二次創作小説(紙ほか)
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- 薄桜鬼×緋色の欠片
- 日時: 2012/09/26 13:48
- 名前: さくら (ID: cPNADBfY)
はい。
初めましてな方もそいうでない方もこんにちは。
またさくらが何か始めたで。と思っている方もいると思いますが
薄桜鬼、緋色の欠片好きの方には読んで頂きたいです
二つの有名な乙女ゲームですね
遊び感覚で書いていくので「なんやねん、これ」な心構えで読んでもらえると嬉しいです←ここ重要
二つの時代がコラボする感じです
あたたかい目で見守ってやって下さい
それではのんびり屋のさくらがお送りします^^
- Re: 薄桜鬼×緋色の欠片 ( No.39 )
- 日時: 2013/02/07 18:05
- 名前: さくら (ID: hRUsQYie)
桜舞姫ちゃん
久しぶりだねぇ^^
読んでくれてありがとう
桜舞姫ちゃんはいっぱい書いててすごいね
今度また見に行きます
アゲハさん
はじめまして
読んでくださってありがとうございます
もったいない言葉です
嬉しいです
頑張って更新するのであったかい目で見てやって下さい
ではでは
- Re: 薄桜鬼×緋色の欠片 ( No.40 )
- 日時: 2013/02/07 19:44
- 名前: さくら (ID: hRUsQYie)
着物の買出し終え、一行が屯所に戻った頃には日が傾きかけていた。
夕食の当番があると千鶴は厨に向かい、残された三人は夕食まで原田のある提案に乗ることにした。
「稽古なんざ見に行かなくても良いのによぉ」
「先輩、そう言わずにせっかくだから見に行きましょうよ」
原田の提案というのは稽古中の隊士の見学だった。
真弘はそういったことにあまり興味が無いのか、唇を尖らせて渋々ついてきた様子だ。拓磨と珠紀は特にやることもないのですんなりと賛成した。
「巡回や仕事がないときはほとんどの奴等がここで汗を流してるな。興味あったら稽古に混じってきてもいいぜ」
原田が道場の近くまで来ると、三人を振り返って言った。
剣術に無縁の珠紀と真弘は首を横に振ったが、拓磨は少し興味があるらしい。道場の引き戸が開かれたとき、目を見開いた。
「わぁ…凄い熱気…」
珠紀をはじめ、三人は感嘆した。
広い道場には所狭しと隊士がひしめき合い、木刀で素振りを行う者、竹刀を手に練習試合を行う者がいた。
汗を飛ばし、飛び交う怒号と溢れる熱気が道場に木霊して三人を圧倒する。
「よぉ、左之。お前今日どこにいたんだよ」
「ちょっと千鶴に付き合って買い物に行ってたんだよ」
隊士達に稽古をつけていた男が原田に気付き駆け寄ってきた。
その男の骨格と肉体に珠紀は目が離せなかった。
身長もそこそこ、露出した腕や胸には無駄なくしっかりと筋肉がついていて、小麦色に焼けた肌がこの人物がいかに健康体であるかを物語っている。
原田の背後から熱い視線を感じて永倉は目を瞬いた。
「誰だよ、こいつ等」
「あぁ、お前朝は広間に居なかったんだっけか。新入りだよ。こいつは俺の隊に配属された…珠紀だ。こっち二人はまだ配属は未定だが、明日から隊士として働く、拓磨と真弘」
ふぅんと珠紀、拓磨、真弘の順に一瞥していく。何かを見定めているのか三人を一瞥した後にも一度珠紀に視線を戻して心配そうに声をかけた。
「お前、やけに細いな。ちゃんと飯食ってんのか?」
「えっ、私ですか!?ちゃんと食べてますけど…」
「新八。お前と他人を比べるなっていつも言ってるだろ。悪いな。この筋肉馬鹿は永倉新八。二番組組長だ」
馬鹿と紹介されても怒ることなく、むしろ自慢げに筋肉をこれ見よがしに見せつけながら永倉は笑った。
「よろしくな。よーし入隊祝いに俺が剣の手合わせしてやる。三人のうち誰ででもいいぞ」
持っていた竹刀を肩に担ぎ、挑戦的な視線を三人に送る。
三人は顔を見合わせて結論はあっさりと選出された。
「拓磨行ってきてよ。私剣道とかやったことないし」
「珠紀に同意だな。お前一回やってみろよ」
