二次創作小説(紙ほか)
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- バカな自分は召喚獣? 〜二学期編〜 お知らせあり>>270
- 日時: 2016/03/25 21:41
- 名前: 糖分摂取魔 ◆YpycdMy5QU (ID: 4.tSAP96)
初めましてな方は初めまして。そうでない方はお久です。こちらはバカとテストと召喚獣の二次創作であり以下のスレッド
【バカな自分は召喚獣?〜一学期編〜】及び【バカな自分は召喚獣?〜夏休み編〜】
の続章となっています。読まれていない方はそちらもよろしくお願いします。
暑い夏も乗り切ってやってきました二学期編!夏休みを満喫したいつものメンバーとFクラスの前に立ちふさがったのは……無敵の鉄人による持ち物検査!?
『お願いします、西村先生!僕らにその本を返してください!』
『僕らには———僕らにはその本がどうしても必要なんです!』
『お願いです!僕たちに、保健体育の勉強をさせてください!』
『西村先生、お願いします!』
『『『『お願いします!』』』』
「黙れ。一瞬スポ根ドラマと見紛うほど爽やかにエロ本の返却を懇願するな」
『『『『鬼っ!悪魔っ!!鉄人っ!!!』』』』
毎日バカやる明久たちがそんな教師たちの横暴を黙っているはずもなく。正々堂々鉄人に挑むFクラスだったけど……(正々堂々の意味、今すぐ調べてください皆さん by造)
「ええい!こうなりゃ実力行使だ!僕らの大事な参考書(エロ本)を守るため、命をかけて戦うんだ!」
「ほう?良い度胸だ、かかってこい……シメるついでに夏休みで緩んだ頭のネジをキッチリ締めなおしてやる」
明久たちの必死の抵抗虚しく、鉄人に阻まれ大事なもの(エロ本)を取り上げられるFクラスメンバー。このまま為すすべがないのか?否、まだ手はある……!召喚野球で教師を蹴散らし、取り戻せ僕らの聖典(エロ本)!
体育祭に召喚野球。そしていよいよ試召戦争が解禁となり恋に嫉妬に勉強に、ますます楽しくそして忙しくなる造や明久たち。そんないつものメンバーの非日常的な日常をどうかよろしくお願いします。
———目次———
序章 1〜4章及び各種設定【バカな自分は召喚獣?〜一学期編〜】>>6参照
5〜5.5章及び各種設定 【バカな自分は召喚獣?〜夏休み編〜】>>7参照
6章 体育祭&召喚野球編>>1-117
102時間目>>1-5 103時間目>>8-11 104時間目>>12-16 105時間目>>20-23
106時間目>>24-28 107時間目>>29-32 108時間目>>33-36 109時間目>>37-40
110時間目>>41-44 111時間目>>45-48 112時間目>>49-52 113時間目>>53-56
114時間目>>59-62 115時間目>>63-66 116時間目>>67-70 117時間目>>73-76
118時間目>>80-83 119時間目>>84-87 120時間目>>91-94 121時間目>>98-101
122時間目>>104-107 123時間目>>110-113 124時間目>>114-117
覚えよう野球のルール〜スクイズしてください!〜>>77-79
6.5章 文化の秋・食欲の秋・文月学園の秋編>>120-221
酔いと造と幼児返り!?〜お酒は大人になってから〜
前編>>120-122 中編>>125-127 後編>>130-132
週刊☆文月学園ラジオ放送 特別企画・文化の秋!
