二次創作小説(紙ほか)

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バカな自分は召喚獣? 〜二学期編〜 お知らせあり>>270
日時: 2016/03/25 21:41
名前: 糖分摂取魔 ◆YpycdMy5QU (ID: 4.tSAP96)

初めましてな方は初めまして。そうでない方はお久です。こちらはバカとテストと召喚獣の二次創作であり以下のスレッド

【バカな自分は召喚獣?〜一学期編〜】及び【バカな自分は召喚獣?〜夏休み編〜】

の続章となっています。読まれていない方はそちらもよろしくお願いします。


暑い夏も乗り切ってやってきました二学期編!夏休みを満喫したいつものメンバーとFクラスの前に立ちふさがったのは……無敵の鉄人による持ち物検査!?

『お願いします、西村先生!僕らにその本を返してください!』
『僕らには———僕らにはその本がどうしても必要なんです!』
『お願いです!僕たちに、保健体育の勉強をさせてください!』
『西村先生、お願いします!』

『『『『お願いします!』』』』

「黙れ。一瞬スポ根ドラマと見紛うほど爽やかにエロ本の返却を懇願するな」

『『『『鬼っ!悪魔っ!!鉄人っ!!!』』』』

毎日バカやる明久たちがそんな教師たちの横暴を黙っているはずもなく。正々堂々鉄人に挑むFクラスだったけど……(正々堂々の意味、今すぐ調べてください皆さん by造)

「ええい!こうなりゃ実力行使だ!僕らの大事な参考書(エロ本)を守るため、命をかけて戦うんだ!」
「ほう?良い度胸だ、かかってこい……シメるついでに夏休みで緩んだ頭のネジをキッチリ締めなおしてやる」

明久たちの必死の抵抗虚しく、鉄人に阻まれ大事なもの(エロ本)を取り上げられるFクラスメンバー。このまま為すすべがないのか?否、まだ手はある……!召喚野球で教師を蹴散らし、取り戻せ僕らの聖典(エロ本)!


体育祭に召喚野球。そしていよいよ試召戦争が解禁となり恋に嫉妬に勉強に、ますます楽しくそして忙しくなる造や明久たち。そんないつものメンバーの非日常的な日常をどうかよろしくお願いします。


———目次———
序章 1〜4章及び各種設定【バカな自分は召喚獣?〜一学期編〜】>>6参照

5〜5.5章及び各種設定  【バカな自分は召喚獣?〜夏休み編〜】>>7参照

6章 体育祭&召喚野球編>>1-117
102時間目>>1-5   103時間目>>8-11  104時間目>>12-16  105時間目>>20-23
106時間目>>24-28  107時間目>>29-32  108時間目>>33-36  109時間目>>37-40
110時間目>>41-44  111時間目>>45-48  112時間目>>49-52  113時間目>>53-56
114時間目>>59-62  115時間目>>63-66  116時間目>>67-70  117時間目>>73-76
118時間目>>80-83  119時間目>>84-87  120時間目>>91-94  121時間目>>98-101
122時間目>>104-107 123時間目>>110-113 124時間目>>114-117
覚えよう野球のルール〜スクイズしてください!〜>>77-79

6.5章 文化の秋・食欲の秋・文月学園の秋編>>120-221
酔いと造と幼児返り!?〜お酒は大人になってから〜
前編>>120-122 中編>>125-127 後編>>130-132

週刊☆文月学園ラジオ放送 特別企画・文化の秋!
前編>>135-136 後編>>137-138

ワシと自分と演劇と〜演目はバカテス童話!?〜
その①>>141-143 その②>>146-148 その③>>149-151 その④>>154-156 その⑤>>157-159
その⑥>>164-166 その⑦>>167-169 その⑧>>170-172 その⑨>>173-175 その⑩>>176-178

召喚実験シリーズ〜自分と本音と暴露大会〜
その①>>179-181 その②>>182-184 その③>>185-187
その④>>188-190 その⑤>>191-193 その⑥>>194-196

寒い日は鍋が一番!〜闇鍋?病み鍋?暗黒鍋デス〜
その①>>197-199 その②>>202-204 その③>>209-211 その④>>214-216 その⑤>>219-221

