二次創作小説(紙ほか)

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バカな自分は召喚獣? 〜二学期編〜 お知らせあり>>270
日時: 2016/03/25 21:41
名前: 糖分摂取魔 ◆YpycdMy5QU (ID: 4.tSAP96)

初めましてな方は初めまして。そうでない方はお久です。こちらはバカとテストと召喚獣の二次創作であり以下のスレッド

【バカな自分は召喚獣?〜一学期編〜】及び【バカな自分は召喚獣?〜夏休み編〜】

の続章となっています。読まれていない方はそちらもよろしくお願いします。


暑い夏も乗り切ってやってきました二学期編!夏休みを満喫したいつものメンバーとFクラスの前に立ちふさがったのは……無敵の鉄人による持ち物検査!?

『お願いします、西村先生!僕らにその本を返してください!』
『僕らには———僕らにはその本がどうしても必要なんです!』
『お願いです!僕たちに、保健体育の勉強をさせてください!』
『西村先生、お願いします!』

『『『『お願いします!』』』』

「黙れ。一瞬スポ根ドラマと見紛うほど爽やかにエロ本の返却を懇願するな」

『『『『鬼っ!悪魔っ!!鉄人っ!!!』』』』

毎日バカやる明久たちがそんな教師たちの横暴を黙っているはずもなく。正々堂々鉄人に挑むFクラスだったけど……(正々堂々の意味、今すぐ調べてください皆さん by造)

「ええい!こうなりゃ実力行使だ!僕らの大事な参考書(エロ本)を守るため、命をかけて戦うんだ!」
「ほう?良い度胸だ、かかってこい……シメるついでに夏休みで緩んだ頭のネジをキッチリ締めなおしてやる」

明久たちの必死の抵抗虚しく、鉄人に阻まれ大事なもの(エロ本)を取り上げられるFクラスメンバー。このまま為すすべがないのか?否、まだ手はある……!召喚野球で教師を蹴散らし、取り戻せ僕らの聖典(エロ本)!


体育祭に召喚野球。そしていよいよ試召戦争が解禁となり恋に嫉妬に勉強に、ますます楽しくそして忙しくなる造や明久たち。そんないつものメンバーの非日常的な日常をどうかよろしくお願いします。


———目次———
序章 1〜4章及び各種設定【バカな自分は召喚獣?〜一学期編〜】>>6参照

5〜5.5章及び各種設定  【バカな自分は召喚獣?〜夏休み編〜】>>7参照

6章 体育祭&召喚野球編>>1-117
102時間目>>1-5   103時間目>>8-11  104時間目>>12-16  105時間目>>20-23
106時間目>>24-28  107時間目>>29-32  108時間目>>33-36  109時間目>>37-40
110時間目>>41-44  111時間目>>45-48  112時間目>>49-52  113時間目>>53-56
114時間目>>59-62  115時間目>>63-66  116時間目>>67-70  117時間目>>73-76
118時間目>>80-83  119時間目>>84-87  120時間目>>91-94  121時間目>>98-101
122時間目>>104-107 123時間目>>110-113 124時間目>>114-117
覚えよう野球のルール〜スクイズしてください!〜>>77-79

6.5章 文化の秋・食欲の秋・文月学園の秋編>>120-221
酔いと造と幼児返り!?〜お酒は大人になってから〜
前編>>120-122 中編>>125-127 後編>>130-132

週刊☆文月学園ラジオ放送 特別企画・文化の秋!
前編>>135-136 後編>>137-138

ワシと自分と演劇と〜演目はバカテス童話!?〜
その①>>141-143 その②>>146-148 その③>>149-151 その④>>154-156 その⑤>>157-159
その⑥>>164-166 その⑦>>167-169 その⑧>>170-172 その⑨>>173-175 その⑩>>176-178

召喚実験シリーズ〜自分と本音と暴露大会〜
その①>>179-181 その②>>182-184 その③>>185-187
その④>>188-190 その⑤>>191-193 その⑥>>194-196

寒い日は鍋が一番!〜闇鍋?病み鍋?暗黒鍋デス〜
その①>>197-199 その②>>202-204 その③>>209-211 その④>>214-216 その⑤>>219-221

