がどうしても必要なんです!』
『お願いです!僕たちに、保健体育の勉強をさせてください!』
『西村先生、お願いします!』

『『『『お願いします!』』』』

「黙れ。一瞬スポ根ドラマと見紛うほど爽やかにエロ本の返却を懇願するな」

『『『『鬼っ!悪魔っ!!鉄人っ!!!』』』』

毎日バカやる明久たちがそんな教師たちの横暴を黙っているはずもなく。正々堂々鉄人に挑むFクラスだったけど……(正々堂々の意味、今すぐ調べてください皆さん by造)

「ええい!こうなりゃ実力行使だ!僕らの大事な参考書(エロ本)を守るため、命をかけて戦うんだ!」
「ほう?良い度胸だ、かかってこい……シメるついでに夏休みで緩んだ頭のネジをキッチリ締めなおしてやる」

明久たちの必死の抵抗虚しく、鉄人に阻まれ大事なもの(エロ本)を取り上げられるFクラスメンバー。このまま為すすべがないのか?否、まだ手はある……!召喚野球で教師を蹴散らし、取り戻せ僕らの聖典(エロ本)!


体育祭に召喚野球。そしていよいよ試召戦争が解禁となり恋に嫉妬に勉強に、ますます楽しくそして忙しくなる造や明久たち。そんないつものメンバーの非日常的な日常をどうかよろしくお願いします。


———目次———
序章 1〜4章及び各種設定【バカな自分は召喚獣?〜一学期編〜】>>6参照

5〜5.5章及び各種設定  【バカな自分は召喚獣?〜夏休み編〜】>>7参照

6章 体育祭&召喚野球編>>1-117
102時間目>>1-5   103時間目>>8-11  104時間目>>12-16  105時間目>>20-23
106時間目>>24-28  107時間目>>29-32  108時間目>>33-36  109時間目>>37-40
110時間目>>41-44  111時間目>>45-48  112時間目>>49-52  113時間目>>53-56
114時間目>>59-62  115時間目>>63-66  116時間目>>67-70  117時間目>>73-76
118時間目>>80-83  119時間目>>84-87  120時間目>>91-94  121時間目>>98-101
122時間目>>104-107 123時間目>>110-113 124時間目>>114-117
覚えよう野球のルール〜スクイズしてください!〜>>77-79

6.5章 文化の秋・食欲の秋・文月学園の秋編>>120-221
酔いと造と幼児返り!?〜お酒は大人になってから〜
前編>>120-122 中編>>125-127 後編>>130-132

週刊☆文月学園ラジオ放送 特別企画・文化の秋!
前編>>135-136 後編>>137-138

ワシと自分と演劇と〜演目はバカテス童話!?〜
その①>>141-143 その②>>146-148 その③>>149-151 その④>>154-156 その⑤>>157-159
その⑥>>164-166 その⑦>>167-169 その⑧>>170-172 その⑨>>173-175 その⑩>>176-178

召喚実験シリーズ〜自分と本音と暴露大会〜
その①>>179-181 その②>>182-184 その③>>185-187
その④>>188-190 その⑤>>191-193 その⑥>>194-196

寒い日は鍋が一番!〜闇鍋?病み鍋?暗黒鍋デス〜
その①>>197-199 その②>>202-204 その③>>209-211 その④>>214-216 その⑤>>219-221

7章 二学期試召戦争開幕&Fクラスの変編>>224-330
125時間目>>224-226 126時間目>>229-231 127時間目>>234-236 127.5時間目>>241-242
128時間目>>243-245 129時間目>>246-248 130時間目>>251-253 131時間目>>256-258
132時間目>>261-263 133時間目>>264-266 134時間目>>267-269 135時間目>>271-272
136時間目>>273-274 137時間目>>275-277 138時間目>>280-282 139時間目>>283-285
140時間目>>286-288 141時間目>>289-291 142時間目>>292-294 143時間目>>295-297
144時間目>>298-299 145時間目>>300-302 146時間目>>303-305 147時間目>>306-307
148時間目>>308-309 149時間目>>310-311 150時間目>>312-313 151時間目>>314-316
152時間目>>317-318 153時間目>>319-321 154時間目>>322-323 155時間目>>324-326
156時間目>>327-330