7章 二学期試召戦争開幕&Fクラスの変編>>224-330
125時間目>>224-226 126時間目>>229-231 127時間目>>234-236 127.5時間目>>241-242
128時間目>>243-245 129時間目>>246-248 130時間目>>251-253 131時間目>>256-258
132時間目>>261-263 133時間目>>264-266 134時間目>>267-269 135時間目>>271-272
136時間目>>273-274 137時間目>>275-277 138時間目>>280-282 139時間目>>283-285
140時間目>>286-288 141時間目>>289-291 142時間目>>292-294 143時間目>>295-297
144時間目>>298-299 145時間目>>300-302 146時間目>>303-305 147時間目>>306-307
148時間目>>308-309 149時間目>>310-311 150時間目>>312-313 151時間目>>314-316
152時間目>>317-318 153時間目>>319-321 154時間目>>322-323 155時間目>>324-326
156時間目>>327-330

7.5章 とあるお休みの一日:同棲生活は命がけ編
召喚実験シリーズ:〜みんなの子どもシミュレーション〜
その①>>334-336 その②>>337-338 その③>>339-341
その④>>342-344 その⑤>>345-347 その⑥>>348-350

文月学園新聞&特別補習:鉄拳先生の情報講座>>353-355

彼と彼女のとある日の出来事
〜明久と瑞希編〜
前編>>356-358 中編>>359-361 後編>>362-365
〜雄二と翔子編〜
前編>>366-368 中編>>369-372 後編>>373-377
〜造と秀吉と優子編〜
前編>>378-380 中編 後編
〜明久と美波編〜
前編 中編 後編
〜造と葵編〜
前編 中編 後編
〜康太と愛子編〜
前編 中編 後編

おいでませ文月学園!久保弟の学校見学
前編 中編 後編

8章 最終決戦!Aクラス対Fクラス試召戦争編

———バカテスト集———
その⑦>>18-19 その⑧>>240 その⑨>>278

———各種設定———
文月学園レポート:腕輪編その①>>17 その②>>279

お知らせ>>270

109時間目 生贄?懐柔?突破口は〜どうして貴女がここに?〜 ( No.38 )
日時: 2015/08/01 21:26
名前: 糖分摂取魔 ◆YpycdMy5QU (ID: Thm8JZxN)

「???な、何ですか皆さん?急に変な目で自分らを見て……?」
「そ、そうだよ?てか前々から思ってたけど、どうして久保君の話をすると皆そんな慈愛に満ちた目で僕らを見るの?」

ヒデさんはちょっぴり黒いですし、ゆーさんとこーさんに至ってはどこか遠くに行ってしまう友人を見送る目で見ています。毎回気になっていましたが、久保くんの話になると皆さんが変な態度をとるのは一体なんですか……?そんな感じで混乱している自分とアキさんを無視して話を続けるお三方。

「して雄二。この試合はどんな作戦で行くのじゃ?」
「ああ。正直に言うといくら3−Aが相手とは言っても、翔子や久保や木下姉がいる2−Aが負けるとは思っていなかったからな。殆ど作戦なんてないんだが……」

「「「「ないんだが?」」」」

「……話を聞くに、どうやら三年にとっても造は知名度が高く人気がある。それならば造をちょいと生贄に捧げれば勝利は俺らの手に————」
「ちょっ!?売られる!?自分売られるんですか!?ドナドナ!?」

ゆ、ゆーさんが怖いっ!?やっぱりさっきの対Aクラス戦の策、本気だったんですか!?や、ヤバいこのままじゃリアルに売り飛ばされてしまう……しかも目的が成人指定の本を取り返すというしょうもない理由だけで……!?

「……雄二。お主覚悟はできて————」
「おっと秀吉に造、一応冗談だぞ。いくらなんでも流石にそれだけじゃ三年の連中は釣れんだろうさ」

せ、セーフでしょうかね……?全く、質の悪い冗談ですよ。一瞬本気かと思いましたもん。…………その。冗談、ですよねゆーさん?

