コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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最強次元師!!【※新スレ作成におけるお知らせ有り】
日時: 2015/03/15 09:40
名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: u/FYQltH)
参照: http://ncode.syosetu.com/n5050ci/

 運命に抗う、義兄妹の戦記。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐


 基本毎週日曜日に更新!


 ※追記

 実は、本作を一から書き直そうと思いまして別サイト様にて“完全版”を再連載し始めました。
 やりたい話が多くて一度断念してましたが、やっぱり優先しようと思ってもう一度記載致します。
 ご興味のある方はどうぞ! 上記のURLで飛べます*
 とってものんびりと、更新する予定です。


 Twitterの垢をつくってみました→@shiroito04
 イラストとか宣伝とかを呟いてます!



 ※注意事項

 ・荒らし・中傷はお控え下さい。
 ・チェンメなんかもお断りしてます。



●目次

prologue >>001
第001次元 >>002第011次元 >>012第021次元 >>048
第002次元 >>003第012次元 >>013第022次元 >>050
第003次元 >>004第013次元 >>019第023次元 >>052 
第004次元 >>005第014次元 >>020第024次元 >>055
第005次元 >>006第015次元 >>021第025次元 >>059
第006次元 >>007第016次元 >>025第026次元 >>060
第007次元 >>008第017次元 >>027第027次元 >>063
第008次元 >>009第018次元 >>030第028次元 >>065
第009次元 >>010第019次元 >>044第029次元 >>070
第010次元 >>011第020次元 >>046第030次元 >>071

第031次元 >>072第041次元 >>146第051次元 >>224 
第032次元 >>077第042次元 >>169第052次元 >>230
第033次元 >>081第043次元 >>176第053次元 >>234
第034次元 >>082第044次元 >>179第054次元 >>241
第035次元 >>090第045次元 >>180第055次元 >>245
第036次元 >>097第046次元 >>189第056次元 >>260
第037次元 >>104第047次元 >>191第057次元 >>262
第038次元 >>108第048次元 >>203第058次元 >>264
第039次元 >>109第049次元 >>209第059次元 >>268
第040次元 >>138第050次元 >>216第060次元 >>274

第061次元 >>298第071次元 >>359第081次元 >>385
第062次元 >>300第072次元 >>361第082次元 >>388
第063次元 >>308第073次元 >>365第083次元 >>391
第064次元 >>337第074次元 >>369第084次元 >>393
第065次元 >>338第075次元 >>370第085次元 >>399
第066次元 >>339第076次元 >>371第086次元 >>402
第067次元 >>345第077次元 >>377第087次元 >>403
第068次元 >>346第078次元 >>378第088次元 >>413
第069次元 >>352第079次元 >>380第089次元 >>414
第070次元 >>353第080次元 >>383第090次元 >>417

第091次元 >>420第101次元 >>448第111次元 >>480
第092次元 >>421第102次元 >>450第112次元 >>484
第093次元 >>422第103次元 >>458第113次元 >>489
第094次元 >>427第104次元 >>459第114次元 >>495
第095次元 >>431第105次元 >>467第115次元 >>499
第096次元 >>432第106次元 >>472第116次元 >>501
第097次元 >>433第107次元 >>475第117次元 >>502
第098次元 >>436第108次元 >>477第118次元 >>504
第099次元 >>444第109次元 >>478第119次元 >>507
第100次元 >>445第110次元 >>479第120次元 >>508

第121次元 >>509第131次元 >>544第141次元 >>558
第122次元 >>510第132次元 >>546第142次元 >>560
第123次元 >>511第133次元 >>547第143次元 >>563
第124次元 >>512第134次元 >>551第144次元 >>564
第125次元 >>520第135次元 >>552第145次元 >>565
第126次元 >>521第136次元 >>553第146次元 >>576
第127次元 >>528第137次元 >>554第147次元 >>590
第128次元 >>533第138次元 >>555第148次元 >>595
第129次元 >>534第139次元 >>556第149次元 >>608
第130次元 >>536第140次元 >>557第150次元 >>623