7.5章 とあるお休みの一日:同棲生活は命がけ編
召喚実験シリーズ:〜みんなの子どもシミュレーション〜
その①>>334-336 その②>>337-338 その③>>339-341
その④>>342-344 その⑤>>345-347 その⑥>>348-350

文月学園新聞&特別補習:鉄拳先生の情報講座>>353-355

彼と彼女のとある日の出来事
〜明久と瑞希編〜
前編>>356-358 中編>>359-361 後編>>362-365
〜雄二と翔子編〜
前編>>366-368 中編>>369-372 後編>>373-377
〜造と秀吉と優子編〜
前編>>378-380 中編 後編
〜明久と美波編〜
前編 中編 後編
〜造と葵編〜
前編 中編 後編
〜康太と愛子編〜
前編 中編 後編

おいでませ文月学園!久保弟の学校見学
前編 中編 後編

8章 最終決戦!Aクラス対Fクラス試召戦争編

———バカテスト集———
その⑦>>18-19 その⑧>>240 その⑨>>278

———各種設定———
文月学園レポート:腕輪編その①>>17 その②>>279

お知らせ>>270

134時間目 トンデモ奇策は〜Fクラスの華〜 ( No.269 )
日時: 2016/03/04 20:46
名前: 糖分摂取魔 ◆YpycdMy5QU (ID: 4.tSAP96)

「さて、説明も終わったところで早速戦後交渉に行きましょうか。本来なら下位クラスが敗北した場合クラスの設備が1段階下がるわけですが……一学期のB・D戦の戦後処理の話は聞いていますよね?その時のように自分たちはEクラスに条件を聞いていただけるなら勝敗無しの決着として終了させてもいいと考えています」
「それは……やっぱりFクラスがいつか戦う予定のAクラス戦で手伝えってことですか?」

校内中で一学期のFクラスの活躍(?)が広まっていますから、Fクラスがどんな行動をするのかはEクラスの皆さんも、中林さんもわかっているようです。中林さんの言葉に自分はコクリと頷いて続けます。

「はい、端的に言えばそうなりますね。まだ詳しい条件はゆーさんからは聞いていませんが、少なくともクラスの設備のランクが下がるよりも良い条件になるはずと聞いています。それで、どうしますか?」
「悪いことは言わぬ。雄二とてそこまで非道な条件は出さぬ———と思うからの、呑んでくれるとありがたい」
「う……でも……うーん……」

ブツブツと苦々しい表情で呟いて悩む中林さん。体育祭:召喚野球から始まり先ほどまでも嫌と言うほど挑発されていた彼女の事です。きっと心の中ではゆーさんの条件に従うのは絶対に嫌だと思っているはずでしょう。

「どうかしら中林。そりゃアンタも嫌なものは嫌だろうけどさ」
「あの!……坂本君には出来るだけ無理のない条件を出してもらえるように私たちも説得しますから、受けて頂けませんか……?」
「…………」

ただ……しばらく考えていたようですが、クラス代表の立場でもある彼女は悔しそうな表情で———

「……わかりました。設備のランクが下がるよりはいいと思います。駄々捏ねて条件を呑まないなんて頑張ってくれたEクラスの皆に悪いですし……条件、呑ませていただきます」
「ありがとうございます、中林さん。条件は後日付けさせていただきます。では……Eクラスの皆さん、試召戦争ありがとうございました!」

「「「ありがとうございました!」」」

———交渉成立ですね。4人でほっと一息ついて、Eクラスの皆さんにお礼を言いつつDクラス戦も控えていますので自分たちのFクラスに戻ることに。ふぅ……何とか午前中はクリア、ですね。次も頑張らなくては。












