二次創作小説(紙ほか)
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- 薄桜鬼×緋色の欠片
- 日時: 2012/09/26 13:48
- 名前: さくら (ID: cPNADBfY)
はい。
初めましてな方もそいうでない方もこんにちは。
またさくらが何か始めたで。と思っている方もいると思いますが
薄桜鬼、緋色の欠片好きの方には読んで頂きたいです
二つの有名な乙女ゲームですね
遊び感覚で書いていくので「なんやねん、これ」な心構えで読んでもらえると嬉しいです←ここ重要
二つの時代がコラボする感じです
あたたかい目で見守ってやって下さい
それではのんびり屋のさくらがお送りします^^
- Re: 薄桜鬼×緋色の欠片 ( No.235 )
- 日時: 2014/10/22 01:52
- 名前: さくら (ID: Ti.DGgQd)
「…珠紀さんがさらわれた!?」
次の日の朝。松本邸にやってきた原田は大蛇と面会すると昨日の騒動を説明した。
「鬼崎君や狐邑君、鴉取君もいたというのに…どうして…」
「相手は俺たちの注意を逸らすために羅刹を利用したんだ。その騒ぎに乗じて珠紀をさらっていった…すまねぇ…必死に探し回ったんだが、まだ珠紀は見つかってねぇんだ…」
原田は頭を下げて詫びた。一番近くでことの次第を見ていた。何も力になれなかったのは事実だ。
「そんな、頭を上げて下さい…貴方の責任ではありません…」
原田に顔を上げるように促すと、大蛇は思案した。
「ではやはり…新撰組に典薬寮が侵入していたのですね…これではっきりしました…狙いはやはり珠紀さん…玉依姫…」
「あいつらは珠紀をさらってどうするつもりなんだ」
「わかりません…私たちの時代にも典薬寮の方々は居ましたが…目的はバラバラで…この時代の典薬寮は一体何を考えているのか…恐らく、珠紀さんをそう易々手にかけることはないと思います。鬼斬丸を守る役目を担っている彼女を殺してしまえば、それこそ鬼斬丸を制御できない…彼らの手に鬼斬丸が渡っていないのであれば尚更です」
「命が目的じゃなけりゃどうしてさらったんだ…」
原田の答えは誰にもわからない。ここであれこれ考えても詮無いことだった。
大蛇は顔を上げて原田に問うた。
「そう言えば、守護者の皆さんは…?どうしてわざわざ我々のことを貴方が説明に来て下さったのですか?」
「…それが…」
原田は昨夜に起こったこと全てを話した。
大蛇は拓磨達にとって参謀のような役割を果たす人物だ。彼抜きでことが運んだとは言え、彼だけ蚊帳の外はおかしい。
「…そう、ですか…鴉取君と狐邑君は出て行ったのですね…」
「驚かないのか…?」
仲間が離れて行ったことに驚くと思っていた。いずれ起こるとわかってはいたが、唐突に騒動は起こる。大蛇はまるで最初から知っていたように悲しみを含んだ声で言った。
「…わかっていました…彼がいつか…ここを…新撰組を離れることは…以前から彼は一人で何か動いているとは思っていたのですが…私も止めることが出来ませんでした…鴉取君は一人で考え込んでしまう悪い癖があります…自分だけ何もかも背負う必要はないというのに…」
「俺も何となくそれがわかってたから…どうにかしようと思ったんだが…遅かった…あいつの心は随分と離れてしまってたからな…」
原田は己の手を見つめて呟いた。
真弘が新撰組の面々に距離を置いていることは以前から知っていた。
羅刹の騒動以来、珠紀達は普段の生活に戻ろうとしていたが、彼だけはどこか違った。新撰組と関わることを嫌っているような、避けているようにも見えたのだ。
それを知った原田は彼に極力関わるようにした。酷く警戒されたが、それでも構わなかった。心が離れていく彼の行動は珠紀達にも影響が出かねない。
そう思った原田はどうにしかしようとした。だが。
「彼のことを気にかけていただき、ありがとうございます…しかし…我々の事情で新撰組の方々を巻き込んでしまいました…すみせん…」
「いや、謝るのはこっちだぜ。伊東さんのことがなけりゃ、真弘が出て行くこともなかった…あいつらを俺たちの都合で巻き込んぢまったしな…すまねぇ…」
誰かが悪いということではない。ただ、悪条件がいくつか揃ってしまった。そしてその影響で騒動は起きてしまった。
「そちらの隊士の方々が大勢抜けてしまえば、これからに支障はないのですか?」
「まぁ、多少はな…頭の痛い話だぜ…あんたらもこれからどうするんだ…守護者は二人いなくなっちまったし…新撰組にいるのは拓磨だけだろう?珠紀のことはどうするんだ…?」
大蛇は複雑そうな顔をして開け放たれた障子の外を見た。
