二次創作小説(紙ほか)

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薄桜鬼×緋色の欠片
日時: 2012/09/26 13:48
名前: さくら (ID: cPNADBfY)



はい。
初めましてな方もそいうでない方もこんにちは。
またさくらが何か始めたで。と思っている方もいると思いますが
薄桜鬼、緋色の欠片好きの方には読んで頂きたいです


二つの有名な乙女ゲームですね
遊び感覚で書いていくので「なんやねん、これ」な心構えで読んでもらえると嬉しいです←ここ重要


二つの時代がコラボする感じです
あたたかい目で見守ってやって下さい

それではのんびり屋のさくらがお送りします^^

Re: 薄桜鬼×緋色の欠片 ( No.4 )
日時: 2012/10/01 08:49
名前: さくら (ID: cPNADBfY)

桜舞姫ちゃん

まだどれをどうしようかとか色々悩んでるところもあるんだけどねぇ
難しいね

江戸時代と現代って違うことがいっぱいあるからそれをどうしようかと悩みまくってる汗

読んでくれてありがとう
もっと興奮させられるよう頑張ります!←

Re: 薄桜鬼×緋色の欠片 ( No.5 )
日時: 2012/10/01 10:26
名前: さくら (ID: cPNADBfY)

表通りから裏路地へ。悲鳴が上がった場所へと土方は駆ける。
そうして土方は目を丸くした。

「何だ?」

狭い裏路地の先からこちらに向かって走ってくる女の姿がある。その後ろに目を走らせれば複数の男が追いかけている。
おそらく攘夷志士かどこかの不逞浪士が女を追剥か、同伴を命じたのだろうが女は断ったに違いない。
京都では稀に起こる光景だ。
土方が目を丸くしたのはそこではない。
その女の姿であった。
歳は千鶴とそう変わらない、十代だろう。生娘である年端にしてはやけに裾が短い衣服を着ている。走っていることもあり、露出した太ももが限界まで見え隠れしていた。
よく見れば女の格好は異様だった。髪は茶色がかっており、通例であれば世間の女は御髪を結っているが、その女は結っていない。長髪を自然のまま伸ばしているといった様子だ。

「待て女ぁっ!!俺たち浪士様の相手を拒むのかっ」
「もうっ!しつこいってば!!追いかけてこないでよっ!!」

女は背後に迫る男たちに叫び続ける。だが息巻く浪士達は追い続ける。
女が意を決したように足を突然止め、迫りくる男達と正対した。

「普通の人には使いたくないけど…おーちゃん!!!」

女が誰かを呼んだかと思うと、彼女の影から青い閃光が飛び出した。
その光は浪士めがけて瞬く速さで閃き、次々に浪士の隙を突いて倒していく。

「くそっ!舐めやがって!!」

それでも必死に追撃しようと浪士達は立ち上がり、女に食らいつく。
青い閃光はまたもや浪士の行く手を阻もうと突撃していく。
女が追っ手から逃れるため、また走り出そうとした刹那、温かいものに全身を包まれて息を呑んだ。

「厄介な奴に手を出したもんだ」

土方は女の肩を抱いて、流れるような所作で抜刀すると襲い来る浪士に刀を向けた。

「お、お前!まさか…し、新撰組の鬼副長、土方歳三かっ…!!」
「何だ、知ってるなら話は早ぇ。とっとと身を引いた方がお前達のためだ。俺が刀を振るう前に、失せろ」

池田屋の一件から新撰組幹部の顔はたちまち知れ渡った。そのおかげもあって、下位の浪士達は隊長格の顔を見ただけで尻尾を巻いて退散していく者が多かった。

「く、くそっ!おい、お前等、逃げるぞ———って、あ?」

周りを見渡せば首謀者である男以外、地面に突っ伏していた。青い閃光は女の影に戻ってくる。

「厄介な女に手を出したな。仲間を連れて引き上げろ」

悪い相手に手を出したのは、浪士達の方であった。返り討ちにされ、少し浪士に同情の念を抱いた土方は、浪士達が怪我を慮って退散していく背中を最後まで見送っていた。
そうして浪士達の影が完全に消えたことを確認して、土方はすぐさま女から身を引いた。

「あ、あの助けていただいてありがとうございました」
「勘違いするな」

土方は手に持つ刀を今度は女に向けた。
女が息を呑んだ。
もしさっきの場面で土方が手を出さずとも、女はあの状況を打開出来ただろう。女が一人、複数の男相手に太刀打ちできたのだ。そんな女などそうそういない。武芸をたしなんでいる江戸の武家の娘ならまだしも、京の女にそんな芸当が出来る者など聞いたことがない。
土方は警戒の色濃くして、女にきつい口調で問うた。