『……でも、“情報通りなら”絶対勝てるハズだったのに……だからこそDクラスより先に……倒される前に勝負を挑んだのに……どうなってるのよあいつら……』


〜攻撃部隊(造・秀吉・瑞希・美波)帰還中〜


「案外何とかなるものですね。自分1時間でEクラス全員を戦死させろ、なんて流石に無理があるかなって思っていましたが」
「うむ。まあ雄二とて無茶な作戦は立てても、不可能な作戦は立てぬじゃろうからの。ワシらの能力を測った上で策を練っておるのじゃろう」

Fクラスに戻りつつ、4人でのんきに先ほどのEクラス戦を振り返りながら帰還します。

「それにしても瑞希、大丈夫?アキたちみたいにずっと走っていたわけじゃないけど結構走らされたじゃない?」
「そうですね……かなりハードだったと思いますが、体力的に大丈夫ですか姫路さん?」
「えへへ♪大丈夫ですよ美波ちゃん、それに月野君!秘密にしてましたが……実は私、最近体力をつけるためにジョギング始めたんです」
「えっ?そうなの?初耳よそれ」
「はい、秘密にしてましたから。朝学校に来る前に少しずつやっているんです。ね、木下君」
「うむ、最近朝によく姫路とジョギングコースで会うのじゃ。頑張っておるぞ姫路は」
「おおっ!良いですね。頑張っているじゃないですか姫路さん!ふむ、自分も何か運動始めましょうかね」
「あ、でしたら皆さんで週一にでもジョギングをしませんか?明久君や坂本君たちも誘って」

こんな感じの談笑をしていると、我らがFクラスの教室が見えてきました。中にいるゆーさんたちのことです、今頃午後からのDクラス戦の作戦会議を行っているんでしょうね。自分たちも急いで作戦会議に参加しませんとね。

「目標時間も記録更新できてたし、結構良い感じで行っているわよねウチら」
「はい!新しくなった召喚獣の武器も、かなり扱えるようになりました!次もバッチリです!」
「うむ、実に頼りになる台詞じゃな姫路よ。ワシらも負けず、精進するとしようか」
「ですね。ではこの勢いのまま午後からのDクラス戦も自分たちの勝利に向けて———」

『嘗めてんのかテメェらは!?一体何だこのマヌケなEクラス戦の結果は!?1年からやり直せやバカ者共がっ!』

「「「「…………えっ?」」」」

———そう、自分たちが意気揚々とFクラスに入ろうとした矢先。廊下まで響いてくるゆーさんの殺気に満ちた怒号が聞こえてきました。え……?な、何ですか一体……?

お知らせ ( No.270 )
日時: 2016/03/11 20:39
名前: 糖分摂取魔 ◆YpycdMy5QU (ID: 4.tSAP96)

いつも読んでいただいている皆様こんにちは、糖分摂取魔です。申し訳ありません、少々お知らせと謝罪をさせてください。

長年こちらでこのバカテス二次創作『バカな自分は召喚獣?』シリーズを書かせていただいていましたが、別サイトの規約等の諸事情によりこちらで続けられるか怪しくなってしまいました。

つきましては前スレッドである『一学期編』『夏休み編』をしばらく日を置いたのち削除依頼をすることになると思います。長い間読んでいただき本当にありがとうございます。そして申し訳ありません。

そしてこの現行の『二学期編』ですが……中途半端に終わらせたくはありませんので、とりあえず今からストックしていた7章を全て更新、他にも書き貯めしていた分を更新させていただきます。こちらも『一学期編』『夏休み編』よりも少し時間を置いたのち削除することになるとは思いますが、どうか最後までよろしくお願いします。

135時間目 ( No.271 )
日時: 2016/03/11 20:41
名前: 糖分摂取魔 ◆YpycdMy5QU (ID: 4.tSAP96)

造Side


『嘗めてんのかテメェらは!?一体何だこのマヌケなEクラス戦の結果は!?1年からやり直せやバカ者共がっ!』

Eクラス戦はゆーさんの作戦通り、完璧にこなしたはずの自分たち。ですがどういうわけか、戻ってみるとゆーさんが皆さんに向かって怒鳴り散らす姿が見えてしまいます。え、えっと……これは一体……?とにかくボーっとしていられません。ゆーさんの声に少しだけ怯みながらもFクラスに戻ることに。