7章 二学期試召戦争開幕&Fクラスの変編>>224-330
125時間目>>224-226 126時間目>>229-231 127時間目>>234-236 127.5時間目>>241-242
128時間目>>243-245 129時間目>>246-248 130時間目>>251-253 131時間目>>256-258
132時間目>>261-263 133時間目>>264-266 134時間目>>267-269 135時間目>>271-272
136時間目>>273-274 137時間目>>275-277 138時間目>>280-282 139時間目>>283-285
140時間目>>286-288 141時間目>>289-291 142時間目>>292-294 143時間目>>295-297
144時間目>>298-299 145時間目>>300-302 146時間目>>303-305 147時間目>>306-307
148時間目>>308-309 149時間目>>310-311 150時間目>>312-313 151時間目>>314-316
152時間目>>317-318 153時間目>>319-321 154時間目>>322-323 155時間目>>324-326
156時間目>>327-330

7.5章 とあるお休みの一日:同棲生活は命がけ編
召喚実験シリーズ:〜みんなの子どもシミュレーション〜
その①>>334-336 その②>>337-338 その③>>339-341
その④>>342-344 その⑤>>345-347 その⑥>>348-350

文月学園新聞&特別補習:鉄拳先生の情報講座>>353-355

彼と彼女のとある日の出来事
〜明久と瑞希編〜
前編>>356-358 中編>>359-361 後編>>362-365
〜雄二と翔子編〜
前編>>366-368 中編>>369-372 後編>>373-377
〜造と秀吉と優子編〜
前編>>378-380 中編 後編
〜明久と美波編〜
前編 中編 後編
〜造と葵編〜
前編 中編 後編
〜康太と愛子編〜
前編 中編 後編

おいでませ文月学園!久保弟の学校見学
前編 中編 後編

8章 最終決戦!Aクラス対Fクラス試召戦争編

———バカテスト集———
その⑦>>18-19 その⑧>>240 その⑨>>278

———各種設定———
文月学園レポート:腕輪編その①>>17 その②>>279

お知らせ>>270

Re: バカな自分は召喚獣? 〜二学期編〜 ( No.163 )
日時: 2015/10/16 21:14
名前: 糖分摂取魔 ◆YpycdMy5QU (ID: Thm8JZxN)

>モンブラン博士さん
読んでいただき本当にありがとうです。正直話数的にかなり長いものですが、のんびり時間のある時に読んでいただければ嬉しいです。

拙い展開や文章能力、誤字脱字を減らすなど課題も多くありますが、これからも精進していきたいと思っています。バカテスを好きな皆さんに楽しんでいただけるようこれからも頑張っていきますね。

それと情報ありがとうございます。ちょっと興味深いので確認しておきますね。


>ケーさん
モンブラン博士さん同様貴重な情報を教えて頂きありがとうございます。どうやらバカテスOKと言うことですしもう少しちゃんと確認しておきたいと思います。


>ユウさん
お仕事お疲れ様です。こちらこそ感想の返信がかなり遅めで申し訳ありません……

と言うか……す、睡眠時間大事に!?ホントお身体は大事に!こちらはゆっくり時間のある時でいいんですよ!?前にも言いましたがどうかご自愛ください。

さて急遽始まった召喚獣版人形劇。ちなみに元ネタはバカテス童話ですね。はちゃめちゃなお話ですが……頑張れ秀吉、そしてその他!

秀「責任重大じゃな……」
造「頑張ってヒデさん!自分も力いっぱい演技しますね!」
明「その他って……と言うか貰ったこれハバネロじゃないか!?どうしろと!?さらに泣けと!?」
造「ま、まあまあアキさん。これが終われば頂いたお菓子皆で食べましょう♪そのためには———この演劇は絶対成功させませんとね」
明「ついでに誤解も何とか解いておきたいんだけどね……」

それは置いておくとして(明「どういう意味さ!?」)———な、なんかすっごく褒められてますが……寧ろこちらこそ、ですよ。

まだまだ未熟ですし、バカテス好きでただの趣味で書いているわけですので褒められるのはホント恐縮です。読んでくださっている方々がいるからこそ書いているので、感謝しなければならないのは寧ろ自分の方です。

これからも日々努力して皆さんが楽しんでいただけるように頑張ってみたいと思います。ですからどうかこれからもゆっくりのんびりと時間があれば読んでいただければ幸いです。本当にありがとうございます。

