二次創作小説(紙ほか)

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薄桜鬼×緋色の欠片
日時: 2012/09/26 13:48
名前: さくら (ID: cPNADBfY)



はい。
初めましてな方もそいうでない方もこんにちは。
またさくらが何か始めたで。と思っている方もいると思いますが
薄桜鬼、緋色の欠片好きの方には読んで頂きたいです


二つの有名な乙女ゲームですね
遊び感覚で書いていくので「なんやねん、これ」な心構えで読んでもらえると嬉しいです←ここ重要


二つの時代がコラボする感じです
あたたかい目で見守ってやって下さい

それではのんびり屋のさくらがお送りします^^

Re: 薄桜鬼×緋色の欠片 ( No.79 )
日時: 2013/04/28 01:16
名前: さくら (ID: 1RG8a0Ta)

彩音さん

大好きですよー^^
最初は「身長低いとか無理ー笑」
とか思ってたけど身長とかどうでもよくなるほどカッコ良かった!←

頑張って小説続けて下さい
私もぼちぼちやっていきます^^

Re: 薄桜鬼×緋色の欠片 ( No.80 )
日時: 2013/04/28 01:22
名前: さくら (ID: 1RG8a0Ta)

土方が話の区切りをつけたときだ。ふと何かを思い出したように顔を上げた。

「そういや、あの噂は結局何だったんだ」
「噂?」

珠紀が首を傾げると、土方は更に言葉を続ける。

「制札の周辺に火の玉が…」
「それは俺かもしれない」

祐一が静かに挙手した。その行動に一同が目を見張る。

「えっ、先輩がですか!?」
「そういやお前、火の玉が出せるんだったな…」
「どうして制札の周りに火の玉なんざ…」

口々に飛び交う声に祐一は動じることもなく淡々と答えた。

「ここは外灯がひとつもない。だから夜は火を出して、歩いていた。別に制札の周りだけに限ったことではない」

あっさりとした回答に、珠紀をはじめその場にいた者が全員拍子抜けした。
制札に人を寄り付かせないために流した噂か、または。と思っていたこともあって、それが人の仕業であったことに安堵したとも言える。

「あれは祐一先輩だったんですね。良かったぁ」
「よくわからないが、何か迷惑をかけたのか?」
「いや、正体がわかって安心しただけだよ。本当に火の玉だったら隊士の士気にも関わるしな」

原田が微笑むと祐一は事情は把握できずとも、何か解決したように思った。
ちょうどそこへ盆に茶を乗せた千鶴が入室する。

「温かいお茶が入りました」

千鶴は微笑むと珠紀と祐一に淹れたての茶を手渡す。

「わぁ、ありがとう!ちょっと水に濡れて寒かったところなの!」
「…温まる」

その様子を見ていた原田は目を細めた。視線の先には千鶴がいる。

「まだ解決してないことはあるんだがな…」

その呟きは誰にも聞こえない。



その日の朝。広間に集まって朝餉をとっていた幹部たちの前に見知らぬ青年がいた。

「なぁ、新八っつぁん。あいつ誰?」
「さぁ…また新入りか?」

ぶつぶつと小声で詮索している藤堂と永倉に、今入ってきた土方が大きく咳払いをした。

「お前達に報告が二つある。まずひとつ。昨晩の制札警護で原田が不逞浪士を捕縛した」

その言葉に広間に集まった面々はどよめいたった。お上からの命を全うしたのだ。土方の隣で鎮座している近藤は実に嬉しそうに微笑んでいる。

「もうひとつは、祐一」

名を呼ばれて祐一は一同の顔を見渡した。

「昨晩、制札警護の際に見つけたらしい。珠紀の連れだ」
「何だ、まだ仲間がいるのか」
「予想が当たればまだもう一人こっちに来ているはずだけどな」

真弘の言葉に一同は首を傾げた。

「探し人は一人だけではなかったのか?」
「しかもその人松本先生のところにいたじゃん」

近藤と藤堂の問いに珠紀は真摯に頷いて答えた。

「はい。確かに見つかったんですが…最初にお話したことを覚えていますか?蔵で私達は掃除をしていたんです。そのときには私と五人、蔵にいたんです」
「ってことは君達三人と、松本先生のところにいる一人と、あともう一人がこっちに来るってこと?」

