コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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最強次元師!!【※新スレ作成におけるお知らせ有り】
日時: 2015/03/15 09:40
名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: u/FYQltH)
参照: http://ncode.syosetu.com/n5050ci/

 運命に抗う、義兄妹の戦記。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐


 基本毎週日曜日に更新!


 ※追記

 実は、本作を一から書き直そうと思いまして別サイト様にて“完全版”を再連載し始めました。
 やりたい話が多くて一度断念してましたが、やっぱり優先しようと思ってもう一度記載致します。
 ご興味のある方はどうぞ! 上記のURLで飛べます*
 とってものんびりと、更新する予定です。


 Twitterの垢をつくってみました→@shiroito04
 イラストとか宣伝とかを呟いてます!



 ※注意事項

 ・荒らし・中傷はお控え下さい。
 ・チェンメなんかもお断りしてます。



●目次

prologue >>001
第001次元 >>002第011次元 >>012第021次元 >>048
第002次元 >>003第012次元 >>013第022次元 >>050
第003次元 >>004第013次元 >>019第023次元 >>052 
第004次元 >>005第014次元 >>020第024次元 >>055
第005次元 >>006第015次元 >>021第025次元 >>059
第006次元 >>007第016次元 >>025第026次元 >>060
第007次元 >>008第017次元 >>027第027次元 >>063
第008次元 >>009第018次元 >>030第028次元 >>065
第009次元 >>010第019次元 >>044第029次元 >>070
第010次元 >>011第020次元 >>046第030次元 >>071

第031次元 >>072第041次元 >>146第051次元 >>224 
第032次元 >>077第042次元 >>169第052次元 >>230
第033次元 >>081第043次元 >>176第053次元 >>234
第034次元 >>082第044次元 >>179第054次元 >>241
第035次元 >>090第045次元 >>180第055次元 >>245
第036次元 >>097第046次元 >>189第056次元 >>260
第037次元 >>104第047次元 >>191第057次元 >>262
第038次元 >>108第048次元 >>203第058次元 >>264
第039次元 >>109第049次元 >>209第059次元 >>268
第040次元 >>138第050次元 >>216第060次元 >>274

第061次元 >>298第071次元 >>359第081次元 >>385
第062次元 >>300第072次元 >>361第082次元 >>388
第063次元 >>308第073次元 >>365第083次元 >>391
第064次元 >>337第074次元 >>369第084次元 >>393
第065次元 >>338第075次元 >>370第085次元 >>399
第066次元 >>339第076次元 >>371第086次元 >>402
第067次元 >>345第077次元 >>377第087次元 >>403
第068次元 >>346第078次元 >>378第088次元 >>413
第069次元 >>352第079次元 >>380第089次元 >>414
第070次元 >>353第080次元 >>383第090次元 >>417

第091次元 >>420第101次元 >>448第111次元 >>480
第092次元 >>421第102次元 >>450第112次元 >>484
第093次元 >>422第103次元 >>458第113次元 >>489
第094次元 >>427第104次元 >>459第114次元 >>495
第095次元 >>431第105次元 >>467第115次元 >>499
第096次元 >>432第106次元 >>472第116次元 >>501
第097次元 >>433第107次元 >>475第117次元 >>502
第098次元 >>436第108次元 >>477第118次元 >>504
第099次元 >>444第109次元 >>478第119次元 >>507
第100次元 >>445第110次元 >>479第120次元 >>508

第121次元 >>509第131次元 >>544第141次元 >>558
第122次元 >>510第132次元 >>546第142次元 >>560
第123次元 >>511第133次元 >>547第143次元 >>563
第124次元 >>512第134次元 >>551第144次元 >>564
第125次元 >>520第135次元 >>552第145次元 >>565
第126次元 >>521第136次元 >>553第146次元 >>576
第127次元 >>528第137次元 >>554第147次元 >>590
第128次元 >>533第138次元 >>555第148次元 >>595
第129次元 >>534第139次元 >>556第149次元 >>608
第130次元 >>536第140次元 >>557第150次元 >>623