番外編:ワシと自分と演劇と〜演目はバカテス童話!?〜その⑥ ( No.164 )
日時: 2015/10/16 21:22
名前: 糖分摂取魔 ◆YpycdMy5QU (ID: Thm8JZxN)

〜舞台暗転:次の場面〜


———舞台:深い森———


【カッコよくなりたい王子さまは、脳みそが欲しいカカシと心が欲しいロボットと共に鬼ヶ島へ向かい、深い深い森の奥を元気に歩きます】

瑞希のナレーションと共に、秀吉の召喚獣:王子と明久の召喚獣:カカシ、そして康太の召喚獣:ロボットが現れる。舞台は先程同様森の中。ただし先ほどよりもかなり暗めな森を演出してある。

「ところでカカシ君にロボット君?この森は一体いつまで続くんだい?」
「さあ、どうだろうね。ボクは生まれてすぐにあのトウモロコシ畑に立てられたからよくわからないよ。ロボットなら知っているんじゃないかい?」
「…………オレもよくは知らん。いつの間にかあそこに捨てられていたからな」

【と、三人がそんなことを言ったその時です。突然森が震えるくらいの恐ろしい吠え声と共に、王子さまたちに向かってくる一つの黒影が現れるではありませんか!】

瑞希のナレーションが終わると同時に、ガサッ!と草むらの影から物凄い剣幕で現れるのは———そう、王子のお供になる予定の最後に一人(?)である雄二の召喚獣だ。

「う、うぉおおおおおお!?ちょ、ちょうどいい!そこの嬢ちゃんに“バカ”なカカシにロボット!スマンが助けてくれねえかっ!?」
「ちょっと待て!何で出会い頭にボクだけ罵倒されるんだよ!?」

【王子さまたちの前に現れたのは、百獣の王と名高い鋭い牙と爪を持つライオンでした。これにはカカシもロボットもビックリして動く事が出来ません。そんな中、王子さまは怖がりつつも勇気を振り絞って剣を構えます】

「で、出たな猛獣めっ!“暴れる百獣の王”とはお前の事だな?成敗してやる!……と言うか、どうして君たちはいちいち僕の事を“嬢ちゃん”って呼ぶんだよぅ!?僕は王子なんだよ!?」
「いや、何の話かわからんが、そんな事よりとにかく助けてくれっ!追われているんだ!どうか匿ってくれ、頼むっ!」
「だからそんな事ってどう言う意味だ———って、あれれ?何だか本当に困っているみたいだね」

【相変わらずみんなから女の子扱いの王子さま。それはこの百獣の王と謳われるライオンも例外では無いようです。一刻も早く自分の事を王子であるとアピールしたいところではありましたが、ここは本当に困った顔をしているライオンを助けてあげる事にしました】

そう言って雄二の召喚獣———ライオンを匿う王子一行。しばらくライオンを物陰に隠す事にする。森には喧騒が(勿論これも学園長たちが効果音を付けてやっているとの事)聞こえるが、しばらくするとその喧騒も遠ざかり追手の気配も消える。追手がいなくなった事に一安心しホッと息をつくライオンに王子たちは話しかける事に。

「……ハァ、行ったか……すまんな嬢ちゃんにその他二人。助かったぜ」
「こらこら!僕は王子だよ。“嬢ちゃん”なんて言わないでくれよ。それにしてもライオン君。それにしても君はどうして追われているんだい?」
「ん?全然そう見えないがお前さん王子なのか。ならすまんな王子よ。それから何で追われていたかだが、実はな———俺はある国の姫に追われているんだ。アレはその追手さ」
「…………姫に追われる?」
「何言ってるんだろうね、この“野蛮でブサイク”な獣は?王子さま。こんなおかしなヤツは無視して先を急ごう。ブサイクが移るよ」
「黙ってろ、脳無しカカシ……ゴホン、まあ少し省略して話すが———」

【そうして自分の事を話し始めるこのライオン。何でもこのライオンはこの近くのお城に住むお姫さまに一目惚れされたらしく、そのお姫さまは日々このライオンにアタックしているそうです。ですがまだまだ自由に遊んでいたいライオンは、このお姫さまのお誘いを断っていつも逃げ回っているとの事】

