二次創作小説(紙ほか)

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

薄桜鬼×緋色の欠片
日時: 2012/09/26 13:48
名前: さくら (ID: cPNADBfY)



はい。
初めましてな方もそいうでない方もこんにちは。
またさくらが何か始めたで。と思っている方もいると思いますが
薄桜鬼、緋色の欠片好きの方には読んで頂きたいです


二つの有名な乙女ゲームですね
遊び感覚で書いていくので「なんやねん、これ」な心構えで読んでもらえると嬉しいです←ここ重要


二つの時代がコラボする感じです
あたたかい目で見守ってやって下さい

それではのんびり屋のさくらがお送りします^^

Re: 薄桜鬼×緋色の欠片 ( No.54 )
日時: 2013/03/15 20:14
名前: さくら (ID: MmCaxbRG)

「何ですか、その格好は」

主を出迎えた天霧は目を細めた。
外はどしゃ降りの雨だ。多少の小雨ならば傘は必要ないかもしれないが、この豪雨のなかを傘なしで出歩こうとは考えない。ずぶ濡れになった主に胡乱気な視線を送る。
外から帰ってきた風間は説明するのも面倒だと言わんばかりに天霧を睨んだ。

「向こうを出るときは雨が降っていなかったのだ」
「どこへ行かれたのかは聞きませんが、あまりふらふらと外出なさらないで下さい」
「俺がどこへ行こうと俺の勝手だ」

風間は天霧の小言を半ば無視して玄関を上がる。

「お待ちを。その体で部屋に上がらないで下さい。風呂が丁度沸いています。風邪を引く前にそちらで体を温めて下さい」

風間を引き止める天霧を一瞬睨んでから、舌打ちをして踵を返す。

「鬼は風邪な引かん。お前もそうだろう」
「体が冷え切っていることは事実でしょう」

風呂場に着くと風間の羽織を脱がしてやる。水を含んだ着物は肌に張り付いて脱ぎづらい。
風間の着物を回収して洗濯桶に持っていこうとしたとき、微かだが血の臭いを着物から臭った。風呂に入った主の背を振り返って目を細める。

「またあの方は…」

ぼやきながら主の着物を片付けに行く。
風呂から上がれば食事か酒を所望するに違いない。天霧は厨に立ちその準備にとりかかる。
簡単な軽食と酒を温め熱燗を用意した。丁度良く風呂から上がった風間が居間に現れる。

「酒だ、天霧」
「ここに」

桶に湯を張って温めていた酒を風間の膳に置いてやる。杯にそれを注いで一気に呷った風間はふっと息をついた。

「今日は誰を斬ったのですか」
「…何のことだ」

風間は用意されているつまみを口に運びながら知らん顔をした。

「着物から血の臭いがしました。また貴方は…無駄な殺生は控えて下さいとあれほど…」
「無駄ではない。絡んできた浪士に灸を添えただけだ」
「全く…」

あっけらかんと言いのける風間に天霧は呆れ返った。誰彼構わず見境がないことには少し考え直してもらいたいものだ。だが、風間にそんなことをいくら説いても理解しないだろう。相手が誰であろうと牙を剥かれれば刀を抜く。それが風間の性分だ。

「そんな話はどうでもいい。例の話はどうなった」
「は。不知火達は無事にあちらに到着した模様です」
「それで?」
「そこから先のことはまだ報告を受けていませんので…」

酒を口に含んで風間は目を細める。

「確か封具とやらを破壊して、あれを開放するという算段だったな。あの男の話が本当であれば、だが」
「今は彼を信じてみましょう。不知火もついています」
「ふん…不知火もどこまで信用できるかは定かではないがな…」

風間は鼻で一笑すると立ち上がって目の前の障子を開けた。客間になるその部屋の奥に設置された刀掛まで足を進める。そして鞘に収まる一振りに手を伸ばした。

「…何だ」

刀が波打っている。否、鼓動を刻むように動いている。手にした瞬間から僅かながら禍々しい気が這い上がってくるようだった。

「風間?」
「ふっ…枷がひとつ外れたようだ」

刀の柄を掴み、抜刀しようと試みるがやはりびくともしない。まだ封印が完全に解けていないようだ。
一振りを刀掛に戻す。

「おもしろい…俺に相応しい刀のようだ…」

外は桶の水をひっくり返したようにどじゃ降りだ。おまけと言わんばかりに暗雲を切り裂くように雷鳴が轟く。雷光は世界を白光させ瞬時に轟音を響かせる。
風間は視線を外に投じた。開け放たれた障子の向こうには群雲と山が連なっている。

