コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
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最強次元師!!【※新スレ作成におけるお知らせ有り】
日時: 2015/03/15 09:40
名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: u/FYQltH)
参照: http://ncode.syosetu.com/n5050ci/

 運命に抗う、義兄妹の戦記。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐


 基本毎週日曜日に更新!


 ※追記

 実は、本作を一から書き直そうと思いまして別サイト様にて“完全版”を再連載し始めました。
 やりたい話が多くて一度断念してましたが、やっぱり優先しようと思ってもう一度記載致します。
 ご興味のある方はどうぞ! 上記のURLで飛べます*
 とってものんびりと、更新する予定です。


 Twitterの垢をつくってみました→@shiroito04
 イラストとか宣伝とかを呟いてます!



 ※注意事項

 ・荒らし・中傷はお控え下さい。
 ・チェンメなんかもお断りしてます。



●目次

prologue >>001
第001次元 >>002第011次元 >>012第021次元 >>048
第002次元 >>003第012次元 >>013第022次元 >>050
第003次元 >>004第013次元 >>019第023次元 >>052 
第004次元 >>005第014次元 >>020第024次元 >>055
第005次元 >>006第015次元 >>021第025次元 >>059
第006次元 >>007第016次元 >>025第026次元 >>060
第007次元 >>008第017次元 >>027第027次元 >>063
第008次元 >>009第018次元 >>030第028次元 >>065
第009次元 >>010第019次元 >>044第029次元 >>070
第010次元 >>011第020次元 >>046第030次元 >>071

第031次元 >>072第041次元 >>146第051次元 >>224 
第032次元 >>077第042次元 >>169第052次元 >>230
第033次元 >>081第043次元 >>176第053次元 >>234
第034次元 >>082第044次元 >>179第054次元 >>241
第035次元 >>090第045次元 >>180第055次元 >>245
第036次元 >>097第046次元 >>189第056次元 >>260
第037次元 >>104第047次元 >>191第057次元 >>262
第038次元 >>108第048次元 >>203第058次元 >>264
第039次元 >>109第049次元 >>209第059次元 >>268
第040次元 >>138第050次元 >>216第060次元 >>274

第061次元 >>298第071次元 >>359第081次元 >>385
第062次元 >>300第072次元 >>361第082次元 >>388
第063次元 >>308第073次元 >>365第083次元 >>391
第064次元 >>337第074次元 >>369第084次元 >>393
第065次元 >>338第075次元 >>370第085次元 >>399
第066次元 >>339第076次元 >>371第086次元 >>402
第067次元 >>345第077次元 >>377第087次元 >>403
第068次元 >>346第078次元 >>378第088次元 >>413
第069次元 >>352第079次元 >>380第089次元 >>414
第070次元 >>353第080次元 >>383第090次元 >>417

第091次元 >>420第101次元 >>448第111次元 >>480
第092次元 >>421第102次元 >>450第112次元 >>484
第093次元 >>422第103次元 >>458第113次元 >>489
第094次元 >>427第104次元 >>459第114次元 >>495
第095次元 >>431第105次元 >>467第115次元 >>499
第096次元 >>432第106次元 >>472第116次元 >>501
第097次元 >>433第107次元 >>475第117次元 >>502
第098次元 >>436第108次元 >>477第118次元 >>504
第099次元 >>444第109次元 >>478第119次元 >>507
第100次元 >>445第110次元 >>479第120次元 >>508

第121次元 >>509第131次元 >>544第141次元 >>558
第122次元 >>510第132次元 >>546第142次元 >>560
第123次元 >>511第133次元 >>547第143次元 >>563
第124次元 >>512第134次元 >>551第144次元 >>564
第125次元 >>520第135次元 >>552第145次元 >>565
第126次元 >>521第136次元 >>553第146次元 >>576
第127次元 >>528第137次元 >>554第147次元 >>590
第128次元 >>533第138次元 >>555第148次元 >>595
第129次元 >>534第139次元 >>556第149次元 >>608
第130次元 >>536第140次元 >>557第150次元 >>623

第151次元 >>631第161次元 >>683第171次元 >>759
第152次元 >>632第162次元 >>711第172次元 >>760
第153次元 >>633第163次元 >>719第173次元 >>762
第154次元 >>637第164次元 >>726第174次元 >>764
第155次元 >>643第165次元 >>739第175次元 >>766
第156次元 >>655第166次元 >>749第176次元 >>768
第157次元 >>659第167次元 >>753第177次元 >>769
第158次元 >>664第168次元 >>754第178次元 >>770
第159次元 >>665第169次元 >>755第179次元 >>771
第160次元 >>680第170次元 >>758第180次元 >>772