「「「《……これ、まんま雄二(坂本)(ゆーさん)の事じゃ……》」」」

「ちょっと待てや!どう言う意味だコラ!?」
「いやいや。どう言う意味って……そりゃあ、ねえ?」
「…………霧島と雄二、そのもの」
「そうね。坂本、アンタも少しはあんなにアンタのことを好きな翔子に素直になりなさいよね」
「何で俺は劇の最中に、んなことを言われにゃならんのだ!?」
《あ、あはは……》

瑞希のナレーションに、メンバー全員が舞台裏で雄二をジッと見てそんな事を言い合っていたそうだ。そうそう、これはまたちょっとした余談なのだが———

『えー!ライオン酷いよ!』
『そうだよねーお姫さまかわいそうだよねー』
『ライオンのバカっ!』

『『『(ボソッ)……きっとまだ人生の墓場に行きたくないんだな……遊んでいたいその気持ち……わかる、わかるぞライオンよ……』』』

『『『ちょっと、それってどう言う意味ですかアナタ?』』』

『『『な、何でもありませんっ!?』』』

———このように観客席の小学生はライオンに対して手厳しい発言を飛ばし、その保護者であるお父さん方はライオンへ同情すると同時に、隣に座って何か黒いオーラを出していらっしゃる奥さま方を宥めるという奇妙な光景が見られたとか何とか。

番外編:ワシと自分と演劇と〜演目はバカテス童話!?〜その⑥ ( No.165 )
日時: 2015/10/16 21:19
名前: 糖分摂取魔 ◆YpycdMy5QU (ID: Thm8JZxN)

「(ゴホン)そんなわけで俺はあの姫の追手から逃げ回っていたってわけさ。ところで王子たちはどこへ行くつもりだったんだ?」
「ああ、僕らかい?僕らはね、鬼ヶ島へ行く途中だったんだ。あそこに行けばカッコ良くなれる方法があるかもしれないと聞いてね」
「ボクは脳みそが手に入ると聞いて」
「…………(自重する)心が欲しくて」

【王子さまとカカシとロボットはそれぞれ、自分たちの目的をライオンに話します。するとそのライオンはしばらく考えて———】

「そうか。だったら俺も一緒に行く事にしよう。助けてもらった礼もあるしな」
「おや?いいのかいライオン君。鬼ヶ島に行くって事は、鬼と戦う事になるかもしれないんだよ?」
「別にいいさ。鬼程度じゃ俺の相手にならん。追われるよりもずっといいからな」
「…………百獣の王が仲間なら心強い」
「ふーん?それでそこのライオン。本音は何さ?」
「まあ、俺も欲しいものがあるからな。……俺はな、勇気が欲しい」

「「「勇気を……?」」」

【何でもこのライオンは、別に一目惚れされたお姫さまの事が嫌いと言うわけでもないそうです。……ですが実はライオンは百獣の王と呼ばれるくらい強いのに、お姫さまに告白する勇気は無いというヘタレなライオンだったのです】

これはどう考えても中の人(雄二)に対する最大限の皮肉だろう。ちなみに言うまでもなく、これは学園長が配役を強く推薦したとか。『あの背も態度もデカいバカにはこの役がピッタリだろうさ』との事。

「はっ!まさに雄二の事だよね。いい加減霧島さんに告っちゃえばいいのに無駄にヘタレなところとかさ!」
「どう言う意味だっ!?クソッ……だから何で劇の中までんなこと言われなきゃならねえんだよ」
「雄二が素直じゃないからでしょ、にしてもホントにこの役雄二に合っているよね。見た目は野蛮な猛獣の癖に、中身はとんだヘタレなライオンの役なんてさ!」
「システムにまでバカにされるバカ久よりかは数倍マシだがなっ!」
「うるさいこのヘタレ!さっさと霧島さんと入籍して人生の墓場に逝ってこいや!」
「黙ってろバカが!テメェその藁でできたスカスカな脳をバラされたいのか?ん?」


ガスガスガス! ×2


「…………五十歩百歩」
《お、お二人とも本番中ですし落ち着いて下さい!?》
「こやつらはホントに仲が良いのやら悪いのやら……まあ、これで演技はちゃんとやっておるから文句は言えぬが」
「それにしてもアキも坂本も喧嘩しながらよく召喚獣を演技させられるわよね。ふふっ♪流石アキね」

舞台裏で召喚獣を操りつつも、仲良く喧嘩するバカとヘタレ———もとい明久と雄二の二人。ちゃんと演技をしつつお互いに喧嘩し合うこの二人は何だかんだで仲が良いのかも知れない。

