コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 最強次元師!!【※新スレ作成におけるお知らせ有り】
- 日時: 2015/03/15 09:40
- 名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: u/FYQltH)
- 参照: http://ncode.syosetu.com/n5050ci/
運命に抗う、義兄妹の戦記。
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
基本毎週日曜日に更新!
※追記
実は、本作を一から書き直そうと思いまして別サイト様にて“完全版”を再連載し始めました。
やりたい話が多くて一度断念してましたが、やっぱり優先しようと思ってもう一度記載致します。
ご興味のある方はどうぞ! 上記のURLで飛べます*
とってものんびりと、更新する予定です。
Twitterの垢をつくってみました→@shiroito04
イラストとか宣伝とかを呟いてます!
※注意事項
・荒らし・中傷はお控え下さい。
・チェンメなんかもお断りしてます。
●目次
prologue >>001
第001次元 >>002第011次元 >>012第021次元 >>048
第002次元 >>003第012次元 >>013第022次元 >>050
第003次元 >>004第013次元 >>019第023次元 >>052
第004次元 >>005第014次元 >>020第024次元 >>055
第005次元 >>006第015次元 >>021第025次元 >>059
第006次元 >>007第016次元 >>025第026次元 >>060
第007次元 >>008第017次元 >>027第027次元 >>063
第008次元 >>009第018次元 >>030第028次元 >>065
第009次元 >>010第019次元 >>044第029次元 >>070
第010次元 >>011第020次元 >>046第030次元 >>071
第031次元 >>072第041次元 >>146第051次元 >>224
第032次元 >>077第042次元 >>169第052次元 >>230
第033次元 >>081第043次元 >>176第053次元 >>234
第034次元 >>082第044次元 >>179第054次元 >>241
第035次元 >>090第045次元 >>180第055次元 >>245
第036次元 >>097第046次元 >>189第056次元 >>260
第037次元 >>104第047次元 >>191第057次元 >>262
第038次元 >>108第048次元 >>203第058次元 >>264
第039次元 >>109第049次元 >>209第059次元 >>268
第040次元 >>138第050次元 >>216第060次元 >>274
第061次元 >>298第071次元 >>359第081次元 >>385
第062次元 >>300第072次元 >>361第082次元 >>388
第063次元 >>308第073次元 >>365第083次元 >>391
第064次元 >>337第074次元 >>369第084次元 >>393
第065次元 >>338第075次元 >>370第085次元 >>399
第066次元 >>339第076次元 >>371第086次元 >>402
第067次元 >>345第077次元 >>377第087次元 >>403
第068次元 >>346第078次元 >>378第088次元 >>413
第069次元 >>352第079次元 >>380第089次元 >>414
第070次元 >>353第080次元 >>383第090次元 >>417
第091次元 >>420第101次元 >>448第111次元 >>480
第092次元 >>421第102次元 >>450第112次元 >>484
第093次元 >>422第103次元 >>458第113次元 >>489
第094次元 >>427第104次元 >>459第114次元 >>495
第095次元 >>431第105次元 >>467第115次元 >>499
第096次元 >>432第106次元 >>472第116次元 >>501
第097次元 >>433第107次元 >>475第117次元 >>502
第098次元 >>436第108次元 >>477第118次元 >>504
第099次元 >>444第109次元 >>478第119次元 >>507
第100次元 >>445第110次元 >>479第120次元 >>508
第121次元 >>509第131次元 >>544第141次元 >>558
第122次元 >>510第132次元 >>546第142次元 >>560
第123次元 >>511第133次元 >>547第143次元 >>563
第124次元 >>512第134次元 >>551第144次元 >>564
第125次元 >>520第135次元 >>552第145次元 >>565
第126次元 >>521第136次元 >>553第146次元 >>576
第127次元 >>528第137次元 >>554第147次元 >>590
第128次元 >>533第138次元 >>555第148次元 >>595
第129次元 >>534第139次元 >>556第149次元 >>608
第130次元 >>536第140次元 >>557第150次元 >>623
第151次元 >>631第161次元 >>683第171次元 >>759
第152次元 >>632第162次元 >>711第172次元 >>760
第153次元 >>633第163次元 >>719第173次元 >>762
第154次元 >>637第164次元 >>726第174次元 >>764
