二次創作小説(紙ほか)
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- バカな自分は召喚獣? 〜二学期編〜 お知らせあり>>270
- 日時: 2016/03/25 21:41
- 名前: 糖分摂取魔 ◆YpycdMy5QU (ID: 4.tSAP96)
初めましてな方は初めまして。そうでない方はお久です。こちらはバカとテストと召喚獣の二次創作であり以下のスレッド
【バカな自分は召喚獣?〜一学期編〜】及び【バカな自分は召喚獣?〜夏休み編〜】
の続章となっています。読まれていない方はそちらもよろしくお願いします。
暑い夏も乗り切ってやってきました二学期編!夏休みを満喫したいつものメンバーとFクラスの前に立ちふさがったのは……無敵の鉄人による持ち物検査!?
『お願いします、西村先生!僕らにその本を返してください!』
『僕らには———僕らにはその本がどうしても必要なんです!』
『お願いです!僕たちに、保健体育の勉強をさせてください!』
『西村先生、お願いします!』
『『『『お願いします!』』』』
「黙れ。一瞬スポ根ドラマと見紛うほど爽やかにエロ本の返却を懇願するな」
『『『『鬼っ!悪魔っ!!鉄人っ!!!』』』』
毎日バカやる明久たちがそんな教師たちの横暴を黙っているはずもなく。正々堂々鉄人に挑むFクラスだったけど……(正々堂々の意味、今すぐ調べてください皆さん by造)
「ええい!こうなりゃ実力行使だ!僕らの大事な参考書(エロ本)を守るため、命をかけて戦うんだ!」
「ほう?良い度胸だ、かかってこい……シメるついでに夏休みで緩んだ頭のネジをキッチリ締めなおしてやる」
明久たちの必死の抵抗虚しく、鉄人に阻まれ大事なもの(エロ本)を取り上げられるFクラスメンバー。このまま為すすべがないのか?否、まだ手はある……!召喚野球で教師を蹴散らし、取り戻せ僕らの聖典(エロ本)!
体育祭に召喚野球。そしていよいよ試召戦争が解禁となり恋に嫉妬に勉強に、ますます楽しくそして忙しくなる造や明久たち。そんないつものメンバーの非日常的な日常をどうかよろしくお願いします。
———目次———
序章 1〜4章及び各種設定【バカな自分は召喚獣?〜一学期編〜】>>6参照
5〜5.5章及び各種設定 【バカな自分は召喚獣?〜夏休み編〜】>>7参照
6章 体育祭&召喚野球編>>1-117
102時間目>>1-5 103時間目>>8-11 104時間目>>12-16 105時間目>>20-23
106時間目>>24-28 107時間目>>29-32 108時間目>>33-36 109時間目>>37-40
110時間目>>41-44 111時間目>>45-48 112時間目>>49-52 113時間目>>53-56
114時間目>>59-62 115時間目>>63-66 116時間目>>67-70 117時間目>>73-76
118時間目>>80-83 119時間目>>84-87 120時間目>>91-94 121時間目>>98-101
122時間目>>104-107 123時間目>>110-113 124時間目>>114-117
覚えよう野球のルール〜スクイズしてください!〜>>77-79
6.5章 文化の秋・食欲の秋・文月学園の秋編>>120-221
酔いと造と幼児返り!?〜お酒は大人になってから〜
前編>>120-122 中編>>125-127 後編>>130-132
週刊☆文月学園ラジオ放送 特別企画・文化の秋!