第151次元 >>631第161次元 >>683第171次元 >>759
第152次元 >>632第162次元 >>711第172次元 >>760
第153次元 >>633第163次元 >>719第173次元 >>762
第154次元 >>637第164次元 >>726第174次元 >>764
第155次元 >>643第165次元 >>739第175次元 >>766
第156次元 >>655第166次元 >>749第176次元 >>768
第157次元 >>659第167次元 >>753第177次元 >>769
第158次元 >>664第168次元 >>754第178次元 >>770
第159次元 >>665第169次元 >>755第179次元 >>771
第160次元 >>680第170次元 >>758第180次元 >>772

第181次元 >>773第191次元 >>788第201次元 >>813
第182次元 >>775第192次元 >>789第202次元 >>814
第183次元 >>776第193次元 >>792第203次元 >>826
第184次元 >>777第194次元 >>793第204次元 >>832
第185次元 >>778第195次元 >>794第205次元 >>835
第186次元 >>781第196次元 >>795第206次元 >>841
第187次元 >>782第197次元 >>798第207次元 >>853
第188次元 >>783第198次元 >>802第208次元 >>854
第189次元 >>784第199次元 >>803第209次元 >>855
第190次元 >>785第200次元 >>804第210次元 >>858

第211次元 >>862第221次元 >>883第231次元 >>897
第212次元 >>868第222次元 >>884第232次元 >>898
第213次元 >>873第223次元 >>888第233次元 >>901
第214次元 >>874第224次元 >>889第234次元 >>902
第215次元 >>875第225次元 >>890第235次元 >>903
第216次元 >>876第226次元 >>892第236次元 >>904
第217次元 >>877第227次元 >>893第237次元 >>905
第218次元 >>878第228次元 >>894第238次元 >>906
第219次元 >>879第229次元 >>895第239次元 >>907
第220次元 >>882第230次元 >>896第240次元 >>908

第241次元 >>909第251次元 >>929第261次元 >>955
第242次元 >>913第252次元 >>930第262次元 >>956
第243次元 >>914第253次元 >>933第263次元 >>957
第244次元 >>915第254次元 >>947第264次元 >>958
第245次元 >>916第255次元 >>948第265次元 >>959
第246次元 >>917第256次元 >>949第266次元 >>960
第247次元 >>918第257次元 >>951第267次元 >>961
第248次元 >>919第258次元 >>952第268次元 >>962
第249次元 >>921第259次元 >>953第269次元 >>963
第250次元 >>926第260次元 >>954第270次元 >>964

第271次元 >>965第281次元 >>977第291次元 >>988
第272次元 >>966第282次元 >>978第292次元 >>989
第273次元 >>967第283次元 >>979第293次元 >>990
第274次元 >>968第284次元 >>981第294次元 >>991
第275次元 >>969第285次元 >>982第295次元 >>992
第276次元 >>970第286次元 >>983第296次元 >>993
第277次元 >>973第287次元 >>984第297次元 >>994
第278次元 >>974第288次元 >>985第298次元 >>995
第279次元 >>975第289次元 >>986第299次元 >>996
第280次元 >>976第290次元 >>987第300次元 >>997

※第301次元〜は新スレにて連載予定


       ●おまけもの●

●資料集など
皆のプロフィール1 >>218
皆のプロフィール2 >>278
皆のプロフィール3 >>287
皆のプロフィール4 >>288
皆のプロフィール5 >>289
皆のプロフィール6 >>503
主な登場人物 >>852
さいじげテスト。 >>843
最強次元師!! について >>58

●番外編 
キールアの想い >>41
メイド喫茶祭り① >>327
メイド喫茶祭り② >>331
メイド喫茶祭り③ >>341
友達の証① >>492
友達の証② >>493
友達の証③ >>494
疎外少年と次元少女① >>810
疎外少年と次元少女② >>811
疎外少年と次元少女③ >>812
蛇梅隊DE☆大集合!! >>829
E FIEDLA >>941
英雄と妖精 >>945