小さいながらに手入れされた庭は春の訪れを告げているように、木々が少しずつ青々と茂っている。
「私は今すべきことをしています…もちろん、ここに残って松本さんのお手伝いをしていくつもりですよ…ですが…」
「…?」
「若さとは素晴らしいことです…感受性に長け、物事を素早く吸収し…」
「拓磨か…?」
その問いに大蛇は視線を戻して、原田を見つめた。
「珠紀さんを守れなかったと自責の念に駆られていなければいいのですが…」
大蛇は肩にかかる長髪を背中へと流し、憂うような瞳で再び庭を見つめる。
「鴉取君たちがいなくなったことも…落ち込んでいなければ…いいんですがね…」
彼の願うような言葉に原田も深く頷いた。
夢も見ないほど、泥のような眠りから覚めるとき。
心に穴が空いたような感覚に息苦しさを覚えた。
目の前に広がっているのは見知った天井。それがわかったとき大きく溜め息をついた。眠ればいつか元いた時代に帰っていまいか。目が覚めれば全てが嘘で、元いたあの頃に戻っていることはないのか。
もう一度眠ろう。これは夢だ。そう思いたい。
瞼を下ろしたとき、頬に優しい感触が伝わる。
「…にー…」
「オサキ狐…」
オサキ狐は寂しそうに何度も拓磨の頬に顔をすりつける。
「…ごめんな…つらいのは…お前だって同じだよな…」
「…にー」
主人を失くして居場所をも奪われたオサキ狐は拓磨の傍にいた。珠紀に近い存在、守護者は今この屯所には拓磨にかいない。
拓磨は肘を突いて上体を起こすとオサキ狐の頭をそっと撫でる。
「にー?」
「…大丈夫だ…もう身体はだいぶ楽になったからな…」
心配するようなオサキ狐の声に答えると、拓磨は立ち上がった。
「いつまでも…現実から目を逸らしてられないよな…珠紀を探しに行こう…」
- Re: 薄桜鬼×緋色の欠片 ( No.236 )
- 日時: 2014/10/22 17:54
- 名前: Carry Blossm (ID: esFsElNI)
コメント有難う御座います。
凄く嬉しです!
勿論、タメでOK!ですよ
私もこれからタメでいかして貰います!
流石!!
サクラさん文を作るの上手!
私も上手くなるといいケド( ^ω^)
ちなみに私緋色の欠片で作品一つだけ書いてるんだ♪
書いたばかりで全然話が進んで無いけど見てくれると嬉しいしアドバイスをくれたらもっと嬉しい!
御免なさい…!!作品を宣伝しちゃって(>_<)
サクラさんにどうしても教わりたくて……!!
長々と御免なさい!!
次の話も楽しみにしてるから!!
- Re: 薄桜鬼×緋色の欠片 ( No.237 )
- 日時: 2014/11/02 10:37
- 名前: せな (ID: CCab1VcE)
こんにちは〜٩( 'ω' )و
お話の方読ませていただきました!
久しぶりの大蛇さん登場ですね!年長者はやっぱ落ち着きがあって安心できます…(・ω・) !
そして拓磨とおーちゃんの会話もちょっと萌えました!
拓磨には責任に囚われず珠紀ちゃんを早く見つけて欲しいです…
- Re: 薄桜鬼×緋色の欠片 ( No.238 )
- 日時: 2014/11/04 16:02
- 名前: さくら (ID: B.jT5AAk)
Carry Blossmさん
じゃぁタメでよろしくね☆
Carry Blossmさんも小説書いてるんだ!!
それは是非拝見しに行かないとっ
また後日見させて貰うね^^
どうぞ、宣伝に使っちゃってー
同じジャンルの小説なんだから☆
更新頑張ってね
私もぼちぼちやってくねー
せなさん
ほんとにいつもいつもコメントありがとうございます^^
大蛇さんほんとに久しぶりですね;
たまに存在を忘れ…そんなことありません←
守護者が屯所に一人になってしまったので、おーちゃんも拓磨と行動するようになります
一人と一匹でこれからどうなっていくのか…見守って頂けたら嬉しいです^^
- Re: 薄桜鬼×緋色の欠片 ( No.239 )
- 日時: 2014/11/04 16:12
- 名前: さくら (ID: B.jT5AAk)
広間に集まった幹部たちは黙々と朝餉をとっていた。
いつもより四人分の膳が少ないと、それだけでも広間が広く感じられる。
重い沈黙を誰も破る者はなく、ただ静かに朝食を口に運んでいた。
だが静寂が耳につく広間はひとつの足音によってゆっくり壊されて行く。
「おはようございます」
「おはよう」
「おう…」
「おはよう、もう起き上がっていいの?」
広間に現れた拓磨の姿に一同は朝の挨拶を口にする。
「はい。もう大丈夫っす」
「昨日あんなことがあったんだ、もう少しゆっくりしてはどうかね?」
自分の膳の前に座る拓磨に近藤は慮るように言葉をかける。
