二次創作小説(紙ほか)

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バカな自分は召喚獣? 〜二学期編〜 お知らせあり>>270
日時: 2016/03/25 21:41
名前: 糖分摂取魔 ◆YpycdMy5QU (ID: 4.tSAP96)

初めましてな方は初めまして。そうでない方はお久です。こちらはバカとテストと召喚獣の二次創作であり以下のスレッド

【バカな自分は召喚獣?〜一学期編〜】及び【バカな自分は召喚獣?〜夏休み編〜】

の続章となっています。読まれていない方はそちらもよろしくお願いします。


暑い夏も乗り切ってやってきました二学期編!夏休みを満喫したいつものメンバーとFクラスの前に立ちふさがったのは……無敵の鉄人による持ち物検査!?

『お願いします、西村先生!僕らにその本を返してください!』
『僕らには———僕らにはその本がどうしても必要なんです!』
『お願いです!僕たちに、保健体育の勉強をさせてください!』
『西村先生、お願いします!』

『『『『お願いします!』』』』

「黙れ。一瞬スポ根ドラマと見紛うほど爽やかにエロ本の返却を懇願するな」

『『『『鬼っ!悪魔っ!!鉄人っ!!!』』』』

毎日バカやる明久たちがそんな教師たちの横暴を黙っているはずもなく。正々堂々鉄人に挑むFクラスだったけど……(正々堂々の意味、今すぐ調べてください皆さん by造)

「ええい!こうなりゃ実力行使だ!僕らの大事な参考書(エロ本)を守るため、命をかけて戦うんだ!」
「ほう?良い度胸だ、かかってこい……シメるついでに夏休みで緩んだ頭のネジをキッチリ締めなおしてやる」

明久たちの必死の抵抗虚しく、鉄人に阻まれ大事なもの(エロ本)を取り上げられるFクラスメンバー。このまま為すすべがないのか?否、まだ手はある……!召喚野球で教師を蹴散らし、取り戻せ僕らの聖典(エロ本)!


体育祭に召喚野球。そしていよいよ試召戦争が解禁となり恋に嫉妬に勉強に、ますます楽しくそして忙しくなる造や明久たち。そんないつものメンバーの非日常的な日常をどうかよろしくお願いします。


———目次———
序章 1〜4章及び各種設定【バカな自分は召喚獣?〜一学期編〜】>>6参照

5〜5.5章及び各種設定  【バカな自分は召喚獣?〜夏休み編〜】>>7参照

6章 体育祭&召喚野球編>>1-117
102時間目>>1-5   103時間目>>8-11  104時間目>>12-16  105時間目>>20-23
106時間目>>24-28  107時間目>>29-32  108時間目>>33-36  109時間目>>37-40
110時間目>>41-44  111時間目>>45-48  112時間目>>49-52  113時間目>>53-56
114時間目>>59-62  115時間目>>63-66  116時間目>>67-70  117時間目>>73-76
118時間目>>80-83  119時間目>>84-87  120時間目>>91-94  121時間目>>98-101
122時間目>>104-107 123時間目>>110-113 124時間目>>114-117
覚えよう野球のルール〜スクイズしてください!〜>>77-79

6.5章 文化の秋・食欲の秋・文月学園の秋編>>120-221
酔いと造と幼児返り!?〜お酒は大人になってから〜
前編>>120-122 中編>>125-127 後編>>130-132

週刊☆文月学園ラジオ放送 特別企画・文化の秋!
前編>>135-136 後編>>137-138

ワシと自分と演劇と〜演目はバカテス童話!?〜
その①>>141-143 その②>>146-148 その③>>149-151 その④>>154-156 その⑤>>157-159
その⑥>>164-166 その⑦>>167-169 その⑧>>170-172 その⑨>>173-175 その⑩>>176-178

召喚実験シリーズ〜自分と本音と暴露大会〜
その①>>179-181 その②>>182-184 その③>>185-187
その④>>188-190 その⑤>>191-193 その⑥>>194-196

寒い日は鍋が一番!〜闇鍋?病み鍋?暗黒鍋デス〜
その①>>197-199 その②>>202-204 その③>>209-211 その④>>214-216 その⑤>>219-221