 
●外伝
第001時限 >>942
第002時限 >>943
第003時限 >>944


●キャラ絵(1人)
奏様が描いて下さったルイル >>116
奏様が描いて下さったティリ >>105
奏様が描いて下さったロク >>119
奏様が描いて下さったロク(舌出しVer.) >>185
奏様が描いて下さったロク(ポニテVer.) >>523
奏様が描いて下さったキールア >>127
奏様が描いて下さったアリル >>141
奏様が描いて下さったリリアン >>148
奏様が描いて下さったミル >>154
奏様が描いて下さったフィラ副班 >>162
奏様が描いて下さったレト >>168
奏様が描いて下さったレト(メイド服Ver.) >>329
奏様が描いて下さったガネスト >>304 
奏様が描いて下さったガネスト(メイド服Ver.) >>318
奏様が描いて下さったアルア >>460

●キャラ絵(複数) 
奏様が描いて下さったレト、ロク、キールア >>693
奏様が描いて下さったエン、ミル、リルダ >>737

☆奏様には毎度ご感謝しております!!
 すごく似ていて、イメージ通りです
 キャラの絵が分からない場合には奏様の絵を見て下されば納得します!!
 これからも描き続けてほしいですね、是非とm((黙


●お知らせなど

* 2009 11/13 執筆開始
* 2013 09/01 執筆中断
* 2014 01/17 執筆再開
* 2014 10/19 別サイトにて再連載開始 >>980
* 2015 03/15 新スレ作成におけるお知らせ >>998

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Re: 最強次元師!! ( No.500 )
日時: 2010/08/04 20:16
名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: TV9sr51/)

だいぶ流されてますねwwww
それでは上げるとしましょうw

Re: 最強次元師!! ( No.501 )
日時: 2010/08/05 09:34
名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: TV9sr51/)

第116次元 目的

 「え・・・・?」
 「お前は半年の間、ずっと眠っていたそうだな」
 「ちょ・・・、は、半年って・・・?」
 「・・・?お前は、時々目を覚ましていたのではないのか?」

 班長からの不明な質問に動揺するロク。
 そう、あの日からもう半年年月が流れていたのだった。

 「あ、あの日は昨日じゃないんですかっ!?」
 「いや、今日は1031年の7月1日だが?」
 「嘘・・・、半年・・・・?」
 「これはレトからの情報なんだが、ロクは夜に目を開けては歌っていたそうだな」
 「歌・・・?」
 「あぁ、レトがその歌声を聴きながら寝ていたと言っていた。だが毎日ではなかったな・・・」
 「でもあたし、1度も起きてませんし、ついさっき目を覚ましたんです。歌なんて・・・」
 「・・・・本当に、何も知らないんだな?」

 ロクはこくんと頷き、班長に目を向けた。
 まさかロク本人もこのような事態に陥っているとは思わなかっただろう。

 「・・・お前のその顔を、俺は信じていいんだよな?」
 「信じるか信じないかは班長自身で決めて下さい。ただあたしは1度も起きてない事を主張します」
 「・・・良いだろう。もう戻っていいぞ」
 「班長」
 「ん?」
 「班長はあたしの事、敵だと思いますか?」
 「どうだか。ただし俺はお前を、仲間だとは認めんがね」
 「・・・そうですか、では」
 
 ロクはそのまま何処にも立ち寄る事なく自室に足を運んだ。
 班長はそのロクの姿を険しい顔でずっと見送っていた。

 流石に廊下ですれ違うと噂が聞こえた。

 「あれ、神族のロクアンズだよな・・・?」
 「第二部隊だからよく覚えてるけど・・・、まさか裏切られるなんてね・・・」
 「目合わせたら殺されるぞ。さっさと行こうぜ・・・?」

 援助部隊の声がどれだけ小さくても、ロクにとっては大きな事だった。
 ロクは過ぎていく援助部隊の人々に、目も合わせる事ができなかった。
 
 “裏切り者”
 そう思われてもしょうがなかった。
 ロクにとっても他人にとっても、それはまだ信じ難い事実。
 この蛇梅隊に神族がいる事態、可笑しいと思い始めているのだろうか。