「そ、そう言うわけで俺もその鬼ヶ島へ行こうじゃないか。よろしく頼むぞ王子、それにロボットに“バカで間抜けで脳無しで見るに堪えない”カカシよ」
「ああ、君が来てくれるなら頼もしい限りだよ!よろしくライオン君!」
「…………よろ」
「そうだね!よろしく頼むよ“ヘタレで根性無しの癖に野蛮でブサイクな”ライオン」


ガスガスガス! ×2


ちなみに召喚獣も召喚者に合わせるかのように仲良く喧嘩する。当たり前ではあるが明久と雄二のこの喧嘩や余計な罵倒は脚本には無いのだが、秀吉曰く『客受けは良いようじゃし、好きにやらせればいいじゃろう』だとか。つまりはアドリブでやりたい放題やっているとのこと。

【こうして脳が無いバカなカカシ、自重しないロボット、そして新たにヘタレなライオンを仲間に加えた王子さまは、鬼ヶ島を目指して再び歩き出します。そうそう、ちょっぴりカカシとライオンの仲が悪いようですが、しばらくするととても仲良しな二人になったそうです】

「「ちょっと待った!誰がこんな奴と仲良しなんかになるか!!」」

「…………息ぴったり」
「本当ににカカシ(明久)とライオン(雄二)は仲が良いね〜」

「「仲なんて良くない!!」」


〜舞台暗転:次の場面〜

番外編:ワシと自分と演劇と〜演目はバカテス童話!?〜その⑥ ( No.166 )
日時: 2015/10/16 21:37
名前: 糖分摂取魔 ◆YpycdMy5QU (ID: Thm8JZxN)

【さて、深い深い森を抜けた王子さまたち一行。仲間が増えて楽しい旅にはなりましたが、鬼ヶ島を目指す彼らのその旅は決して楽しいばかりではありません】

次の出番の関係上、瑞希から美波へとナレーションが変わりこのトンデモ物語は新しい章へと移行する。背景もそれに従いまた別の物へと変わっていく。

【彼らの行く手を阻むものはたくさんありました。そう例えば———】


———漫画・ゲームの国———


「新作のゲームソフトだってさ!ねえ皆、ちょっとだけ見ていかないかい?」
「またかこのバカカシ!何度店に立ち寄れば気が済むんだ!?」
「そうだよ!そんなのダメに決まっているじゃないかカカシ君!」
「…………先を急ぐべき」
「えぇ!?そんなぁ……じゃ、じゃあ我慢して、ここは新しい漫画を……」

「「「それもダメだっ!と言うか、全く我慢できてないじゃないか!?」」」

「うぅ……わかったよ。仕方ないなぁ」
「と言うかカカシ。お前はそんなゲームを買える金なんて持ってねえだろ。どうする気だったんだ」
「は?そんなのライオンに払わせるに決まってんじゃん。何わかりきったこと聞いてんの?」
「表出ろ、今すぐ藁くずにしてやっから」

【漫画・ゲームの国ではカカシが娯楽の誘惑についつい惑わされてしまったり、】


———綺麗なお姉さんたちがいっぱいいる国———


「…………(チャキ)」
「こらっ!ロボット君!君は一体何を撮ろうとしているんだ!」
「な、なんて速さなんだ……いつカメラを構えたのかわからなかったよ」
「流れるようにカメラを取り出して、ピンポイントにシャッターチャンスを狙うとはな。その末恐ろしい素早さは賞賛に値する。だが、自重しろエロボット」
「…………ハッ!む、無意識でつい。すまない(パシャパシャ)」

「「「って待て!?言ってる傍から写真を撮るなっ!」」」

「…………すまん」
「全くもう……って待ってそこのお姉さんたち!?110番はしないで!?」
「やめて!?も、もう二度とこのエロボットには写真は撮らせないので、お巡りさんだけは勘弁してくださいっ!?」
「お、おい!?警察(サツ)もう来てんぞ!?ま、待つんだポリス!?悪いのはこのエロボットで———いない!?」
「…………退散」