7章 二学期試召戦争開幕&Fクラスの変編>>224-330
125時間目>>224-226 126時間目>>229-231 127時間目>>234-236 127.5時間目>>241-242
128時間目>>243-245 129時間目>>246-248 130時間目>>251-253 131時間目>>256-258
132時間目>>261-263 133時間目>>264-266 134時間目>>267-269 135時間目>>271-272
136時間目>>273-274 137時間目>>275-277 138時間目>>280-282 139時間目>>283-285
140時間目>>286-288 141時間目>>289-291 142時間目>>292-294 143時間目>>295-297
144時間目>>298-299 145時間目>>300-302 146時間目>>303-305 147時間目>>306-307
148時間目>>308-309 149時間目>>310-311 150時間目>>312-313 151時間目>>314-316
152時間目>>317-318 153時間目>>319-321 154時間目>>322-323 155時間目>>324-326
156時間目>>327-330

7.5章 とあるお休みの一日:同棲生活は命がけ編
召喚実験シリーズ:〜みんなの子どもシミュレーション〜
その①>>334-336 その②>>337-338 その③>>339-341
その④>>342-344 その⑤>>345-347 その⑥>>348-350

文月学園新聞&特別補習:鉄拳先生の情報講座>>353-355

彼と彼女のとある日の出来事
〜明久と瑞希編〜
前編>>356-358 中編>>359-361 後編>>362-365
〜雄二と翔子編〜
前編>>366-368 中編>>369-372 後編>>373-377
〜造と秀吉と優子編〜
前編>>378-380 中編 後編
〜明久と美波編〜
前編 中編 後編
〜造と葵編〜
前編 中編 後編
〜康太と愛子編〜
前編 中編 後編

おいでませ文月学園!久保弟の学校見学
前編 中編 後編

8章 最終決戦!Aクラス対Fクラス試召戦争編

———バカテスト集———
その⑦>>18-19 その⑧>>240 その⑨>>278

———各種設定———
文月学園レポート:腕輪編その①>>17 その②>>279

お知らせ>>270

番外編:寒い日は鍋が一番!〜闇鍋?病み鍋?暗黒鍋デス〜その③ ( No.209 )
日時: 2015/12/23 21:17
名前: 糖分摂取魔 ◆YpycdMy5QU (ID: 4.tSAP96)

造Side


「(で?状況はどんな感じかしら)」

来るはずのない島田さんまでも自主参戦した姫路さん&玲さんによる死の宴。最後に来た島田さんが自分たちにアイコンタクトで状況を聞いてきました。

「(圧力鍋、破裂したってさ……)」
「(オッケー、つまりいつも通りね。さて、どうしたものかしら)」

普段が普段なだけにあまり驚くことがなくなってきましたが、このアキさんの説明を聞いてもそこまで取り乱さずに分析できるのは相当なものですよね島田さん。

「コホン。あー、瑞希?ちなみに何作っているのかしら?」
「あ、はい。ブイヤベースを作っていたんですけど……」
「けど?」
「ちょっと失敗しちゃって、作り直しになっちゃいました」

鍋の破裂と言う名のちょっとの失敗。ならば大失敗になるとどうなるのか……考えたくないので置いておくとしましょうか。

「(作り直し……これね!)あらら、それは残念だったわね。失敗は誰にでもあるし気にしちゃダメよ。でも———今から作り直すんじゃあんまり時間無いんじゃないかしら」
「そうなんですよ。今からじゃ手の込んだお料理が……」
「そうよね、そうよね。手の込んだ料理は時間がかかっちゃうし出来ないわよね。だから今日はあまり手の込んでいない簡単なもの(=殺傷能力が低いもの)を作るのはどうかしら」

なるほど確かに……鍋が破裂した事ばかりに気を取られていましたが、これはかえって好都合。これから作り直すのなら恐れている死に至るほどの化学と料理のコラボレーションを行う時間はないはず。軽めのものなら耐性のある自分たちが死ぬ気で食せばあるいは———

「それでは、闇鍋なんてどうでしょう」

「「「「「「はい?闇鍋?」」」」」」

———と、姫路さんとキッチンに立っていた玲さんがそんな提案を。や、やみなべ……?闇鍋って、あの闇鍋ですか?