「た、ただいまですゆーさん、それに皆さん……」
「あぁん!?…………って、おお。お前らか、スマン怒鳴っちまって」

教室に戻りゆーさんに話しかけると、怒鳴っていたゆーさんも自分たちの姿を見て荒げていた声は止み、少し落ち着いたように声を整えてくれます。

「その、坂本。Eクラスとの交渉は終わったわ」
「うむ。無事に交渉成立じゃ。条件は後日説明すると伝えておいたからの」
「……そうか。さっきの戦いも含め、ご苦労だったな」

一応ゆーさんは自分たちに労ってくれますが、はらわたが沸々と煮えくり返っているようで少し怖いです。見た感じですとどうやら他のFクラスの皆さんに腹を立てているようですし、自分たちに向けられた怒りではないとわかっていてもちょっぴり怯んでしまいます。一体何が合ったんですかゆーさん……?

「あ、あの……ごめんなさい、もしかして私たち何かミスをしましたか……?」
「ゆーさん、ひょっとして時間をもっと短縮すべきでした……?それとも交渉に時間かけすぎましたか……?」
「いや、姫路や造、それに島田に秀吉はよくやってくれた……この短時間で勝負を決めてくれたからこそ次が何とかなりそうだ。マジで感謝している。……だがそれに比べてお前らはどういうことだクソがっ!大体何だその開き直った態度はっ!?」

『仕方ねーじゃんかよ、俺らお前らと違って召喚技術無いしよ』
『誰にでもミスくらいあるだろ。なにカリカリしてんだよ坂本』
『武器も変わったしな。ま、焦らなくても次は上手くやれるさ』

「っ……ヤロ……!」

今にもクラスメイトを殴りかかりかねない程ゆーさんは腹を立てています。ど、どうしたんでしょうか……?Eクラス戦も予告通り一時間以内に終わらせ、見事に勝利したはずですのに……

「あー……4人とも、とりあえず説明するから教室出よっか」
「…………ここは雄二に任せるべきだな」
「あ……アキさん、こーさん。わかりました……皆さんも行きましょう」

激怒しているゆーさんの横にいたアキさんたちが状況を飲み込めていない自分たちに声をかけてくれます。アキさんの提案で自分たちはゆーさんの邪魔をしないように再び廊下に出ることに。

「それで明久君に土屋君。何があったんですか?」
「坂本があれほどキレるなんて、やっぱりよっぽどのことがあったのよね?」
「雄二が真面目に腹を立てること……もしや試召戦争関連かの?」
「お二人とも、申し訳ありませんが詳しく教えて貰えますか?」
「そ、それがさ……ちょっと他のみんながやらかしちゃったって言うかさ」
「…………操作ミス、らしい」

自分たちにそっと状況を教えてくれる二人。ゆーさんほどではありませんが、お二人も苦々しい面持ちで説明してくれたその内容は……それはそれはとてもバッドなニュースでした。


〜明久&ムッツリーニ説明中〜


「———えっ!?……じ、自分たち7人以外のFクラス全員戦死……!?」

アキさん、こーさん曰く先ほどのEクラス戦で戦力的にはかなり有利だったのにも関わらず、先行していた自分たち4人とEクラス戦で召喚獣を召喚していないゆーさん・アキさん・こーさん以外のFクラスのメンバーが全員戦死、それも戦死した科目以外の科目も万遍なく戦死ギリギリに消費されているとのこと。

「うん……何でも普段と武器が違ったり、久しぶりに召喚したせいで感覚が掴めなかったりで同士討ちとかして全員戦死しちゃった……らしい」
「そ、そんなっ!?私たちとあんなに模擬戦や対策しましたのに!?」
「と、言いますか同士討ちに操作ミスですって……?」