総司の見解に珠紀は大きく頷いた。

「これは悪まで私達の考えなんですけど…誰かが私達をここに呼んだとしか思えないんです」
「誰かって?」
「それがわかれば苦労はしねぇんだけどなぁ」

真弘はがっくりと肩を落として呟いた。その様子を見て一体何故ここに来たのか、皆目検討がついていないようだ。

「私達はここに来る前に必ずある一冊の書物を見ていました。その書物に何かヒントがあると思うんです」
「ひんと?ひんとって何だ?」

茶をすすっていた原田が声を上げた。珠紀はしまったと別の言葉を捜す。ここは江戸だ。自分達の時代とは百年以上違う。英語交じりの言葉遣いはここでは通用しない。

「えっと、手がかりがあると思うんです」
「ではその手がかりをどうやってこちらで探すのだ」

斎藤の鋭い質問には拓磨が答えた。

「たぶんこの時代の季封村に行けば…」
「季封村っていうのは俺達がいた村の名前な」
「今の玉依姫に聞くのが一番手っ取り早いんだが…俺達は京都を離れられない」
「何でだ?」

土方の問いに珠紀も同感だったらしく、拓磨を見つめた。
しまった、と今度は拓磨が失念した。鬼斬丸が京都にあるかもしれない、などと珠紀や幹部に一言も言っていない。言えば余計な心配を珠紀にかけ、多大な迷惑を新撰組に被るかもしれないという一抹の不安があったからだ。
墓穴を掘ったと愕然とする拓磨の横で真弘が慌てて言葉を繋ぐ。

「そ、そりゃぁ、拾ってもらった恩義があるし、隊務だってしねぇといけねぇだろ!?」

無理に作り笑うと気持ち悪い面相になる、と拓磨は一応は年上にあたる先輩に失礼なことを思った。

「まぁ、それは確かにそうだな。だが、俺達の隊務のせいで君達が元居た時代に帰れないのも否めないなぁ。トシ」
「あぁ、そうだな…少しの間なら外出許可を出しても…」
「いやっ!そんなのいいって!!こっから季封村までどれだけ時間がかかるかわからねぇし」
「あぁ」

ひたすら首を横に振る真弘と拓磨に珠紀は疑念を抱く。祐一も二人の様子がおかしいことに気が付いた。

「先輩?何か隠してますね」
「いや、だから、そのぉ…」
「真弘。下手な嘘は吐かない方が良い。何を隠している」

祐一の鋭い視線と、幹部のいぶかしむ顔に見つめられ、真弘と拓磨は観念したように渋々語りだした。

「ここに鬼斬丸があるかもしれねぇんだよ…だから京都を離れるのは得策じゃねぇと思ったんだ…」
「鬼斬丸?何だね、それは?」

土方以外、珠紀たちが何者なのかを知らない。初耳の単語に一同は首を傾げる。拓磨と真弘はぶっきらぼうに説明を続けた。

「俺達が代々守ってきた刀だ。その刀が盗まれたんだ。多分」
「ちょっと先輩!私そんなの聞いてませんよ!?」
「お前は心配するから言ってなかっただけだよ」

拓磨が宥めるように珠紀に優しく言った。いくら自分のためとは言え、大事なことを隠されていては困る。気付かなかった自分にも非はあるだろうが、それでもまた守られているだけのように感じられて珠紀は少しだけ寂しくなった。

「えっとつまり…お前らが守ってた刀がその村から盗まれて…それが京にあるっていうのか…?」
「確証はないけどな」

藤堂が真弘に確認するように話を整理する。

「確かに…ここはやけに妖やカミが多いな…」

ここに来たばかりのとき。祐一は早々に性質の悪い妖に遭遇した。害のない妖やカミから、人に危険を及ぼす悪質な妖までが跳梁跋扈している。そのことに疑問を抱いていた祐一は納得した。