前編>>135-136 後編>>137-138
ワシと自分と演劇と〜演目はバカテス童話!?〜
その①>>141-143 その②>>146-148 その③>>149-151 その④>>154-156 その⑤>>157-159
その⑥>>164-166 その⑦>>167-169 その⑧>>170-172 その⑨>>173-175 その⑩>>176-178
召喚実験シリーズ〜自分と本音と暴露大会〜
その①>>179-181 その②>>182-184 その③>>185-187
その④>>188-190 その⑤>>191-193 その⑥>>194-196
寒い日は鍋が一番!〜闇鍋?病み鍋?暗黒鍋デス〜
その①>>197-199 その②>>202-204 その③>>209-211 その④>>214-216 その⑤>>219-221
7章 二学期試召戦争開幕&Fクラスの変編>>224-330
125時間目>>224-226 126時間目>>229-231 127時間目>>234-236 127.5時間目>>241-242
128時間目>>243-245 129時間目>>246-248 130時間目>>251-253 131時間目>>256-258
132時間目>>261-263 133時間目>>264-266 134時間目>>267-269 135時間目>>271-272
136時間目>>273-274 137時間目>>275-277 138時間目>>280-282 139時間目>>283-285
140時間目>>286-288 141時間目>>289-291 142時間目>>292-294 143時間目>>295-297
144時間目>>298-299 145時間目>>300-302 146時間目>>303-305 147時間目>>306-307
148時間目>>308-309 149時間目>>310-311 150時間目>>312-313 151時間目>>314-316
152時間目>>317-318 153時間目>>319-321 154時間目>>322-323 155時間目>>324-326
156時間目>>327-330
7.5章 とあるお休みの一日:同棲生活は命がけ編
召喚実験シリーズ:〜みんなの子どもシミュレーション〜
その①>>334-336 その②>>337-338 その③>>339-341
その④>>342-344 その⑤>>345-347 その⑥>>348-350
文月学園新聞&特別補習:鉄拳先生の情報講座>>353-355
彼と彼女のとある日の出来事
〜明久と瑞希編〜
前編>>356-358 中編>>359-361 後編>>362-365
〜雄二と翔子編〜
前編>>366-368 中編>>369-372 後編>>373-377
〜造と秀吉と優子編〜
前編>>378-380 中編 後編
〜明久と美波編〜
前編 中編 後編
〜造と葵編〜
前編 中編 後編
〜康太と愛子編〜
前編 中編 後編
おいでませ文月学園!久保弟の学校見学
前編 中編 後編
8章 最終決戦!Aクラス対Fクラス試召戦争編
———バカテスト集———
その⑦>>18-19 その⑧>>240 その⑨>>278
———各種設定———
文月学園レポート:腕輪編その①>>17 その②>>279
お知らせ>>270
- 番外編:召喚実験シリーズ〜自分と本音と暴露大会〜その⑤ ( No.193 )
- 日時: 2015/12/04 21:08
- 名前: 糖分摂取魔 ◆YpycdMy5QU (ID: Thm8JZxN)
「———ね?アンタたち、あれだけのリアクション取れる?無理でしょ」
「《……あー、確かに》」
何をどうしたのかわからぬが、工藤が明久を弄りつつ間接的に島田と姫路も弄るという器用で高度な事をやっておった。まあ、あんな反応はワシらは出来ぬじゃろうし、冷静になって考えてみればワシも造もそもそもやらしいことと言っても興味があまりないからのう。
《あれ?それじゃ何の用ですか優姉さん?》
「ワシらはあまり興味がないから意味ない事じゃし、やらしいことを聞く為にワシらをここまで連れてきたわけじゃないのじゃろう?一体何をする気じゃ姉上」
「んー、まあ聞きたい事って“そこ”なのよね。前々から聞きたかった事があるんだけど……二人ってさ?」
「《……?》」
「二人って———異性に興味ないのかしら?」
「《…………は?》」
あ、姉上のヤツ、随分と妙な事を言い出したのう……?な、何と答えればいいのやら……非常に答え難い質問じゃな。
「あ、一応言っておくけどBL的な意味じゃないのよ?勿論ソッチの話してくれるなら大歓迎だけど」
《【何の話ですか優姉さん……?】》
「造、今のは空耳じゃ、気にせんで良いぞ」