 「これじゃ任務も無理かな・・・」

 蛇梅隊全員に知られた以上、街全体にも知れ渡る事になる。
 これではまともに任務も行けないし、街に出歩く事さえ難しくなった。

 「おー、ロク。どうしたー?」

 唯一、
 レトだけがロクに普通に話しかけてきたのだ。

 「え・・・」
 「・・・?おーい、ロクー?」
 「レトは・・・普通なの・・・?」
 「普通って・・・今までお前を神族だと思って接してきたんだから、当然だろ?」
 「そ・・・か・・・・」
 「何かあったのか?」
 「ううん。ただちょっと安心しただけ」
 「ふーん・・・」
 「でもあたし、本当にどうしようかな・・・。これじゃ皆に避けられて生活できないし」
 「俺は今のまんまでも十分お前らしいと思うけどな」
 「へ?」
 「だってロクが悪い事したわけじゃないし。第一悪いのは神族全員じゃないし」
 「そうなのかな・・・」
 「お前、確かフェリーなんだろ?あの心の神族妖精」
 「うん・・・、そう言ってた」
 「だったらなおさら問題ねぇよ。だってフェリーは千年前だって人間のために死んだ神族だぞ?」
 「確かに・・・・そうだったね」
 「だから同じ神族でも、フェリーは人間側、それ以外は皆敵だ。ロクが恨まれる要素は1つもない」
 「そか・・・ありがとう、レト」
 「ま、少なくとも俺はロクの見方だから、安心すればいい。多分キールアもだと思うし」
 「うんっ。なんかレトに言われて元気でたっ!それに、あたしの目的も変わらない」
 「目的?」
 「この世の人間のために戦う事。それがあたしの目的だから。どんなに人間に嫌われても、ね?」
 「それでこそ我義妹。ま、俺のアップルパイを横取りすることろは改善して欲しいけどな」
 「なんだそりゃ、改善なんかするわけないじゃん」
 「少しは試みろよ、一応脳みそあるだろ?」
 「何ッ!?今の一応ってッ!!あたしがバカみたいな言い方じゃんかッ!!」
 「だってバカだろ?」
 「・・・・もういいです。戻ります」

 ロクは自室の扉を開けて電気をつけると、ベッドに行くまでもなく床に倒れた。
 このまま自分はここにいていいのだろうか。
 いつか皆に嫌われる日が来るのではないか。
 そういう不安など、多分ロクは持ってはいない。
 
 嫌われても、追い出されても構わない。
 それで人間のためになるのなら、自分は命の尽きるまで人間のために尽くしたい。
 
 ロクの思っている事は、悪魔で人間のための思考だった。


 『ねぇ〜、いいの?フェリーをあのままにしても』
 「しょうがないさ。あいつは人間側なんだから」
 『でもさぁー、あいつ何しでかすか分かんないよぉ〜?』
 「何をしでかそうがはあいつの勝手。それでも僕の野望を妨げる事は不可能だよ」 
 『さっすが〜っ、1番の神族だよねぇ〜』
 「でもあいつは千年前とは違って次元師。侮る事はできない」 
 『でも、いけるんじゃない?・・・・【GOD】なら———————』

Re: 最強次元師!! ( No.502 )
日時: 2010/08/05 15:29
名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: TV9sr51/)

第117次元 裏切り者の噂

 ロクはただ1人、部屋でのんびりとしていた。
 暑い季節になり、動く事もできないのだろう。
 
 「やっほ〜、ロク、起きてるー?」
 「うぁ・・・、キールア、どったの?」
 「ううん、1つ言っておこうと思って」
 「?」
 「あたしもレトと同じ、死んでもロクの見方だからね?」
 「キールア・・・」
 「あたしだって何だかんだ言ったってロクの幼馴染だし。第一初めての友達を誰が恨むのよ」
 「ありがとう、そう言ってくれると嬉しいかな」
 「どういたしまして。・・・だから、絶対1人で考え込まないでね?」
 「あ・・・うん」
 「愚痴だろうと何だろうと、ぜーんぶ聞いてあげるからっ!!」
 「そか。それじゃあ今度どっか遊びに行かない?キールアの好きそうな店、見っけたから」
 「本当ッ!?ありがとうロクーっ!」
 「へへっ、まぁ幼馴染ですから」
 「んじゃあね。あたしこれから仕事なんで」
 「うん、ばいきゅ〜」