「お前は何者だ?どこかの間者か。さっきの技は何だ?」

土方の警戒心を感じ取り、女は身を硬くした。女の足元、影が青く発光したかと思うと、鼠より少し大きく狐のような小動物が女の肩にまでよじ登ってくる。まるで女を守るかのように威嚇するその小動物も見たことがなかった。
土方は一層警戒心を濃くする。

「お前を屯所に連行する」
「ま、待って下さい!!」

騒ぎの邪魔をしてはいけない、と離れていた所で事態を見守っていた千鶴が前に出てきた。
一部始終見ていた千鶴は何故か土方の前に立ち塞がった。

「いきなり、それも女の子に刀を向けるのはどうかと…」
「だが、こいつはおかしな技を使いやがる。忍で間者かも知れねぇんだ。そこをどけ」
「でも、いきなり刀を向けられては怖くて喋れませんし、その、可愛そうです!」

千鶴の言葉で、ふと思い出す。千鶴と土方が始めて会ったとき。そのときも同じように刀を向けて千鶴を屯所へ連行した。今思えば凄まじい出会いかただった。
その時のことを彼女が言っているのだとしたら、土方はどこか居たたまれなくなった。
千鶴の言葉にも一理あるとして、少し反省した土方は渋々刀を納めた。
怪しいからと言って易々と刀を向けるのは確かに間違っている。
あの時の千鶴にも怖い思いをさせたのかと思うと、今目の前にいる女にも———

「おい、どうした!」

千鶴の後ろに視線を向ければ、女の姿がなかった。否、土方の目線に女がいなくなっただけで、事実女は地面に倒れていた。

「大丈夫ですか!?どこかお怪我でもっ…」

二人が口論している間に女はぐったりと地面に伏していた。
外傷は見受けられず、土方はそっと女の頬に触れてみた。

「熱い…」
「こんな体で走り回っていたんですか…!?」

女の息は浅いが、全身が熱く火照っていた。そう言えば先ほど女を庇ったとき、体温がやけに熱い奴だとふと思考のどこかで思ったことを思い出す。

「…とにかくこいつを屯所に運ぶか。いろいろ事情も聞きてぇしな」

土方がそっと女を抱きかかえると、その後ろをあの小動物が心配そうに追いかけてきた。

「千鶴、先に帰って部屋と布団の用意だ。あと、山崎にも連絡してくれ」

千鶴は大きく頷くと屯所を目指して走り出した。
土方はそっと女の顔を盗み見た。その瞳は硬く閉ざされ、つらそうだった。

「全く…厄介な女に会ったもんだ」

Re: 薄桜鬼×緋色の欠片 ( No.6 )
日時: 2012/10/01 10:16
名前: 桜舞姫 (ID: O72/xQMk)

おぉ!何かすごい展開に…!!

あのあの、もしかして!土方さんがお相手に…!?
きゃーーーーーーーー!!!

更新ガンバ♪

Re: 薄桜鬼×緋色の欠片 ( No.7 )
日時: 2012/10/02 21:31
名前: さくら (ID: cPNADBfY)

桜舞姫さん

はてさて、どの人がお相手になるのかは後々わかるかと
最近暇なので更新頑張りたい

来月からはまた忙しくなるんだけど…

書けるときに書いておかないとね!

Re: 薄桜鬼×緋色の欠片 ( No.8 )
日時: 2012/10/02 22:57
名前: さくら (ID: cPNADBfY)

夕日はすっかり暮れ、辺りは暗闇に包まれてしまった。
土方が屯所に戻ると、玄関で千鶴が待っていた。
辺りに隊士の姿がないのは千鶴が気を遣って人払いしたのだろうか。騒がれることなく帰館できた。

「山崎さんがお部屋で待っています」
「悪い。手間をかけさせたな」

千鶴が先導して女を抱えた土方を部屋まで案内する。
玄関から入って廊下の角を曲がってすぐの、小さな空き部屋だった。

「おう。悪いが山崎、ひとつこの女診てやったくれ。熱があるみてぇだ」
「あ、はぁ。雪村君からだいたいの話は聞きましたが…異国人…ですか?」

襖を開けて現れた女の格好を見た山崎は、少し硬直した。どうやら髪の色や格好から異国人と思ったのだろう。

「いや、なりはこんなんだがちゃんと日本語を喋ってやがったし、目の色は俺達と同じ黒色だったぜ」

異国人を見たことがない山崎にとって、体の作りが違う人間を診察するのは気が引けた。異人を知ればそうでもないのだが、何しろ異国となると戸惑ってしまう。わからないことは怖いと思ってしまうことと同じだ。