前編>>135-136 後編>>137-138
ワシと自分と演劇と〜演目はバカテス童話!?〜
その①>>141-143 その②>>146-148 その③>>149-151 その④>>154-156 その⑤>>157-159
その⑥>>164-166 その⑦>>167-169 その⑧>>170-172 その⑨>>173-175 その⑩>>176-178
召喚実験シリーズ〜自分と本音と暴露大会〜
その①>>179-181 その②>>182-184 その③>>185-187
その④>>188-190 その⑤>>191-193 その⑥>>194-196
寒い日は鍋が一番!〜闇鍋?病み鍋?暗黒鍋デス〜
その①>>197-199 その②>>202-204 その③>>209-211 その④>>214-216 その⑤>>219-221
7章 二学期試召戦争開幕&Fクラスの変編>>224-330
125時間目>>224-226 126時間目>>229-231 127時間目>>234-236 127.5時間目>>241-242
128時間目>>243-245 129時間目>>246-248 130時間目>>251-253 131時間目>>256-258
132時間目>>261-263 133時間目>>264-266 134時間目>>267-269 135時間目>>271-272
136時間目>>273-274 137時間目>>275-277 138時間目>>280-282 139時間目>>283-285
140時間目>>286-288 141時間目>>289-291 142時間目>>292-294 143時間目>>295-297
144時間目>>298-299 145時間目>>300-302 146時間目>>303-305 147時間目>>306-307
148時間目>>308-309 149時間目>>310-311 150時間目>>312-313 151時間目>>314-316
152時間目>>317-318 153時間目>>319-321 154時間目>>322-323 155時間目>>324-326
156時間目>>327-330
7.5章 とあるお休みの一日:同棲生活は命がけ編
召喚実験シリーズ:〜みんなの子どもシミュレーション〜
その①>>334-336 その②>>337-338 その③>>339-341
その④>>342-344 その⑤>>345-347 その⑥>>348-350
文月学園新聞&特別補習:鉄拳先生の情報講座>>353-355
彼と彼女のとある日の出来事
〜明久と瑞希編〜
前編>>356-358 中編>>359-361 後編>>362-365
〜雄二と翔子編〜
前編>>366-368 中編>>369-372 後編>>373-377
〜造と秀吉と優子編〜
前編>>378-380 中編 後編
〜明久と美波編〜
前編 中編 後編
〜造と葵編〜
前編 中編 後編
〜康太と愛子編〜
前編 中編 後編
おいでませ文月学園!久保弟の学校見学
前編 中編 後編
8章 最終決戦!Aクラス対Fクラス試召戦争編
———バカテスト集———
その⑦>>18-19 その⑧>>240 その⑨>>278
———各種設定———
文月学園レポート:腕輪編その①>>17 その②>>279
お知らせ>>270
- 105時間目 初戦と野球とEクラス〜開幕!召喚野球大会〜 ( No.23 )
- 日時: 2015/07/24 21:12
- 名前: 糖分摂取魔 ◆YpycdMy5QU (ID: Thm8JZxN)
———VS 2−Eクラス 守備位置・打順表———
1番 ファースト 木下秀吉
2番 ショート 土屋康太(ムッツリーニ)
3番 ピッチャー 吉井明久
4番 キャッチャー 坂本雄二
5番 ライト 姫路瑞希
6番 セカンド 島田美波
7番 センター 月野造
8番 サード 福村幸平
9番 レフト 須川亮
ベンチ 横溝浩二 近藤吉宗