第181次元 >>773第191次元 >>788第201次元 >>813
第182次元 >>775第192次元 >>789第202次元 >>814
第183次元 >>776第193次元 >>792第203次元 >>826
第184次元 >>777第194次元 >>793第204次元 >>832
第185次元 >>778第195次元 >>794第205次元 >>835
第186次元 >>781第196次元 >>795第206次元 >>841
第187次元 >>782第197次元 >>798第207次元 >>853
第188次元 >>783第198次元 >>802第208次元 >>854
第189次元 >>784第199次元 >>803第209次元 >>855
第190次元 >>785第200次元 >>804第210次元 >>858

第211次元 >>862第221次元 >>883第231次元 >>897
第212次元 >>868第222次元 >>884第232次元 >>898
第213次元 >>873第223次元 >>888第233次元 >>901
第214次元 >>874第224次元 >>889第234次元 >>902
第215次元 >>875第225次元 >>890第235次元 >>903
第216次元 >>876第226次元 >>892第236次元 >>904
第217次元 >>877第227次元 >>893第237次元 >>905
第218次元 >>878第228次元 >>894第238次元 >>906
第219次元 >>879第229次元 >>895第239次元 >>907
第220次元 >>882第230次元 >>896第240次元 >>908

第241次元 >>909第251次元 >>929第261次元 >>955
第242次元 >>913第252次元 >>930第262次元 >>956
第243次元 >>914第253次元 >>933第263次元 >>957
第244次元 >>915第254次元 >>947第264次元 >>958
第245次元 >>916第255次元 >>948第265次元 >>959
第246次元 >>917第256次元 >>949第266次元 >>960
第247次元 >>918第257次元 >>951第267次元 >>961
第248次元 >>919第258次元 >>952第268次元 >>962
第249次元 >>921第259次元 >>953第269次元 >>963
第250次元 >>926第260次元 >>954第270次元 >>964

第271次元 >>965第281次元 >>977第291次元 >>988
第272次元 >>966第282次元 >>978第292次元 >>989
第273次元 >>967第283次元 >>979第293次元 >>990
第274次元 >>968第284次元 >>981第294次元 >>991
第275次元 >>969第285次元 >>982第295次元 >>992
第276次元 >>970第286次元 >>983第296次元 >>993
第277次元 >>973第287次元 >>984第297次元 >>994
第278次元 >>974第288次元 >>985第298次元 >>995
第279次元 >>975第289次元 >>986第299次元 >>996
第280次元 >>976第290次元 >>987第300次元 >>997

※第301次元〜は新スレにて連載予定


       ●おまけもの●

●資料集など
皆のプロフィール1 >>218
皆のプロフィール2 >>278
皆のプロフィール3 >>287
皆のプロフィール4 >>288
皆のプロフィール5 >>289
皆のプロフィール6 >>503
主な登場人物 >>852
さいじげテスト。 >>843
最強次元師!! について >>58

●番外編 
キールアの想い >>41
メイド喫茶祭り① >>327
メイド喫茶祭り② >>331
メイド喫茶祭り③ >>341
友達の証① >>492
友達の証② >>493
友達の証③ >>494
疎外少年と次元少女① >>810
疎外少年と次元少女② >>811
疎外少年と次元少女③ >>812
蛇梅隊DE☆大集合!! >>829
E FIEDLA >>941
英雄と妖精 >>945

 
●外伝
第001時限 >>942
第002時限 >>943
第003時限 >>944


●キャラ絵(1人)
奏様が描いて下さったルイル >>116
奏様が描いて下さったティリ >>105
奏様が描いて下さったロク >>119
奏様が描いて下さったロク(舌出しVer.) >>185
奏様が描いて下さったロク(ポニテVer.) >>523
奏様が描いて下さったキールア >>127
奏様が描いて下さったアリル >>141
奏様が描いて下さったリリアン >>148
奏様が描いて下さったミル >>154
奏様が描いて下さったフィラ副班 >>162
奏様が描いて下さったレト >>168
奏様が描いて下さったレト(メイド服Ver.) >>329
奏様が描いて下さったガネスト >>304 
奏様が描いて下さったガネスト(メイド服Ver.) >>318
奏様が描いて下さったアルア >>460

●キャラ絵(複数) 
奏様が描いて下さったレト、ロク、キールア >>693
奏様が描いて下さったエン、ミル、リルダ >>737

☆奏様には毎度ご感謝しております!!
 すごく似ていて、イメージ通りです
 キャラの絵が分からない場合には奏様の絵を見て下されば納得します!!
 これからも描き続けてほしいですね、是非とm((黙


●お知らせなど

* 2009 11/13 執筆開始
* 2013 09/01 執筆中断
* 2014 01/17 執筆再開
* 2014 10/19 別サイトにて再連載開始 >>980
* 2015 03/15 新スレ作成におけるお知らせ >>998

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Re: 最強次元師!! ( No.770 )
日時: 2011/03/12 13:20
名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: jBQGJiPh)

第178次元 砂漠に現れし“殺戮の拷問者”