「では、私は白湯を持ってきますね」
「あぁ、頼む。あと水ももってきて欲しい」

千鶴は頷くと静かに部屋を出て行った。
あらかじめ敷かれた布団の上に女を横にさせると、土方は山崎に向き直った。

「診察が終わったら声をかけてくれ。部屋の前で待ってる」

土方の声に山崎は一つ頷くと、意を決したように診察にとりかかる。
その邪魔をしてはいけないと土方は部屋を出たところで、会いたくない面々が廊下の向こうから歩いて来た。

「あーっ土方さん、醤油は!?」
「いくら待っても土方さん返ってこねぇから俺たち三人だけで先に食っちまったぜ」
「醤油がなくても秋刀魚なんか食えるだろうが。そう言うな」

藤堂、永倉、原田がぞろぞろとやって来て土方に絡みだす。
やはり醤油がないと夕食時に駄々をこねたらしい。土方は今になって自分の失態に気付いた。

「悪い。買ってこなかった」
「えぇ?じゃぁ何で外に行ったんだよ?」
「…それは」

気分転換のつもりで歩いていたら、女が襲われていてその女が只者じゃないと判断してここまで連れてきた、などといずれ説明するつもりだが、当の本人は熱を出している。
診察中に騒ぐわけには行かず、言葉を濁している土方の前に白湯と水を別々の桶に入れて運んできた千鶴が戻ってきた。

「あれ、千鶴ちゃん。そんなもん持ってどこ行くんだ?」
「その部屋は確か誰も使ってねぇよな」
「そう言えばこの部屋無人のはずなのに、明かりがついてる」

こういう時だけ目敏い彼らは土方の言及を止めて、部屋の前に近づく。
すかざず土方が待ったをかけた。

「後で説明するから、ここには入るな。これは副長命令だ」

いくらどこの馬の骨と知れない女とは言え、女だ。診察中他人が、それも男が踏み入られては困ることもある。
ここで詳しく説明することもできず、土方はとりあえず千鶴だけを部屋に入れて、あと出入り口の番人に徹した。

「そんな言い方されると余計気になるじゃねぇか。教えてくれよ、土方さん」
「副長命令だっつってんだろ。あぁそういや俺たちこんなことしてる場合じゃねぇだろ。酒、飲むんじゃなかったのか」
「あぁ!そうだった!!早く左之さんが買ってきてくれた酒飲まないと!」

土方の事情を何となく察した原田が助け舟を出した。そのおかげで他二人の気が反らすことができた。
三人はまたぞろぞろと広間の方へと帰っていった。
嵐のように面倒くさい彼らが消えて、ほっと胸を撫で下ろした土方は、あることに気がつく。

「総司と斎藤は?」

今日彼らは夕刻から巡察のはずだった。もう帰ってきてもおかしくない時分だが、会っていないだけでもう屯所には戻ったのだろうか。
だが先ほどの永倉の言い方からすると屯所には戻っていないようだ。
気になって玄関まで戻ると、脱ぎ散らかされた草鞋の数が少ない。

「まだ巡察に出ているのか?」

稀に夕刻の巡察が長引くことはある。捕り物をしていたり、何か事件が起これば夜になることも今までにあった。
今回もそうなのかもしれない。
そう納得すると、部屋から千鶴が出てきた。

「あの、土方さん。診察が終わりました」
「あぁ今行く」

部屋に戻ると山崎が水に浸した手拭を絞って女の額に乗せているところだった。

「どうだ」
「風邪による発熱ではないようです。喉も腫れていませんし…恐らくは疲労からなるものかと…何か精神的に追い詰められているのやも知れません」
「はっきりしたことはわからねぇか…」
「明日、良順先生をお呼びしますか?」
「あぁ、そうだな。今夜一晩寝かせて、病状が悪化するようならそうした方がいいだろう」

二人の会話を聞いていた千鶴はほっと安堵の笑みをこぼした。

「何だ。何にやけてやがる」
「いえ、土方さんなら病人でも口を割らせるのかと思っていたんですが…それがないようで安心しました」
「俺だって流石にそこまではしねぇよ。今回はこの女が目覚めない限り話が進まねぇしな。待つしかねぇだろ」

そっと女に視線を向けると熱にうかされているのと同様に、何かにうなされているようにも見えた。

「あの、土方さん」
「何だ」
「この方のお世話、私が引き受けてもいいでしょうか?」
「あぁ、お前が良いなら頼む。今夜傍に付いてやってくれ。病状が悪化するようならすぐ教えてくれ」

千鶴が世話役を申し出たのも納得が出来た。
当初彼女もここに連れて来られて寂しい思いをしたに違いない。その時の自分と重ねているのか、千鶴のその表情は真摯だった。
それに女のことは女に任せるのが一番だ。元より世話を頼むつもりだった土方はその場を千鶴に任せ、退出した。



事件が起こったのはその明朝。
静まり返っていた屯所に慌しい足音が響いた。


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