———なるほど……流石ゆーさんです。ポジションを見ると、中々個人個人のバランスが取れているのではないでしょうか。
「って、あれ?ねえ雄二、僕がピッチャーでいいの?雄二とか瑞希とか造の方が確実でしょ?」
と、メンバー表を眺めていたアキさんがゆーさんに質問をします。
「できるならそうしたいが……俺らが投げて、取れる奴らがいるか?」
「あ……そっか。召喚獣はパワーが桁違いだし、雄二たちが投げて下手をすれば……」
「一瞬で昇天するだろな。細かな設定は知らんがババァの話によると、使用するボールの重さは————まあ実際の重さは無いんだが、持っていると仮定すると結構重めに設定してあるらしい。ただ捕球するだけでも点がごっそり削られるだろうな」
《あはは……点が高すぎるのも考えものってことですかね》
下手をして捕球し損なえば、味方側が戦死してしまうわけですね。それはあまりにリスクが高いでしょうし……
「ならば、造と雄二と姫路たちがローテーションを組むのはダメなんじゃろうか?」
と、ヒデさんが的確な意見を出してきました。あ、確かにそれなら結構いけますかね?と、自分もヒデさんに同意しようとすると……
「す、すいません。私、野球とか全然詳しくなくて……。実際にやったこともないですし……」
「だ、そうだ。今後はともかく、一回戦は姫路はルールを把握して貰う為にもライトに配置している。状況次第で動かすだろうからな。ちなみに俺はキャッチーとして動くつもりだ。全体に指示をしやすいからな」
おお……そこまで計算に入れているんですか。すでにゆーさんの中には勝利の方程式が出来上がっているのでしょうね。
「ん?でも待って。瑞希がライトで雄二がキャッチャーなのはわかったけど、造がどうしてセンターなの?召喚獣として動ける造がピッチャーの方が何かと便利じゃないの?」
《いやいや。召喚技術はアキさんの方がどう考えても上でしょ?だからアキさんがピッチャーなのでは?》
「まあ、一応明久の召喚獣の扱いを見越しているのはある。だが造をセンターに置いたのは……くくくっ、まあ試合が始まればわかるさ」
と、今日一番のゆーさんの物凄ーく悪い顔。この顔のゆーさんはまさか……ちょ、ちょっとこれからが不安なのですが?
《ね、ねえゆーさん?自分に何をさせる気ですか?》
「くくくっ、試合前に教えるさ。……期待してるぞ、造」
…………は、激しく不安ですね?大丈夫かな……Eクラスの皆さん
「以上だ。お前ら、他に何か質問は?」
《ですから自分は何をすればいいんですか?》
「造以外の質問はなさそうだな!」
《無視ですか!?》
自分を完全に無視して、ゆーさんが皆さんに問いかけます。……どうやら自分以外の皆さんは質問はなさそうですね。それと同時にゆーさんを中心にした円陣が自然に出来上がります。そしてゆーさんは全員を鼓舞するように大きな声を上げ———
「よし。それじゃ———いくぞテメェら、覚悟はいいか!」
「「「おうっ!」」」
「Eクラスなんざ、俺たちにとっちゃただの通過点だ!こっちの負けはありえねぇ!」
「「「おうっ!」」」
「目指すは決勝、仇敵教師チーム! ヤツらを蹴散らし、その首を散っていった戦友《エロ本》の墓前に捧げてやるのが目的だ!」
「「「おうっ!」」」
「やるぞテメェら! 俺の———俺たちの、かけがえのない仲間《エロ本》の弔い合戦だ!」
「「「おっしゃぁあああああああああああっ!!!」」」
皆さんの目に炎が灯ります。何だか正直怖いくらい燃えがってますよね……ですが、
「あ、あの美波ちゃん……こうしてみると、なんだか……」
「そうね……ウチらまでそういう本を没収されたみたいよね……」
「ワシも造も、別にエロ本など持ち込んでいないのじゃが……」
《あ、あはは……皆さん、すっごい気合いの入り様ですね……そう言う本の為と言うのは味方のこちらが非常に恥ずかしいですが……》
ま、若いってことなんでしょうかね?何であれ全員やる気十分、やるからには自分も全力でいかせて頂きます。さて召喚野球第一回戦:Eクラス戦スタートです!