第155次元 >>643第165次元 >>739第175次元 >>766
第156次元 >>655第166次元 >>749第176次元 >>768
第157次元 >>659第167次元 >>753第177次元 >>769
第158次元 >>664第168次元 >>754第178次元 >>770
第159次元 >>665第169次元 >>755第179次元 >>771
第160次元 >>680第170次元 >>758第180次元 >>772
第181次元 >>773第191次元 >>788第201次元 >>813
第182次元 >>775第192次元 >>789第202次元 >>814
第183次元 >>776第193次元 >>792第203次元 >>826
第184次元 >>777第194次元 >>793第204次元 >>832
第185次元 >>778第195次元 >>794第205次元 >>835
第186次元 >>781第196次元 >>795第206次元 >>841
第187次元 >>782第197次元 >>798第207次元 >>853
第188次元 >>783第198次元 >>802第208次元 >>854
第189次元 >>784第199次元 >>803第209次元 >>855
第190次元 >>785第200次元 >>804第210次元 >>858
第211次元 >>862第221次元 >>883第231次元 >>897
第212次元 >>868第222次元 >>884第232次元 >>898
第213次元 >>873第223次元 >>888第233次元 >>901
第214次元 >>874第224次元 >>889第234次元 >>902
第215次元 >>875第225次元 >>890第235次元 >>903
第216次元 >>876第226次元 >>892第236次元 >>904
第217次元 >>877第227次元 >>893第237次元 >>905
第218次元 >>878第228次元 >>894第238次元 >>906
第219次元 >>879第229次元 >>895第239次元 >>907
第220次元 >>882第230次元 >>896第240次元 >>908
第241次元 >>909第251次元 >>929第261次元 >>955
第242次元 >>913第252次元 >>930第262次元 >>956
第243次元 >>914第253次元 >>933第263次元 >>957
第244次元 >>915第254次元 >>947第264次元 >>958
第245次元 >>916第255次元 >>948第265次元 >>959
第246次元 >>917第256次元 >>949第266次元 >>960
第247次元 >>918第257次元 >>951第267次元 >>961
第248次元 >>919第258次元 >>952第268次元 >>962
第249次元 >>921第259次元 >>953第269次元 >>963
第250次元 >>926第260次元 >>954第270次元 >>964
第271次元 >>965第281次元 >>977第291次元 >>988
第272次元 >>966第282次元 >>978第292次元 >>989
第273次元 >>967第283次元 >>979第293次元 >>990
第274次元 >>968第284次元 >>981第294次元 >>991
第275次元 >>969第285次元 >>982第295次元 >>992
第276次元 >>970第286次元 >>983第296次元 >>993
第277次元 >>973第287次元 >>984第297次元 >>994
第278次元 >>974第288次元 >>985第298次元 >>995
第279次元 >>975第289次元 >>986第299次元 >>996
第280次元 >>976第290次元 >>987第300次元 >>997
※第301次元〜は新スレにて連載予定
●おまけもの●
●資料集など
皆のプロフィール1 >>218
皆のプロフィール2 >>278
皆のプロフィール3 >>287
皆のプロフィール4 >>288
皆のプロフィール5 >>289
皆のプロフィール6 >>503
主な登場人物 >>852
さいじげテスト。 >>843
最強次元師!! について >>58
●番外編
キールアの想い >>41
メイド喫茶祭り① >>327
メイド喫茶祭り② >>331
メイド喫茶祭り③ >>341
友達の証① >>492
友達の証② >>493
友達の証③ >>494
疎外少年と次元少女① >>810
疎外少年と次元少女② >>811
疎外少年と次元少女③ >>812
蛇梅隊DE☆大集合!! >>829
E FIEDLA >>941
英雄と妖精 >>945
●外伝
第001時限 >>942
第002時限 >>943
第003時限 >>944
●キャラ絵(1人)
奏様が描いて下さったルイル >>116
奏様が描いて下さったティリ >>105
奏様が描いて下さったロク >>119
奏様が描いて下さったロク(舌出しVer.) >>185
奏様が描いて下さったロク(ポニテVer.) >>523
奏様が描いて下さったキールア >>127
奏様が描いて下さったアリル >>141
奏様が描いて下さったリリアン >>148
奏様が描いて下さったミル >>154
奏様が描いて下さったフィラ副班 >>162
奏様が描いて下さったレト >>168
奏様が描いて下さったレト(メイド服Ver.) >>329
奏様が描いて下さったガネスト >>304
奏様が描いて下さったガネスト(メイド服Ver.) >>318
奏様が描いて下さったアルア >>460
●キャラ絵(複数)
奏様が描いて下さったレト、ロク、キールア >>693
奏様が描いて下さったエン、ミル、リルダ >>737
☆奏様には毎度ご感謝しております!!