 「くぅーっ!!おっわったぁーっ!!!」
 「今回は流石に楽だな、まぁ元力使わない仕事選んだ訳だし」
 「うんうんっ」

 日が傾く時刻。2人は砂埃の舞う広い砂漠で歩いていた。
 小さな一粒一粒の砂を見つめて、熱い地の上を淡々と進む。
 果てしなく見える大空と大地の狭間。
 義兄妹は本部に帰還する所だった。

 「あ・・・サボコロに怒られるかなぁ?」
 「はぁ?何が?」
 「ほら・・・来る前に・・・」

 ロクは任務に行く正午前後の事を思い出す。
 丁度サボコロに出会い、つい…。

 
 「お前らもう任務禁止令解禁なのかぁー?」
 「うん、今から砂漠まで行ってくるーっ」
 「へぇー・・・」
 「ついでにサボコロのご親族様にも挨拶してくるけどね?」
 「・・・おいてめぇ、俺はサボテンじゃねぇって何度いやぁ——————」
 「じゃあなー、サボテン君。綺麗なお花を咲かせるんだぞー」
 「レトまで・・・、ちょっと待ててめぇらァァァ————————ッ!!!!」

 
 という会話が飛び交っていた。
 帰って炎を浴びせられずに済む事を切に願う2人だった。
 元々悪いのはこの2人だが。

 「にしても・・・」

 ロクは額に手の甲を当てる。
 焼け付くような砂漠地帯に降り注ぐ熱い炎の光。
 漂う熱気を払うこともできない2人の体力は、もう限界。

 「何でこんなに熱いんだァァァァーーーーッ!!!」
 「・・・知らねぇよ・・・、つか、叫んだら余計熱くなるぞ」
 
 果てなく続く地平線。
 太陽の光だけを受けて、この熱い砂漠を歩く2人。
 此処にラミアがいたら…等と叶わぬ願いを胸に潜めていた。
 そんな物を願うくらいなら1歩でも進む冪だが…2人の足は止まる。
 冬になるこの季節に、何故熱い、と疑問を投げかけるかのように。

 「この世の太陽さんはどうなってんだ?冬になっても熱いんじゃねぇーだろうな?」
 「今が夏じゃない事を心から感謝したい」
 「俺もそう思・・・・——————————」

 途端、レトの言葉は紡がれる事なく止まった。
 それは、何かの音を耳で聞き取ったからだ。
 熱い地平線のこの大地に、
 自分達以外の人物がいるのは分かる、が。
 これは1人や2人ではない。

 複数、それも大勢の大群が迫りくる音—————————。

 「「——————————————ッ!!?」」

 思わず2人は振り返る。
 いる。何かがいる。
 この場から然程遠くない砂漠地帯に——————何かがいる。
 
 「何、だ・・・、この音」
 「分かんない——————————、でも」

 絶対何かがいる、とロクは言葉を飲み込む。
 急に不安と緊張感が込み上げてくる。
 喉元を鳴らし、2人は身構えた。
 そして…ゆらりと、人影が見えた。
 真っ暗でまだ良く見えないが、段々明白になっていく黒い影。
 その人影の背後にもまた…ずらりと大群が並ぶ。
 
 そして———————————————、


 「やぁ・・・—————————————、エポール義兄妹さん?」


 ド太い男の声。低音のその声に…2人はまたも震え上がる。
 見た事もない男。
 水色の服を来た、身長の低いその人物。

 「だ・・・・」
 「一体・・・・、あんた、誰なの?」
  
 2人から数十メートル離れたその位置にいる男は、にやりとその汚い口元で笑う。
 
 「剣闘族って言えば・・・分かるかな」

 「「———-——————————————————ッ!!?」」

 男はその口元で確かに『剣闘族』と言う。
 それは誰しも耳にする極悪人の名であり、一部の人間はその集団を『一番神に近し者達』とも言う。
 人を危め、人という人情溢れた者達を殺し、
 この世に害のある人物を徹底的に殺していく————————、云わば“殺戮の拷問者”

 「何でそんな奴らがこんなところにいるんだよ」
 「・・・何故って・・・、まぁ色々あるが・・・・・」
  
 レトはロクにとっては、剣闘族は許してはならぬ存在である。
 幼馴染の家族を罪なく殺し、
 サボコロの妹、エンの姉をも死へと誘ったのだから。
 自分の仲間達や身内を此処まで傷つけられ———————、この2人が許す筈もない。

 「そうだな・・・強いて言えば・・・」
 「・・・・」
 「そこのロクアンズエポール————————、いや、【FERRY】の処刑と言った所か?」

 ここ数日口に出していなかった、ロクの心を焼き切る程の事実。
 ロクの心そのものを乱雑に引き裂き…、底の底から抉り返す、その言葉。

 “神族【FERRY】”

 「神族と人族の交際は一切禁じ、十次元の発動も禁ずる。———“絶対法律”を忘れた訳ではないだろう?」

 “絶対法律”…とは。
  
 この国に置いて、また全世界に置いての守らねばならぬ法則。
 それは実に300条以上あり、掟に反した者に剣闘族が罰を下す。
 最も、“刺殺”、“射殺”…など、綺麗な殺し方は一切行っていない。
 この世界の秩序を乱す者に、“生”という娯楽は与えられないのだから。