《……それで?ゆーさん、結局自分に何をさせるつもりなんですか……?》
「ふっ……待たせたな。造、お前の今回の役回りはな————」
〜雄二作戦説明中〜
「————って感じだ。これはお前にしかできない役回りだからな。頼んだぜ!」
《…………あ、呆れました……だ、大丈夫なんですか?》
「当たり前だ。この為にルールを事前に取り決めたからな。安心して思いっきり頼むな!それじゃ試合が始まるし、ポジションに戻るぞ」
《って!?ま、待って下さいゆーさん、違いますルールが大丈夫かってことじゃなくてですね!…………行っちゃいましたね。本当に大丈夫なんでしょうか?……ルールがどうこうより、Eクラスの皆さんとの交友関係が危うくなりかねませんよコレ……》
- 106時間目 雄二と造と腕輪の力〜反則ギリギリごめんなさい〜 ( No.24 )
- 日時: 2015/07/25 21:43
- 名前: 糖分摂取魔 ◆YpycdMy5QU (ID: Thm8JZxN)
明久Side
『プレイボール!』
主審を務める寺本先生の声がグラウンドに響き渡り試合が始まる。実際に野球をするのは召喚獣だけど(まあ、造だけは本当に召喚獣になっているけどね)召喚獣を扱うのにはどうしても自身の召喚獣の側にいた方がいい為、必然的に召喚獣と同じポジションに僕らも立っている。不思議と野球をしているような気分になるね。
「しゃーっす!試獣召喚(サモン)っ!」
Eクラスのトップバッターがまさに体育会系の挨拶をしてくる。さて、戦力的にはどんなものやら?
≪Eクラス 園村俊哉 古典 117点≫
VS
≪Fクラス 吉井明久 古典 91点≫
ふむふむ……こんな感じか。以前の僕ならちょっと苦しかったかもしれないけど、瑞希や美波、造たちとの勉強会を行ってきた今の僕なら何とか対処出来そうだね。あ、そうそう。ちなみに今回の試合で使う教科は一回が古典・二回が化学・三回が英語で・四回数学・五回に保健体育と言う感じだ。
早速召喚獣にボールを持たせ、キャッチャーである雄二の指示を待つ。まあ、変化球が使えないので、実質コースと球の速さの指示くらいだろうけど。
と、何をしているのかそのキャッチャーの雄二は『設定(セット)』と呟いている。周りに聞こえないような小さな声だったけど、僕らはアイコンタクトや口の動きだけで会話する技術があるからすぐにわかる……それにしても何を言っているんだろう?
《雄二何してんのさ?てか、早くコースとかの指示をしてよ》
中々サインを出さないし、一先ずアイコンタクトをする事に。
《ああ、ワリィな。ちょいと、な。……コースはここだ》
と、雄二の召喚獣のミットが示す場所を見る。何々……
《って、ど真ん中?いきなり大丈夫なの?》
《ああ、大丈夫だ。向こうも慣れない召喚獣を使っての一球目だぞ?様子見するハズだ》
《あ、なるほどね!》
そう言う事なら真ん中に投げるって指示も納得かな。よしよし、ならちょっと力を抜いた緩い球を投げてみようかな。ストライクを貰えるなら、なるべく後々に力を温存しておきたいし。
《じゃあ行くよ雄二》
《おう。来い明久》
雄二の指示通りのコースにボールを投げる。せぇ……のっ!
キンッ
…………ゑ!?ちょっ!?
『ホームラ————《させませんっ!》……え?』
ゴォッ! パスッ
≪Fクラス 月野造 古典 384点 →Fクラス 月野造 古典 334点≫
『あ、アウトです!アウトッ!』
甲高い音をたて青空へと消えて行きそうだったボールは、造が自身の点を消費することで使用可能な風を起こす能力のグローブ(いつもなら箒だけど)で竜巻を起こし、その吸い込みで見事に捕ってくれた。た、助かった……
にしても…………
「ちゃんと指示しろ、ボケ雄二っ!」
「ちゃんと投げろや、バカ明久っ!」
この野郎、全然言った通りになってないじゃないかっ!何が“大丈夫だ”だよ!造がいなかったら危なかっただろうにっ!