すごく似ていて、イメージ通りです
キャラの絵が分からない場合には奏様の絵を見て下されば納得します!!
これからも描き続けてほしいですね、是非とm((黙
●お知らせなど
* 2009 11/13 執筆開始
* 2013 09/01 執筆中断
* 2014 01/17 執筆再開
* 2014 10/19 別サイトにて再連載開始 >>980
* 2015 03/15 新スレ作成におけるお知らせ >>998
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- Re: 最強次元師!! ( No.755 )
- 日時: 2011/08/08 22:45
- 名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: SLKx/CAW)
第169次元 曇天に向かう想い
あの白衣の男の行方はいざ知らず。
白衣の男の本当の目的は、“神族のデータを収集し、研究し、神族を造る”だったという。
本物のデータを使用すれば神を超える事ができる…という馬鹿馬鹿しいもの。
後に、ミルから知らされる事になるとは言わなくても良いだろう。
そしてその後、ミル・アシュランを残して本部に帰還した5人は医療室で寝そべっていた。
サボコロは疲れ果ててそのまま就寝。
エンは自分の不甲斐なさに自分を責めつつあり、
キールアはそんな2人とロクとレトを朝から晩まで看病していた。
「・・・ミル、大丈夫かな」
「んぁ・・・、お前が心配するこたないだろ・・・それより」
「・・・?」
「俺はお前の方が心配だな。怪我治ってないだろ?」
「あぁ・・・うん、元力の方もね。もうピンチかも」
「かもって・・・お前なぁ・・・」
ミルを残して来てしまい、ロクは不安を抱えていた。
だがそんな事を考えられる程の体力などなく、すぐにくたっとしてしまい、ため息をつく。
あの時、どうしてロクはミルの元へと向かったのだろうか。
そもそも何も知らなかったロクには、己の体を無理やりに動かしてまでミルを追う必要はなかったはずだ。
「・・・あたしね、見ちゃったんだ」
「見たって、何を?」
「あたしの看病をしてたのか・・・椅子の下に変なレポート用紙があってね」
「レポート用紙・・・?」
「うん。それが落ちてたから拾ったら・・・実験の事とか、【十一次元】の事も、全部全部書いてあって」
「実験・・・」
「あぁ、知らないならいいけど。・・・それでミルが危ないんじゃないかって思って・・・追いかけたの」
「そうだったのか・・・ちょっと不思議に思ってたんだ、俺も」
そして必死になってミルの元力を辿って、ロクは研究所へと向かった。
扉が開いている事で、中に人がいると確認したロクはそのまま奥へと行き、
あの大広間の扉の目の前にきたのだ。
何故か明るくなっているため驚いて、ロクは扉の奥を覗き込んだ。
そしたら咄嗟にも、元魔の咆哮がキールアに襲い掛かろうとしているのを目撃し、雷砲を放った。
「あたし・・・行って良かったのかな」
「当たり前だろ、お前が来なきゃキールアはやられてた」
「・・・・そか・・・・そうなら、いいんだけど・・・」
「何か考え事でもあんのか?」
「・・・いや・・・・・」
レトの質問に小さく答えたロク。
その顔は何処か憂鬱で、暗い雨の下にいるかのような表情を見せた。
そして実際に外に降る雨なんかを見つめながら、ロクは目を細めた。
雨の滴る一瞬一瞬の音を、聞きながら。
「変な事考えんなよ」
「・・・え?」
「お前はお前だ、お前らしく戦えばいい」
レトは分かっていた。
ロクが今、感じ、思っていた事を。
忘れる訳がない。
街の人達に反感を受けた、あの日の事を。
自信がなかったのだ、ロクには。
人間に好かれる自信が、神族の自分が人族を護りきれるという、自信。
「・・・今回の一件じゃ、まだ分かんねぇけどさ」
「・・・うん」
「言っただろ、少なくとも俺は見方だって」
「・・・うん」
「胸を張れ、堂々としてなくちゃお前じゃない」
義兄からの言葉が、どれだけ心に響くのだろう。