第151次元 >>631第161次元 >>683第171次元 >>759
第152次元 >>632第162次元 >>711第172次元 >>760
第153次元 >>633第163次元 >>719第173次元 >>762
第154次元 >>637第164次元 >>726第174次元 >>764
第155次元 >>643第165次元 >>739第175次元 >>766
第156次元 >>655第166次元 >>749第176次元 >>768
第157次元 >>659第167次元 >>753第177次元 >>769
第158次元 >>664第168次元 >>754第178次元 >>770
第159次元 >>665第169次元 >>755第179次元 >>771
第160次元 >>680第170次元 >>758第180次元 >>772

第181次元 >>773第191次元 >>788第201次元 >>813
第182次元 >>775第192次元 >>789第202次元 >>814
第183次元 >>776第193次元 >>792第203次元 >>826
第184次元 >>777第194次元 >>793第204次元 >>832
第185次元 >>778第195次元 >>794第205次元 >>835
第186次元 >>781第196次元 >>795第206次元 >>841
第187次元 >>782第197次元 >>798第207次元 >>853
第188次元 >>783第198次元 >>802第208次元 >>854
第189次元 >>784第199次元 >>803第209次元 >>855
第190次元 >>785第200次元 >>804第210次元 >>858

第211次元 >>862第221次元 >>883第231次元 >>897
第212次元 >>868第222次元 >>884第232次元 >>898
第213次元 >>873第223次元 >>888第233次元 >>901
第214次元 >>874第224次元 >>889第234次元 >>902
第215次元 >>875第225次元 >>890第235次元 >>903
第216次元 >>876第226次元 >>892第236次元 >>904
第217次元 >>877第227次元 >>893第237次元 >>905
第218次元 >>878第228次元 >>894第238次元 >>906
第219次元 >>879第229次元 >>895第239次元 >>907
第220次元 >>882第230次元 >>896第240次元 >>908

第241次元 >>909第251次元 >>929第261次元 >>955
第242次元 >>913第252次元 >>930第262次元 >>956
第243次元 >>914第253次元 >>933第263次元 >>957
第244次元 >>915第254次元 >>947第264次元 >>958
第245次元 >>916第255次元 >>948第265次元 >>959
第246次元 >>917第256次元 >>949第266次元 >>960
第247次元 >>918第257次元 >>951第267次元 >>961
第248次元 >>919第258次元 >>952第268次元 >>962
第249次元 >>921第259次元 >>953第269次元 >>963
第250次元 >>926第260次元 >>954第270次元 >>964

第271次元 >>965第281次元 >>977第291次元 >>988
第272次元 >>966第282次元 >>978第292次元 >>989
第273次元 >>967第283次元 >>979第293次元 >>990
第274次元 >>968第284次元 >>981第294次元 >>991
第275次元 >>969第285次元 >>982第295次元 >>992
第276次元 >>970第286次元 >>983第296次元 >>993
第277次元 >>973第287次元 >>984第297次元 >>994
第278次元 >>974第288次元 >>985第298次元 >>995
第279次元 >>975第289次元 >>986第299次元 >>996
第280次元 >>976第290次元 >>987第300次元 >>997

※第301次元〜は新スレにて連載予定


       ●おまけもの●

●資料集など
皆のプロフィール1 >>218
皆のプロフィール2 >>278
皆のプロフィール3 >>287
皆のプロフィール4 >>288
皆のプロフィール5 >>289
皆のプロフィール6 >>503
主な登場人物 >>852
さいじげテスト。 >>843
最強次元師!! について >>58

●番外編 
キールアの想い >>41
メイド喫茶祭り① >>327
メイド喫茶祭り② >>331
メイド喫茶祭り③ >>341
友達の証① >>492
友達の証② >>493
友達の証③ >>494
疎外少年と次元少女① >>810
疎外少年と次元少女② >>811
疎外少年と次元少女③ >>812
蛇梅隊DE☆大集合!! >>829
E FIEDLA >>941
英雄と妖精 >>945

 
●外伝
第001時限 >>942
第002時限 >>943
第003時限 >>944


●キャラ絵(1人)
奏様が描いて下さったルイル >>116
奏様が描いて下さったティリ >>105
奏様が描いて下さったロク >>119
奏様が描いて下さったロク(舌出しVer.) >>185
奏様が描いて下さったロク(ポニテVer.) >>523
奏様が描いて下さったキールア >>127
奏様が描いて下さったアリル >>141
奏様が描いて下さったリリアン >>148
奏様が描いて下さったミル >>154
奏様が描いて下さったフィラ副班 >>162
奏様が描いて下さったレト >>168
奏様が描いて下さったレト(メイド服Ver.) >>329
奏様が描いて下さったガネスト >>304 
奏様が描いて下さったガネスト(メイド服Ver.) >>318
奏様が描いて下さったアルア >>460