《ハァ……ハァ……い、いきなりですか。ちょっとビックリしましたね》
「つ、造!?大丈夫かの!?」
《あはは……平気ですよ。心配してくれてありがとですヒデさん》
「う、うむ……それにしてもあやつら、いくらなんでも運動部の面子相手にど真ん中のスローボールを投げるなぞ何を考えておるじゃ……?」
- 106時間目 雄二と造と腕輪の力〜反則ギリギリごめんなさい〜 ( No.25 )
- 日時: 2015/07/25 21:23
- 名前: 糖分摂取魔 ◆YpycdMy5QU (ID: Thm8JZxN)
初回からいきなりピンチになるところだった……ワンアウトで2番バッターが現れる。さて、と……
《雄二……キサマ次ミスったら脛バットを叩きこんでやるよ》
《てめぇこそだ明久……次ミスったら尻バットを喰らわしてやる》
サインを確認して、2番バッターに第一球を————
キンッ
————見事に打たれ、打球は大きく伸びて……
『ホームラ————《ま、まだまだああああああああああああっ!》……』
ゴォッ! パスッ
≪Fクラス 月野造 古典 334点 →Fクラス 月野造 古典 275点≫
『え、えっと……アウトです』
……またしても造に助けられた。と言うか、だ。
「「ベンチ!バット寄こせ————ッ!!」」
それぞれがベンチに向かってバットを要求する。またもやピンチなんて……このバカはどこまで使えないバカなのだろうか!
《ぜぇ……ぜぇ……》
「つ、造!?お主無茶しすぎじゃぞ!?休むのじゃ!」
《あ、あはは……平気、ですよ……?》
「造……全く、あやつらは……!」
造がいなきゃ初回から2点も捕られていた。本当にあのバカは造に迷惑をかけていると言う自覚は無いのだろうかっ!?
『ええい、バカ共が!もうお前らには任せておけねえ!』
『造ちゃんを無茶させ過ぎなんだよ!バカが!』
『いや、そもそも吉井と坂本に任せた俺達がバカだった!』
『だな!こうなりゃここから先は俺が投げる!ピッチャー交代だ吉井!』
『なら俺が捕ろう!キャッチャー交代だ坂本!』
キンッ
《ら、らすとおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?》
ゴォッ! パスッ
≪Fクラス 月野造 古典 275点 →Fクラス 月野造 古典 201点≫
『スリーアウト!チェンジ!』
ふっ…………け、結果オーライかな……?
「……初回から、めちゃくちゃ危なかったよね?」
「……まあ、な」
造がいなきゃ、すでに3点は取られていたこの状況……あ、危なかった。いやマジで。ある意味大活躍の造はと言うと……
《…………ちょ、ちょっと疲れました……》
「造、ホレ!水じゃ。ゆっくり飲むのじゃぞ……」
《た、助かりますヒデさん……》
結構疲労困憊って感じで、秀吉に介抱されていた。ゴメンよ造……あと、秀吉?
「……次に造をこんな目に遭わせたら……お主ら、本気でどうなるかわかっておるの?」
…………その本気の威圧感(プレッシャー)は止めてください。怖いです。
一先ずベンチに皆で集まって作戦会議をする事に。と、そこにEクラス代表の中林さんが慌ててやってきた。
「ちょ、ちょっと!?何よさっきのは!?いくらなんでも反則何じゃないの!?」
ん?反則?……あ、もしかして造が風を起こしてボールを捕ったあの荒技のことかな?確かに野球とはかけ離れた行為だし、文句の一つもあるのは仕方ないかもね。とりあえず弁解しようとすると……
「おいおい。それは言いがかりだぞ?これは召喚獣を使った野球大会だ。腕輪の使用や、召喚獣の特性を利用した攻防は原則認められている」
「ぐ……で、でも!」
「これでも学園長や審判共には事前に確認済みだ。不満があるなら学園長に通しな。それとも何か?」
「な、何よ……?」
と、雄二が物凄く悪人面でこう言った。
「———アンタはあそこでへばっている造のやったことが、反則になるとでも?もしアンタがそう言うなら……造はとんだくたびれ儲けだな」
「っ!ひ、卑怯な……!」
造を尊敬しているであろう中林さんに向かって非常に効果的な煽り方をする卑怯で卑劣なこの男。うん、そうだね中林さん。味方の僕でさえそう思うよ。
「言っとくが、造のアレは点数消費型だ。てなわけでこっちだけメリットがあるわけじゃねえんだ。それはわかっておいて欲しい」
「うぅ…………で、でもそれは……」
それでも納得がいかないのか、中林さんが雄二に突っかかろうとすると……
- 106時間目 雄二と造と腕輪の力〜反則ギリギリごめんなさい〜 ( No.26 )
- 日時: 2015/07/25 21:26
- 名前: 糖分摂取魔 ◆YpycdMy5QU (ID: Thm8JZxN)
《あ、あのぅ……中林さん。やっぱりコレちょっと反則気味ですし、納得いきませんよね……?》
「えっ!?せ、先輩!?」
ふらふらの状態で造が会話に参加してきた。体力的に大丈夫なのかな造……?