「(まあ、最終手段として考えておくがな)一通りの策は一応考えてはいるんだが、基本は初戦のEクラスと同じだな」
「ん?って言うと雄二、どう言う意味さ?」
「決まってんだろ?またこれを使う。三年の連中に、これを俺に渡してしまった事を、後悔させてやるさ」

と、ゆーさんが対三年生との肝試しで手に入れた黒金の腕輪を見せながら言ってきます。おお……流石ゆーさんですね。もうすでにこの腕輪を手足のように使いこなしていますね。

「…………黒金の腕輪か」
「ってことは造がショートで守ってから、攻撃で回復するって作戦なんだね?」
「まあ、初戦と同じだな……そして今回は姫路が鍵となるだろう」

「「「「瑞希(姫路さん)が?」」」」

???一体どう言う作戦で行くのでしょうかね?

「正直に言うと、俺らがどう頑張っても3年との成績の差は歴然としている。だからこそこっちの最高成績保持者の姫路に頑張ってもらうのさ————アイツのポジションは投手(ピッチャー)だ」

おおぅ……ゆーさん、随分思い切りましたね。と、言いますかピッチャーって中々難しいポジションですが……

「ちょ、ちょっと!?それはいくらなんでも無謀じゃないかな!?瑞希まだ初心者だよ?」
「うむ。明久の言う通りじゃな。おまけにお主もEクラス戦の時に言っておったじゃろう?“姫路が投げても捕れる奴はいない”と。下手をすれば点が削れて戦死してしまうぞい?」

と、お二人が的確な事を言ってきます。ですよね……本当に大丈夫なんでしょうか?

「安心しろ、明久に秀吉。一回は姫路に慣れさせるために最初と同じく明久がピッチャーだ。そんで様子を見て姫路に変える」
「う、うーん……まあ、それなら良い……のかな」
「ではキャッチャーは?姫路さんの球を捕れる人って残念ながらこのクラスには一人も———」
「フッ……なーに言ってやがる。ちゃんと一人いるじゃねえか。俺の目の前に」

と、そう不遜に笑うゆーさんが指差す先にいるのは……えっ、嘘!?じ、自分ですか!?

109時間目 生贄?懐柔?突破口は〜どうして貴女がここに?〜 ( No.39 )
日時: 2015/08/01 21:33
名前: 糖分摂取魔 ◆YpycdMy5QU (ID: Thm8JZxN)

「造、お前なら操作技術もトップクラス。おまけに成績も姫路とも渡り合えるだろ。そうとくればキャッチャー造で決定だ。つーわけで期待してるぜ」
「え、えっと……流石に姫路さんレベルのボールを捕り続けるのは難しいかと思います。戦死は避けるつもりですが、それでも捕球だけで点数が削られかねませんよ……かなり無理があるかと」

何せただ捕るだけで点数がごっそり減らされそうですもんね。……ん?いや、待って下さい?———点数が、減らされる……?それにゆーさんの黒金の腕輪……ま、まさかゆーさんの作戦って!?

「おっ!その顔は気がついた顔だな造。そうだ、だからこそのこの腕輪の出番だ。点数を消費したらこれでまた回復すればいい。そうすりゃ姫路も全力で投げれるだろ?先に言っておくが、攻守の際の腕輪の使用は審判にも了承済みだ。安心して使わせて貰うさ」

「「「「…………」」」」

う、うわー……つまりまた騙し討ちする気満々ですねこのお方……Eクラス戦の時みたいに3年生に怒られないかすっごく心配ですよゆーさん……

「まあ、この作戦は姫路と造には……いや、今回は恐らく造がだろうが、かなり負担をかける。あらかじめ言っておくが、すまんな」

と、ゆーさんが自分に向かって頭を下げます。あらら……ゆーさんって、意外なところで律儀ですね。

「ま、まあ作戦内容はともかくそれに関しては大丈夫です。負担と言っても今回に関しては試召戦争のように戦うってわけじゃないですし。基本普通に野球をしている感覚と同じですからね」
「そうか……まあ、すまんな。助かる」
「そんな顔しないでください。……正直反則ギリギリではありますが、三年生相手に手段は選べないのも事実。こうなったらやるだけやってみましょうか。さあ、早く行って皆さんに作戦の説明とかしませんと、ね?」
「……そうだな。うっし、いっちょやったるかっ!」
「やれやれ。造よ、お主も無理だけはするでないぞ?」
「大丈夫ですよヒデさん、頑張りましょうね皆さん」
「そうだね。造に無理させない為にも、僕らも頑張らないと!」
「…………ああ、俺らには使命があるからな」