「ちょ、二人とも何言ってんだよ、俺だって剣道なんてやったこと———」
「よし、お前だな。よろしく、拓磨」
拓磨の首根っこを掴んでずるずると練習試合が繰り広げられているところまで引っ張って行く。
拓磨も相当の怪力であるが、新八の強力に抵抗できなかった。
言われるがまま竹刀を手渡され、ルールも知らずに新八と向かい合う。
原田は困惑する拓磨に駆け寄りそっと耳打ちした。
「あいつは素人だろうと手加減ってのを知らないからな。いつでも全力だ。危ないと思ったら降参しろよ」
助け舟を出してもらったが、それは今の状況を救ってくれる助言ではない。拓磨は原田の言葉にとりあえずは頷いたが、内心は慄いていた。
剣術などやったことがない。鬼斬丸を封印するためにその刀を握ったことはあったが、それは我流で技や型を使用したものではなかった。
目の前に爛々と目をたぎらせ構えを取る新八に「辞退」を言い出せる空気でもない。
拓磨は腹をくくって竹刀を両手で握った。
「では、始めっ!!」
審判を買って出た原田が掛け声とともに振り上げた手を振り下ろした。
「でやあああぁぁぁっ!!」
永倉が竹刀を振り上げてすり足で前進する。その速さに驚いて拓磨は間一髪のところでそれをかわした。
だが素人の拓磨はただ避けただけで、永倉の次の流れる攻撃に防御の構えをとれなかった。そのままの勢いで拓磨の胴を狙って横薙ぎが繰り出された。
洞察力は常人より秀でている拓磨はそれも何とか見切って素早く後退する。
永倉に圧されるかたちで始まった試合に、珠紀は心配そうに見守る。
「拓磨、圧されてる…」
「あいつだって素人だしな。そりゃそうだろうよ」
「だが素人にしては中々だな。新八の剣劇を避けるのも難しいもんだぜ?よくやってはいるが、攻撃に転じなけりゃ負けるな」
「拓磨ーっ!!避けてばっかりじゃだめだって!!」
珠紀の呼びかけを聞いた拓磨は顔をしかめた。
「っやりたくてもできねぇって!!!」
目にも止まらぬ速さで繰り出される永倉の猛撃に切り返す余地もない。
かわすだけで精一杯だ。
「おらおらっ!いつまで避けてるつもりだ!?かかって来いよっ」
再び振り下ろされた竹刀を拓磨は何とか受け止めた。その重い一撃に腕が痺れる。竹刀を取り落とすまいとぎゅっと柄を握るが、受け止めるのがやっとで攻撃に転じることができない。
弦競り合いが続き、拓磨は奥歯を噛み締めた。両足に体重を落として、腕に余力を注ぐ。
「お?」
涼しい顔で戦功していた永倉の顔色が変わる。
圧している。拓磨が永倉を。更に腕に力を込め、拓磨は弦を滑らせた。
「っらぁあああぁあっ!!」
そのまま永倉を圧し切り、ほんの一瞬生じた永倉の隙を見逃さずに突きを見舞った。
だが、永倉は拓磨の攻撃を先読みし、その突きを払いのけると頭目掛けて竹刀を振り下ろした。
「あっ!!」
バシイィンと竹刀の弦が鳴った。
拓磨は攻撃に専念したあまり、永倉の一撃を素手で受け止めてしまった。
「勝負あり。それまで」
原田は号令をかけると永倉は竹刀を下げ、痛みに耐えていた拓磨に手を差し伸べた。
「まだまだ駄目だな。けど、最後の一撃は良かったぜ。学ぶことはまだたくさんあるがな」
「うっす…」
琢磨を立ち上がらせると永倉はふと原田を見た。
「なぁ左之。こいつまだどこの隊か決まってねぇんだよな。だったら俺の所に入れちゃ駄目か?筋は悪くねぇし俺がこれから鍛えて———」
「算段しているところ悪いが、そいつは無理だ。永倉」
いつからそこにいたのか土方は道場の入り口に立っていた。
隊士達が土方の存在に気づき、一斉に頭を下げる。
「今伊東さんと審議した上、こいつらの組の入隊が決定した。残念ながらお前の組にこいつらは入らねぇ」
土方の後ろを見て、拓磨は首を傾げた。
「あの人って、誰ですか?」
「あ、あぁ。朝にいなかったからな。あの人は伊東甲子太郎さん。参謀っていう役職だよ」
土方の後ろについて来た伊東はうっそりと微笑んだ。
「はじめまして、お三方」
- Re: 薄桜鬼×緋色の欠片 ( No.41 )
- 日時: 2013/02/08 21:23
- 名前: アゲハ (ID: db3Hcctt)
あっ!