「けど、どの道その村に行かないことには話が進まないんでしょ?だったら行っておいでよ」

沖田の言葉にも頷けた。鬼斬丸が仮にこちらにあったとしても、玉依姫と守護者に接触しなければ戻る方法すらわからない。

「だけどここを離れるわけにもいかない…」
「何故だ?どうしてそこまで頑なになる」

斎藤の問いに拓磨と真弘と祐一は表情を固くした。

「鬼斬丸はあまり良い刀ではない。封印され、本来ならば元あった場所で収めるべきだ」
「それが、今誰かに盗まれた。ってことは鬼斬丸を利用しようと企んでいる誰かがいるってことだ」
「その犯人探しもしなくちゃならない」

三人の真剣な面持ちに幹部達はそれが嘘ではないと見て取れた。

「そんなに良くない刀なのか?何だ?妖刀か何かか?」

永倉が冗談半分で言ったが、珠紀達は是と頷いた。

「妖刀よりもっと性質が悪い…封印が解けたらこの世が終わる、と言われている…」

祐一の淡々とした声が広間に響いた。その場にいた一同は一瞬口を噤んだが、永倉と藤堂が一笑する。

「そんなの、迷信か何かだろ?」
「大げさだよなぁ。そんな危険なものなら誰でも知ってるはずだって」

だが祐一は首を横に振った。その反応に一同は半信半疑になりながらも、言葉を待つ。

「迷信ではない…人に知られていないのも当然だ。季封村はこの時代であれば地図にすら載っていない…人々に鬼斬丸の存在が知れ渡らないよう、村で封鎖してきた」

とうとうその場は水を打ったように静まり返った。信じられないと藤堂と永倉は目を瞬く。目を閉じて聞き入っていた斎藤と土方は黙したままだ。近藤は何かを考えているのか腕を組んで渋い顔をしている。

「うむ…事情は相分かった。だが、その村に手がかりがあるのも事実だろう。誰か人をやって…」
「あのぅ…」

それまで黙って聞いていた珠紀が小さく挙手した。一同は珠紀の言葉の先を黙って待つ。

「ん?どうしたんだ?春日君」
「あの…信じてもらえるかどうかわかりませんけど…夢を見たんです」
「夢?」

隣に座っていた拓磨が眉根を寄せる。珠紀が見る夢にはいつも意味があった。それは遥か昔の記憶であったり、誰かの記憶であったり。珠紀の夢には真実が宿るときもある。

「私、今の時代の玉依姫に会ったんです」

Re: 薄桜鬼×緋色の欠片 ( No.81 )
日時: 2013/04/28 07:27
名前: 彩音 (ID: WRKciX17)

今の時代の玉依姫の夢!?
気になります!更新、頑張ってくださいね〜(^-^)

Re: 薄桜鬼×緋色の欠片 ( No.82 )
日時: 2013/05/12 18:29
名前: さくら (ID: 1RG8a0Ta)

彩音さん

いつもコメントありがとうございます
更新しますね^^

Re: 薄桜鬼×緋色の欠片 ( No.83 )
日時: 2013/05/12 18:32
名前: さくら (ID: 1RG8a0Ta)

今朝方珠紀は夢を見た。真っ白な世界。何も無い場所に珠紀は佇んでいた。
誰かに呼ばれた気がして振り返ると、そこには小さな少女が立っていた。齢を十過ぎたところだろうか。朱袴に白の着物姿はまるで巫女のようだ。
前髪と背中まで伸びている毛先はばっさりと切り揃えられており、艶やかな黒髪が印象的だ。珠紀はにっこりと微笑む少女に声をかけた。