「さて…では俺は気長に待つとしよう…狗谷よ…」





紅葉の時期は過ぎ、木々に色づいていた木の葉が雨のように降っている。仰げば青空が見えた。森のなかにぽっかりと開いた空間に二人はいた。

「ったく…風間の野郎、俺は暇じゃねぇんだぞ」

不知火は毒づきながら目の前にそびえる大樹を見上げた。
後から歩いて来た遼も同じく顔を上げる。
神聖な空気は森と一体となり、荘厳に聳え立つ大樹は接近を拒んでいるかのようにも見える。

「これが封具ってやつか?」
「あぁ。正確にはあの大樹のなかに封具がある」
「なるほど。じゃぁそれを奪っちまえばいんだなっ」

不知火は腰に提げていた銃を抜くと大樹に向けて発砲した。
轟音が森に木霊する。大樹を見つめる不知火は舌打ちした。

「物理的な攻撃は効かないようになっている」

見れば銃弾は大樹の根に転がっていた。驚いたのは大樹に傷すらついていないことだ。まるで何かの膜に守られているようにも見えた。
遼はその大樹に歩み寄った。ざわざわと森が騒ぐ。
大樹にそっと触れるとばりばりと火花を散らした。遼は構わず樹皮に手を押し当ててゆっくりと進入していく。遼の腕を拒むかのように閃光が走り、火花を散らすが構わず進入していくとその反応もなくなった。

「何だ?」

何かが消えたような。目に見得ない膜が崩れていくようだった。
遼は大樹からそっと腕を抜いた。その手には腕輪があった。

「それが封具ってやつか?そんなもんには見えねぇな」
「五つのうちのまだ一つ目に過ぎん。次に行くぞ」

遼の冷たい態度に若干苛立ちを覚えながらも不知火は気を取り直した。
大嫌いな風間の命を受けたときは声を上げた。何せこんな辺鄙な場所まで行って封印具を破壊しろと言うのだ。
話が全然読めなかった不知火はさらに驚く。目の前を歩く青年とともに行けというのだ。

「ったく、久しぶりに呼ばれて行けばろくでもないこと言いつけやがる…」

不知火は嘆息してとりあえず足を進める。
同族としてときに組むことはあるが、それは利潤が一致したときだけに限る。それ以外は身を置く藩も違うため、会うことは少ない。

「これじゃただの使い走りじゃねぇか」
「しっ」

ぼやく不知火に足を止めて遼は囁いた。何かを感じ取っているようで遼は微動だにしない。
聞こえるのは森の梢と風の音。見えるのは雨のように降る落ち葉。二人以外誰もいない。

「おい、何だ———」
「封具を返して貰おうか」

後ろを振り返れば紅葉に負けないほどの髪をした青年だった。白い羽織をはためかせ二人を鋭い眼光で睨み据える。

「あ?てめぇどっから来やがった」
「それはこちらの台詞。よくも封具を…っ」

青年は一瞬身を屈めると地を蹴った。空高く跳躍すると遼目掛けて拳を握る。遼はあっさりとそれをかわして後退した。

「それが何かわかっているのか。黙ってそれを返せ!」
「どうかな。俺から力ずくで奪ってみろよ」
「後悔させてやるっ…!!」

青年は片腕を天に向けると、爪が黒く尖り腕の皮膚は変色し硬い手甲のように変貌した。
目は黄色に変わり、遼を睨む。

「お前、鬼か」
「何、鬼!?」

不知火は目を剥いた。自分たち以外に同族がいたなど聞いたことがなかったからだ。ひっそりと暮らしてきた鬼か。だが、不知火はその考えを否定した。
その青年からは風間とはまた違う威厳と格式を感じたからだ。神々しいというのが不知火の感じた気配だ。
自分たちとは違う。古き鬼。

「冥府に逝く前にそれを返せっ!!!」

青年は瞬時に遼と間合いを詰めて拳を振る。遼は繰り出される拳をかわしていると、木の根に足を取られた。隙を見出した青年は腕を振り上げ力を込めて一発見舞った。

「っ…だから鬼は嫌いだ…!」
「お前っ…」

青年は目を見張った。
青年の一撃を両腕で受け止めた遼は顔を顰めた。爪が鋭く伸び、目は黄金色に変わる。
遼の姿に驚愕する青年は首を振った。

「違う…犬戒家は最近跡継ぎが生まれたばかりだ…守護者であるはずがない…だが、お前は…お前から犬の気配がする…」
「ふん…俺のご先祖はまだ継いでいないのか…俺は狗谷遼。先の世から来た」