「まあ、ソッチは置いておくとして。で、どうなのよ二人とも。異性については」
「い、いや……ワシはその———【興味がないわけでもないが、今は異性として興味を引かれる人物はおらぬの。昔から姉上の素行を見ておったせいか、女性像がやや屈折しておるし】…………あ、姉上?今のは、その。召喚獣の小粋な冗談じゃからの?」
「ふふっ秀吉♪今日は徹夜のコスプレ大会決定ね」
「理不尽じゃ!?」
ホントにこの召喚獣は余計な事ばかり言いおってっ!と、ワシが落ち込んでいる間に造が姉上の質問に少し考えて答えを出そうとする。
《……自分は、どうでしょう。正直よくわかりません。(ボソッ)ちょっぴり気になる方がいないわけでもな———いえ、やはりよくわかりません》
「ん?わからないってどういうこと?」
《まあ、色々と……その、自分に問題が山ほどありますので。これからどうなるかとかわかりませんし……それに———【自分もヒデさんと一緒で傍若無人なサクヤさんや母さんをずっと見てきたせいで、女性像が歪んでいるので興味を持てるかわからないですし】……い、今の聞かなかったことにしてくれませんかね優姉さん?》
「おっけー、ちゃーんと師匠に懇切丁寧に説明しておくわね♪」
《勘弁してくださいお願いしますっ!?》
と、造もワシと同じように答え、同じように自爆してしまう。確かに造は“あの”日高先生に育てられただけあって、色んな意味でトラウマがあるんじゃろうな……
「そっかそっか。つまり二人ともまだまだ恋するには早いってことかしらね」
【それは姉上だって言える事じゃろうに】
「……ふふふっ、今日はすっごくハードなコスプレさせるから覚悟なさい秀吉」
「もうこんなのは嫌じゃぁあああああああああ!?」
《ひ、ヒデさん落ち着いて。取り乱せば更に厄介なことになりますよ》
「ついでに造くんも来なさい。師匠と先生方呼んでおくから」
《【自分何も言っていないのにですか!?】》
横暴じゃ……理不尽じゃ……何故にワシらがこんな目に……
「ま、とにかくほっとしたような不安になるような、そんな気分ね」
「……ほっとした?不安……?何の話じゃ姉上よ」
《寧ろ今日の夜何をされるのか非常に不安なのですが……何のことですか?》
「ん?いや、ほら。美波とか瑞希とか代表とか愛子とか、アタシたちの周りって結構恋してる子たち多いじゃない?造くんも秀吉もひょっとして———って、思ってたんだけどね。取り越し苦労だったってわけ」
ああ、だから姉上はこんなことを聞いてきたというわけじゃな……確かにいつものメンバーの中で今のところそう言う恋愛関係の話が無いのはワシと姉上、造くらいじゃしの。気になるのも無理はないのかもしれぬ。
「恋愛……まあ明久たちを見ておると、悪くはないとは思うがの」
《ですね……ただ、こういうのはあまり焦っても急いでも必ずしも上手くいったりするものではないので。アキさんたちのように一生懸命頑張って恋愛をやるのも素敵ですし、逆にゆっくり時間をかけて“愛”や“恋”を見つけていくのも……それはそれで良いものではないでしょうか》
「あら♪なかなか素敵なこと言うわね造くん。やっぱりロマンチストなのかしら」
姉上がそう茶化すと、造は少し恥ずかしそうに頬をかく。
《ま、まあそんな偉そうなことを言っていながら、恋愛とか付き合うこととかやったことが無いので恥ずかしくはありますね》
「む?造は恋愛をしてみたいのかの?」
《んー……憧れてはいますが、その……色々な意味で早いですからね。(ボソッ)問題も山積みですし———コホン、それに……》
「「?それに?」」
そこまで言うと造はワシと姉上に最高の笑顔を魅せて……
《今は……ヒデさんも優姉さんもいますからね【二人といると本当の兄弟が出来たみたいですっごく楽しいですもの。優お姉ちゃんとヒデ兄さん的な♪素直に甘えられますからね〜】って!?だからそこまで言わないでください!?》
「「…………っ!?」」
……何の前触れもなく、とんでもない一撃をワシらに喰らわす造……ヒデ兄さんじゃと……ひ、卑怯じゃぞ……そんな急に……て、照れるではないか!
《あ、あはは……今のは気にしないでくださいね?まあ、お二人ともお嫌かもしれませんが、その———ふ、二人といると楽しいってことですよ!》
「……そ、そうか!い、いや別に嫌というわけではないのじゃぞ【“ヒデ兄さん”か♪造にあんなこと言われて嬉しくないわけなかろう———】こ、これ!?何を言っておるのじゃワシの召喚獣よ!?」
「ふ、ふふふ……ふふふっ!そう、そうだったのね!そんなこと考えていたのね造くんは!」
と、そんな造の【物凄く嬉しい(バシッ!)】言葉に浮かれた姉上【ワシも浮かれておるが(バシバシッ!)】が目を血走らせて造とついでにワシに迫る。な、何事じゃ……?