「作るのに時間もかからずに、人数が多くても美味しく食べられる鍋なら良いのではと思いまして」
「いえ、あの玲さん?鍋は良い案だとは思いますが、何故に闇鍋を……?」
「鍋料理ではメジャーなものと先輩から聞きましたが?」

……サクヤさん、何を教えているんですか貴女は。多分ですがお酒の席でそういう冗談を言ってそれを玲さんが真に受けたと言うことでしょう。全くサクヤさんったら闇鍋なんてそんな———待った。ちょっと待った、闇鍋……?被害者の会全員、瞬時にアイコンタクト開始。

「(ねえ皆さん。これって、意外と良い案なのでは?)」
「(僕もそう思う。このまま僕ら全員が短時間で何か作るよって言っても、瑞希のことだし恐縮して結局何かしら手伝うと思う)」
「(そうね、きっと瑞希はそうするわ。つまりどんな料理にしようとも、物凄いアレなものが生成されることは確実よ)」
「(だが、こと闇鍋だけは違うってことだな。アレはその場で鍋に具材入れるモノだ)」
「(…………手伝いも何も関係ない)」
「(うむ。そもそも調理の腕は関係ないのじゃから、危険なものなぞ出来上がるはずもないのう)」

全員の意見が一致。ここはメインディッシュを闇鍋へ変更させようという意思が見て取れます。そうと決まれば即実行、そのように誘導しなければ。

「いやぁ、闇鍋ですか!実は自分一度やってみたかったんですよねっ!」
「ウチもこう言う闇鍋みたいな日本の文化、体験してみたかったのよ!やってみたいわ!」
「そうじゃな!闇鍋とは実に面白い提案じゃな!」
「闇鍋って言えば鍋の中の鍋だぜ!やったことない連中のためにもここはやってみっか!」
「…………闇鍋最高」
「流石姉さん!良い提案してくれるじゃないか!闇鍋にしよう闇鍋!」

他の方から否定される前に、一斉に闇鍋を推します。そのお陰か事情を知らないAクラスの皆さんまでも……

「闇鍋ってボクもちょっと興味あるかも。パーティゲームみたいなものでしょ?」
「……私も、やってみたいかも」
「面白そうね。皆がそれでいいならアタシも賛成よ」

よっし!三人の了承も得ました。これで少しは状況がマシになるはず。

「あ、でもしまった……うちにはカセットコンロがないや」
「それでしたら明久君。私の家なら近いですし、持ってきますよ」
「え、いいの?僕も行こうか?」
「いえ、そんなに大きいものでもないので。それに他にも色々持ってきたいものもありましたので気にしないでください」
「(チャンスっ!)あら、だったら瑞希が戻ってくるまで簡単な前菜をウチが作るわ。瑞希の好きそうなものも作っといてあげる♪アキ、あれ使っていいかしら」
「うん、勿論さ!」

しめたとばかりに、海の幸セットを使おうとする島田さん。なるほど、前菜で使ってしまえば闇鍋に使わずに済みますものね。折角アキさんが当ててくれたものを無駄にせずにできますし。それにこちらが本命ですが———こう言っておけば唯一島田さんがキッチンに立てることになり状況確認と危なげなものを回収&処分も可能……流石島田さんっ!

番外編:寒い日は鍋が一番!〜闇鍋?病み鍋?暗黒鍋デス〜その③ ( No.210 )
日時: 2015/12/23 21:11
名前: 糖分摂取魔 ◆YpycdMy5QU (ID: 4.tSAP96)

「ありがとうございます。あ、美波ちゃん。何か作るのでしたら私はもしかしたら時間がかかるかもしれませんから、良かったら先に始めちゃっていてくださいね」
「オッケー、まあなるべく急いでね。ウチだって瑞希にも食べてもらいたいしさ。でも急ぎ過ぎて道に迷ったり転んだりしちゃダメよ?」
「も、もう!子どもじゃないですからね?では行ってきます」

