二次創作小説(紙ほか)
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- 薄桜鬼×緋色の欠片
- 日時: 2012/09/26 13:48
- 名前: さくら (ID: cPNADBfY)
はい。
初めましてな方もそいうでない方もこんにちは。
またさくらが何か始めたで。と思っている方もいると思いますが
薄桜鬼、緋色の欠片好きの方には読んで頂きたいです
二つの有名な乙女ゲームですね
遊び感覚で書いていくので「なんやねん、これ」な心構えで読んでもらえると嬉しいです←ここ重要
二つの時代がコラボする感じです
あたたかい目で見守ってやって下さい
それではのんびり屋のさくらがお送りします^^
- Re: 薄桜鬼×緋色の欠片 ( No.140 )
- 日時: 2013/08/08 21:13
- 名前: さくら (ID: lDRmYQrD)
静かな昼下がり。今日は風も強く、部屋の中まで冷え込むようだった。
珠紀は拓磨の傍に腰を下ろし、その寝顔を見つめる。
「…拓磨…たった一夜で大変なことになったんだよ…」
硬く瞼を閉ざした拓磨は起きる気配はない。それでも珠紀は言葉を続けた。
「皆バラバラになっちゃう…心が離れていってるの…」
珠紀は布団から拓磨の手を取り、そっと握る。大きくて骨ばった手を両手で包んで珠紀はぽつりと呟いた。
「拓磨…拓磨はどうしてあの夜あの倉に行ったの?どうして一人であの倉に行ったの…?」
その問いに答えるわけもなく、拓磨は深い眠りについている。
珠紀はそれでも言わずにはいられなかった。
「…拓磨、私怖いよ…真弘先輩や祐一先輩の心がどこか遠いところにあるの…お願い。拓磨。私に力を頂戴…」
拓磨の手を頬に持ってくると、珠紀はきゅっと瞳を閉じた。その掌の温もりを感じて、珠紀はしばらく動かない。
「…それでも私の答えは変わらない……」
名残惜しそうに拓磨の手を離すと珠紀は目覚める気配のない彼を一度見て、すっと立ち上がる。
珠紀は障子を静かに閉めて、部屋を出る。すっと顔を上げて珠紀は前を見据えた。
その強い意志を瞳に宿して、珠紀は祐一と真弘のいる部屋に向かった。
松本の館は診療所も兼ねている。故に部屋の数は限られている。祐一と真弘が同室と聞いていた珠紀はそちらに足を運んだ。
「先輩」
「珠紀か?どうした?」
部屋の前で立ち止まり、声をかけると返事が返ってきた。珠紀はそっと障子を開けると二人を見つめる。
「どうした、そんな顔して…」
「突っ立ってないで、障子閉めろよ。寒いだろうが」
珠紀は障子を閉めると二人の前に正座した。真剣な面持ちの珠紀に二人は目を瞬く。
「先輩たちに話があるんです」
「何だよ、改まって…」
祐一と真弘は互いに顔を見合わせる。いきなり何だというのだ。目の前に正座する珠紀に、二人は言葉の先を促す。
「先輩達も一緒に新撰組に戻ってほしいんです」
はっきりと言い放った珠紀に、顔を顰めたのは真弘だった。
「だから、その話はさっき…」
「先輩は弱虫です」
「はぁ?」
言い募ろうとした真弘の言葉を遮って珠紀は自分と同じ目線の先輩を見つめる。
「そんなにその羅刹が怖いんですか?そんなに新撰組に罵られたことが嫌だったんですか?」
「おい、珠紀———」
「私、尻尾巻いて逃げる先輩なんて見たくありません。そりゃちょっとは私も怖いですけど、あの場所に近づかなければいい話だし、それに新撰組の人たちだって…」
「いい加減にしろよ、珠紀」
低い語調で今度は真弘が珠紀の言葉を遮った。怒りを抑えたような震えた声で真弘は続ける。
「俺は羅刹やあいつらが怖いんじゃねぇ。あいつらが信用できねぇって言ってんだ。お前は知らねぇかもしれねぇが、あいつらは…」
「先輩、悔しくないんですか?」
「は?」
突然珠紀は顔を曇らせる。祐一は黙って話の展開を待つ。
「先輩達が聞いた破裂音…それを聞いて駆けつけた倉に拓磨はいた…それと錠前。先輩達が北の倉に着いたときには錠前はしっかりかかっていた。なのに拓磨がいた倉に入ったあと、錠前は破壊されていた…これは典薬寮の仕業です。彼らは新撰組に入り込み、先輩達を陥れたんですよ?先輩達が新撰組から孤立させるためだったら…?もしそうなら先輩達が屯所を離れてしまったらそれこそ彼らの思うつぼです」
珠紀はずっと考えていたことを口にした。確証はない。どこまで事実かはわからないが、典薬寮はこの時代にも存在する。彼らとて馬鹿ではない。きっと珠紀達の存在に気づいて忍び寄ってきているのだ。