《ゆ、優姉さん……目がちょっと怖いですよ?》
「姉上……正直見てて身の危険を感じるのじゃが?」
「ふふふっ!いいわよっ!優お姉ちゃんはずっと造くんのお姉ちゃんだから安心してねっ!そしてドンドン甘えて良いのよっ!勿論秀吉もねっ!」
そう言って精神がどこかにトリップさせる姉上。【ワシと同じように(バシィ!)】何やら姉上に妙なスイッチが入ったようじゃな……
《【ううぅ……赤っ恥です。ヒデさんと優姉さんよりも自分の方が年上なのに……お姉さんとかお兄さんって……ヒデさん、恥ずかしい思いさせてゴメンなさいです……】》
「い、いや……造が謝る事ではないぞい【ワシは造のお兄ちゃんなのじゃ!】だああああああああああああああああ!」
《ちょ!?ひ、ヒデさん?どうしました急に?だ、大丈夫ですか!?》
造に余計な事を聞かれる前に思わず召喚獣をゴミ箱の中に叩き入れる。もうこんなのは嫌じゃ……恥ずかしくて死にそうじゃ……
少し居たたまれなくなり、ふと明久たちの方を見ると———
『『『『『どぉりゃぁああああああああああああっっ!!』』』』』
明久たちだけでなく、姫路と島田までもが自身の召喚獣を別のゴミ箱に叩き込む光景が見られた。あやつらも大変じゃな……
試運転は一時間程度のハズじゃったが、ワシは今までこんなに一時間が長いとは思わなかったのう……解放されるまで、まだ三〇分以上残っておる。ここは地獄かなにかなのかの……
「……と言うか、ワシらの異性との交友関係を聞いて姉上は何がしたかったのじゃ……?」
「ん?いや、姉なら弟の交友関係をしっかりと把握しなきゃならない義務があるでしょ?もしも変なことしてた場合はお嫁に行けなくなるチュウをしないといけないって———」
《い、いやいやいや!?それがさも当然みたいに言われましても困るのですが……?》
「え、だって———吉井君のお姉さんの玲さんからそう教えてもらったんだけど」
【【…………アキさん(明久)もやっぱり苦労しているんですね(のじゃな)……】】
- 番外編:召喚実験シリーズ〜自分と本音と暴露大会〜その⑥ ( No.194 )
- 日時: 2015/12/11 21:11
- 名前: 糖分摂取魔 ◆YpycdMy5QU (ID: Thm8JZxN)
造Side
「「「「「「ぜぇ……ぜぇ……ぜぇ……」」」」」」
《あー……皆さん、大丈夫ですか……?》
「はは……もうダメかもしんないよ造……フィードバックで体中が痛いよ……それ以上に精神が持たないんだ……」
「俺も、こんなに疲れたのは久々だぜ畜生め……」
「…………キツい……」
「流石にワシも疲れたぞい……」
「はぅ……このままだと、いずれ変な勢いで告白する羽目になっちゃいます……」
「ウチも、こんな事で告白するなんて、絶対に嫌なのに……折角ならもっといいシチュエーションがいい……」
《皆さんの場合って召喚獣とのいたちごっこですからね……こりゃ埒が明きませんよね……》
本音を喋ってしまう召喚獣の試運転を開始してから約二十分。解放されるまでまだ三十分以上残っているにも拘らずいつものFクラスメンバー全員が疲労困ぱいで弱音を吐いてしまう始末です。
「たはは、皆お疲れだね〜」
「……雄二大丈夫?」
「流石に見てられないほど疲れているみたいね」
《【と言うか、そう思うのでしたら優姉さんたちはもう少し早く弄るのを止めてくれると嬉しかったのですがね……】》
まあ、そう言う自分も結構辛いのですが……皆さんのように召喚獣を止める必要がない———と言うよりも止める媒体がないので……強制的に黙らせることなんてできずに常時本音や隠している事がダダ漏れです。先ほどから止めようのない本音暴露状態に心の傷が深まるばかり。【心の傷と言えばこの前学校帰りにまた補導されかけ、学生証も運転免許証も見せたと言うのに最後まで信じて貰えなかったという】———ええぃ、またぁ!?……もうやむを得ませんっ!?
《……仕方ないですね。皆さん、ちょっと行ってきます》
「え?何処に、行くの造……?」
《学園長のところです。これ以上はもう限界ですって伝えてきます。ちゃんと話せばわかってくれると思いますし。と言うわけで皆さんはここで待っててください》
自分たちを弄っていた召喚獣を召喚していない優姉さんたちを除けば、一番体力的には自分が疲れていないハズ。皆さんには教室で休んで貰う事にして、急ぎ学園長室に行く事に。
「すまん、助かる造……頼んだ……」
《はい了解ですゆーさん。では、皆さん少し待っててくださいね……》
「「「「「「宜しく(お願いします)……」」」」」」
ガラッ! ダッ!