Re: 薄桜鬼×緋色の欠片 ( No.55 )
日時: 2013/03/15 20:20
名前: さくら (ID: MmCaxbRG)

「先の世、だと…?」

青年———拓魅は眉を顰めた。目の前に立つ遼を呆然と見つめる。

「もしや…璞玉が呼んだというのか…?」
「何ごちゃごちゃ言ってやがる!相手は一人じゃねぇんだぜっ」

銃声が森のなかに木霊する。拓魅は不知火の殺気に気付いて変貌した片腕で銃弾を振り払った。

「ちっ…何で効かねぇんだよ。だが———」

不知火はもう一丁腰に提げていた銃を持ち、両手に銃を構えた。
そして片手の銃は剛腕に見舞い、もう片方の銃は拓魅の足を狙う。

「っ…!!」

腕目掛けて先に発砲された銃弾に気を取られて、同時に狙われた足に遅れを取ってしまった。銃弾は拓魅の足首あたりをかすり、その間に不知火と遼は森の奥へと身を翻す。

「おい、あいつは一体何なんだ!何でいきなり襲ってきやがる!」
「あいつはこの封具と鬼斬丸を代々守ってきた守護者だ。封具を奪おうものなら必ず妨害してくるだろうな」

不知火と遼は森を駆け抜けながら、次の封印域を目指す。
他人事のように言う遼の口ぶりに不知火は苛立ちを覚えた。

「はぁ!?そんな話聞いてねぇぞっ」
「言っていないからな」
「このっ…!まぁいい…とにかくさっさと終わらせて帰るぞっ」

何も話を聞かされていない不知火は苛立ちが積もる。
風間からは遼とともに行動しろと言われただけで、行動内容や意向など全く聞かされていない。否、聞こうとしなかった自分にも責任があるのだろうが、あまりにも無口な遼と話すなど気疲れがしてそんな気にもなれなかったのだ。

「その守護者とやらはまだ出てくるのか?」
「この時代にどの守護者がいるかなど俺が知るか」

やはり馬が合わない。不知火は確信した。遼とは気性も性格も違う。まず遼のこの態度が気に食わない不知火は銃口を今にも向けてしまいそうになる。
しばらく鬱蒼と生い茂る森を抜けていると不穏な気配を感じて遼は足を止めた。不知火もそれにならって足を止める。
そして周囲に視線を散らして舌打ちした。

「今度は何だ」
「囲まれたか…面倒くせぇ」

不知火も周囲を見渡して、目を細めた。まだ夕刻ではないというのに森が急に暗くなる。ざわざわと何か禍々しいものが近づいて来た。

「おい、今度はどうしたんだ」
「封印を解いたから妖やカミが騒ぎ始めたんだ…いちいち説明させるなよ」
「妖だぁ!?ここは一体何だってんだ!!」

じわじわと二人を囲んで近寄ってくる。よく見れば薄汚いなりをした翁のようなものや、子供の背丈ほどのトカゲが牙を剥いてにじり寄ってきた。

「相手にしていたらキリがない。突っ走るぞ」
「あ?おい———」

遼は地を蹴って妖たちを乗り越えるとそのまま森を突っ切る。その後を不知火も追いかけた。

「ったく、何なんだあいつは…」

自分達のような種族ではないことは確かだが、飛びぬけた瞬発力、洞察力に加え臭覚も備わっているように見えた。
人の血に何かが混じっている。否、混じっているようでそうでないような———不知火は考えることをそこで止めた。遼を追いかけているとまた開けた場所に出た。

「どうした、次の封印域に着いたのか———」

問いかけても遼は前を向いたまま黙っている。不知火は不審に思いながら遼の視線の先を追った。
森の中にぽっかりと開けたその場所は広かった。その中心に小さな社を発見する。あれが次の封具か。と不知火が思ったときに、その社の背後から小さな人影を見止めた。

「よくも森の中を暴れ回って下さいましたね。先日鬼斬丸を奪って行かれた鬼ですか?」

小さな影は白い長着に朱袴を着た少女だった。少女は二人の前に立ちふさがり、まるで後ろの社を守っているようにも見える。

「違うが、それと似たようなものだ」
「鬼斬丸を封じる封印具を知っている方がよもやそちら側にいらっしゃるとは思いませんでした。封具を奪われていないからと油断していましたね」