《ホントごめんなさい……自分もやっぱり普通にやった方がいいですよね?今度からちゃんと————》
「い、いいえ!大丈夫です!先輩はお気になさらないでください!」
それだけ言うと、またきちんと礼をして中林さんはEクラスのベンチに戻っていった。どうやら造のお陰でさっきのプレイは反則にならずに済みそうだね。これで一回の表は何とかなった。色々とホント助かったよ造。
《え、えっと……良いのでしょうか?》
「くくくっ、良いんだよ。向こうさんが大丈夫って言ってんだ。それに俺らは別にルール違反をしているわけでもないしな」
……そして心底思った。雄二は本当に根が外道なんだと。
造Side
皆さんの没収品を賭けた召喚野球大会。一回戦はEクラスとの戦いです。現在二回表ですが流石に運動部さんたちが集るクラスとの戦いだけあって、中々一筋縄ではいかない様子。
【Eクラス VS Fクラス
2 —— 2 】
一回の攻撃はアキさんとゆーさんが2点を入れてくれましたが、二回に入りEクラスの皆さんはホームランは自分の風で捕られてしまうとわかっているが故にEクラス持ち前の運動センスを魅せ、ヒットやバントで攻めてられてあっという間に同点の2点を入れられました。流石部活生の多いクラス、敵ながらとても上手いですね。
キンッ パスッ!
『スリーアウト!チェンジ!』
とりあえず少しでも高く上がったボールは、風を起こして何とか捕球します。うぅ……結構苦戦しますねこれ。
「ふぅ……中々手強いね、Eクラスは」
「ああ……正直最初は舐めてたぜ。こりゃ、ちょっと流れを変えて貰うかな。なぁ造よ」
ベンチに戻り攻撃の準備に取り掛かっていると、ゆーさんがこちらを見てニヤリとしています。こ、これって……この合図ってまさか———
《……ゆーさん?まさかとは思いますが……》
「おう!造……こっからがホントのサプライズだってことをEクラスにわからせてやりな!」
や、やっぱりですか……正直、コレはさっきの自分のプレイより更に反則ギリギリのプレイだと思うのですがね……
「ホレ!造がトップバッターだろ?アイツらに目に物見せてやんな!」
と、ゆーさんは自分の背中を押して送り出します。し、知りませんよ?どうなっても……とりあえずはバッターボックスに向かうことに。
『???ねえ雄二?造に言っていたサプライズって?』
『フッ……まあ見てな。Eクラスの連中を動揺させてやるから』
『動揺ねぇ?まあどうでもいいけど、造はさっきから風を起こしてボールを捕っていたせいで、今あんまり点がないよ。大丈夫なの?』
『あぅ……すみません明久君。私のフォローを月野君にしてもらったから……』
『あ、いや。瑞希のせいじゃないって。僕もガンガン打たれたし』
『お前ら安心しな。寧ろ造の点が削られているってとこが今回の作戦のミソだしな』
『『???』』
審判の先生に頭を下げて、バットを構えます。ピッチャーは……うぅ、中林さんですね。正直彼女には本当に申し訳ないのですが……
≪Eクラス 中林宏美 化学 115点≫
VS
≪Fクラス 月野造 化学 89点≫
……確か自分の化学の点は400点台だったのですが、大分さっきの守備で点が無くなっていますね。姫路さんの方へいったボールを無茶して捕ろうとしたりしたツケがきましたか。
- 106時間目 雄二と造と腕輪の力〜反則ギリギリごめんなさい〜 ( No.27 )
- 日時: 2015/07/25 21:55
- 名前: 糖分摂取魔 ◆YpycdMy5QU (ID: Thm8JZxN)
「点数が減っている今なら、確実に先輩に勝負できますっ!先輩には悪いですが、ここは抑えさせて貰いますよ!」
自分の点を見てここは勝負と考えたのでしょう、中林さんはそう言って召喚獣にボールを投げてさせます。
『ストライクッ!』
……ふむ、宣言通り勝負してきましたね。今の自分なら簡単にアウトが取れると判断なさったんでしょう。今の自分なら、ね?