疲労でぐったりしている皆さんを背に、教室を後に学園長室へと駆けます。学園長も流石にこの状況を伝えればわかってくれるハズ。一秒でも早くこの実験を終わらせなければ……これ以上は精神的にも肉体的にも皆さん限界突破しちゃいますものね。
〜造が教室を出てしばらくして〜
『……造、悪いが頼んだぜ。何とかしてあの妖怪ババァを説得して———ん?いや、ちょっと待て……?おい、お前ら。本当にこれでいいのか?』
『何さ雄二……』
『今更言うのも何だが、よく考えてもみろよお前ら。俺たちが何でまたこんな目に遭わにゃならんのだ』
『まあ、理不尽にも程があるのう』
『だろう?理不尽だよな?そんじゃ、この原因って誰のせいかをお前らよく思い出してみろ』
『へ?僕らがこんな酷い目に遭う原因?』
『あら?そういえば、何が原因かしら?』
『…………この試運転が原因。そして、』
『えっと、そしてこの試運転を頼んだ張本人と言えば———』
『『『『『『……』』』』』』
『お前ら全員理解したな?そう———白髪で口の悪い、こういう事になるとわかっておきながら退路を断ち、俺たちに召喚をさせた諸悪の根源である忌々しきあの老婆の事を……』
【【【【【【……】】】】】】
ガラッ! ザッザッザッ!×6
『ふむ。やはりお前たちも同じ結論に思い立ったようだな』
『まあね。てか、人を実験台にしておいて、自分だけ無事で居ようなんて言うのが甘いよね』
『そうじゃな。因果応報じゃろう』
『…………当然の報い』
『ま、そう簡単に許せる事じゃないわよね』
『あ、あはは……』
『『『……どういうこと?』』』
- 番外編:召喚実験シリーズ〜自分と本音と暴露大会〜その⑥ ( No.195 )
- 日時: 2015/12/11 21:18
- 名前: 糖分摂取魔 ◆YpycdMy5QU (ID: Thm8JZxN)
———学園長室———
《———と言うわけで学園長。もう自分も皆さんも限界なんですよ。この辺で勘弁してもらえませんか?今回ばかりは勝手に出てくる本音や隠し事で自分も【隠し事と言えば、この前デパートで迷子と間違えられて迷子センターに強制的に連れていかれ———】こんな具合に勝手に隠し事が駄々漏れで限界なんですぅ!?》
「やれやれ。ったく、もうギブアップかい?若い癖に根性がないねぇ、アタシとしてはもう少しあのバカたちで遊んでみたかっ———コホン、データが欲しかったんだがね。まあ、多少なりにもデータが取れたみたいだから問題はないかね。いいだろう、もう上がっていいよ」
学園長室に辿り着くと同時に、学園長に試運転の停止を求めます。若干不満そうではありますが、学園長は納得してくれたようです。と言いますか、今“もう少しあのバカたちで遊んでみたかった”とか聞こえたような気がしたんですが……?き、気のせいですよね?
「ま、上がっていいって言っても、試運転用のフィールドは一時間で自動的に消滅させられるように設定してあるからすぐには消せないよ。今すぐにでも消したいならアンタの腕輪使って2−Fに張ってある召喚フィールドを干渉させて消してきな。ホレ、ちゃんと腕輪は調整し終わってるよ」
そう言って、一旦回収していた自分のフィールド形成用の白金の腕輪を返してくれる学園長。ふぅ、これで何とかなりますかね。
《ありがとうございます。それでは、自分はすぐに皆さんのところに戻ってフィールドを———》
「おっと、ちょいとお待ち月野。その前にアタシからお前さんにいくつか聞きたい事がある」
《……へ?学園長?》
と、学園長室の扉のノブに手をかけ、退室しようとする前に学園長に呼び止められる自分。聞きたいこと……?
《えと、何ですか聞きたい事って?》
「ま、アンタの本音を聞けるのは良い機会だからね。ちょいとアンタの本心が聞きたいのさ。質問その①、お前さんは《文》の事をどう思う?」
と、問答無用の質問タイム開始……それにして何で文さんの話に?まあ学園長の質問ですし、一応はちゃんと答えますが。
《文さんは良い子ですよ。たまに暴走はしますが、本当に優しい子ですし【難を言えば、少しだけ世間知らずですし、もう少し外の世界を見て欲しいって気持ちはあります。閉鎖的な世界しか触れていない子ですし、自分以外に大事な物を作って欲しいって気持ちが】あっ……!?》
そ、そうか……しまったそうでした。学園内全域にフィールドが張られてあると言うことはここも当然フィールドが張られています。ついさっきも本音や隠し事が出てたのに油断しましたね……
「ふむ。なるほどね。“それ”が《文》に対するアンタの本音かい。……正直参考になる意見だね。アタシもそれは少し前々から思ってたからねぇ。あの小生意気な召喚システムには、他者とのコミュニケーションが不足してるからねぇ」
《あー……まあ、文さんは生まれたばかりの赤ん坊のような存在ですからね》
【自分がいつかこの学園を離れる時までに、彼女も一人立ちできるようになって欲しいです】
「ほーう?アンタ、それはまるで文の親みたいな心境だねぇ。若いのに随分悟っているじゃないかい?」
《なっ!?……コホン。か、からかわないでくださいよ!そ、そりゃあ半人前な自分がいう台詞じゃないってわかっていますよ!?》
くぅ……やっぱり勝手に思っている事が出てきますね……出来ればもう勘弁して欲しいですが。
「ま、文の事はもういいさね。良い意見が聞けたからね。それじゃ質問その②、アンタには……その、今後の不安はないのかい?」
《HAHAHA!いやいや、自分に不安なんて微塵も【サクヤさんと優姉さんと先生方にコスプレされられるのが非常に不安です。今夜は一体どんなもの着せられるのか———】な、ないですよっ!?》
「……アンタは普段一体全体どんな生活を送ってるんだい?あー、いや。そっちじゃなくてだね。これはアタシの恥だが、まだアンタの“その体質の件———つまり元に戻れるのか”は未だに解明されていない。そのことはお前さんが一番よく知ってんだろ。それは不安じゃないのかい?」
と、真面目そうな顔で問いかける学園長。えっと、つまり今の自分の状況に対して不安は無いのか……って意味ですか?え、何ですそれ?