そう言って姫路さんは小走りで一旦お家にお戻りに。まあ殺人料理に目を瞑れば、こんなにも気が利くとても素直で優しい人ですからね姫路さん。……どうして料理になるとああなるのか非常にわかりませんが。ま、まあそれはともかく一時的でも安全が確保されました。ほっと息をついて一旦緊張を解くとしましょ———

「それでは、私はお鍋の出汁作りでも———」
「ね、姉さんっ!それは僕らがやるからっ!姉さんはとりあえずこっちでゆっくりしてなよ!」
「あ、玲さんっ!霧島さんから頂いたワインはいかがですか!?自分、お酌しますよっ!」

———例え一瞬たりとも緊張を解いてはいけないことを悟る自分たち。料理は島田さんや手伝うと申し出てくれた霧島さん工藤さん優姉さんたちに任せ、自分たち男子はキッチンに向かう玲さんを全力で止め、玲さんのお酌をすることとなりました。


〜女性陣料理中〜


「はいお待たせ。オードブルが出来たわよ」
「……お待たせ」

アキさんと二人、酔わせる勢いで玲さんにお酌をしキッチンから遠ざけている間に女性陣が料理を作ってくれました。最初に島田さんと霧島さんが大皿を持ってやってきます。

「玲さんワイン飲んでるし、合いそうなカルパッチョにしてみたけどどうかしら」
「あ、助かるよ———おおっ!?す、すごいよ美波!めちゃくちゃおいしそうじゃないか!」

大皿には鮮魚とそれを彩る野菜類が見事に盛り付けられ、更にソースで美しい紋様が描かれています。料理は味もですが盛り付けも大事ですからね。また、盛り付けられている魚もお店の売ってある切り身と遜色ないほど綺麗におろされています。これはお見事。

「ふふっ、褒めてくれてありがとアキ。ウチがソースと盛り付け担当ね。あと、魚をおろしたのは、」
「……私」
「そゆこと。翔子凄いのよ、使う魚を全部こんなに綺麗にさばいてくれてね。とても調理しやすかったわ」
「……花嫁修業の成果」

そうはにかみながら答える霧島さん。そんな霧島さんの腕前に、その愛しの旦那様(おい待て造、誰が旦那だ by雄二)はと言うと、ぶっきらぼうな態度でちらりと霧島さんをちらりと見てこう一言。

「ふん……ま、悪くないか」
「むー……ゆーさんは恥ずかしがらずにもっと霧島さんを褒めるべきだと思いまーす」
「ばっ!?違っ!……造っ!?」
「……大丈夫、造。お父さん(ゆうじ)がちゃんとお母さん(わたし)を褒めてくれてるのわかってるから」
「誰が父だ!?つーかなんだそのルビとお前らのその反応は!?」

ゆーさんと霧島さんの発言はともかく、小さなころから一生懸命ゆーさんのお嫁さんになると言う夢に向かって頑張って修行してきた霧島さんの腕に感心する自分。本当に霧島さんって一途な努力家なんですねー

「それで、こっちが牡蠣の酒蒸しと海鮮サラダだよ〜♪多分ワインにも合うんじゃないかな」
「お待たせしました玲さん、良ければこっちもどうぞ」

遅れて工藤さんと優姉さんがテーブルに器を持ってきます。これは……殻つきで蒸し上げられた牡蠣に、エビとかタコが入ったサラダのようですね。色合いが鮮やかで見るだけで食欲を誘います。こちらもとても美味しそうな出来栄えです。

「うむ、これもまた見事じゃ。姉上も中々やるではないか」
「どーよ秀吉、見直した?……と言っても、ゴメンうそ。アタシはただ野菜を洗って盛り付けただけだけよ。愛子と美波の手伝いをしただけだし」
「いえいえ、それだけでも十分ですよ優姉さん。少しずつ料理も覚えていけばいいですし」
「ボクも実を言うとほとんど代表とナミーに手伝ってもらった感じ。まだまだ修行不足カナ」
「…………いや、ちゃんとよく出来てる。もっと胸を張れ工藤」
「あっ……そ、そう?ありがとこーたくん♪えへへ、褒められちゃった」