珠紀の話に二人は押し黙った。それは以前から危惧していたことだ。だが珠紀に指摘されて気が付いたことがある。
「…俺達が狙いか…」
祐一は呟いて考えを整理する。もし彼らの狙いが珠紀と守護者を引き裂くためだったとしたら。
真弘はそれでも顔色を変えない。
「…俺は反対だ。屯所には戻らねぇ。お前も一緒に屯所を離れりゃ典薬寮も手を出さねぇだろうし、羅刹の危険もない。お前が言ってんのは新撰組に残ったら、の話だろ」
「だが、もし典薬寮が屯所内にいるとすれば…俺達はあそこを離れるべきではないのかも知れない…」
「祐一先輩…」
腕を組んで考え込む祐一は珠紀を見つめた。
「典薬寮の狙いが俺達なのか、珠紀なのか、それとも新撰組…奴らの狙いが何なのか、わかるまではあそこを離れるのは得策じゃない…なるべく人の目は多い方がいいだろう。今回のように夜半に奇襲をかけてくることも考えられる。屯所の人間の目がある限り奴らもおいそれと手を出せないだろう」
祐一の言葉に珠紀は大きく頷く。人の目がある限り、典薬寮は無茶をしないはずだ。彼らは協定を謳っている。それを表面では強調し、決して人目のないところでことを実行する。新撰組にいればおいそれとは手を出さないだろう。
「真弘。ここは考え直してひとまず屯所に戻ったらどうだ。典薬寮について調べなければ…」
「……」
真弘はそのまま押し黙ってしまった。珠紀は目を細めて真弘を見つめる。
「…先輩…先輩はたくさんのことを考えて…私達の分まで怒ってくれているのはわかります…先輩は人一倍優しいから…でも、ここで私は逃げたくないんです…先輩…」
それでもなお黙り続ける真弘に、珠紀は心が折れそうになる。やはり時間が必要なのだろうか。そう諦めようとしたときだ。ちゃんと閉めたはずの障子が突然開いた。
「らしくない顔してますね、真弘先輩」
ひゅっと冷気とともに現れた人物に三人は驚いた。珠紀が一番驚いている。その人物を振り返って珠紀は泣きそうになった。
「拓磨…っ!!」
「いってて…ったく…お前が俺の枕元でぐずってたから目が覚めただろ」
立っているのもつらいのか、拓磨は障子に寄りかかって駆け寄る珠紀の頭を撫でる。
「と、とにかく座ろう、拓磨」
拓磨に肩を貸して珠紀は彼を座らせる。本当は背もたれがある座椅子があればいいのだが、そんなものはない。珠紀は拓磨の背に腕を回したまま、彼の顔色を見る。だいぶ良くなったが、すぐに起き上がるのは傷に障る。体重を預けてくる拓磨を見つめた。
「俺も珠紀の意見に賛成っすよ。新撰組には残るべきだ」
「拓磨。あの夜どうしてあの倉に近づいたんだ。お前一人宴会に出なかったのは何でだ」
真弘はずっと聞きたかったというように早急に訪ねた。
その問いに拓磨はふっと笑う。その笑みは意地悪い、というか何かを企んでいる笑いだった。
「それは、今から話しますよ…」
- Re: 薄桜鬼×緋色の欠片 ( No.141 )
- 日時: 2013/08/09 18:08
- 名前: アゲハ (ID: db3Hcctt)
旧の方で見て、こっちに来ました!
これからも、がんばってください^^
- Re: 薄桜鬼×緋色の欠片 ( No.142 )
- 日時: 2013/08/09 18:24
- 名前: 糸杉 (ID: foi8YFR4)
返事遅れてしまい、申し訳ありません(汗)
えぇ!?
考えてくださるのですか!?
嬉しいです!
これからも頑張って下さい(^-^ゞ
- Re: 薄桜鬼×緋色の欠片 ( No.143 )
- 日時: 2013/08/15 17:10
- 名前: せな (ID: GXT1iSs/)
旧からこちらに来ました!!(*^o^*)
最初新しいのをどうやって探せば良いのか分からなくて焦りました…(笑)
無事に見つけられて良かったです!!!
そして拓磨の目が覚めて本当に良かったです…!!
これからも応援してます!
- Re: 薄桜鬼×緋色の欠片 ( No.144 )
- 日時: 2013/08/17 11:36
- 名前: さくら (ID: 08WtmM2w)
アゲハさん
引越しいたしました^^
これからもこちらでよろしくお願いします
糸杉さん
はい
伊吹ならちょろっとだけどこかに出せる気がします!
それがいつになるかは作者も断言できませんが…
頑張ります!
せなさん
いつもありがとうございます
最近忙しくて更新できませんでした
無事に見つけて頂いて良かったです^^
これからもよろしくお願いします
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