少女は幼い外見からはかけ離れた大人の口調で淡々と語る。少女の言葉が遼に向けられているとわかった不知火は黙って成り行きを見守ることにした。

「犬戒の者よ。私はどうやら貴方までここに呼んでしまったようですね」
「やっぱり…お前がここに呼んだのか…玉依姫…っ!」

少女は遼の問いに答える代わりににっこりと微笑んだ。

「正確にはそちらの時代の玉依姫だけをお呼びしたつもりだったのですが…どうやら手違いがあったようですわね」

二人の会話に全くついていけない不知火は首を傾げることしかできない。

「では尚のこと。守護者である貴方がどうして封具を狙うのですか?そんなことをすればどうなるかくらい貴方は知っているはずではありませんか?」

少女の問いに遼は答えない。黙したまま少女を睨み据える。

「気でも触れたか…愚かな」

先ほどの青年、拓魅が森から姿を現した。そのまま少女、璞玉の傍に駆け寄る。

「鬼斬丸はこの世に災いしか呼びません。封具をどうしても奪うというのなら私がお相手いたしましょう」

璞玉は両手を広げる。すると少女の体から黄金の光が溢れ、火の玉のように彼女の周りを回り、徐々にその光の玉は大きく弧を描きながら宙にたゆたう。その光の数は徐々に増え、彼女の背後の空に黄金に光る魔法陣のようなものができあがった。

「容赦はしません。大人しく封具をお返しなさい」

璞玉が手を遼に向けて振ると陣円から無数の雷鳴が発生し、遼目掛けて閃光を散らした。
遼は瞬時に跳躍してそれをかわし、璞玉目掛けて間合いを詰める。爪を立て璞玉に掴みかかろうとした遼だったが、彼女が目配せしただけで魔法陣から光が溢れ遼の前に防壁を作り出した。
光の防壁に弾き返された遼は歯噛みした。

「守護者である貴方が玉依姫に逆らえるはずがありません。守護者とは本来玉依の力を借りてこそ力を発揮できるもの。今の貴方では私に勝つことなど到底できません。さぁ、封具を返しなさい」
「だったら俺はどうだっ!!」

不知火が高く飛び上がり璞玉に発砲した。だがそれもまた陣円が作り出す防壁に阻まれる。

「ちっ…またか…」
「鬼よ。貴方もあの鬼の仲間ですか?」

拓魅が素早く駆けて不知火に殴りかかる。顔面に拓魅の拳を受けた不知火はもんどりうって地面に転がった。身を起こして不知火は驚愕する。

「何だ今の馬鹿強い力は…何だその格好は…」

拓魅の姿に不知火は我知らず笑みがこぼれた。玉依の力を受けて拓魅は額から角を生やし、体には模様を浮かびあがらせ、黄金の瞳で不知火を悠然と睨んでいる。

「お前も鬼のようだが、銃を撃つだけしか能がないのか」

拓魅の言葉にぴくりと眉を動かし、不知火はゆらりと立ち上がった。

「あぁん?人間の血が混ざったお前が…俺を馬鹿にすんのか」

不知火は銃を両手に構え焦点を目の前の拓魅に絞る。そして二丁が一斉に火を噴いた。
拓魅は弾道と不知火の目線を見極めて全てをかわす。だが、不知火も素早く身をこなす拓魅の動きを先読みして打ち放った。

「っち…」

両銃が弾切れになった不知火のその隙を突いた。拓魅の拳が不知火の胴に命中する。続けざまに背を屈める不知火に後頭部を両手で拳をつくって地面に叩き落した。

「かっ…!!」

地面に伏した不知火はぴくりとも動かない。それを眼下に見て拓魅は背を向けて璞玉の元に戻ろうとした。

「甘いな…」

ゆらりと立ち上がった不知火は銃を装てんする。

「無理はよせ。俺の拳をまともにくらったんだ。そう簡単に———」
「舐めんじゃねぇぞ、くそが———っ!!」

ゆらりと体を揺らしたかと思うと不知火の姿が消えた。拓魅が次に瞬いたときには眼前まで不知火の銃口が迫っていた。

「っ!?」
「純潔の血とお前とじゃ格が違うんだよ———」

一発の銃声が奥深い森に響いた。

Re: 薄桜鬼×緋色の欠片 ( No.56 )
日時: 2013/03/15 19:01
名前: 通りすがり (ID: 4qcwcNq5)

あの・・・気を悪くしてしまったらすみません(汗)
遼の名前は『狗谷遼』ですが、これは養子に出された際の名前なので実際は違うと思います
遼の本当の血筋は『犬戒』なので『狗の気配』はおかしいんじゃないでしょうか(汗)

こんなふうに今回否定(?)みたいに言ってしまいましたが、さくら様のこのお話は大好きです!!!
嘘偽りなく!!!
なので本当に気分を害されてしまったら本当に御免なさい(汗)

投身自殺して来ます!!!!!!!!