自分を信じてくれる人がいる、
たったそれだけの喜びを噛みしめながら、ロクはうんと頷いた。
「久しぶりに俺達で任務行くか?」
「え・・・でも、違う部隊だし・・・」
「平気だろ、今まで俺達だったんだし。副班達も許してくれるだろ」
「・・・大丈夫かな・・・」
「心配すんな、今はその方が都合いいだろ?」
「ん・・・まぁ」
体が動けるようになったら行こうな。
レトはロクにそう告げた。
ロクはまた、うんと頷いて、
そして空を仰ぐ。
曇天の空を・・・青空でもない濁ったガラス越しの空を、
まるで向日葵のように太陽に向かって、仰ぐ。
「どんな任務がいい?」
「んー・・・遠出がいいかも」
「だよな。・・・じゃあ砂漠の向こうだなっ!!」
「そんな遠く?」
「いいじゃん、砂漠も悪くない」
「まぁ・・・偶にはね」
2人はまた笑い出す。
近々色んな事があったのに、この義兄妹が笑う。
どんなに周りに否定されても、変わらない。
ずっと隣で笑い合えるような存在になりたい。
2人はその時、強く願った。
違う種族で違う家族で・・・血も繋がってない2人が、
ただ懸命に、お互いを強く想い合う。
班長室へ向かう為、1人の副班は足早に歩いていた。
フィラ副班は肩に紅色の小さな蛇を乗せて、扉を開ける。
目の前にいたのは、糖類ゼロのブラックコーヒーを啜りながら分厚い書類を片手に持つやや長身な男。
そう、この蛇梅隊本部の班長だった。
「班長」
「んー?何だー?」
「次の会議の予定・・・なんですが」
「あぁ、支部共々集まるやつね」
「実は、支部の方の次元師が1人、こちらに移るとか」
「え・・・それ、本当?」
「はい。年は現在14。内気で、ちょっとドジな子、らしいのですが・・・」
「そりゃ楽しみだなぁ。・・・よし、写真を・・・」
「あぁ、それと一切撮影はご遠慮下さい。その絶対的なロリコン主義をそろそろ卒業頂かないと」
「・・・・絶対て・・・・」
フィラ副班からの一喝を喰らい、班長はぐでっと椅子の背に凭れかかった。
流石昔馴染みの副班長、フィラ・クリストンだ。
これから班長の起こす行動など、目に見えている。
肩を竦めてため息を漏らすフィラ副班は再度気を取り直し、書類を片手に話し始めた。
「・・・ふーん・・・・忙しいなぁー・・・」
「頑張って下さい、これは皆の為なんですから」
「そう言われてもなぁー・・・、あぁ・・・面倒臭い」
「ったく・・・写真撮るのは好きなくせに・・・」
頬を膨らませたフィラ副班は、もう1度ため息をついてからくるっと方向転換をした。
まだ机でだらだらとしていた班長を見て少し微笑み、ゆっくりとドアを開けて、
「では、失礼します」
と丁寧に言ってからまた廊下を歩き出す。
藍色の綺麗で純粋な髪の毛を秋風に靡かせて、美しい足取りで冷たい廊下を気にもせずに歩くその姿は、
春に、街中を透き通った美しい声で満たしていく、鶯を連想させた。
その時、本部の門が開いた。
その先にいたのは・・・偽りなき笑顔で微笑む、幸罰の少女の姿だった。
- Re: 最強次元師!! ( No.756 )
- 日時: 2011/02/04 22:36
- 名前: 海苔缶 (ID: S20ikyRd)
- 参照: 素人であります。
瑚雲様。
…な、何とか総てを読み終えました。
重厚な内容に加え、心情の交差する物語…。
読んでいる最中に幾度と心を打たれました。
素晴らしい…、その一言に尽き…、否、言葉では語り尽くせないほどの素晴らしい作品と述べるに遜色無いです!!
こんな素晴らしい作品を読ませて戴いた事、僕の読者人生の最も誇るべき事と言えます。
ありがとうございます、瑚雲様!!
まだまだ言葉は述べ足らないですが、今回は此処までで終わらさせて戴きます。
これかもら執筆、頑張って下さい。
それではッ!!
- Re: 最強次元師!! ( No.757 )
- 日時: 2011/02/04 22:50
- 名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: jQHjVWGa)
>>海苔缶さん
なななななんと!!!??