う、うそ……?そんなバカな……?姫路さんの言う通り、こういうことを防止すべく予め自分の腕輪を使って召喚獣の操作の練習や模擬戦を非公式ながら一昨日と昨日十分にやったはずなのに……同士討ちや操作ミスでクラスの大半が戦死……?これは流石に想定外過ぎです……

「…………姫路と造たちがEクラス戦を短時間で終わらせてくれたから、補習室からはすぐ出られたらしいが……」
「ちょ、ちょっと待ちなさい。この後Dクラス戦なのよね……?このままじゃ今すぐ補充試験を受けてもこいつらDクラス戦に間に合わないじゃないのコレ!?」
「確か12時きっかりに試召戦争を始めるとDクラスから宣戦布告されておるからの……約1時間30分しかないではないか」

これは確かにゆーさんが激昂するのも無理はないかもしれません。皆さんわざと……ではないと信じたいですが、これは本気でマズい。1、2科目補充できるか出来ないかのレベルですか……とにかく時間がありません。慌てて教室に戻りゆーさんを宥めて作戦会議しなくては。

135時間目 ( No.272 )
日時: 2016/03/11 20:41
名前: 糖分摂取魔 ◆YpycdMy5QU (ID: 4.tSAP96)

「———大体お前らはな……っ!」
「はい、そこまでですゆーさん」
「……造?」
「アキさんとこーさんに話を聞いて状況は分かりました。ゆーさんの気持ちはわかります、ですがこう言っては悪いとわかっていますがここで怒っても今は時間の無駄です。今すぐ対策を立てましょう、説教するのは終わってからです」
「……そうだな。腹立たしいが今はこんなバカ共相手にしている暇はねぇか。こいつらの処分は後回しにするしかないな」

自分がそう宥めると、爪が食い込むほど拳を強く握りしめ、歯を食いしばり一度大きく深呼吸をしてゆーさんが頭を切り替えます。いつものメンバーも席に着き緊急作戦会議開始です。

「さて。こんなアホみたいな事が起こったんだ。まず想定していたDクラス戦の作戦は使えん。白紙に戻して考え直す必要があるな」
「と言うかさ雄二。わざわざ作戦を白紙に戻さなくてもDクラスに待ってもらうことはできないの?こんなに時間ないわけだし……せめてDクラスに1時間だけでも延期してもらう様に交渉するのはどうかな」
「ダメだ。宣戦布告を受けちまった以上、引くわけにはいかん。一学期初っ端の状況ならお前の言う通りDクラスと交渉も出来たかもしれんが……俺らは今や上位クラスに位置しているんだ。Dクラスの連中の出した条件の宣戦布告に基本文句を言えないからな。ここで延期でもしようものなら協定違反ってことで、その時点で敗北にもなりかねない」
「ならばこやつらが回復するまで先ほど同様にお主らが逃げ回るとかはどうじゃ?」
「……いや、例え俺たちがめいいっぱい時間を稼いでもこのバカ共が点数回復できるのはせいぜい1〜2科目程度だろう。何をどうバカをやったか知らんが、このバカ共は全教科ボロボロだ。回復した教科以外で勝負を挑まれたらまた戦死。そんな無駄なことをする必要はどこにもない」

延期もダメ、逃げ回るのもムダとゆーさんは答えます。となればやはり———

「でしたら……やはりここはこの場の7人でどうにかするしかないですね。戦える人数が圧倒的にこちらが不足している以上長期戦は不利。まともに戦える科目等も考えると何が何でも先手必勝、向こうに満足な準備もさせない程の超火力・超短期決戦で挑む他ないと思います」
「……それしかないな。本来ならここで造・姫路・島田・秀吉の補充試験に入る予定だったが時間がない———作戦変更だっ!辛いとは思うが科目は使っていないものを用いてさっきの特攻メンバー+俺・明久・ムッツリーニで一気に攻め込む!この際戦力温存なんて言ってられん、各々の腕輪・能力その他諸々使わざるを得ないなら存分に使い全力且つ速攻でDクラス本陣を叩くッ!」