《んー、そこは別に不安でもなんでもないですよ》
【と言いますか、別に不安になる要素なんて何一つないですよね?何も問題ないですし心配事もありませんから】
「そう、かい…………(ボソッ)“何も問題ない”……ねぇ」
……?今何か小声で学園長が何か言ったような?気のせいでしょうか、学園長の顔色が悪いと言いますか、暗いような気が……?
《それで?他には何かないんですか?》
「……ん?あ、ああ。なら最後に一つ———いや、もういいか。質問は終わりだよ。悪かったね手間取らせて。ホレ、アンタはさっさと戻ってあのクソガキ共の召喚獣を戻さないといけないんだろ。とっとと行きな」
そう言うと学園長はシッシッと手で払う仕草を見せます。おっと、そうでした。皆さんが待っていますよね。
《それでは、学園長。自分はこの辺で失礼しますね》
「はいはいとっとと帰りな。ああ、それから途中で中止したから礼は無しってあのガキ共に伝えておきな月野」
《あらら……それは皆さん怒るかもしれませんね……まあ、一応説得しときます。それでは失礼しました》
とりあえずあの地獄の暴露大会から解放されるなら皆さんそれくらい何ともないでしょうがね。さてさて、待ちくたびれているでしょうし早く皆さんのところに行ってフィールドを戻さねばね。
- 番外編:召喚実験シリーズ〜自分と本音と暴露大会〜その⑥ ( No.196 )
- 日時: 2015/12/11 21:07
- 名前: 糖分摂取魔 ◆YpycdMy5QU (ID: Thm8JZxN)
〜造移動中〜
学園長の了承も得ましたし、皆さん召喚獣の解除を今か今かと首を長くして待っているでしょう。そう思いながら駆け足で教室に戻ってきた自分でしたが———
《ただいまです皆さん!お待たせしました、学園長が“もう上がっていい”って———あれ?》
「あ、お帰り造。そろそろ帰ろうか」
「おう、ご苦労さん造。わざわざ行って貰って悪かったな」
「ホレ造、姉上たちはAクラスに戻って下校準備をしておるぞい。皆で一緒に帰ろうぞ」
教室に辿り着くと……皆さんもうすでに鞄を持ち、下校準備が出来ているんですが———妙な事にすでに皆さんのあの本音を喋る召喚獣の姿が見当たりません。あれ?これってどう言う事……?
《あ、あのぅ……?皆さんの召喚獣は?》
「…………“勝手に”どこかへ行った。まあ、心配しなくていい」
「私たちの召喚獣は月野君が出て行った後、しばらくして教室を出て行ったんです」
「そう言う事。勝手に出て行ったんだし気にしなくていいでしょ。さあ月野。アンタも帰る準備しなさいな」
《え?は、はぁ……?そ、そうですか》
勝手にどこかへ行ったって……それ勝手に本音を喋る召喚獣が校内を跋扈しているってことですよね?い、いいのですかそれ……?ま、まあ皆さんは大丈夫と言っているなら良いんですが……
《あ、そうそう。皆さんすみません。学園長曰く“試運転を中断したからお礼は出せないよ”って仰ってまして……》
「「「「「「ああ大丈夫(ですよ)お礼はちゃんとやったから(やりましたから)」」」」」」
《…………ん?お礼?》
「さあ、さっさと帰ろう造」
「腹減ったしちょいとどっかで買い食いするのも良いかもな。造、お前も食うか?」
《え、あー……はい》
どう言う事かいまいちよくわかりませんが、皆さんが更に念を押して大丈夫と力説します。そんなニコニコと笑っている皆さんにそのまま促されるがままに自分も学園を後にすることに。ところで———
『ぎゃあぁあああああああああああああああああああ!?』
———下校途中に何故か学園長の悲鳴が聞こえた気がするのは……気のせい、でしょうか?