「「……えっ?使命?」」

「「「そう———戦友《エロ本》奪還という使命がっ!!!」」」

「「台無しですよ(じゃぞ)!?」」

迸る若き青少年たちが天高く拳を突き上げそう宣誓します。うぅ……折角やる気が出てきてましたのに……台無しですよ全く。


〜全員移動中〜


「……あ、そうそう。ついでに聞きたかったんだけどさ雄二」
「あん?明久、まだなんかあるのか?」

召喚野球準決勝の地に向かいながら、アキさんが歩きながら不思議そうにゆーさんに尋ねます。

「なんか今回の作戦ってさ、確かに腕輪とかを使うけど雄二にしては随分直線的じゃない?てっきり何か搦め手を仕込んでいるとばかり思っていたんだけど」
「おお、それはワシも気になっておったところじゃ。雄二らしくないと思うのじゃがのう」

アキさんに続き、ヒデさんも尋ねます。ああ、確かにゆーさんらしくないかもですね。ですが多分……

「……いやな。さっきも言ったが、俺も一応は策を一通りは考えついている————んだが、三年にはあの着物着てた妙に頭が回る先輩がいるだろ。正直あの先輩相手に小手先だけの作戦じゃ逆効果だと思ってな」
「あはは……ですよねー」

小暮さんや……それからゆーさんはまだ知らないでしょうが、三年生学年主席。髙城くんことタカさんに挑むのでしたら小手先の策だけで挑むのは無謀ですもんね。と言いますか下手をすれば作戦を逆に利用されかねませんし。流石ゆーさんです。相手の事をよくわかっていらっしゃいますね。

109時間目 生贄?懐柔?突破口は〜どうして貴女がここに?〜 ( No.40 )
日時: 2015/08/01 21:40
名前: 糖分摂取魔 ◆YpycdMy5QU (ID: Thm8JZxN)

「そう言えばあの着物を着た先輩にはかなり苦戦させられたよね。今度も皆が誘惑させられないか心配だよ」
「そうじゃのう……造よ、あの先輩の対抗策はないのかの?」
「た、対抗策……?小暮さんの……?いえ、寧ろこっちが聞きたいのですが」

もし彼女の対抗策及び弱点についてご存知の方がいらっしゃるなら、どうか自分、月野造に教えてくれると嬉しいです。いやホントに。

「ん?あれ、意外だね。知らないんだ。造ってあの着物先輩と知り合いじゃなかったっけ」
「確かに小暮さんとは友人ですし二年間同じクラスでしたが、あの人の弱点なんて一つも知りませんよ自分。逆に自分の弱点はあの方は完璧に知り尽くしているようですが……」
「やれやれ……そりゃ厄介なことで」
「…………あの先輩は色々危険」

小暮さんには去年から———いいえ、一年生の時からいっぱい弄られてきた自分ですからね。彼女に弱点は知り尽くされ、彼女の弱点は何一つ知らない自分。理不尽ですね……そうやっていつものメンバーと苦笑しながらも、ようやく野球会場に入ります。……ん?何だかFクラスの皆さんが騒いでますね?

『『『うぉおおおぉぉっ!眼福っ!まさに眼福じゃあああああああああああ!!!』』』

何だか皆さんめちゃくちゃ歓声をあげて盛り上がっています。と言いますか、ちょっぴり怖いです。3年生の皆さんが少しばかり脅えて(引いて?)いますし……

「???何なのじゃあやつらは?」
「?まるで何かを囲むように集っていますね……?トラブルですか?」

皆さん一斉に集っているので、人垣が出来ていて何が起こっているのかわかりません。……べ、別に背が低くて何が起こっているのか見えないわけではないですらねっ!?ま、まあそれはともかく、どうやら皆さん誰かに向かってLOVEコールしているみたいですが、一体誰に……