海苔缶さんが来ていると驚いた上に、読んで下さったんですか!!?
あ、ありがたきお言葉・・・本当に勿体無いです。
そんな・・・、海苔缶さんに比べれば、かなりの駄作もので、
こんなのが1年以上続いている事事態びっくりなんですから!!((
ど、どどどどくしゃ・・・人生ですと!?
素晴らしいなんてとんでもない!!
来て下さっただけでも凄く内心舞い上がってる自分ですからッ!!((ぇ
ありがとうございます以上に言葉が見つからないです、ごめんなさい…。
貴方の様な文才溢れる方に褒めて頂けるとは夢にも思ってなかったので凄く嬉しいですッ!!
ご期待に添えるかは不安ですが、頑張らせて頂きますねw
こちらこそ、ではではっ。
- Re: 最強次元師!! ( No.758 )
- 日時: 2011/03/02 19:52
- 名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: yycNjh.Z)
第170次元 運命を背負いし橙の少女Ⅰ
秋になり、紅葉が街に色を付け始めた。
夏の熱気はどこか遠くへ飛んだのか、今は肌寒い次期となった。
隊員達は集会所のストーブの前で日に日に温まっている。そういう日常が続いている。
そんな時、秋の寒気も吹っ飛ばしてしまうような事実が、とある義兄妹を苦しめた。
「・・・って事で、貴方達はここ2週間、任務禁止だからね?」
「「・・・は、はいぃぃぃ——————————!!?」」
あまりの事実に思わず驚きの言葉を吐き出す2人。
フィラ副班は病室にいた2人を見て、はぁ、っとため息を吐く。
もの静かで白を基調としたこの部屋で、唯一2人だけの声が響いた。
「・・・だからぁ、貴方達のここ何ヶ月かの調子を見ても、無茶ばっかりなの!!」
「でも・・・っ!!」
「それに、今は元力の心配をした方がいいわ。・・・なくなったら次元師じゃいられないのだから」
「う・・・」
「まぁ外を出歩く程度はいいけど・・・くれぐれも無茶しないように!!」
「はぁーい・・・」
「もし何かあったら私達に知らせてね?私達は大人として貴方達を護る義務があるから」
「へいへい、分かりましたよー」
「2週間くらいなら別に・・・」
「よし、良い子ね。流石エポール兄妹っ!!」
フィラ副班はそういってよしよし、と2人の頭の上にぽんと掌を乗せると、自分の仕事の為、帰っていった。
しぶしぶ言う事を聞く事にしたレトとロクは、真っ白なベッドの上に腰をかけて座った。
軟らかな感触に包まれそのまま倒れた2人は、目線の先にある天井を見上げた。
「2週間か・・・」
「暇になるねー・・・」
「ちょっと憂さ晴らしに街にでも出るか?」
「え・・・あ、でも・・・」
「・・・、あぁ、ごめん。・・・やっぱ、ダメか?」
「いや・・・まぁ別にどうって事じゃ、ないけど・・・」
「嫌ならいい、俺1人で行く」
「じゃ、じゃああたしも行く!!」
「・・・嫌じゃないのか?」
「久しぶりにレトと街をぶらぶら歩くのも、悪くないと思って」
「・・・物好きだな、やっぱ」
2人は勢い良くベッドから起き上がると、病室を抜けて門へ向かった。
何ヶ月ぶりだろうか。
この頃はエンやサボコロの事もあり、そして神族だと分かったロクへの反逆もあったりと、忙しない日々が続いていた。
それに、ロクにとっては半年も眠っていた訳だから、あの日が昨日の事のように思えてくる。
だから尚更思うのだ、義兄と出かけるのはいつぶりなんだろう、と。
「くーっ!!やっぱさみぃけどいいなぁ外の空気は」
「だねぇーっ、病室って薬品臭いし」
「さて、と何処行くかな・・・」
ちゃっかり防寒着を纏い、2人は外の冷たい空気に触れた。
私服を着るのも久しぶりだ、と先程レトが呟いていたもんだ。
少し長めのコートを羽織り、首元には黒いマフラー。ロクは耳当てまでやっている。
10月といっても、これ程寒いものだ。
「・・・ん?」
「?、どうしたの?」
「あの路地の奥・・・」
レトは何かを見つけたのか、目線の先にある細い路地を見つめていた。
そしてふと走り出し、その路地の奥へと突き進んでしまう。
暗い路地の向こう。