〜数分前〜
NO Side
「……やれやれ。今回の試運転は良いデータが取れて良かったよ」
造が退出してからしばらく経った学園長室で、学園長は先ほどの本音召喚獣もとい、半自動化召喚獣のデータをまとめつつ一人呟く。
「今回は……あの半自動召喚獣の性能を試すと同時に、あのクソ生意気なジャリガキ共の弱音を握———コホン。アタシのストレスを解しょ———ゴホン。吉井たちが職員室で暴れた事に対する反省の為の試運転だったんだがねぇ」
そう言って意地の悪そうにニヤニヤしている学園長。どう考えても私用と私怨が半分以上含まれているのはご愛嬌。やはり学園長と雄二&明久は犬猿の仲なのかもしれない。
「だがやはり———あのガキの本心を聞き出せたのが一番の収穫さね。《文》をこのままにしておくことも月野の言う通りかなり問題だが、それ以上に放っておけない問題は……月野自身かもしれないねぇ」
と、急に先ほどまでの意地の悪そうな顔から一変して、深刻そうに溜息を吐く学園長。
「“何も問題ない”だって?やはりあのチビジャリは《文》以上に放っておくと危険だよ。本当に月野は自身に対する危機管理能力が無さすぎる。今度また何かのトラブルがあって、再び肉体と精神が離れたらと思うと———危なっかしくて見てられないさね」
普段は全くそうは見えないが———事故とは言え造を“召喚獣として変えてしまった”研究者としての責任と、造を“進むべき道へ導きたい”と言う一教師としての思いからくる葛藤が、やはりこの学園長の中にも確かにあるのだろう。何だかんだで人一倍責任感が強い人である。
「本来なら最後にもう一つ、“アタシや文を恨んでいるかい?”って聞こうと思ったが、この分じゃあの能天気なジャリガキのこった。どうせ“意味がわかりません”って返すんだろうね。ハァ……とにかくこの事は西村先生と保護者である日高先生にもちゃんと話を通しておかないとねぇ。まあ、あの二人ならその辺はもう言われなくてもわかっているだろうがその辺は要相談って感じかね」
そう言って学園長は半自動化召喚獣と《文》、そして造に関しての資料をまとめて大きく伸びをする。そして———
「それにしても……はははっ!やはりさっきのは傑作だったねぇ!面白いもんが見れたよ!」
———暗い顔から一転して、急に再び先ほど同様に意地の悪そうな顔に戻る学園長。
「さっきの質問をする為に、あの箱をAクラスの———工藤だったかねぇ?あの子に渡して場を混乱させて、月野にアタシのところに来て貰うよう見越して仕組んだんだが……くくくっ!ホントに良い実験になったねぇ。吉井や坂本の弱みも握れたし。さてさて、今度はどうしてくれようかねぇ?」
本人は否定するが、責任感が強く研究者としては一流とは言え何だかんだでやはり子供っぽいのかもしれない。と、学園長がそうやってニヤニヤと笑っていると、
ガチャ! ザッザッザ!×6
「……は?一体何さね、この召喚獣たちは———と言うか吉井たちの召喚獣じゃないかい。何でこんな所に……?ん?確か月野が消しに行ったハズじゃなかったかねぇ……」
———学園長室に現れる明久たちの本音召喚獣六体。学園長を視認すると六体はそのまま飛びかかり、そして……
「って、な、何さね!?アンタら一体なにをするやめくぁwせdrFtgyふじこlp……ぎゃあぁあああああああああああああああああああ!?」
……放課後の学園に響き渡る学園長の悲鳴。こればかりは自業自得とも言えるだろう。この件からしばらくの間半自動化召喚獣の試運転は行われる事はなかったとのこと。
「今回の件は召喚獣の暴走だから、僕らには一切関係ないよね!」
「そうだな明久、システムの暴走なら俺らに責任はないからな!」
「「「「うんうん」」」」
「アキさんにゆーさん、それに皆さんまで……一体何の話ですか?」
- 番外編:寒い日は鍋が一番!〜闇鍋?病み鍋?暗黒鍋デス〜その① ( No.197 )
- 日時: 2015/12/18 21:03
- 名前: 糖分摂取魔 ◆YpycdMy5QU (ID: Thm8JZxN)
造Side
ガランガランッ!