『『『小暮先輩!今日は一段とお綺麗ですよ!!最高ですっ!!!』』』

あらら……噂をすれば何とやら。どうやら皆さん小暮さんの方に集っているようですね。

「ああ、さっき言ってた先輩がいるんだね。皆だからあんなに集まっているのか」
「そのようだな。ったく、アイツらは……あの着物先輩に早速惑わされてるが、この先大丈夫なのかね?」
「…………あの先輩は校内の美人ランキングの上位者。アイツらがこうなるのは、ある意味仕方がない」
「まあ、確かに随分色香のある先輩じゃからの」
「ですね、小暮さんお綺麗ですし」

皆さんと苦笑いをしながら先にベンチに向かう事に。それにしても小暮さんがいるってことはやっぱり3−A攻略は難し—————

『『『造ちゃんも今日はいつも以上に可愛らしいよ!お兄さんたちが可愛がってあげるねっ!!!』』』

「「「「「…………え?」」」」」

—————あ、あれ?今自分を呼びましたか?それにしては皆さん、こちらを向いていませんが……?

「……おい造?今お前アイツらに呼ばれなかったか?」
「じ、自分も呼ばれた気がするんですが、何で皆さん向こうを向いているんでしょうか?」

皆さんも自分も首を傾げて、再び皆さんが集まっている人垣の方を見ます。すると今度はこんなとんでもないセリフが聞こえてきました。

『造ちゃんいいね〜その服!また先生と木下さんに着替えさせて貰ったの?』
『造ちゃん、チア服可愛いよ!物凄く似合ってるね!』
『小暮先輩もです!いやはや、僕はこんなに素晴らしい光景を見れるなんて思っていなかった!造ちゃんの可愛らしさと先輩のエロ————じゃなかった、セクシーさが二段コンボでゴチになりますっ!』

!?ち、チア服ですと!?そんなの着た覚えはありませんよ!?一体何がどうなっているんですか!?

「つ、造?どういうことなのさ?」
「自分にもわかりませんよ!?ちょ、ちょっと確認してきますっ!?」

とりあえず状況確認の為にも、慌てて自分も皆さんが集まる人垣の中に入る事に。どうしてでしょうか……非常に嫌な予感がします……

必死に人波を掻き分け(だから別に小さいからってわけではないですよ!?)自分の目に飛び込んできたのは————

「あら♪月野君、ようやく来ましたね。“妹さん”が探していましたよ」

————皆さんに囲まれているにもかかわらず相変わらずマイペースな小暮さん(チアガール姿)と、

「ホラ、“文さん”♪“お兄さん”がおいでになられましたよ」
「…………何で、貴女がここにいるんですか……?」

…………どう考えてもここにはいないハズの彼女、

《ワーイ♪ ツクル 文は ツクルを 応援に キタヨー♪》

……文月学園の召喚システム《文さん》が、何故か小暮さんに寄り添っていました。……こっちもチアガール姿でねっ!?な、なんてことですか……!なまじ自分とそっくりな彼女のせいで自分がチアガール服を着ていると勘違いされて……いかん。今すぐにでも校内の皆さんに弁解しないとまた妙な噂が———

———と言いますか、それ以上に何でこんなところにいるんですか文さんっ!?

110時間目 僕らとチアと召喚野球〜須川君自重しろ〜 ( No.41 )
日時: 2015/08/02 21:16
名前: 糖分摂取魔 ◆YpycdMy5QU (ID: Thm8JZxN)

造Side


一先ず文さんを一旦グラウンドの隅に連れて来て、どういう経緯でこんな事をしているか尋ねます。話を聞くに文さん曰く—————


今日は休みではないのに全員校内にいなくて不思議に思った。
            ↓
何か良くわからないけど、外で皆が集まってワイワイしている。
            ↓
調べたらこれは『体育祭』と言う行事で、ツクルも勿論参加している。
            ↓
だったらツクルに何かしてあげたい!でも文は何をすればいいのだろうと思う。
            ↓
再び調べると、こういう場合は応援してあげると喜んで貰える。
            ↓
どう言えばサクヤが言っていた!『応援にはこの服が一番さね!ついでに造にも着せたいねぇ!』と。