その先に向かってしまったレトを追いかけるべく、ロクも迷わず路地へと入っていった。
狭くて細い、真っ暗な道を辿る2人。
変な水の音まで聞こえる為、余計に寒気が差してくる。
「ねぇ・・・どうしたの?」
「いや・・・・、今人が・・・」
「人・・・?」
「キャぁぁ———————ッ!!!」
「「———————!!?」」
途端、女性の声が2人の耳を突き抜けた。
声がしたのは右の方向。
2人は迷わず右に曲がって走った。
「だ・・・大丈夫ですか!?」
着いた先にいたのは、中年の男に胸倉を掴まれて涙目になっている同い年くらいの少女だった。
少女はびくびくと震え、眼鏡越しの瞳からは涙が輝いている。
そんな状況を前に、あの少女が許す筈もない。
「今助—————」
レトがそう、言いかけた瞬間の出来事。
レトの真横を、一筋の光が通った。
「・・・え?」
瞬間、中年の男は大きな爆音により煙に包まれた。
その激しい雷撃は見事暗闇に潜んでいた男を捉えたのだ。
襲われていた眼鏡の少女の口はぽかんと開いていて、驚きに溢れた表情を見せた。
「・・・いい年した大の大人が女の子を襲うじゃありません!!!」
腰に手を当てて右手の人差し指を突き出したロクはびしッ、っと男にその指を向けた。
ひくひくと足を動かし、しゅう・・・、というように体から煙を放つ中年の男は、
「・・・に、逃げられると思うなよ—————!!!」
とだけ言い残し、さっさと街の方へ消えていってしまった。
ふんっ、とそっぽを向いたロクは、隣にいた少女の方に振り返る。
「大丈夫?」
「あ・・・はい、ありがとうございます・・・」
「さっきの男の人、知り合いなの?」
「ま、まぁ・・・知り合い、というのが1番適切ですね・・・」
「・・・?」
「な、何でもないですっ!!本当に助かりましたっ」
「へ?いや・・・別にそこまでは・・・」
「いえ・・・本当に、助かったんです」
「・・・?」
腰まで伸びた橙色の髪の毛を揺らして、深くお辞儀をした少女。
若干の垂れ目で、ものすごく気弱そうに見えたその少女はどことなくリルダを連想させた。
おどおどしていて慌てているところがとても似ている。
「・・・んで、何で襲われてたの?」
「わ、私・・・」
「・・・?」
少女は一瞬言葉を詰まらせた。
それが本当に詰まらせただけなのか、それとも言えない事情があるのか否か。
「————————————狙われてるんです」
- Re: 最強次元師!! ( No.759 )
- 日時: 2012/08/16 09:41
- 名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: TDcrpe6v)
第171次元 運命を背負いし橙の少女Ⅱ
「・・・んで、さっきの話だが・・・・」
喉奥と潤わすアップルジュースを口に含み、かたんと音とたててテーブルに置いたレト。
少し言葉を詰まらせながらも、レトは話を切り出した。
・・・今から凡そ10分前。
任務禁止令を出され、街の中をぶらぶらと歩いていたレトとロクの義兄妹。
そこでふと、暗い路地の奥に何かあると感じたレトは走り出し、ロクもそのまま奥へと突き進んだ。
その奥で中年の男に胸倉を掴まれ、涙目になって怯えていた少女を見つけた。
少女に話を聞くと、少女は一言、
『狙われている』
と言った。
それに疑問に思った2人は、近くにあった喫茶店で眼鏡をかけた少女と一緒にいた。
そして、現在に至る。
「・・・そ、それは・・・・」
「何か、言えない話?」
「そうでは・・・ないですけど・・・」
「あたし達、蛇梅隊の次元師で、放っておけないんだ、貴方みたいな人っ」
「そ、そうなんですか・・・!?」
「うん、レトヴェールとロクアンズって、知らない?」
「え・・・・あ、あのエポール義兄妹なんですか!!?」
少女は思わず声を荒げ、テーブルに手をつけ、ガタンッ!!と音と鳴らした。
非常に驚いたのか、眼鏡越しの瞳がその表情をあらわにしていた。
この少女の耳にも、ロクとレトの名前は届いていたらしい。
「あ、そ、そうだけ、ど・・・」
「私・・・こんな人達とお話なんて・・・!!」
「いやいや・・・、そこまで・・・・」