 「・・・んで、その剣闘族様様が、ロクを殺しに来たってか?」
 「こちとら黙っていられないんだよ——————そういう罪人は」
 「・・・ふざけんじゃねぇ—————————ッ!!!!」

 啖呵を切ったレトは剣闘族の男に向かって叫び出した。
 
 「威勢がいいなぁ小僧。・・・でも、この大群相手にどう戦う?」
 「・・・っ!!」

 そう、男の背後には見るからに戦闘体勢の兵士が五万といた。
 完全装備に完全体勢。
 此処には戦いにきたというかのように、その兵士はずらりと並んでいる。

 「・・・ロク」
 「・・・・レ、・・・っ」
 「お前、もう1度でも元力使ったら危ないんだから、絶対手出すなよ」
 「でも・・・・それじゃあレトが・・・!!」
 「俺はお前を生かせたい————————、こんな願いじゃ、だめか?」

 振り返る事なく、レトは双斬を身構えそう言った。
 この大群の兵士を、たった1人で斬り抜くと、そう背中が物語る。
 無茶にも程がある…と、ロクは自分の言葉を飲み込んで、自分の無力さに痛感する。

 「面白いなぁ・・・、君。此処にいる兵士はざっと1000人だ。・・・君みたいな少年が、立ち向かうのか?」
 「あぁ————————そうだ」

 レトはそう振り切って、双斬を握りなおしてぐっと力を入れる。
 レトの背後にいるロクは、ただ震えて小さな粒を見つめた。
 そしてレトは大きく口を開けて、兵士に向けての言葉を一気に投げかけた。

 「そこの兵士全員—————————————、片っ端からアップルパイの具材にでもしてやるよッ!!!!」

Re: 最強次元師!! ( No.771 )
日時: 2011/03/16 14:31
名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: jBQGJiPh)
参照: インフルって何、美味s((ry

第179次元 砂漠に揺れる影

 熱気漂う砂漠地帯の上で鳴り響く金属音。
 機械兵器を完全コピーしたその物体が目の前に800以上も動いている。
 金髪の少年は双斬を振るい、熱い砂の上を駆け巡る。

 「く・・・っ!!こりゃ量が半端じゃ、ねぇな・・・!!」

 後退りをするも、次々を襲い掛かって来る殺戮の兵士達。
 幾ら倒してもきりがない。
 果たして、僅かな元力が削られていくこの時間の中で、少年は戦っていられるのか。
 限界なのか、視界が歪んで太陽がまるで微笑んでいるようにも見える。
 なんて最悪な太陽だ、とレトも呟いた。

 「レト・・・————っ!!」

 ロクが背後で叫ぶが、レトはもう避ける気力が殆ど残っていない。
 辛うじて兵士の攻撃が見えるが、この人数を相手にするには少なすぎる体力だった。



 
 一方、その頃蛇梅隊本部では…。

 「・・・何?」
 「そうなんです、まだレトとロク、任務から帰ってないんですよ」
 「どういうこったよ、それ。帰ってこねぇと俺の怒りがだな・・・」
 「喧嘩は置いといて下さい。可笑しいと思いませんか?」
 「?」
 「レトとロクが選んだ任務の級は確か“D”。元力を一切使用しない軽い任務だったんです」
 「ま・・・マジ?」
 「はい。任務に行ってから、既に4時間以上経ってます」
 「う・・・、嘘だろ・・・・」
 「・・・砂漠を乗り越える時間を入れたとしても・・・遅すぎじゃないですか?」

 がやがや…と騒ぎ立てる任務室の中。
 ガネストとサボコロは2人で何かを話し合っていた。
 
 「あの2人でも困難なもんがあるんじゃねーの?」
 「そんな・・・!!あの2人に限ってそんな事は・・・っ」
 「——————————————、それか、誰かに喧嘩を売られたか」

 !!?、というマークが2人の頭上に上がる。
 2人の横で足を組み、灰色の髪を掻き上げるその少女はそう冷たく言い放つ。
 
 「てぃ・・・ティリでしたか・・・」
 「・・・驚かすなよ・・・こえぇなぁ・・・」
 「別に驚かしたつもりはないけど。・・・でも、2人が誰かと戦っているのは確かね」
 「その・・・誰かって?」
 「剣闘族の用意した—————、殺戮兵器ってとこかしら」

 ティリナサ・ヴィヴィオは1つ溜息を漏らすと、その虚ろな瞳を動かして、2人の瞳を見透かすようにそう言った。
 そして目の前にあるオレンジジュースを口まで持ってきてごくりと喉を鳴らし、全てを飲み干すと、また話し始める。