Dクラス戦開始まで時間も無いので、即興の作戦をゆーさんが立てます。この切り替えや思い切りの良さは流石ゆーさんですね。

「今言ったメンバー以外は戦死しているし、全員今すぐ点数補充だ。お前ら、補充試験も嘗めた真似するようならぶちのめすから覚悟しておけよ……オラ、とっとと行ってこいやっ!」

「「「へいへーい」」」

「(……ちっ、こいつらは一体何だ……?今朝もだがやる気ねぇな畜生が……)———こいつらが使えん以上、俺たちで何とかするしかねぇ。増援もないものと思って7人で戦うことになると思ってくれ」
「それはわかりましたが……坂本君まで戦うんですか?攻め込むのは私たちに任せて代表の坂本君はどこか本陣を作ってそこで待機しておく方がいいのではないですか?」
「あ、それウチも思った。アンタがやられたらウチらの負けでしょ?アンタまで攻めるってめちゃくちゃ危険じゃないかしら」

戦死した皆さんを蹴り倒す勢いですぐに補充室に向かわせるゆーさん。そのゆーさんに姫路さんと島田さんが一つもっともな質問します。ですが……

「いえ、自分もゆーさんは自分たちと一緒に行動した方がいいと思います。今朝のように近衛兵を置ける状態ならお二人の言った通りにした方が絶対に安全ですし定石通りと言えるでしょう。ですが今回は近衛兵を置ける余裕は無し、ゆーさんだけ別行動したり本陣にゆーさん一人にするのは逆に危険になるかと」
「造の言う通りだな。今は近衛兵を置けるほど戦力を割く余裕もない。つまり俺一人で待機しなきゃならんことになるからな。もし出し抜かれて俺のところに攻め込まれれば俺たちの敗北決定だ」
「ならいっそ雄二も攻撃隊の戦力として入れる方が勝率も上がるってことなんだね。雄二が僕らと一緒にいるならもしもの時誰かが雄二を守ればいいからね」
「そう言うことだ、後はいちいち俺とお前たちが離れてたら情報伝達や作戦指示が遅れちまう。だったら本陣にボーっと居座るより即興で指示がとばせる分一緒に戦っていたほうがまだマシだ」

まあ、とは言え本来だったらクラス代表を前線に出すのは自殺行為。もし自分たちのフォローが間に合わなければゆーさんは敵本陣で袋叩きに遭うのと同義という危険な賭けではありますが……今はこれしかありませんね。

「とりあえず一時間弱しかないが造・姫路・島田・秀吉の4人は一番消費している科目の点数補充を頼む。開始五分前には回答途中だろうが切り上げてここに戻ってきてほしい。明久・ムッツリーニは俺と一緒に詳しい作戦会議及び情報収集だ。少しでも現在のDクラスの情報が欲しいからな」

そう自分たちに指示を飛ばしたあと、気合いを入れるためいつものメンバーで円陣を組みます。

「さて、7人での戦いとなっちまった。俺らと向こうで約7倍の人数差。だが———心配すんなっ!人数差7倍?知ったことか、戦力はこっちが圧倒的に上だっ!いいか、前にも言ったがやれないことはない!自信を持て、気合い入れろ!こんなところで立ち止まってる暇はない!あくまで目標は打倒Aクラス!とっととDクラスを潰すっ!行くぞお前らっ!」

「「「「「「応っ(はいっ)!」」」」」」

いつもの仲良しメンバーにそう告げるゆーさん。つまり今から始まるのは以前から想定はしていた、このいつもの7人とDクラス全員との戦いってことになりますね。……戦力を踏まえれば一応やれなくもないとはゆーさんとこーさんの分析でわかってはいます。ですがあくまでそれは流石に唯の机上の空論だとばかり思っていました。まさか早速実戦でやらねばならぬとはね……

ですが泣き言も言っていられません。ここまで来たからには全力で当たって敵を砕くのみ、です!いざ行きましょうDクラス戦!