 キールアはロクの部屋から出て行き、医療室へと向かって行った。
 
 『ま、少なくとも俺はロクの見方だから、安心すればいい』

 『死んでもロクの見方だからね?』

 (見方か・・・、2人には、本当に悪いな・・・)

 今まで自分が神族だって事も隠してもらっていて、それでいて信じて貰えている。
 これ以上の幸せなど、あるのだろうか。

 (街にでも行くかな・・・、任務あんまし行けないし)

 ロクはささっと支度し、隣の部屋でぐっすりと寝入っていたレトを無理やり起こして街へと出かけた。
 
 広間に出たロクは、あの日壊れた壁や木々が直りかけているのに気が付いた。
 自分じゃ無意識にやったのだろうか。あの神族の仕業だとはよく覚えてはいた。
 あの日、一瞬にして2人の神族を始末したロクは、今どんな気持ちなのだろうか。

 「ロク・・・」
 「・・・あ、行こっかっ」
 「どうして・・・、知ってたんだ?」
 「へ?」
 「お前が神族だって事、もしかして最初から知ってたのか?」
 「う・・・ううん。この間の夜にちょうどレトとキールアが話してるの、聞いちゃって・・・」
 「それでか・・・しくじったなぁ」
 「でもあたし、悔やんでないから大丈夫」
 「そうなら・・・いいけど」

 ロクは嬉しそうに駆け出して、蛇梅隊の門をくぐっていった。
 レトはそんなロクの姿に、不安な気持ちを抱いていた。
 もし、あの笑顔が消え去る事があればどうしよう、と。

 「レトーーっ?早くしてよーっ!」
 「はいはい・・・、ったく・・・・」
 「・・・ねぇ、あれ神族のロクアンズ・エポールじゃない?」
 「ッ!?」

 レトはとっさに振り向いた。
 なんと、街の人々にもあの真実が知れ渡っていたのだ。
 レトは、きょとんとしているロクにも無視をして、話に耳を立てていた。

 「あぁ・・・確かに。自分を人間だと偽って蛇梅隊に忍び込んだって噂だぞ?」
 「えぇーっ?本当ー?そんな・・・人間を殺しにきたんじゃない?」 
 「だよなぁー・・・、あぁもう物騒だから消えてほしいよ」
 
 (何だよ・・・それ・・・・ッ!?)
 
 「ねぇ知ってる?あのロクアンズ・エポールって子っ!」
 「あぁあの神族でしょ?もう本当に何しにこの街に来たのかな?」
 「さっさと次元師達が始末すればいいのにねー?」
 「そうそうっ!!」

 (いや・・・、こんなに早く噂が立つなんて・・・・、何で・・・ッ!?)

 「レトー?何してんのー?」
 
 (やばい・・・、これをロクが聞いたら・・・ッ!!)

 「い、今行くから待っ・・・」

 「見て見てー、兄まで騙してんじゃないの?」
 「可哀相なお兄さんだよねー?あの有名なエポール兄妹の名が折れるよー」
 「え・・・・」

 (ロクが・・・気付い・・・たッ!!?)

 ロクは、その場に立ち尽くしてしまった。
 自分の噂が、こんなに悪く通っているとも思わなかったのだろう。
 
 「ホンット、迷惑ーっ!!」
 「裏切り者に、用はないってのっ!!」

 (裏切り・・・・、者・・・・—————————)

 ロクはあの言葉を思い出した。

 『あたし・・・裏切りなんて———————————ッ!!!』

 (どうして・・・、重なるの・・・・ッ!?)