そんな感じでテーブルの上に美味しそうな料理が所狭しと並べられます。全て運び終えた島田さんたちはエプロンを外してカーペットの上に座り始めます。

番外編:寒い日は鍋が一番!〜闇鍋?病み鍋?暗黒鍋デス〜その③ ( No.211 )
日時: 2015/12/23 21:36
名前: 糖分摂取魔 ◆YpycdMy5QU (ID: 4.tSAP96)

「さてと。じゃあ瑞希には悪いけど先に食べ始めちゃいましょうか。折角のカルパッチョとかも温くなっちゃ美味しくなくなるし」
「……瑞希、待たないでいい?」
「うーん……霧島さんの言う通り待ってもいいけど、瑞希はかえって待たせちゃったと思って気に病むと思うし、食べてた方がいいと思うよ」

アキさんの言うことも一理あり、ですね。彼女も先に始めちゃってくださいと仰ってましたし、姫路さんはこういう時は待たせてしまったと気にするタイプです。姫路さんの分も残しつつ、少しだけ先に頂きましょう。

「そんじゃ、まずは乾杯だよね、皆何か飲み物持って———」
「待ったアキ。飲み物なら任せて、愛子が持ってきてくれた果物でフレッシュジュース作ってみたの。それでいいかしら?」
「いいねいいね!———よし、瑞希が戻ってきたらもう一回やるとして。まずは一回目だね、皆じゃあいくよ。かんぱいっ!」

「「「「「「「「かんぱーい!」」」」」」」」

島田さんが特製のフレッシュジュースを皆さんのグラスに注ぎ、これで準備万端。グラスを片手にアキさんの一声に合わせ全員で乾杯の声をあげて飲み干します。……わぁ!口いっぱいに広がるフルーツの甘酸っぱく美味しいミックスジュースがたまらなく美味しいっ!

「ジュース美味しいなぁ、これ後で美波にレシピ教えて貰おっかな。それはさておき、そろそろお腹もペコペコだし食べよっか」
「ですね、では早速いただき———」
「………………えい」


ぐいっ


「「ん?」」

箸を手に取りどれから食べようかと吟味しようとした矢先。急に自分の、いえ自分とアキさんの袖を引く感覚が。何事かと振り返るとそこには……

「アキくんも造くんも姉さんにかまってくれないのですね……」

「「え……?」」

少しムスッとした、まるで構えと言いたげな表情の玲さんが。あ……しまった、忘れてた……出てきた料理に気を取られて玲さんにお酌をする手をアキさん共々完全に止めちゃっていましたね。

「ちょっと、ここに座りなさい」
「ご、ゴメン姉さん。ホラ姉さんも何か食べたいものあったら取るから言ってよ」
「では自分はまたお酌を」

言われた通り玲さんの隣に座って食事とワインを勧める自分たち。ですが、玲さんはまだ何か不満なのか首を横に振ると……ぐいっとアキさんと自分を引っ張って———

「アキくんはここ。造くんはここ、です」

———アキさんは玲さんの膝の上に座らせられ、自分は玲さんの自慢の豊満なその胸の中に…………って、ちょっとぉ!?

「あ、あわわ!?あき、玲さん!?なな、何をっ!?」
「そ、そうだよ!?何をふざけているのさ姉さん!?高校生にもなってこんな抱っこなんてはふぅ」
「よしよし、良い子良い子」

玲さんに二人まとめて抱きしめられ、自分は混乱の極に。アキさんはふわっと力が抜けて現在お姉さんに甘える小さな弟モードに。なにこれ、なにこれぇ!?

「あ、アキ……(や、ヤバいわこれ……アキなんか可愛い……写真撮りたい……)」
「つ、造くん……(玲さん羨ましい……やっぱり胸なの……姉キャラに必要なのは胸だと言うの……?)」

島田さんや優姉さんをはじめとして、皆さんが何とも言えない表情でそんな自分たちを見つめます。あ、あのぉ!?見てないで助けていただけないでしょうかね!?そんな皆さんの視線を全く気にすることなく、玲さんはワインや食べ物を口に運びます。あ。あれ?そう言えば知らない間に随分とワインが減ってませんかコレ?一瞬でアキさんとアイコンタクトして状況確認することに。

「お料理もワインも、とても美味しいですね」
「あの、玲さん。つかぬ事をお聞きしますが」
「ねえ姉さん。もしかして大分酔ってない?」
「そう言えば、少し酔ってるかもしれません」