136時間目 ( No.273 )
日時: 2016/03/11 20:45
名前: 糖分摂取魔 ◆YpycdMy5QU (ID: 4.tSAP96)

平賀Side


「———報告します平賀代表!情報通り奴ら主力7人で攻め込んでいます!」
「現在40名の兵を渡り廊下に配置。拮抗しているようですが、奴らはEクラス戦で消費している分、こちらが有利です!」

ついに始まった試召戦争。俺らにとってはリベンジマッチである因縁のFクラス戦。前々から少しずつ準備して戦力や戦略を立てていたことに加え、午前中にEクラスとの防衛戦をやらざるを得なかったFクラスとの戦いはこちらが非常に有利な状況になっている。

『スピード勝負ってことと逃げ道を塞がれたら終わりってことで何とか速攻で渡り廊下と階段を抑えられたのは良いけどさ…………雄二ぃ!?なんかめちゃくちゃ敵の数多くない!?』
『そんな当たり前の文句言うなバカ久っ!数の上では7倍以上向こうに人数いることくらいわかってただろが!文句言う暇あるなら二重召喚でもして数増やせや!』
『こんな四方八方敵だらけの状況で集中力がいる二重召喚による二体同時使役なんて出来るわけないでしょ!?そんなこと言う暇があるなら雄二も召喚して戦えばいいじゃないか!』
『おいそれと代表が召喚できるか!もしもの時までギリギリまで召喚しないとあれほど言ってただろうに、聞いてないのかお前と言うバカは!?』

…………と、こんな感じの会話が聞こえてくるな。残念ながら奴らの言う通り新校舎の階段と渡り廊下は試召戦争開始時に機動力が抜群過ぎるあいつらに抑えられた。この二か所をこちらが先に抑えられればもっと楽に攻略できたが……そこは仕方ない。その代り、階段から先の俺がいる俺たちのクラスのあるDクラスに繋がる廊下までは攻めきれていないようだ。その理由と言うのも———

『くっ……フィールドが数学とはの……これでは明久たちに加勢できぬ……』
『この科目ウチの得意科目だって言うのにさっきのEクラス戦で使っちゃってるからあまり余裕が……』
『わ、私もEクラス戦で金の腕輪の能力使っちゃって数学の点数があまり……』
『…………保健体育以外は辛い』
《み、皆さんもう少し耐えてください!この5人を倒したらすぐにフィールドを書き換え———うわっ!?……ちぃ、接近戦はやっぱり辛いですね……》

———俺たちの作戦が効いているからだな。奴らの成績データ並びに戦闘データをクラスメイト全員に叩き込んである。それこそ奴らが得意とする科目や苦手とする科目、更にそれぞれの召喚獣や本人たちの特性、戦闘の癖や行動パターンに至るまで全てな。特に攻撃の中心となっている姫路と月野の戦い方は徹底的に研究しておいた。Fクラスと戦うシミュレーションをFクラスに負けてから今日に至るまでずっとやってきた甲斐が出てきたわけだ。

それに加えて午前のEクラス戦で奴らの使った科目は確認済み。どの科目が回復に間に合っていないのかの情報は“すでに俺たちに筒抜けだぞ”Fクラスよ。後は先にその科目の教師を確保しておいて廊下に配置しておくだけでこいつらの怒涛の進撃もそう苦も無く止められている。

「まあ、それも清水さんや玉野さんが奴らのいない間にFクラスに仕掛けてくれた盗聴器による情報あってのことだけどな」
「……ま、卑劣な手は不本意ではありますがDクラスの生徒として勝たねばなりませんので。それもこれもDクラスの為です!」
「私も一人のDクラス生徒として、卑怯だとは思うけど勝たなきゃならないからね。Dクラスの為にね!」

近衛兵として俺の横にいる清水さんと玉野さんはもっともらしいことを言う。少々ネタ晴らしをすると、この二人には奴らが午前中Eクラスと戦っている隙にFクラスに侵入し教室内に盗聴器を仕掛けてもらっている。そのお陰で現在奴らは7人で戦わざるを得ないこと、そしてかなりの科目がEクラス戦で消費されていることが判明した。