Re: 最強次元師!! ( No.503 )
日時: 2010/08/06 10:20
名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: TV9sr51/)

皆のプロフィール6

リルダ・エイテル 男
年齢 10歳
誕生日 4月3日
身長 140㎝
体重 28㎏
特技 動物の世話
趣味   〃
好きな物 納豆・皆
嫌いな物 いじめっ子集団・蟻さん
「僕・・・面白い事言えませんし・・・、えぇッ!?お笑いなんて・・・、な、なんでやねんっ!((必死」

ヴェイン・ハーミット 男
年齢 26歳
誕生日 5月5日
身長 188cm
体重 55㎏
特技 パズル((最高で12分で1000ピース完成((ッ!?
趣味 特に無し
好きな物 自由な時間
嫌いな物 がり、甘い物
「あー・・・、何か旨いもんでも落ちてないもんかねー。あ、こんなところに——————、ぐふぇッ!?」

マリエッタ 
年齢 不詳
誕生日 不詳
身長 148cm
体重 25㎏
特技 特に無し
趣味 情けない主人を叱る事
好きな物 特に無し
嫌いな物 情けない時の主人
「あらあら。拾い食いだなんて情けない行為、許しませんよ?ヴェイン」

Re: 最強次元師!! ( No.504 )
日時: 2010/08/06 18:49
名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: TV9sr51/)

第118次元 執念

 もうもはや国中の人々が知った事であろう。
 ロクは自分の噂をされているのに気付き、冷や汗をかいてレトに呼びかけた。

 「レ・・・、レト、行こ・・・う?」
 「あ・・・あ、あぁ」
 「・・・どっか行くらしいよ?」
 「もうさっさと消えて欲しいよな?」

 街の人々の声が全てロクの耳に入る。
 1つ1つの言葉に、レトは怒りを抑え震えていた。
 
 「あーあ、やっぱ神族って人間滅ぼすだけの奴だったのか・・・」
 「がっかりだよねー・・・」
 「・・・・おい」

 レトは、もう耐えられなくなったのか、いきなり声を出した。
 街の人々はこちらに振り向き、不思議な顔をしている。

 「悪口言うのも、そこらへんにしないか?」
 「はぁー?第一義妹が神族で、憎もうともしないのか?お兄さんは」
 「あぁ、全然」
 「えー・・・、有り得ない・・・」
 「さっきから聞いてりゃロクの悪口ばっか言いやがって、他に何か言う事ないのか?お前ら」
 「ちょ、ちょっとレト・・・ッ!!」
 「他に?ないよな・・・?そんなの」
 「・・・感謝の言葉も分からないのか?」
 「感謝?」
 「半年前、この街に2人も神族が来ただろ?あの2人を始末したのは・・・————————」
 「もう、いいよレト」
 「ッ!?」

 ロクは、レトの服の裾をぎゅっと掴んで、レトにそう告げた。
 ロクは俯いた顔を上げ、苦笑いをした。

 「言ったじゃん、どんなに人間に嫌われても、あたしの目的は変わらないって」
 「でもあいつらは・・・ッ!!」

 ロクは首を振った。
 今にも泣きそうな顔で。

 「お願いだ・・・から。もうやめ・・・——————」

 ズ・・・・・ン・・・・・、


 「な・・・、何の音だ・・・?」
 「・・・・元魔かもしれない」
 「ッ!?こんな街中でかッ!!」
 「きゃぁぁぁぁッ!!」
 「怪物が来るぞーーーーーーッ!!!」
 「・・・くそッ!!」
 「行くよ、レト」
 「わぁってらぁッ!!」

 先ほどの音は、元魔の足音だった。
 だがあれほど巨大な音なのに、
 何故かまだ近くにはいなかった。

 「まさか・・・新元魔のやろうか・・・ッ!?」
 「可能性大。侮れないよ」
  
 次第に足音は大きくなり、レトとロクの目の前にもその忌々しい姿を現した。
 この大きさは・・・やはり新元魔だった。

 「くそ・・・住人は全員非難したのか?」
 「多分・・・ね」
 「・・・気を抜くなよ、ロク」
 「了解」

 新元魔は大きく手を振り上げ、2人に真っ逆さまに落としてきた。
 だがその攻撃は外れ、2人に掠りもしない。

 「・・・命中型じゃ、なさそうだな」
 「グアアアアアアアアァァァァァッ!!!」
 「・・・大声型か?」
 「んなわけないでしょ・・・」

 元魔の攻撃を交わし、またこちらからも攻める。
 そんな攻撃の繰り返しが続いていた。
 
 だが2人は見落としていたのだ、1人の子供を。

 「いやぁぁぁぁぁあああッ!!パパッ!!ママぁぁぁぁあぁッ!!!!」
 「ッ!?」
 「小さい・・・子供ッ!?」
 「・・・捕まえ・・・た」
 「やばい・・・ッ!!元魔に捕まったッ!!」
 