顔色も普通ですしパッと見ではわかりませんがこれだけワインを飲んでいて、おまけに素面でのこの行動は確実に酔っているはず。先ほどは玲さんに料理をさせないために酔わせる勢いでお酌をしていましたが、ここに来てこんな裏目に……ここは何としても酔い覚まさせねば。

「酔っているなら、僕水持ってくるね。ちょっと待ってて姉さん」
「玲さん、ワインは少し休憩しましょうね。キッチンにボトルを置いてきます」
「そうですか、それは助かります」

と言うわけで一旦玲さんから抜け出してキッチンに向かいます。ボトルをアキさん指定の棚の中に入れ、アキさんが水をグラスに注ぎ再びリビングへ。

「はい、姉さん」
「どうぞです玲さん」
「ありがとうございます」

玲さんにグラスを手渡し、アキさんと自分は敢えて玲さんから一番離れた場所に座りなおします。これで玲さんに絡まれる心配はなくなりますね。


スタッ (玲さんが立ち上がる音)


スタスタスタ (玲さんが何故かこちらに歩いてくる音)


ぎゅむっ×2 (玲さんが自分とアキさんを抱きしめる音)


「「玲さん羨ましい……」」

「造はともかく……やはり明久はシスコンか。いや、元々その気はあると思ってたがなシス久。後日FFF団に報告しとくからなシス久」
「…………羨ま死ね明久もといシスコン。出来れば後でその胸の感想教えてくれ造」
「……玲さん、大胆」
「あ、あはは♪いい姉弟関係ってことじゃないカナー?」
「つ、造?お主ちゃんと息できておるか?玲殿の胸の中で動かないように見えるのじゃが!?だ、大丈夫なのかの!?」

皆さんの観察するような冷静な視線が辛い。そして自分はそろそろまともに息が出来そうになくてつらい……

「お待たせしました!すいません、遅くなっちゃいま———明久……君……」
「ゴメン瑞希、色々言いたいことはあると思うけど、今はスルーしてくれると助かるかな……あと一応言っとくけど僕シスコンじゃないからはふぅ」
「は、はい……?っ!?(明久君なんだかちっちゃな弟みたいで可愛いですっ!———じゃなくて、玲さん羨ましいっ!———でもなくて、明久君に月野君どうしたんです!?何ですかこの状況!?)」
「むぐぅ……(息が……だれか……たすけ……)」

カセットコンロを持って戻ってきた姫路さんが、玲さんに抱きかかえられたアキさん(と窒息寸前の自分)を見て目を丸くします。まあ、そりゃ戻ってきて初めに見た光景がコレなら誰だってこうなりますよねー……

その後何とか無事に解放されたものの、皆さんの色々な感情が含まれているちょっぴり痛々しい視線は玲さんがそのまま眠ってしまう間自分とアキさんに降り注ぐこととなりました。

Re: バカな自分は召喚獣? 〜二学期編〜 ( No.212 )
日時: 2015/12/25 17:27
名前: ユウ (ID: J85uaMhP)

うずめ「ううぅ、寒い…まったく、なんだって俺がユウの酒を買いに行かなくちゃいけないんだよ。 …まあ、ジャンケンで負けたから仕方ないかも知れねえけどよ。 ただいまー!」

耀「あっ、うずめお帰り。待ってたよ」(そう言いながら何か食べている耀)

…チーン(返事が無い、ただの屍のようだ)

十六夜・飛鳥・黒ウサギ・アベル・エル『『『『『…チーン』』』』』(返事が無い、ただの屍のようだ)

うずめ「って何だこれは!?十六夜達が皆死んでやがる!?一体何があったんだ!?」

耀「実はうずめがユウのお酒を買いに行った後で、荷物が届いたんだ」

うずめ「…荷物?」

耀「うん。それがこれ」

『親愛なる問題児世界の皆様へ
いつも私達と交流してくださり、ありがとうございます。少し早いですが皆様にいつもの感謝を込めて、『手作り』のクリスマスケーキとぶどうジュースを送らせていただきました。喜んで貰えると嬉しいです!    姫路瑞希より』