 「剣闘族・・・・っ!!!」
 「そんな・・・何で・・・」
 「迷ってる暇はない。その殺戮兵器は今あの金髪と戦ってるのだと1000だけど、その背後にまだ複数存在する」
 「え・・・!?レトは今その1000人と戦ってるんですか!!?」
 「レト・・・無茶するぜ、あいつも」
 「ええ・・・私の幽霊達の情報だとね」
 「んじゃあ背後にまだ複数って・・・どれくらいなんですか?」
 「2000や3000じゃない・・・きっともっとあの剣闘族は呼んでる」
 
 思わず2人は息を飲み込み、言葉を失った。
 レトヴェールがたった1人で1000体もの兵士に挑み、今もまだ戦い続けている。
 それなのに…黙って見ていられるだろうか。
 サボコロはぐっと拳を握り締めた。
 
 「どうする?・・・———————、助けに行く?」




 
 あれから、3時間が経過した。
 レトは喉の奥が掠れる程、呼吸困難に陥っていた。
 目の前に映る景色は—————、倒れ伏せた兵士の山。
 その山の中で唯一、たった1人だけ少年は立つ。
 震える足で、震える拳で…懸命に、立つ。

 「はぁ・・・、はぁ・・・っ」
 
 最早息も絶え絶えで、遂には双斬を拳から落としてしまった。
 額から流れる汗も止まらない、レトは疲れ果てた体を保つ事ができず仰向けでそのまま倒れた。

 「れ・・・、レト!!?」

 立ち込める熱気と共に砂埃が舞う。
 ロクは真っ先にレトに歩み寄って、何度もレトの名前を呼んだ。


 見事なまでにやってしまった———————、“千人斬り”を。


 (凄いや・・・、レトは)

 双斬は心の中でそう呟くと、実体化する事なく消えていく。

 「レト・・・、レトってばぁ!!」
 「ったくうっせぇな・・・、死んでねぇって・・・」
 「だってだってーーッ!!!」
 
 半泣き状態でロクはレトの体を揺さ振った。
 逆に血を口から吹いてしまう、とレトは体が揺れる中心底そう思っていた。

 「くくく・・・、いやぁ見事だ、レトヴェール・エポール君?」

 そんな2人を見て、少し遠くから手を叩く音が聞こえた。
 卑しそうな笑みを浮かべてあの男が拍手をしているのだ。

 「君には本当に驚いたよ・・・まさか1000体も用意していた兵士を全員、倒してしまったのだから」
 「・・・・」
 「で・も—————————、お楽しみはこれからだよ?」

 再度聞こえてくる…鎧が触れ合い、動く度に鳴る金属音。
 広い地平線の向こうに蠢いているその薄い影を見て—————、2人は絶句した。
 
 まだいた————————、先程とは比べ物にならない程多量の兵士が。

 「そ・・・・、んな・・・・ッ!!!!」
 「・・・・ち、くしょ・・・・・っ」

 目の前に佇む同じ格好をした同じ兵士達。
 レトの体は言う事を聞かず、立つ事さえままならなかった。

 「それじゃあたしが—————」
 「・・・ダメ、だ・・・」
 「・・・!?」
 「お前が今元力使ったらどうなるか・・・、自分でも、分かってんだろ・・・・?」
 「でも・・・・—————っ!!!」

 心臓が飛び出す程高鳴り続ける。
 レトの受けた傷跡から、どくどくと流れ続ける赤い血。
 ロクが瞳から一粒の涙が流す、その時—————————。


 砂漠の熱気とは違う“熱さ”が———————、ロクの横を過ぎる。


 「—————————ッ!!?」

 そして、轟!!っとその濁った音を鳴るのと同時、傍にまで接近していた兵士が、みるみるその炎に包まれ燃えていく。
  
 「な・・・————ッ!!?だ、誰だ——————!!!」

 ゆらり…と地平線の向こうに佇んだ紅の髪をした少年。
 後に続き、ぞろぞろと背丈の似た人物達が姿を現した。

 「よぉエポール義兄妹———————————」

 その声を聞いて、2人は咄嗟に振り返る。
 はっきりとしてきたその人物の顔が今——————、明らかになる。

 「—————————、さっきの借り、きちんと返しにきてやったぜ?」

 
 そう、見覚えのある仲間達の姿が———————、そこにあった。

Re: 最強次元師!! ( No.772 )
日時: 2011/03/17 08:46
名前: 水琉 ◆6leuycUnLw (ID: jBQGJiPh)
参照: 元瑚雲です^q^

第180次元 魂の決意

 「お、お前、ら・・・っ!?」
 「はっはーん、まさかお前、びっくりしてんの?そうだよ、そうだよなぁ?お前ら2人の為にわざわざ来てやったんだからよ」

 サボコロは愉快そうに口元を歪ませて、レトの驚く顔を見て楽しんでいた。
 今此処で絶体絶命の危機に迫られていた2人に与えられた…希望。
 その希望がたった今———目の前に立っている。