続きが出来てる!!
さくらさんの話、やっぱりおもしろいですね^^
珠紀が他の隊士に女だってばれないかハラハラドキドキですね^^
続きがチョー気になる(>▽<)
- Re: 薄桜鬼×緋色の欠片 ( No.42 )
- 日時: 2013/02/12 20:20
- 名前: さくら (ID: hRUsQYie)
アゲハさん
千鶴と同じく珠紀にもそういう展開が訪れるかと^^
更新頑張りますね
また気長に読んでやって下さい
- Re: 薄桜鬼×緋色の欠片 ( No.43 )
- 日時: 2013/02/22 19:01
- 名前: さくら (ID: MmCaxbRG)
土方と共に現れた伊東は薄い唇を吊り上げて、優雅な所作で頭を下げた。
「はじめまして、お三方」
きりっと吊り上った目尻が喰えない印象を抱かせる。口調と言い、振る舞いと言い、武士という名前が似合わない。腰に提げている刀は一体何なのだろうと珠紀はふと思った。
「伊藤さん、こいつらがさっき説明した三人だ。一応顔は知っておいてもらって損はねぇと思うぜ」
土方から紹介を受けて珠紀達は居住まいを正した。原田や永倉、他の隊士の態度から察してこの人は土方と同じかそれ以上に役職の高い人物なのだろう。
「ふぅん…まぁ、貴方ずいぶん小さいですわね」
「なっ…!!」
拓磨の次に舐められるように頭の先からつま先まで一瞥され、真弘はこの世で一番他人に言われたくない台詞をあっさりと言われた。
他意はないのだろうがその軽率な失言が真弘の怒髪天を衝いた。伊藤に掴みかかろうとする真弘を咄嗟に拓磨が止めに入る。
「どうどうっ!!先輩!相手に悪気はないんすからっ」
「あぁっ!?離せよ拓磨!おいっ」
「伊東って言えばすごい偉い人なんすよ。手上げたら首が飛ぶかもしれないんだよっ」
拓磨は真弘を掴んで後退する。行き場の無い怒りを静めるために拓磨は道場の隅に先輩を連行した。
「あ、向こうの二人は気にしないで下さい」
「あら…貴方…」
二人を庇うように補足した珠紀に目をやって、伊東は顔を近づけた。
「ずいぶんと可愛らしい顔ですこと。女性みたいですね。肌もそうですけど、体付きが…」
「っ!!」
伊東の言葉にその場に居る珠紀の事情を知る者が息を呑んだ。
「確かにちょっと男としては小さいよな…」
永倉も不審に思っていたのか伊藤に便乗して珠紀に詰め寄った。
話の流れがわるい方に向かっていると気付いた原田は空気の読めない永倉に、腹に一発肘鉄をかまして土方に向き直る。
「そ、そう言えば!土方さん!こいつらはどこに入隊するんだ?」
「あぁ、その話だがな…」
「って!左之何すんだよっ!!」
かなり急所に近い鳩尾に拳を食らったのか、永倉は涙目で原田に訴えかけるが全員がそれを無視して話を進めた。唯一珠紀だけは心配に永倉を見やる。
「拓磨、お前は一番隊。真弘は八番隊に配属する」
「おいおい、こんな剣術もど素人を一番隊に入れるのか!?」
「…?」
永倉の意見に原田も同意した。一番隊と言えば沖田が率いる親衛隊だ。凄腕の剣士が集まる隊は危険な仕事を回されることが多い。
剣術もろくに習っていない者をいきなり死と隣り合わせの組に配属させるのはあまりにも酷だ。
「大丈夫だろうよ。こいつらは総司と斎藤を手こずらせた奴等だ。剣はともかく“他”に力があるしな」
土方の言葉の意味を理解できない原田と永倉は小首を傾げた。沖田と斎藤の手を煩わせる相手など指で数える程しか知らない永倉達は信じられなかったが、土方は嘘を言わない。だが、どう考えても一般市民にそんなことができるのか定かではない二人は眉根を寄せた。