続く二球目も真っすぐに投げてきました。……敬遠はなさそうですね。
『ストライク、ツー!』
チラリとゆーさんの方を見ると————すでに準備は良いようです。アイコンタクトで『次に仕掛ける。やっちまいな!』って合図を送ってきました。ほ、ホントに知りませんからね?
「それじゃ……これで終わらせてあげます先輩っ!」
そして中林さんが、三振の為にボールを投げてきます。……先に心の中で謝ります。中林さん、ゴメンなさいです。
『よっしゃっ!造、思いっきり行きな!再設定(リセット)っ!』
『『『…………え?』』』
キィイイイイイイイイイイイン! ポンッ!
≪Eクラス 中林宏美 化学 115点≫
VS
≪Fクラス 月野造 化学 89点 →Fクラス 月野造 化学 422点≫
「んなっ!?な、何で……点が戻って……!?ま、待って!待ってくださ———っ!?」
と、ゆーさんの一言で突如“消費していた点数が最初の点数に戻りました”。急な変化に動揺した中林さんの使役する召喚獣から放られたボールは……まさに絶好球。
キンッ
『ほ、ホームラ———ン!』
【Eクラス VS Fクラス
2 —— 3 】
……甲高い音と共に、打球は青空に消えて行きました。や、やり過ぎでしたかね?ホームへと還り、皆さんが唖然としているベンチへと戻ります。
「よしよし、良くやってくれたな造」
《正真正銘の騙し討ちですし、気が気でないですよ……》
「勝てば正義だ、気にすんな!」
ゆーさんが頭をガシガシと撫でます。全く……本当にゆーさんは奇想天外な作戦を考える人なんですから。
「て、点数が回復した!?雄二、造!何をやったのさ!?」
「そ、そうよ!何がどうなっているワケ!?」
と、そこで皆さんが我に返り、自分とゆーさんに詰め寄ります。うーん、自分が何かしたわけではないのですがね?
《あー……ゆーさん、説明お願いしますね》
「ん?ああ、そうだな……簡単なことだ。俺の腕輪を使ったのさ」
「え?坂本君の腕輪ですか?でも坂本君は化学は400点を超えていないので腕輪は……」
「いや姫路、そっちの腕輪じゃない。明久と造に“白銀の腕輪”があるように……俺には“黒金の腕輪”があるだろ?」
「「「あっ…………」」」
「思い出したか?肝試しの時の賞品の腕輪の事を。ま、能力はまだお前らに見せていなかったがな」
そう言って腕につけていた三年生との肝試し大会の際賞品として贈られた黒金の腕輪を皆さんに見せるゆーさん。中々使わなかった為、皆さん結構お忘れでしたでしょう。ゆーさん自身も使う機会がなかったそうなので仕方がないでしょうが。
「そ、それでその腕輪ってが出来るの?」
「そうだな……この黒金の腕輪の能力は、場の状態を覚え込ませればキーワード一つでその状態を再現させる能力。簡単に言えば場にいる召喚獣の点数の再設定、つまり点数をも回復出来る代物だ。どんなに点が減っていても、戦闘不能にさえならなきゃ元通りの能力ってことだな」
そう、この腕輪のお陰でさっき消費して100点未満に落ちていた点数も、最初の点数の400点台に元通り。お陰で楽にホームランが出来ました。
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77