消費されているの科目は点数消費が大きい順に【数学・英語W・英語R・物理・日本史・地学】らしい。だからこそ奴らの回復が間に合っていない科目の教師を中心に立会人を確保して勝負に挑んでいる俺たち。奴らは消費した科目で勝負をしなければならないと言うわけだ。

…………どうしてこの二人が反則スレスレの行為をやってくれているかって?……このFクラス戦が始まる前に、モチベーションを上げるため“勝ったら戦後処理でFクラスの気になる相手(清水→美波 玉野→アキちゃん(決して吉井に非ず))を自由にしていい”とクラス全員に言ったら率先してやってくれた。……この勝負、勝ったらとりあえずその二人には謝っておこう。すまない島田と吉井(と言うかアキちゃん?)

「まあ、それでも40人以上導入してやっと互角とは……Fクラスはやはり強いな……」
「ですね、流石は私たちのライバルクラスです」
「人数はこちらが有利。科目も奴らが消費している科目中心に攻めているにも拘らず、7人で戦えていますからね……つくづく恐ろしい連中ですよ」
「向こうには聡明で凛々しくお強く、それでいてお美しいお姉さまがいらっしゃいますから当たり前です」
「アキちゃんも可愛いからね」

…………最後の二人の妙な発言は置いておくとして。話によれば今戦っている7人以外の他のFクラスの連中は———今回“自主的に役に立たない”ハズだから、実質Fクラスは7人で戦っているのに等しい。だと言うのにここまでやるとは流石だ。姫路さんや月野の戦力は勿論、坂本の奇策や他の連中の予想も出来ない行動が恐ろしい。だが、俺らだって負けていられない!前回負けてから今日に至るまで戦力アップを頑張って行ってきた。奴らの行動パターンも完全に把握済み。負ける要素なんてない、ここで勝って雪辱を果たすっ!

「代表!英語担当の先生も無事に確保できました!すぐに行けます!」
「よしっ!まずは姫路さんか月野を倒すんだ!あの二人が攻撃の中心。二人のうちどちらかを倒せば一気に攻め込みやすくなる!」

『っ!?雄二ヤバイっ!Dクラスが英語の先生を連れてきてるよっ!』
『ちっ、英語だと……今すぐ造を下がらせろ!造がやられたらこの均衡が崩れちまう!秀吉、島田!造を守れっ!』
『わかっておる!』
『了解よ!』

俺たちの行動にいち早く反応して、坂本が月野を下がらせると同時に木下と島田を月野の前に立たせて盾になる。だが、そうはさせんぞ坂本!

「待機部隊!坂本達と月野・木下・島田の三人を分断させろ!」

「「「了解です!」」」

『何ぃ!?……つ、造!秀吉!島田っ!』
《ゆ、ゆーさぁんっ!?》

ここでもう一つの作戦に移る。渡り廊下と階段の攻防に参加せず待機してもらっていた待機部隊を呼び出して、月野たち三人を召喚獣で鍔迫り合いをさせたまま渡り廊下の先、つまりは旧校舎側へと押し込める。よしっ!これで月野と姫路の分断に成功したな。

「待機部隊っ!そのまま科目を英語に変えてその三人を倒すんだ!その三人はもう戦う力は残っていない!倒したらこっちで坂本討伐隊に合流するんだ!」

「「「わかっています代表!」」」

そんな頼もしいことを言いつつ、科目英語の教師立会いの下で召喚獣を召喚しているであろう声が聞こえてくる。そっちは任せたぞ待機部隊……!

「こちらも攻撃の手を緩めるな!逃がすな!数で押せ!反撃させるな!攻め続けるんだ!」

『あんにゃろっ……!ひ、姫路行けるか!?』
『む、無理です!?この科目は回復していませんっ!?』
『…………数が多すぎる、逃げるべきか……?』
『こ、こうなったら二重召喚で……いや、流石にこうも囲まれちゃ二体を同時に使役するのはやっぱり無理が……』


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