『大当たり!大当たりが出ましたー!』
「……うそぉ……」
「あ、あはは……流石造くんね。運良い……のよね、コレ」
「う、うむ……造は相変わらず運が良い……といえば運が良いのかのう?」
「い、いや。これどう考えても運悪い方じゃないですかねヒデさん、優姉さん……」
あの体育祭と召喚野球大会も何とか無事に終わり数日経ったとある日。その日はとてもうららかな陽光が暖かき休日だったのですが、自分こと月野造は自身の運の悪さ……いいえ、より正確にいうと自身の“運の良さ”を呪っていました。
『大当たり!大当たりですっ!これは本当にすごいっ!』
ええ、確かに凄いですね。自分が一番驚いてますもの。あ、ちなみにここはとあるお店のレジカウンター近くの福引コーナー。オープン七周年記念とかなんとかで、一定額以上の買い物をした方に貰える福引券のサービスを行っていたらしいこのお店に、とある理由で一緒にお買いものをしていた自分とヒデさんと優姉さんの三人。
そんな中お二人に折角だから引いておいで、と福引券2枚分を頂いてガラガラの前に立った自分。いえ、その時までは確かに何かいいのが当たれば嬉しいな、お二人の喜ぶものが当たったらいいな、と欲深くも考えてはいました。…………いましたが。
『おめでとうございます!なんとこのお嬢ちゃん、一等と特賞の両方を大当たりです!』
手元の鐘を全力で鳴らして、景気のいい声でそう高らかに自分におめでとうと言ってくれる法被を着た店員さん。ええ、ホントおめでたいですよ……何せその当たった一等と特賞の景品はと言うと———
『おめでとうお嬢ちゃん!一等“鉄パイプ十万円分”と特賞“鉄パイプ五十万円分”です!大切に使ってね!』
「一体何をどう使えと!?申し訳ないですけど全力で辞退させてもらいますよ!?と言いますか、誰がお嬢ちゃんですか誰が!?」
———恐らく世間一般で言う大外れである鉄パイプの山山山ですからね。もっと早くから景品のラインナップを見ておかしいと思うべきでした……とまあ、こんな感じで一つでもアレなのに両方の大外れを引いてしまい、全力で辞退しつつツッコむこととなった土曜日の午後でした。
「……大体何ですかアレ……賞品五等から上のラインナップが全て鉄パイプって。顧客のニーズを何一つわかっていませんよねアレ……ごめんなさいお二人とも、折角お二人から券を頂いたと言うのに」
「どう考えても五等以下が大当りじゃったからの。まあそう気を落とすでない造、ある意味珍しいものが見れたしの。それだけで満足じゃ」
「それほど造くんの運が良かったと言うことで。アタシも気にしてないわ。寧ろホラ、こんなこと滅多にないしいい話のタネにできると思うわ」
お二人に励まされつつ、買い物メモを片手にそう愚痴りながら店を出る自分。鉄パイプって……何をどうしてあんなものを賞品にしてたのやら……?特賞及び一等から四等賞までが鉄パイプ。そのくせ五等から温泉ペア宿泊券やら海の幸セットやら買い物券はあると言うね。何故それを上の賞に設定しないのか、わけがわかりませんよ全く。
「外れのはずのティシュの方が使い道あったと思うのですがね……もういいですが。優姉さんの言う通りネタにはなるでしょうし。気を取り直してそろそろ夕食の買い物に行きましょうか。お二人とも、何か食べたいものありますか?」
「うん、そうね。アタシは造くん食べたいわ」
「……はい?」
「造よ、姉上の戯言は気にするでないぞ。そうじゃな、ワシは少し寒くなってきたし温かいものが食べたいのう」
「温かいもの……そうですね。何か旬のものがあればそれを使って温かいもの作りましょうね。他に何か食べたいものを思いついたらスーパーに着く前に教えてください」
「だから、造くんと秀吉を食べたいんだって」
「姉上、天下の往来でそれ以上の発言はアウトじゃ」
と、今夜の食べたいものを言い合いながら(若干優姉さんがトンデモナイことを口走っていましたが)、三人で品ぞろえ豊富なスーパーへと足を運ぶことに。……え?何故自分と木下さんちの優子さん&秀吉くんがそんなお話をしつつお買いものをしているのか、ですか?それはですね———
〜造回想中〜
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