だが拓磨はゆるゆると首を横に振った。
「あんなことがあったからこそ、ゆっくりなんて出来ないっすよ」
拓磨は手を合わせると箸を手に朝食をかき込む。
ひとまず元気になった彼を見つめていた土方は初めて口を開いた。
「拓磨」
「?」
顔を上げて上座に座る土方を見つめる。
「…昨夜はすまなかった…俺の責任だ…悪かった…」
面目ない様子で頭を下げる彼に驚いたのは拓磨だけではない。その場にいた幹部は目を丸くした。
「俺がしっかりしていれば…珠紀がさらわれることなかった…」
「どういうことっすか…」
「敵が羅刹を利用することは分かっていた。だから俺は羅刹のいる蔵の鍵を肌身離さず持っていた。昨日の朝まではしっかり持っていたはずだった…だが、夜になって鍵を失くしたことに気づいて…俺の失態だ…」
「え、えっと…それじゃつまり…」
「盗まれた、と考えるしかねぇな…鍵を持っているのは俺と近藤さん。山南さんしか持っていない。これは幹部にも教えていないことだ」
拓磨は他の幹部に視線を送った。どうやらそれは本当らしく幹部たちは初耳だという表情だった。
「敵がどこにいるのかもわからねぇのに、不用心だった俺のせいだ…」
「盗んだってのは…どうしてそう言い切れるんですか…」
「鍵がないことに気づいてすぐに蔵に向かった。そしたら典薬寮の一人だろう…俺の鍵を使って蔵を解放していたんだ…」
土方の話に嘘はない。彼は嘘を吐くような性分ではないともう知っている。
だとすれば典薬寮の計画にまんまと嵌ったとしか言いようが無い。
奴らは騒ぎを起こして珠紀を狙った。そして上手く伊東を使って守護者の分裂を謀ったとすればかなりの策士だ。
「…どの時代の典薬寮も胸くそ悪い連中ばっかだな…」
拓磨は唇を噛むと立ち上がった。
「沖田さん」
「ん?」
向かい側に座っていた自分の隊長を見つめた。
「今日は確か昼から巡察でしたよね?」
「そうだね」
「それまで外に出て珠紀を探してきてもいいっすか」
「許可しない理由もないからね。行っておいで。」
微笑む沖田に拓磨は頭を下げると広間を出て行こうとする。
出口の手前で立ち止まり、拓磨は土方を振り返った。
「土方さんのせいじゃないですよ。悪いのは典薬寮。珠紀は必ず助けます」
それだけ言い残すと彼は去って行った。
彼の背中を見送った近藤はぽつりと呟く。
「逞しいが…どこか不安に感じてしまうなぁ…」
「俺もだぜ、近藤さん。今はああやって虚勢張って強がっているが…」
「いつか崩れそうだよね…」
沖田も同じ気持ちだったのか苦笑しながら茶を口に含む。
「そうならないように…何とか力になってやれんものか…」
心配する近藤は箸を膳に置いて溜め息を零す。
それまで黙って食事をしていた永倉はすっと立ち上がるとそのまま何も言わずに広間を出て行った。
彼が一言も発しないことが珍しいことで、一同はまた大きな溜め息を零す。彼が何故口を閉ざしているのか、その理由をだいたい察してしるからだ。
「…損害が出たのはこっちもですし…これからどうするんですか」
沖田は試すような口調で土方を見つめた。
「…何とかするさ…このままで済ませる気なんてさらさらねぇからな」
土方の目に餓狼のような獲物を追いつめる鋭い光が宿っていたことを沖田は見逃さなかった。そしてその目つきが何を意味するのか理解した沖田は笑みを深くした。
玄関に向かって歩いていたとき、廊下の角から見知った人物を見止めて声をかけた。
「千鶴。もう大丈夫なのか」
「拓磨君。うん、もうすっかり」
広間に向かうのだろう。盆に複数の湯のみを乗せている。
「これからどこかに出掛けるの?」
「あぁ、珠紀を探しに…」
そこまで言葉を口にすると千鶴の表情がみるみる曇っていく。
「ごめんなさい…皆が大変なときに…私いつも何もできなくて…」
「お前が気にすることじゃ…」
言葉を紡ごうとして拓磨は眉根を寄せた。
目の前に立つ少女はいつもの千鶴だ。だが、どこか違和感を感じる。昨日の昼餉のときに会ったきりだったが、そのときは何も感じなかった。
この違和感は何だ。
「拓磨君?」
急に押し黙った拓磨を見上げて千鶴は小首を傾げた。
「なぁ、千鶴…お前、昨日誰かと会ったか?」
「誰かって?」
「知らない奴…というか…屯所から外に出てないよな?」
「うん、昨日はずっと屯所にいたよ?どうかしたの?」
「いや…」
杞憂ならそれでいい。この些細な違和感は自分が過敏になっているせいかもしれない。
「何でもない。変なこと言って悪かったな」
「ううん。行ってらっしゃい。気をつけてね」
拓磨は大きく頷くと玄関に向けて再び歩き始めた。
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