 「ねぇ・・・」
 
 ロクは震える声で、冷たい汗の流れるその焦った顔で、困るようにしてそこにいる全員に尋ねる。
 口元を小さく開き、まるで幼い子供のようにその機械の目を皆に向けた。
 
 「どうして・・・————————?」

 それ以上何も言えなかった。
 どうして助けに来てくれたのか、なんて。
 言える筈もなかった———。
 
 「ど・・・どうしてって・・・・」 
 「そりゃぁ・・・ねぇ??」
 「僕達・・・此処にいる全員は、貴方に助けられたのですよ?——————、ロク」
 「え・・・・・」

 ロク本人も思わず声を上げた。
 ガネストの一言に、なんの狂いも誤算もない。
 気付いていないだけ———————、ロクは知らず知らずのうちに蛇梅隊の中を明るくしていったのだ。

 「僕とルイルはお互いに素直になる事を、貴方に教わったんです」
 「うん、そのおかげで今じゃこの通りだもんねっ!!」
 「俺はそうだな・・・、1人でいちゃ、意味が無い事。・・・もっと早く、前に進む冪だったよ」
 「私は特に助けられてないけど・・・強いて言うなら姉さんの性格を戻してくれた事・・・、それは感謝すべき事だわ」
 「あたしは勿論、あの実験の時・・・。ロクちゃんが仲間だよって言ってくれたから・・・だから信じられるって思ったの!!」
 「ぼ、僕は・・・、本当の強さの意味、ロクさんが一生懸命僕に、お、教えてくれました・・っ」
 「私、命がけでロクさんに守ってもらいました・・・っ、死んでいたかも・・・しれないのに」

 1人1人ロクに助けられたことを述べていると…後ろの方から3人の姿が現れる。
 今ではお馴染みのメンバーとなった…サボコロ、エン、キールアの3人だ。

 「俺は笑顔になる事だな!!、苦しんで笑ったって意味なんかねぇって、教わった」
 「・・・俺は単に、無理やりにでも俺の心を取り戻そうって必死になってくれた事だ・・・おかげで今は心がある」
 「あたし・・・あたしだって、そう。初めて友達になってくれて・・・本も探してもらって。感謝しきれないもん・・・っ!!」

 此処にいた計10名全員が、目の前でロクに微笑んでる。
 レトに、じゃない。
 救ってくれた感謝の言葉を乗せて、1人1人、ロクに思いを告げて言った。
 それは言葉だけじゃ伝わらない。
 自分達を救ってくれたロクを次は自分達が救ってみせると—————、そう、その顔が物語る。

 「おっしゃあ!!!皆、一暴れしてやろうじゃねぇか————ッ!!!!」
  
 サボコロが大々的に拳を上げてそう叫ぶと…。


 「おっと・・・じゃあ俺達も混ぜてもらおうかな?」


 「「「「「———————————ッ!!!??」」」」」

 
 何処からか…大人びた声が聞こえた。
 その声の主を探るべく全員がきょろきょろと首をまわして周りを探すと—————。

 「よ・・・久しぶりだな、レトヴェール?」
 「な・・・・、なな・・・!!?」
 「俺の顔忘れちまったかそうかそうか、じゃあキールアは俺の嫁に—————」
 「シェルとしゃ・・・シャラル—————ッ!!?」

 聞き覚えのある名前が大きく響き渡る。
 そう…、嘗てレトがレイチェルの街と、その隣町で出会った2人。
 シャラル・レッセルとシェル・デルトールだ。

 「お、お前らまで・・・何で此処に・・・!?」
 「何でって・・・丁度通りかかったんだよ。それに俺達、偶然にもあの後会ったんだよ」
 「てか、偶然にも偶然重なったっていうか・・・」
 「んで、お前に出会った者として意気投合した訳だ」
 「まぁシェルは俺らより年上だけどな」
 「・・・なんか、・・・もうごっちゃごっちゃ・・・・」
 「それより、そろそろ出てきたらどうだ?岩の後ろにいる双子さん?」

 シェルがそう言って岩の方へとちらっと目を向けると、そこから現れたのは薄い青色をした髪の双子の兄妹だった。
 少女の方は少し頬を膨らませて膨れっ面をしていて、兄の方は少し汗を流して苦笑いをしていた。
 
 「あ・・・・!?」
 「どうした、ロク」
 「リリアンと・・・・リリエン?」

 少女は膨れっ面を止める事なくそっぽを向いた。
 ロクが蛇梅奪還の為に処刑場まで行って、そこで一戦交えたあの双子の兄妹だ。
 妹のリリアン・エールと兄のリリエン・エールだ。

 「何で・・・?」
 「別に来るつもりはなかったんだけどぉ・・・、リリエンがい、行くって!!」
 「えぇー!?お、俺じゃなくて・・・リリアン、だろ?」
 「・・・〜〜〜っ!!どっちでもいいの!!兎に角、あの時貴方に言われた事、まだ覚えてるんだからぁっ」
 「あたしが・・・言った事?」
 「動物の大切さ。何も喋らなくたって、生き物は生き物。大切にする冪存在なんだって、貴方に教わったのっ!!」
 「あ・・・っ」
 「そのおかげで良心目覚めちゃったじゃないの、バカァ!!!」
 