 小さな女の子は元魔の手の中にいた。
 今にも握りつぶされそうな小さな小さな子供を見て、下で嘆く母親。

 「誰か・・・、誰かうちの子を・・・ッ!!!」
 「どうする・・・?子供がいるから無闇に攻撃できない・・・」
 「・・・・レト」
 「ん?」
 「ちょっと、離れてて?」
 「何・・・するんだ?」
 
 ロクは何も言わずただ口元を歪ませて、
 たった1人で元魔の元へと走っていった。

 「ば、バカッ!!攻撃が当たるぞッ!!!」
 「パパ・・・、ママぁぁああああッ!!!」
  
 (何を考えてんだよ・・・あのバカッ!!!)

 「・・・自ら来る・・・とは・・・。愚か者・・・・め」
 「愚か者、か。そう言われるなら、そうでもいいけど」
 「何をしようと言う・・・・?今娘はこっちにいるんだ・・・・ぞッ!!!」
 「・・・、ッ!?」

 元魔はあいている右手で地面にいるロクに拳を向けてきた。
 1歩間違えれば死亡に繋がる、だがロクは1歩も動かずにいた。

 「風撃ーーーーーーーーーッ!!!!」

 そう、右手を突き出し、ロクは風撃を唱えて拳に向けた。
 その勢いで子供は落ち、ロクが子供も元へ走り、抱き抱えた。

 「もう・・・・大丈夫だから・・・」

 とロクが言いかけた瞬間・・・————————、

 
 元魔が拳を怒り狂ったようにこちらに隼の如く向けてきた。

 
 「ロクーーーーッ!!!」

 (護るんだ・・・、絶対にッ!!!!)

 その拳は落とされ、地形が変わるほどにまでの威力を見せ付けた。
 ドーム型のようにして凹んだ地面からは、ロクと子供の姿。
 だが、子供は一切怪我をしていなかった。

 「な・・・にが・・・?」
 「ママ・・・、ママッ!!」
 「良かったわ・・・っ!本当に・・・」
 
 (ロ・・・・、ク・・・・・?)

 地形が変わった地面からはロクの姿が見られたが、ロクは動こうともしなかった。

 「おい・・・ロクッ!!」
 「・・・・ご・・・め・・・」
 「ッ!?」

 だがロクは血反吐を吐きながらも立ち上がり、腕を押さえてレトの元へ歩いてやってきた。
 
 「ロク・・・、お前・・・・」
 「護る事・・・・できて・・・良か・・・・————————」

 ロクは、言葉を言い終わる事なく崩れるようにして倒れこんでしまった。
 さっきの攻撃はプロの次元師が受けても相当の怪我になる。
 そんな多大な力に挑むほど、ロクの目的というのは固いものだったのだろうか。

 「・・・・・」
 「やっと・・・、始末でき・・・た・・・」
 「・・・、始末?」 
 「そうだ・・・始末だ・・・・」
 「そうか、お前、めでたい奴なんだな。でも、運悪いぜ?」
 「・・・・・?」
 「あと2秒で死ぬから」

 レトがそう元魔に告げた瞬間、

 ザシュ————————————————————ッ!!!!

 とっくに元魔の体は斜め半分に切れていた。

 元魔は驚く暇も与えられず、体に大きな切込みを入れられた。
 あの状況で、しかもあの小さな剣で、
 どうやって元魔に一瞬にして切り込みを与えたというのだろうか。

 2秒が経過した頃には、元魔は崩れ去っていた。
 一体何が起こったのか、
 近くにいた子供の母親も目をまん丸にして驚いていた。

 「・・・・・やっぱ、お前はすげぇな、ロク」

 自分の執念を貫き通したロクは未だ目を覚まさずにいた。 
 ロクはこの時まだ生きていたのにも関わらず起きなかった。

 あの時、母親と子供が嬉しそうに泣きながら抱き合っているのを見たから。


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