「あなたは…?」
「ようやく、お会いできましたわ…姫君」

そういうと少女は恭しく頭を垂れた。姫君、と呼ばれた珠紀は瞬いた。この子は自分のことを知っている。

「直接お会いすることはまだ叶いませんが…けれどこうして相対することがきて…私は嬉しく思います」
「あの、あなたは一体…」

珠紀が小首を傾げる。少女は丸くて大きな瞳で珠紀を見つめた。

「はじめまして。珠紀様。私は現時代の玉依姫です」

その自己紹介に珠紀は驚いた。まさか目の前の少女が玉依姫とは思えなかったからだ。
自分よりも小さく幼い少女が玉依姫というのか。珠紀ですら継承したのは十七歳の冬だった。それをこの少女は幼いながらにその役目を全うしてきたのか。
驚愕する珠紀に少女は目を細めた。

「あまり時間がありませんので、手短に…どうかその場所で珠紀様には待っていてほしいのです」
「待つ?待つって…何を?」
「私が貴方様を訪ねるその日まで…そう遠くない日に私はそちらへお伺いいたします。ですからそれまで、珠紀様にはそちらでお役目を果たして欲しいのです」
「え?貴方が、こっちに?役目って?」

話の筋が見えない珠紀は困惑した。少女のいう役目とは何のことか。
戸惑う珠紀をよそに白い世界が歪み始めた。同時に珠紀の視界も歪み始める。

「どうか気を強くお持ち下さい。今貴方様には危険が迫っております…どうか守護者とともに…そちらで…待っていて下さい……」

どうして。一体何の話なのか。そう問おうとする珠紀だったが、遠のく少女の声を最後に、目が覚めたときには自分の部屋にいた。
それが夢だと自覚した珠紀は眉根を寄せた。この夢は現時代の玉依姫が見せたものだ。
その玉依姫は何故夢にまで出てきて忠告をしたのだろうか。役目とは何か。一方的だった夢に珠紀は頭を抱えた。




珠紀の説明に一同は一瞬理解が遅れた。会った。夢で人と会うとは一体どういうことなのか。目を瞬く幹部たちに珠紀は更に続けた。

「名前はわからなかったんですけど…その子は私に『そこで待っていて』って言ったんです」
「夢のなかで…その、玉依姫とは一体誰だね?」

今更ながら自分達の説明が少なかったことに気付く。否、説明せずとも受け入れてくれた新撰組の懐の大きさに今は驚くべきか。説明して正体を明かせば、間違いなく封印の戦渦に巻き込んでしまう。
珠紀は当たり障りのないように補足した。

「鬼斬丸を封印し、守ってきた巫女のことです。未来では私なんですけど、この時代の玉依姫に夢で会ったんです」
「夢で誰かと会話することはよくあるが、その言葉が気になるな」

原田が顎に手を添えて考える。

「はい。『そこで待っていて』ということは私達がここにいることを知っているということ。つまり、私達をここに呼んだのはこの時代の玉依姫じゃないかと思うんです」
「おい、珠紀。そんなこと一言も聞いてねぇぞ!」
「先輩たちだって私に内緒にしてたじゃないですか!それにこの夢は今朝見たところなんです!」

珠紀の言葉に言い返したくても言葉が見つからず、真弘は大人しく自分の席に戻る。

「君の物言いだと、まるで本当に会って会話したみたいだね。夢は夢でしょ?信憑性があんまりないよね?」

沖田の鋭い一言に切り替えしたのは祐一だった。

「確かに。夢は夢だ。だが珠紀が見る夢は違う。姫巫女の力は神通力も同じ。珠紀の見る夢は真実であり、偽りなどありえない」
「随分なもの言いだね。ねぇ、珠紀ちゃん。君達。まだ僕たちにちゃんと話さなくちゃいけないことがあるんじゃないの?その鬼斬丸もそうだけど…」

微笑を口に含んではいるが、目は決して笑っていない沖田は更に切り込んだ。

「例えば、君達の本当の正体…とか?」

その言葉に珠紀達は動けなくなった。幹部全員がそろった席だ。下手な言い逃れはできない。だが、本性を明かせば必ず新撰組に害が及ぶことは目に見えている。
珠紀は必死に言葉を捜した。