 よく理解できない怒り方をする少女だな、とレトも心底思う。
 顔を真っ赤に染めて怒り出した少しルイル似の口調の少女は、またぷいっとそっぽを向く。

 「だから・・・、だから私達も戦わせてほしいの」
 「俺達だってまだ、お前の事忘れた訳じゃない。・・・手伝う事があるなら、やるよ」
 「2人とも・・・・」
 「にしても相変わらず身長伸びないんだな、ロクアンズは」
 「な・・・!!?そ、それは余計だァッ!!!」
 
 つい先程まであんなに暗い空気に打ちのめされていたこの砂漠地帯。
 それが、たった1人の少女為に集う次元師により今、最高の場所となる。
 だがその姿を見ていた剣闘族の男は声を震わせて…、

 「ふざけるなぁ!!!何故そんな神を助ける必要がある!?お前らを騙し、人間の敵のフェリーを、何故!!!」

 焦った口調で、汗の滲み出る拳を握りながら懸命に男は叫んだ。
 だが聞いていた次元師達は見向きもしない——————寧ろ。

 「ばっかじゃねぇーの?」

 サボコロは、そう笑って言い放つ。
 男の心そのものを突き放すかのように冷たく鋭い、尖った口調で言い放つ。
 
 「言っただろ—————、俺達はロクやレトに救われた存在だと」
 「その存在に対してどんな感情を抱くかは己の自由」
 「よって僕達次元師の選択肢は1つですよ——————、哀れな剣闘族さん?」


 その瞬間、次元師達の魂を燃やすその感情が表れ、形と成す———————っ!!。


 「行くぜ皆—————————————、派手に暴れてやろうじゃねぇかッ!!!!!」

 「「「「「「「「オォ————————————ッ!!!!!」」」」」」」」

Re: 最強次元師!! ( No.773 )
日時: 2011/03/17 13:55
名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: jBQGJiPh)
参照: 慣れなかった((←

第181次元 想う気持ち

 「おらおらおらァ———ッ!!!」 
 「・・・———ッ!!」
 
 此処は最早戦場と化していた。
 たった1人の神たる少女の為だけに、この場所に————14人の次元師が集まってしまったのだから。
 そしてこの場で、14人もの次元師は己の次元技を存分に、全力を出し切り振るう。
 
 「おいエン、お前へこたれてねぇーか?」
 「何だと?お前その首射抜いてやろうか?」
 「・・・相変わらず冗談効かねぇんだな、おい」
 「余所見するなよ、ド阿呆—————ッ!!」
 「了解だぜ————、炎撃ィィ———————ッ!!!」

 烈火の如く舞う火花の中に佇むサボコロとエン。
 舞い上がる炎、それを掻き消し射抜かれる一閃の刃。
 仲が良いのか悪いのか…、どういうコンビなんだとレトは呆然と立ち尽くす。
 他にもあまり見る事のないガネストの蒼き双銃裁き、見る者を虜にしてしまうルイルの製菓。
 ラミアの透明で、全てを飲み込む水術と、ティリの見事なる霊操の数々。
 ミルの見るも無残で残酷な殺人劇、リルダの驚異的原子爆弾の絶大な爆風も吹き荒れる。
 シェルは見事なる剣術で兵士を圧倒し、シャラルは己の氷柱で兵士を信じられない速度で固まらせ、倒していく。
 そして…、セルナの次元技はというと。

 「久しぶりのこの姿だな・・・、たっぷり遊んでやろうじゃねぇの—————ッ!!!」
 
 (—————————————!!!?、正確真逆ですかァァァーーッ!!!?)

 可愛らしいあの瞳が今じゃ逞しい、凛とした眼差しに変わっていて、若干釣り目になっている。
 腰に手を当てて、まるで少年のような口調で騒いでいた。

 「・・・・、おらよ———ッ!!!」
 「・・・———!!?」
 
 セルナはその細い足であり得ない程の力を発揮し、兵士を頭上に上げ、自らも飛躍し、兵士と隣合わせになった。
 そして…。

 「流星落としィィィ——————ッ!!!!」
  
 ガァァァァンッ!!っと、鎧にも関わらず、先程同様足で斜め下方面へ、衝撃と共に兵士を叩き落す。
 その速さは最早電光石火の如く。
 地面へと落ち、その近くにいた兵士諸共衝突し合い、その衝撃で爆風まで巻き起こった。

 「身体能力増加の次元技か・・・」

 そう、セルナの次元技はたった1つ、『強加』だけだ。
 セルナ自身の人格をまるで別人のようにし、次元級毎に身体能力を上げていく次元技。
 先程のように脚を強化させる事は勿論、体の至る所を強くする事ができる。
 