「んで、話せない内容なのか?『狙われてる』ってのは」
「詳しくは話せませんが・・・少しくらいなら」
「んー・・・、あっ、貴方、名前何ていうの?」
「私ですか?・・・私はセルナ・マリーヌと言います」
「セルナ、ね・・・。あたしの事はロクでいいから」
「そ、そんな罰当りな・・・っ!?」
頬を赤らめて手を左右に振り、必死になっているセルナ・マリーヌ。
彼女はどうやら臆病で且つ、内気な人らしい。
見ていて飽きないなぁ、とロクは顔を緩ませて笑った。
「・・・おい、本題に入らねぇか?そろそろ」
「あ・・・そうだったね。それで、話せる範囲まで話してくれる?」
「あ、はい・・・・実は・・・」
・・・彼女は次のように語った。
「私、遠くの村に住んでいたんです、両親と一緒に。でもある時・・・」
ある時、私の家にたちの悪い強盗のような人達が入り込んできたんです。
それは突然で、それに凄く頭に来ていたのか、
私の両親はすぐに殺されてしまいました。
生き残った私は護ってくれた両親から逃げろと言われ、涙ぐみながらも雨の中、必死に走って逃げ回りました。
強盗のような人達は、実は今、国際指名手配犯の4人組で、酷い殺し屋だったそうでした。
そして近くの森で体力のない私は力尽きて、殺し屋達にも見つかって、絶望していた時です。
その人達に言われたんです。
『お前、生きてぇか』って。
その言葉に驚いていた私に、更に苛立った殺し屋達は、『生きてぇかって聞いてんだよッ!!!』って怒りだして・・・。
私は必死になって顔を上下させて頷きました。
死にたくなかったんです。
そしてたその人達が笑って、私の事を眠らせて・・・ある場所に連れて行かれました。
その場所が何なのかは言えませんが、とにかく静かなところでした。
殺し屋達に聞いてみたところ、お前に協力してほしい事があると言われ、私はその現場まで向かいました。
そこは・・・とある研究所でした。
何も知らされないまま、私はまた眠らされたんです。
ところが・・・。
「・・・と、ところが・・・・?」
「・・・・・」
「・・・・セルナ?」
「ごめん、なさい・・・やっぱり言えない・・・っ!!」
「セルナ・・・・、何?何か、あったの?」
「貴方達を巻き込みたくないです・・・ごめんなさい。今の話・・・全部忘れて下さい」
「セル—————ッ!!」
ロクが叫んで手を伸ばしたが、セルナは走って去っていった。
一瞬見えた、光る何か。
セルナの眼鏡越しの瞳から・・・光が零れ落ちた。
(泣い・・・、てた・・・・?)
あれは幻覚だったのだろうか。
たった一瞬に見えた小さな光。
だが確かに震えていた、確かにここで彼女は語っていた。
何かに恐れて・・・それでも懸命に。
誰かの助けを求めていた—————————。
「・・・レト、どうする?」
「どうするもこうするもねぇだろ。・・・お前も同じ気持ちだろ?」
「・・・やっぱり、そういう性分だもんね」
ロクとレトは、その後必死になってセルナを探したが、
街の中には・・・それらしき人物はいなかった。
もういなくなってしまったのだろうか。
いや・・・それにしても。
2人は何より気になっていた事があった。
『研究所』という言葉だ。
研究所は今でも多く聳え建っているが、訳も分からぬ実験に無関係者は普通、連れ込もうとしない。
まだ発見されていない実験が存在しているか、
それとも新しい実験の企画が始まっている、か否か。
いや、レトもロクもそんな事は気にも留めていない。
幼き頃の師、ルノス・レヴィンの死。
幸罰の少女、ミル・アシュランを苦しめた悲劇。
この2つを縛り付けていた根本的な原因は『実験』だった。
もう2度と繰り返したくない、哀しみだけを植えつけられる。
そんな実験を垣間見てきた義兄妹は、何を思っていたのだろうか。
神族に勝ちたいが為に、国や政府が強制的に行わせた実験など、
もう、見たくない。
犠牲者は作らない、必ずこの手で、少しでも多くの人間を救い出す。
2人が天に誓った、生涯の約束———————————。
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