Re: 薄桜鬼×緋色の欠片 ( No.57 )
日時: 2013/03/15 20:30
名前: さくら (ID: Uj9lR0Ik)

…はっ!
そうだ った…←

はじめまして^^
読んで頂き有難うございます

とんでもないです
貴重なご意見有難うございます
さくらはこのまま恥をかくところでした汗

そうでしたね…狗谷は養子に出ていたんでした…
確か慎司君と家をトレードして…あぁ、話がややこしかったことを覚えています
そうだ。慎司句君が犬戒って名乗ってるけど本当は言蔵家で
遼が犬戒家だけど狗谷に引き取られて…
ややこしー!!
言い訳がましいですが緋色の欠片をプレイしたのがだいぶ、だいぶ前だったのでうろ覚えでした…そんなんで小説書くなよって感じですよね
勉強不足です汗

貴重なご指導ありがとうございました
他にも気づいたこと、感想がありましたら気軽にコメントしてください
さくら自身、あとで読み返して「あ、間違えてる」な部分がいくつかありますが、あえて修正していません笑
ご愛嬌として受け取ってください←

こんなだだくさなさくらですが、どうぞ温かい目で読んでやって下さい
投身自殺などされなくても大丈夫ですよー笑
むしろ私がしてきます!!

Re: 薄桜鬼×緋色の欠片 ( No.58 )
日時: 2013/03/20 19:47
名前: さくら (ID: MmCaxbRG)

「…何のつもりだ…」
「分が悪いことがわからないのか」

銃が火を噴くより速く、遼は二人の間に割って入ると不知火の腕を掴んでいた。そのおかげで銃口は空を向き、拓魅の頭に風穴が開くこと回避される。
不知火はその腕を振り払うと再度銃口を拓魅に向けた。

「分が悪い?それはお前が決めることじゃねぇ!勝負はまだ着いてねぇんだ…」
「その者の言うとおりだ。己の力量もわからぬとは愚かな…」
「あぁん?まずはその憎たらしい口をきけなくしてやろうか」
「おやめなさい」

ばりばりと閃光が地を走り、拓魅と不知火の間を切り裂く。振り返れば魔法陣を背に、整った愛らしい顔を歪めた璞玉が憤然と立っていた。

「ちっ…邪魔する気か」
「邪魔?邪魔はどちらのことでしょう?この地を荒らし、封具を奪い…それ以上我が守護者に手を出すのならば、私が許しません」
「ふぅん、いいじゃねぇか。先にお前から殺してやってもいいんだぜ?」

不知火はもう片方の銃を璞玉に向け、殺気立つ。拓魅は不知火を鋭い眼光で睨み据え、いつでも反撃できる体勢を取った。緊張感が辺りに漂う。

「封具をお返しして下さるのならば、この場は見逃しましょう」
「甘いな、玉依姫。返す理由がどこにある。まだまだ子供のようだな」
「貴様、それ以上戯言を吐並べるのならばお前のその首、飛ばすぞ」

拓魅が呪詛のように諌めると殺意のこもった眼光で遼を睨んだ。遼はそんな視線を受けてもうっそりと笑って璞玉に向かって歩を進める。駆け寄ろうとする拓魅を視線で制して、璞玉はじっと近寄ってくる遼を見つめた。

「まだまだ子供で…力も、守護者も足りないようだな。そんなことで封具を守れるのか?」

璞玉はぐっと押し黙った。図星らしく、何も言い返せない様子だ。眉を吊り上げて遼を睨む。

「守りきれていないのだろうな。現に俺ごときに封具を奪われたんだ。封印も弱まっていると見た…」
「そうですわ。けれどそう易々と鬼斬丸を解放させません。私の命に代えても守り抜くつもりです」
「ふん…」