「「「待てぇ!そこのエロボットっ!?真っ先に逃げるなぁ!?」」」

【綺麗なお姉さんたちがいっぱいいる国では、ロボットが相変わらず自重しなかったり、】


———ライオンを追っているお姫さまの住む国———


「嫌だっ!放せっ!この国だけは絶対に入りたくないっ!捕まったら最後なんだぞ!?」
「で、でもさライオン君。この国を通らなければ鬼ヶ島へは行けないよ?」
「そうだよ。いい加減に覚悟を決めなよヘタレオン」
「…………往生際が悪い」
「知るかっ!いいから放せっ!放せえええええええええええええええ!?」

『…………雄じ———もとい、ライオン。ミツケタ……』

「っ〜〜〜〜〜〜!?は、放せっ!?き、来てる!ヤツが来てるぅ!?」

【ライオンを追っているお姫さまの住む国では、ライオンが必死の抵抗を見せたりと———何か事があるごとに立ち止まってしまう王子さまたち】

この劇の約9割は、実際の明久たちの日常なので相当リアルな劇となっている事は言うまでもないだろう。お陰で観客の全員が楽しそうに笑いながら鑑賞している。まあ、当の本人たちは、釈然としなさそうではあるが。


———舞台:いばらのお城———


【それでも何とか知恵と勇気と優しい心を持って、王子さまたち一行は鬼ヶ島を目指します。そしてとうとうもう少しで鬼ヶ島というところまでやって来ました。最後に王子さまたちを立ち塞がったのは……何と全てがいばらで囲まれたお城でした】

美波のそのナレーションが入ると、今度は茨の城が観客の目の前に映し出される。相変わらず本物そっくりの城に、これまた本物そっくりの茨の臨場感は凄まじく、秀吉たち同様に演劇や芸を披露にやって来た劇団の方々や芸人の方までもが思わず感嘆の声を上げる。

「やっとここまで来れたね。みんな、後もう一息だよ!」
「そうだね王子さま。それにしてもこのお城は一体どうなっているんだろうね?」
「…………いばらだらけ」
「こりゃ通るのに一苦労だな」

【そう言って四人はいばらで囲まれたお城を見上げます。ですがこのお城を通らなければ鬼ヶ島まで行けないので、四人はそれぞれ力を合わせていばらを取り去る事にします】

そうして王子は剣で茨を切り裂き、カカシは持っていた竿で茨を根っこから引き抜き、ロボットは自慢の鉄の腕でそのまま茨の棘を物ともせずに引きちぎり、ライオンは鋭い爪と牙で茨を引き裂く。……明久の装備だけ微妙なのは、お約束と言えばお約束なのだろう。

———まあ、そんな事をしなくても迂回するなりして茨の城を横切ればいいのでは?と思ったら負けである。それはともかく、茨を取り去ると今度は城の内部の背景が浮かび上がり、そして———

【こうして力を合わせていばらを取り去った王子さまたち。そのままお城に入ってみると、そこには……そこには———】

「「「「おぉ……なんて人形のように小さくて愛らしいお姫さま何だろう!」」」」

《(ぐぅ……誰が小さい姫ですかっ!?てか、可愛いって言われても嬉しくないですよ!?)す、スヤスヤ〜……》

【———そこにはまるで天使が舞い降りたのではないかと錯覚してしまうほどに可愛らしい、小さな小さなとても小さな一人のお姫さまがスヤスヤと眠っていました】

《(可愛い可愛いって言われてもだから嬉しくないんですってば!?てか小さいを何で3回も言うんですかっ!?)す、スヤスヤ……うぅ……》

物語もようやく後半を迎えて本人にとっては最大限の鬱要素満載の前口上と共に、ここでようやく眠れる小さな可愛いお姫さま———造の登場である。

さてさて、今のところ無事に劇は進む中、ある意味一番の適役を任されている造はどんな活躍(?)を魅せ、そしてこの物語はどんな展開を見せるのか。答えはこの脚本を仕上げた秀吉にも、そしてシステムを動かす学園長でさえもわからない。






《… … … んー やっぱり サプライズ あった方が オモシロイ かなー?》

…………そして極めつけは、何やら不穏当な発言をする誰かさん。本当に無事に幕は下りるのやら?