—————ってな感じですね。サクヤさんは文さんに何を吹き込んですか……帰ってちょっと説教しましょうそうしましょう。あ、そうそう。ちなみに文さんは今日はホログラムの身体ではなく、どうやらアキさんや自分と同じような原理で実体化しているようです。何でもその方が応援している感じがするってことだそうで……

「と言いますか応援、ですか。その為にそんな恰好を……」
《うん♪ どう? 文は 似合う かなー?》
「えっと……似合う……と思いますよ?」
《むー! 何だか 歯切れが 悪いー》

…………いや、だって文さんの容姿を誉める=自分の容姿を誉めることと同じですもん。なまじ自分の身体データを基に生まれた文さんですし、自分と文さんが同じ顔で同じ体型(ただし胸は違いますが)。言うならば鑑見て“自分ってチア服似合いますよね〜♪”って言っているのと同じですし。

「それよりちゃんと学園長に許可は取ったんですよね?じゃなきゃ今頃学園長お怒りでしょうし」
《…… …… …… そうそう! 文ね アオイと 仲良く なったの〜♪》
「文さーん?その間はなんですかー?取っていませんね?許可絶対取ってませんね?」

ああ……これじゃ学園長がまた、頭を痛めることでしょうね。って、そう言えば何で文さんと小暮さんが?

「文さん、ところで小暮さんと随分親しげでしたが、彼女とは一体どう言う関係ですか……?」
「ああ、それはちょうど月野君を妹さん———いえ、文さんが探していたので折角なので私がここに案内をしたんですよ」
《そなのー アオイが 文を 連れて 来てくれた のー♪ 文の 新しい お友達ー!》
「あらあら♪ありがとうね、文さん。嬉しいわ♪」
「小暮さん?随分ナチュラルに会話に入りますね……いつの間に……?」

いつの間にいたのか全く分かりませんでしたが、自分の真横に立って会話に参加するニコニコ顔の小暮さん。いえ、もう驚きませんよ……小暮さんの行動には色んな意味で慣れましたし……

「そうそう、文さん。私、月野君とちょっとお話ししなければならないんです。申し訳ございませんが、先に応援席で応援の準備なさっててください。私もすぐに参りますので」
《あっ そうだった ネー! それじゃ ツクル 頑張ってー♪ 文も アオイも 応援してる よー!》

と、文さんは元気に手を振って応援席へと向かいます。やれやれ……文さんも相変わらずやりたい放題ですね。悪い子ではないのでその辺は安心してますが。

110時間目 僕らとチアと召喚野球〜須川君自重しろ〜 ( No.42 )
日時: 2015/08/02 21:18
名前: 糖分摂取魔 ◆YpycdMy5QU (ID: Thm8JZxN)

「———ふふっ♪妹さん可愛らしい方ですね。わざわざ月野君の為に応援に来るなんて」
「あ、あはは……ん?あれ?妹?文さんが?」
「あら?違うのですか?文さん確か《文と ツクルは 家族なのー♪ 文は 年下 だけどー》って言ってましたが?」

あっ、なるほど。文さんそう言う風な説明をしたんですね。以前ちょっと色々あった時『文さんは自分の家族ですから♪』って文さんに言ったんですよね。良く覚えていましたね?

……あ、でもナイスアイディアかも。下手に文さんの事を説明するよりも、皆さんには妹だって言っておけば説明不要でしょうし。

「えっと……まあ、大体そんな感じですね。それとありがとうございます。文さんを連れて来てくださって」
「いえいえ♪月野君にそっくりの方が、ちょっと不安そうにうろうろしてましたから。黙っていられずについ声をかけたのですよ。それにしても最初は驚きましたよ。月野君がチアガールの姿でうろうろしているかと♪」
「……絶対驚いてませんでしょう?うぅ……何か皆さんにとんでもない勘違いをされた気がします」
「ふふふっ♪『月野造特集:今度はチアガール!勝利の女神は自分です♪』的な号外が翌日張り出されたりですか?」
「……ありそうで怖いです。何とか皆さんに説明しませんとね……」
「あらあら♪本当に月野君は皆さんに好かれていますね」

そんな感じで、ちょっぴり小暮さんと談笑。おお、何だか一年前を思い出しますね。懐かしいなぁ……

「あ、ところで小暮さん。小暮さんは召喚野球には参加しないんですか?チア姿ですが……それに何故かタカさんも見当たりませんが……?」

こちらにとっては非常に有難いことですが、何故か三年生のメンバー表の中には最大戦力の小暮さんと髙城くん———タカさんのお二人の名前がありません。チア服を着て応援する気満々のご様子の小暮さんとこの場に姿を見せないタカさんは一体どうして……?