「と言う訳だ。永倉の隊には配属されねぇが、面倒はいつでも見てやってくれ」
土方が踵を返して道場を後にする。その後ろを追いかけるように伊藤が足を踏み出して、くるりとこちらを振り返った。
「まぁこんな汗臭い道場で田舎剣術を学ばなくてもちゃんと剣術は上達しますわよ。私の流派で良ければいつでもご指導しますわ。それでは」
優雅な所作で優しい笑みを添えられたその言葉の端々に棘があることに、声をかけられた珠紀達はあいまいな返事しかできなかった。
伊東が去った後、平隊士達は練習を再開した。
ただ、幹部である永倉と原田は暗い表情だった。
「汗臭い…ね。確かにそりゃそうだわな」
「あの…」
「あー。別にお前等が気遣うことねぇから。ちょっとあの人はあぁいう性格なだけだ。気にすんなよ」
原田が吐き捨てるように言った台詞が悲しく響いた珠紀は声をかけようとしたが、永倉が苦笑しながら制した。
あまり触れてはいけない話なのかもしれない。
「あ、もうこんな時間じゃねぇか!もう夕食出来てんじゃねぇか?ほれ、広間に行こうぜ」
永倉が不穏な空気を掻き消すように声を上げた。そして一行をを急かすように背を押して広間に向かう。
「お前等、剣術習ったことねぇのに何で入隊なんかしたんだよ」
「あー…それは」
「新撰組で世の中の役に立ちたいからっす」
「へぇ、奇特な奴等だな。まぁいつでも俺が教えてやるよ」
永倉が拓磨と真弘を両腕に捕まえて先行して行く。
その後ろを珠紀と原田が付いていくが、何となく空気を換えなければまずいと思った珠紀は原田を見上げた。
「あの、さっきは有難うございました。バレちゃうんじゃないかってハラハラしましね」
「あ?あぁ。今あの人をバレれると色々面倒だしな。永倉にも後で説明しておく」
まるで伊東を煙に巻く言い方に珠紀は小首を傾げた。そう言えば伊東が道場に入ってきたときにも今のように曇った顔をしていた。
珠紀は足を止めて原田を見つめる。
「あの」
「ん?」
「これからよろしくお願いします」
「何だよ、いきなり」
「いえ、ちゃんと言ってなかったなぁって思って…」
考えると女である自分を引き取った原田は相当の責任を負わされているのではないのだろうか。先ほどのように平隊士が集まった場所で身の内を明かせば、その騒動の責任は隊長である原田に降りかかる。
それを思うと原田は厄介なお荷物を抱えてしまったのではないのか、と一抹の不安に駆られた。
「大丈夫だよ」
原田が優しく微笑んだ。
「お前達本当に何にも知らないみたいだし、本当にこの時代の人間じゃないってことが今日一緒に居てわかった。そんな右も左も分からない奴等を放って置くほど、少なくとも俺は冷たくない。いつだって頼ってくれていいんだぜ?」
「原田さん…」
「ま、女子供を放っておくなんざ男じゃねぇしな」
この時代の人は皆こうなのだろうか。自分ばかり損をするのにそれを顧みず手を差し伸べてくれる。
「礼を言うのはこっちだな」
「?」
「俺に気を遣って言ったんだろ?お前はいい女だな」
「え!」
まるで口説かれたような甘い台詞に珠紀は身を硬くした。拓磨でも時々しか言わない甘い言葉は珠紀の心臓を鷲掴みにする。
この時代の人たちはこんなことを平気で言うのだろうか。
「おーい!二人とも遅ぇぞ!もう飯できてるってよー」
廊下の先で広間に着いた永倉が声を上げた。
「わぁってるよ!ったく…行くぞ、珠紀。早く行かねぇと新八に全部食われちまう」
「はい」
先を歩く原田の広い背を見つめて珠紀はこの人に救われて良かったと安堵した。
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