うずめ「…でその机に置いてあったというケーキを皆で食ったていうわけか?」

耀「うん、とても独創的でブチッとした後にくる刺激と口の中で溶けるほど酸っぱい酸味があってとってもおいしかった」

うずめ「へ、へえー。そうなんだ(口内が溶けるような酸味!?しかもブチッて何のこと!?)」

耀「けど、あまりにもおいしくて、うずめが帰ってくる前に全部食べちゃったけど、ごめんね」

うずめ「い、いや、別にいいよ、それぐらい気にしねえからさ(っていうか、そんなのヨウっちぐらいしか食えないよ!?)」(若干顔を青ざめながら気にしてない素振りをみせるうずめ)

耀「・・・それにしても、皆失礼だよね?飛鳥達は体を身震いした後、1口食べただけで倒れこむし、十六夜なんか2口食べた後、自分の分のケーキをユウに押し付けてたし、…まあ、私も皆が残したのもったいないと思ってユウに無理やり半ホール食わせたけど」

うずめ「へ、へえ…。そ、そうなんだ(ユウーーー!?)」

耀「あっ、でも、貰ったプレゼントの中に手作りの『ぶどうジュース』が残ってたから、うずめも一緒に飲もう?」

うずめか「い、いやそれは・・・(ヒィ〜!やばいよ〜!?うずめ、命の危機をかんじるよ〜!?)
」(強がってはいるが、心で悲鳴をあげるうずめ)

・・・よ、耀ちゃん、時間も押してるし、それは後で俺が飲むからうずめと一緒に感想に移って貰ってもいいかな(プルプル)

うずめ「ユウ!?生きていたのか!?」

耀「うん、分かった。それじゃあ今日は私とうずめで感想を伝えるね」

うずめ「よ、よ〜し、それじゃあ、まずは俺からな、闇鍋を提案することでなんとか危地から脱出することが出来たアキっちとツクっち達、けど本当の勝負はこれからだぜ!!絶対負けるなよな!」

耀「次は私の番、美波ちゃん達が作った海鮮料理のオードブル、おいしそうだった、私も一緒に混ざって食べたかった」

うずめ「ハハ、ヨウっちはいつも食べ物のことばかり感想で言ってるよな」

耀「…後、玲さんほどとまでは言わないけど、私ももう少し胸が欲しい」(そう言って、自分の胸元を触りながら頭を下げる耀)

うずめ「お、おいヨウっち!?大丈夫かよ!?」

あかん、耀が暗黒面に落ちかけておる。

取り合えず今日はこれにて失礼しますね!?

それじゃあ、(終える前にこれの感想伝えさせないとby耀)…フボッ!?(そういってユウの口に姫路さん特製のぶどうジュースを飲ませる耀)

うずめ「あっ…」























姫路「ふう、遅くなっちゃいました。早く明久君の所に戻らないと、あっ」

『アアアアアアアアアアアアアアーーーーーーーー!!!』(空に流れ星が弧を描きながら堕ちるのを発見する姫路さん)

姫路「ふふっ、流れ星を見つけちゃいました。何だか良いこと有りそうですね」

そういって、明久の元に急ぐ姫路さんなのであった

Re: バカな自分は召喚獣? 〜二学期編〜 ( No.213 )
日時: 2015/12/25 20:53
名前: 糖分摂取魔 ◆YpycdMy5QU (ID: 4.tSAP96)

>ユウさん
読んでいただきありがとうです。

あっちもこっちも死屍累々……そしてこっちもそろそろ死屍累々間近。グッバイ造、あの世でちゃんと皆にご挨拶してくるんだよ。

造「い、生き残って見せますし……と言いますか皆さんは大丈夫なんですか!?」
瑞「???あの、皆さんどうしたんですか?」
明「てかなんで向こうにまで次元突破してるのさ瑞希!?」

こっちは玲さんの暴走こそあったものの、ほんの少しのオアシスで休んだ造たち。次はいよいよVS姫路さんのキラークッキング。勝ち目は———あるの……?

雄「生き残るための策は用意した……通用するかは別問題だがな」
秀「不吉な事を言うでないぞ雄二よ……」
康「…………生きてたらまた会おう」


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