「拓磨と真弘。君達に初めて出会ったとき違和感はあったんだ。尋常ではない速さで走ったり、人ではありえない腕力で建物を破壊したり…」
「あ、そう言えば!真弘と浪士を捕まえたときも刀もなしに浪士をぶっ倒したんだった!」

沖田に続き、思い出したのか藤堂も声を上げた。

「あぁ、それと。珠紀ちゃん。君も変わった技持ってたよね?お札みたいなものを取り出して侵入者に一撃食らわせたり…」
「総司」

沖田の言葉を固い声音が遮った。声の主を鋭い視線で睨み返した沖田はその顔から笑みを消した。

「そこまでにしておけ。こいつらには特別な力がある。それで十分だろう」
「どうしてですか?新撰組の隊士なのに幹部に正体も明かせないんですか?」
「俺達が知り得ないことなんざこの世には山ほどある。いちいち詮索するな」
「気に食わないなぁ。それじゃ僕は納得できません。だったら拓磨を僕の隊から外して下さいよ。力量も正体も不明な隊士を置いておくなんて、僕はしたくありません」

沖田と土方の間に激しく火花が散った。
恐らく土方は珠紀達の気持ちを汲んで正体を隠そうとしている。だが、その言動が気に入らない沖田は執拗に突っかかるのだ。
沖田の言葉に一理ある。誰だって正体のわからない輩と付き合っていくことは難しい。その上ここは新撰組だ。隊の連携が重視されるこの組織のなかで隠し事があってはその隊務にもかかわってくる。

「子供じゃねぇんだ。それくらい目を瞑ってやったらどうだ」
「僕は何も彼らが正体を明かさないことが気に食わないんじゃないんです。土方さんだけが彼らのことを知っていることが気に入らないんです。情報は共有すべきでしょ?」
「俺も詳しくは知らん。それで構わねぇだろ」
「どこまで本当なんでしょうね?近藤さんだって彼らのこと知らないみたいだし…」

どんどんと重くなっていく空気に、珠紀は後悔し始めていた。自分の杞憂が土方の気を遣わせ、それが気に入らない沖田が文句を並べるのは当然だ。
訳も話さず黙秘するばかりでは沖田達とてやりにくい部分があるのだろう。
珠紀が口を開こうとするより早く、斎藤が口を開いた。

「ところで、副長。この者の配偶はいかように?」
「ちょっと一君。今はそれどころじゃ…」
「あぁ、彼の配偶はトシと話し合って…斎藤君。君の隊に配属することになった。よろしく頼む」

いきなり話の矛先が自分に向いたのだと自覚した祐一は目を瞬いた。そしてその視線をゆっくりと斎藤に向ける。斎藤も祐一を見つめ返し、お互いにただ見つめ合った。

「近藤さんまで…まだ話は終わってないんですよ」
「まぁ良いではないか、総司。それはまた彼らが話してくれることだろう」
「…」

納得がいかないのか沖田は黙って立ち上がると、踵を返して広間を後にした。沖田を追おうと腰を浮かせた珠紀を土方が静かに止める。

「気にするな。あいつはときどき子供っぽいところがあるんだ」
「すみません…隠し事をしたい訳じゃないんですけど、皆さんを巻き込んでしまうかもしれないので…これ以上は…」

珠紀が頭を下げると近藤は首を横に振った。

「構わんよ。人にはそれぞれ事情がある。それを無理に踏み込むことはしない。話す機会が来れば話してくれれば良い」

朗らかに微笑む近藤に珠紀は幾分か心苦しさが軽減した。

「では、君達はその季封村に行かなくていいんだな」
「はい。ここで鬼斬丸の捜索をしてみたいと思います」
珠紀が頭を下げると、幹部達は頷いた。
だが、珠紀達は知らない。すぐ近くに危険が迫っていることを。


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