「ああ、それはですね。髙城君は海外のお客様の対応です。今頃体育館で学園長と一緒に校内で召喚獣のデモンストレーションをしているはずです。この後は学園とシステムを見学するとか」
「ああ、なるほど。タカさんも大変ですよね———って、ちょっと待ってください?タカさん一人でそれやっているんですか……?」

普通、こういう場合のタカさんは“ボロ”を出さぬよう小暮さんと一緒になって行動するはず。まして大事な場面では余計なことを言ったりやったりせぬようにと必ずと言っていいほど小暮さんがタカさんをコントロールしていたような……?ならばこそ何故小暮さんはここにチア姿で……?

「あの……小暮さん学園長に呼ばれたりしていませんか?ひょっとして“人手が欲しいし、あのバカがボロ出さないようにアンタも来てくれ”って言われてませんか……?」
「流石月野君、よくお分かりですね♪はい、学園長先生に髙城君にも付いて来てほしいとお願いされましたが、大事な用事があると全力でお断りしてきましたの」

…………タカさん、学園長。がんばれ、超がんばれ。

「い、いいのですか……?タカさん泣きますよ?それに大事な用事って……それとチア服の何の関係が……?」
「とても大事な用事ですよ?文さんと一緒に月野君を応援しなきゃいけないじゃないですか♪」
「それが理由!?」

…………タカさん、学園長。あなた方は今泣いていいです。

「ふふっ♪安心してください。まあ、半分冗談です。デモンストレーション自体はさっき私も手伝って終わりました。あとはただの見学の案内役だけですし、いつまでも私が一緒では彼も成長しませんので置いて行ってしまいました」
「あー……まあ確かに一理はありそうですが。あれ?ですがこちらの方は良いのですか?自分たちからしてみれば助かる話ですが、小暮さん召喚野球に出ないなんて……」

タカさんには成長のため頑張ってもらうことにして、わざわざ抜け出してきたならどうして小暮さんは召喚野球に参加していないのでしょう?このお方に出られたら今の自分たちでは対処できなくなるのは間違いないですからね。不思議に思って尋ねると。

「いいのですよ、先ほども言いましたがデモンストレーションを兼ねて体育館で召喚獣同士の戦闘だけでなく召喚野球もやりましたし。正直言うと一戦やれれば十分楽しめました。後はまだやっていない方々に楽しんでもらえればいいですし」

なるほど……ベンチにいたり体育祭の競技に参加していた皆さんに譲ったってことですね。

「そして何より……月野君にこのチア姿見て貰いたかったですし♪月野君、応援しているので頑張ってくださいね♪」
「は、はあ……?あ、言いそびれていましたがチア服似合ってますよ小暮さん。とても綺麗で似合いますし」
「あら♪それは光栄です。月野君も着てみます?」
「全力でお断りです。それはともかく自分を応援って……それって3−Aの皆さんに申し訳ないのですが……?」
「ふふっ♪誰を応援するかは自由でしてよ?まあその分、3−Aには———応援席からちょっと助言はするでしょうが♪」

HAHAHA!その小暮さんのちょっとの助言が一番怖い。か、勝てるといいのですが……

「ふふふっ♪まあ、良い試合になる事を楽しみにしてますよ。……その、頑張ってくださいね月野君」
「その言葉、ちゃんと3−Aの皆さんにも送ってあげてくださいね?ですが……ありがとうございます。出来る限り頑張りますね」
「ええ……本当に、頑張ってください♪」

とりあえずそろそろ始まるので自分はベンチに、小暮さんは何か良いことがあったのか、楽しそうに応援席に向かいます。さてさて、この試合はどうなる事やら。


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