番外編:ワシと自分と演劇と〜演目はバカテス童話!?〜その⑦ ( No.167 )
日時: 2015/10/23 21:06
名前: 糖分摂取魔 ◆YpycdMy5QU (ID: Thm8JZxN)

———舞台:いばらのお城———


【それぞれ望んでいるものを手に入れる為に鬼ヶ島まで向かう王子さまたちは、いばらに囲まれたお城でそれはそれは可愛らしい寝顔で眠っている小さな小さなお姫さまと出会います】

《すー……すー……》

「「「「おぉ……なんて人形のように小さくて愛らしいお姫さま何だろう!」」」」

【この眠り姫の可愛らしさに一目で惚れてしまいそんな事を言う四人。カカシやロボットやライオン、そして王子さままでもがまるで中の人のようにハァハァと息を荒くしてそんな事を言う始末です】

「「「「《(……中の人って……?)》」」」」

造はともかく中に人などいないのだが……それは置いておくとして、舞台はいばらの城の中の部屋。その部屋の中央に大きなフカフカのベットの上で、綺麗なドレスを身に纏いスヤスヤと眠る姫———もとい今回のキーキャラクターである造の姿が。確かに見た目はかなり可愛らしいようで観客の反応も上々のようだ。

『お姫さまカワイイ!王子さまと同じくらい!』
『ホントだ!お姫さまキレーでかわいいー♪』
『……ペットにしたい』
『あれれ?あれって召喚獣のお姉ちゃんですよね……?……うーん、この前は“自分は男ですからね?”って言ってましたけど———やっぱりお姉ちゃんで合ってたんですね!』

『『『…………(ボソッ)ホント、可愛いな……』』』

『『『ふふっ♪ええ、ホントに可愛いですね。ですが……アナタ?今日帰ったら少しお話があります』』』

『『『何でもございませんです、はいっ!?』』』

……と言うより———造が登場した事に観客の反応が上々過ぎて、ちょっとばかり観客席が荒れた(?)と言った方が正しいのかもしれない。この観客たちに演じている造と秀吉が男であると話をしたとして、一体何人に信じて貰えるのやら?まあそれはさておき、演劇に戻る事にしよう。

【さて、そんな可愛らしいお姫さまですが……このお姫さまは王子さまたちの呼びかけにもちっとも気づかずにぐっすりと眠っています】

「このお姫さま、全然起きないね。大丈夫なのかな?」
「うーん、どうだろう?……病気じゃないよね?」
「いや、一応息はしているし単に眠っているだけなんじゃねえのか?」
「…………調べてみる?(カシャカシャ)」

「「「とりあえず、カメラを置いてから喋ろうかエロボット」」」

「…………すまん」

【お姫さまを案じた四人は何とか起こそうとしますが、カカシが藁でくすぐっても———】


こちょこちょこちょ ←明久もといカカシが造をくすぐる音


《(く、くすぐったいっ……で、でも我慢ガマン……っ!)》

【ロボットがお姫さまを一生懸命揺すっても———】


ガクンガクンガクン ←康太もといロボットが造を揺する音


《(あわわわわ……こ、こーさん揺すり過ぎです、目が回る……頭揺れる……)》

【ライオンが耳元で力強く吠えても———】


ウゥオオオオオオン ←雄二もといライオンの造の耳元で発する遠吠え


《(耳が、耳がああああああああああ!?)》

……おわかりであるとは思うが、舞台の上で眠っているだけに見える造も実はあの舞台の中では一番に頑張って演技をしていた。何しろ本人が召喚獣になっている為それはそれは色んな意味でボロボロである。つまり———

明久のくすぐりも康太の揺さぶりも、そして雄二の遠吠えもダメージが直接本人に来るためそれはもう散々なわけで。それでも顔に出さずに“眠っている演技”をしつつ、必死で耐えているところは見事と言えば見事であるだろうが。

【それでもやっぱりお姫さまは全く動じずに、安らかな寝顔でぐっすりと眠っています。鬼ヶ島を目の前にして眠り姫を起こす方法が見つからず、王子さまたちは困り果ててしまいました】

「ダメだ……全然起きないね」
「…………オレたちじゃ力不足」
「こりゃ普通の方法じゃ無理そうだな。どうすんだ王子?」
「うーん……困ったね。このお姫さまが眠っている理由が分かれば起こす方法も分かるかもしれないんだけどなぁ……」

と、腕を組んで考え込む王子。するとどうした事か観客席のとある小学生が王子である秀吉の召喚獣に向かって、

『えー!ここはやっぱり王子さまのキスでしょ!』

「「「「《…………は?》」」」」


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