 「く・・・っ!!何故・・・・、あり得ない—————!!!」

 たった1人、血が滲む程の強さで拳を握る人物がいた。
 この景色が信じられない…とでもいうように。

 「何故だ・・・、神族は我らの敵———————、剣闘族に歯向かう気か貴様らァァッ!!!」

 目が充血しているのが良く分かる、この現状を前にして落ち着いていられる訳にはいかない。
 そして、戦う事のできないキールアは仲間の傷を癒し終わると、す…っと立ち、剣闘族に金色の瞳を向ける。

 「シーホリーの娘か・・・ッ!!」
 「残念ね、剣闘族」
 「・・・なんだ、と・・・———!?」
 「ロクは確かに神族よ、でも裏切ってなんかいない。ロクがいつ、何処で人間を傷つけたというの—————!!!」

 ロクを貶されて、自分の家族を無実の罪で殺されて、彼女が許す筈もなかった。
 熱い砂を踏み締めて、キールアは男に歩み寄った。
 1歩1歩…まるで追い詰めるように、歩み寄った。

 「ロクは誰も傷つけてない、殺してない!!・・・なのに、あんた達剣闘族は————」
 「————!!!?」
 「あんた達みたいな人殺しの方が————————、よっぽど悪人よッ!!!!」

 人殺し…たった1つのキーワードで、男はたじろいだ。
 兵士も大分数が少なくなってきた頃…、男は漸く口を開いて少女に反抗する。
 
 「人殺しだと!!?貴様の先祖がやった事を—————、忘れた訳ではあるまいな!!!」
 「・・・・!?」
 「街の人口の半分以上を死へと誘った最低の悪人の末裔—————、キールア・シーホリー!!!」
 「そ、れは・・・・っ」
 「所詮はお前も一緒だ・・・、人殺しなんだよ————!!!」
  
 キールアの瞳に弱みの色が掛かった時、キールアの背後から、金髪の少年の声が聞こえてくる。
  
 「・・・ちげぇよ」

 (—————!!?)

 僅かに瞳に溜まっていた滴を、振り返る勢いと共に振り落としたキールアの肩は、震えを止まらせていた。
 少年は傷ついた体を懸命に動かし、キールアを庇うようにして右手を広げ、剣闘族の男の前で立ちはだかった。

 「・・・なんだと?」
 「キールアは人殺しじゃない。それに、それは千年前の話だろうが」
 「それがどうした?人殺しの末裔なんぞ—————」
 「そいつがやった事なんだよ、キールアは何もやってねぇっつってんだろ———!!!」
 「・・・・!!」
 「ロクを殺す序にキールアも殺るってか?欲張りだなぁ、おい」
 「・・・く・・・・っ!!」
 「どうする?今此処にいる、ロクを覗いた———————15人の次元師があんたを襲うぜ?」
  
 少年が後ろをちらっと振り向くと、殆ど全員が首を縦に振り、頷いた。
 此処にいる全員の意見は一致。否定する者もない。
 追い詰められた剣闘族の男は額に多量の汗を流していた。

 「お・・・、覚えておけロクアンズ・エポール——————————」
 「・・・・・!!?」
 「——————————————————、神に生まれてきてしまった以上、幸せなど続かないと!!!!」

 剣闘族の男は纏っていた黒いマントで身を隠すと、まるで景色に溶けてしまったかのように姿を消した。
 丁度3000以上もの兵士と戦っていた仲間達も全員を倒し終えたのか、清清しい顔で3人の元へ寄ってきた。

 「よっ、かっこつけてくれんじゃねぇかレトヴェール君?」
 「あのなぁ・・・」
 「久しぶりに善戦した気がするな」
 「大丈夫?ロクちゃん?怪我ないのー?」
 「あ・・・うん」

 つい2,3日月程前まで冷たい視線を日々喰らっていたロク。
 でも、違う。
 冷たい目線じゃない、突き放した口調じゃない。

 暖かな瞳が今、ロクに向けられてる————————。
 
 「ねぇ・・・ロク」
 「・・・?」
 「重たいものを背負うなら、ロクだけじゃダメだよ」
 「・・・・」
 「皆で、ここにいる全員でロクの背負った神族とか妖精とか・・・そういうもの、全部分けようよ?」
 「・・・キールア・・・・、そうだね・・・、ありがとう——————」

 暖かな瞳が、此処にある。
 暖かな世界が———、此処にある。

 神なんて、妖精なんてどうでもいい。
 大事なのはたった1つ。

 仲間を想う気持ちだけ———————。

Re: 最強次元師!! ( No.774 )
日時: 2011/03/20 17:28
名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: jBQGJiPh)
参照: http://www.kaki-kaki.com/bbs_m/view.html?618029

新しく表紙的な何かを描いてみた((

初めて全身全霊を使った気がする…そんな作品です。
こんな程度の絵に渾身の力を込めるなんて、とか思わないで←
勿論ロク、レト、キールアの3人ですーっ


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