遼は璞玉の目の前まで来るとすっと膝を折った。璞玉と視線を合わせるように背を屈めて、遼は何かを見定めるような、探しているような表情で彼女の瞳を見つめる。
その視線の意味がわからないというように璞玉は困惑したが、何かを試されているような気がして黙って遼を見つめ返した。

「その意志は本物か?」
「偽る必要がどこにあるのでしょう。この命で鬼斬丸が封印されるのならば安いものですわ」

その言葉に拓魅は一瞬顔を曇らせた。
真摯な瞳に揺るぎのない強さを見出した遼はふっと微笑んだ。意地悪い笑みから急に優しいものに変わったことに璞玉は目を瞬く。
そして遼はすっと頭を垂れた。
突然の行動に一同は目を見張る。

「だったら俺はお前の守護者になろう。ここに来たということはそれがきっと俺の役目だろうな」
「何と…」

璞玉は背後に構えていた魔法陣を消してしまうほど動揺した。驚いているのは璞玉だけではない。拓魅も言葉を失って遼を見つめた。

「おいおい、お前それじゃぁ風間の言いつけはどうするんだ?」
「言いつけ?いつ俺があいつの言いなりになると言ったんだ。俺は俺の意思で動く。そもそも俺があいつに近づいた理由は鬼斬丸を持っていたからだ。あいつの傍にいればいつかはこの時代の玉依姫に会えると踏んだから、従っていたまで」

きっぱりと言い放つ遼に不知火は度肝を抜かれた。
風間が信を置いているから遼をわざわざこの辺境の地に送ったのだと思っていた。何も知らされていなかった不知火がそう勝手に思い込んでいたこともあって驚きを超えて笑いが込み上げてくる。

「くく…あははははははっ!!」

不知火は腹を抱えて大笑いした。笑いすぎて目に溜まった涙を拭いながら、不知火は銃を腰に収める。

「いいぜ、いいぜ!気に入った!!あいつを出し抜くんなら俺も付き合ってやるよ。そっちの方が楽しそうだ」
「ちょ、ちょっと待て!」

混乱する拓魅は待ったをかけた。

「お前達は鬼斬丸を奪った鬼の仲間ではないのか!?何故そのような…」
「誰がいつあの鬼の仲間なんて言った。嫌なら別にいいんだぜ?このまま全部封具を奪う。それだけだ。だが…」

遼はすっと視線を璞玉に向けた。璞玉はやっと実感がわいてきたのか顔を綻ばせ、にっこりと微笑む。

「受け入れるというのなら、俺はいくらでも力になろう。どうだ、玉依姫」
「喜ばしいことですわ…あぁ、神はまだ私達を見捨てた訳ではなかったのですね…」

璞玉は遼の手を取ると子供のように無邪気な笑みを浮かべた。

「名を、名を教えてください」
「狗谷遼だ」
「狗谷…?犬戒ではないのですか?」
「訳あって狗谷の名を名乗っている。それよりお前の名前は何だ?玉依姫」
「私は璞玉です。これからよろしくお願い致します。遼」

遼はふっと微笑むとすっと璞玉の頬に顔を寄せた。
驚いて身を固くする璞玉を遼はしばらく彼女の匂いを確かめて頷く。

「良い匂いだ。あいつは果実のようだが、お前は花のようにかぐわしい香りがする」
「まぁ…私何か匂うのですか?」
「近寄りすぎだぞ、犬」
「今名乗ったところであえてそう呼ぶか…やっぱりいつの時代になっても鬼ってのは鬱陶しい性格してやがるぜ」
「何だと?」

璞玉と遼の距離が気に食わない拓魅は二人の間に割って入ると、彼女を守るように憚った。
前に立つ拓魅の横から顔を出し、璞玉は再び遼を見つめる。

「あいつは果実のよう…と仰っていましたが…あいつとはどなたのことですか?」
「あいつってのは、お前の子孫だよ。春日珠紀。俺の主だ」
「春日…珠紀というのですね。あぁ、早くお会いしたいです、わ…」
「璞玉っ!!」

突然、膝から崩れ落ちた璞玉を咄嗟に拓魅は抱きとめた。
気を失ったらしい、その顔は青白く浅い呼吸を繰り返している。

「急にどうした」
「力を使いすぎたのだ。無茶ばかりして…!」

拓魅は璞玉を抱き上げると背を向けて走り出す。

「ついて来い。話すことは山ほどあるからな」

あまり遼と不知火を快く思っていないのか拓魅は顔を顰めて吐き捨てた。
不知火と遼は大人しく拓魅の後に続いた。


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。