●キャラ絵(複数) 
奏様が描いて下さったレト、ロク、キールア >>693
奏様が描いて下さったエン、ミル、リルダ >>737

☆奏様には毎度ご感謝しております!!
 すごく似ていて、イメージ通りです
 キャラの絵が分からない場合には奏様の絵を見て下されば納得します!!
 これからも描き続けてほしいですね、是非とm((黙


●お知らせなど

* 2009 11/13 執筆開始
* 2013 09/01 執筆中断
* 2014 01/17 執筆再開
* 2014 10/19 別サイトにて再連載開始 >>980
* 2015 03/15 新スレ作成におけるお知らせ >>998

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Re: 最強次元師!! ( No.925 )
日時: 2013/07/21 16:40
名前: 雪月 桜花 (ID: evK4EJEz)

いやー、いい感じで進んでますね!!

最後の戦いが待ち遠しいです!!

楽しみに待ってますね

Re: 最強次元師!! ( No.926 )
日時: 2013/07/21 21:14
名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: kcbGQI7b)
参照: アメブロ、Twitter、skypeなど多様な面で活動中。

 第250次元 その背に全てを託して

 心地の良い風が吹き抜ける。
 長い間過ごしてきたこの部屋とも、今日でお別れ。
 昨日のうちに綺麗にしておいた部屋を、4人は後にする。
 少し名残惜しい気もするが、それも仕方がない。

 今日は、人族代表者トーナメント決勝戦。
 誰もが望み憧れる、代表者を決める戦い。
 それが、今日この日に行われる。

 見事トーナメントを勝ち抜いてきたエポールチームは、廊下を歩いていた。
 万全の体調に、最早傷一つ見えない元気な体で。
 いつもと違う雰囲気に包まれていた4人は、顔には出さないものの緊張はしていた。
 そして、強い追い風の舞う会場へと、足を踏み入れた。


 「す……っげ……」
 「正に決勝戦だな……」
 「観客増えてねーか……!?」 
 「こんなに大勢の人見たの、初めてかも……」


 今までの比に、ならなかった。
 中には次元師もいるかもしれぬ会場には、収まりきらない程の人の波。 
 連なる人でいっぱいの会場には、立って観戦している者も。
 レト達はその観客の多さに圧倒されながらも、選手席へ向かう。
 その近くには、なんと。

 「お、お前ら……!?」

 蛇梅隊の全員が、レト達の選手席の後ろの席に座っていた。
 勿論それは副班長を除いた、7人。
 ミル、ガネスト、ラミア、ティリ、ルイル、セルナ、そしてリルダ。
 7人共、晴れ晴れとした表情でレト達の入場に拍手をしていた。
 
 「僕達ではなれなかった英雄に、なって下さいね! ここから応援してます!!」
 「……まぁ、一応応援はしといてやるよ」
 「私も……応援は、する。……頑張りなさいよ」
 「やっほーい! 頑張ってね4人とも!! ルイルも応援してるよっ!」
 「が、頑張って下さいね……!」
 「僕、も……皆さんに、か、勝ってほしい、です……っ」

 皆が、エポールチームの優勝を願って。
 素直じゃない者もいるが、4人は快く応援を受け取った。
 レトは、一番真ん中に座っていたミルに気付く。
 彼女は、とても穏やかに微笑んだ。
 
 「ありがとう……レト」

 その声は、普段悪戯好きで、元気溢れるミルの声とは思えない程優しかった。
 ずっと言いたかった言葉を、伝えたい気持ちをその声に込めたのか。
 ミルは、言葉を紡ぐ。

 「凄く……嬉しかった。レトの言葉の一つ一つが、心の中で響いてくみたいで」
 「へっ? え、あぁ……まぁ、あれは思った事を言ったまで、なんだけど……」
 「それでも、本当に嬉しかった! ありがとう——————あたし、貴方と……貴方達と、“仲間”で本当に良かった!」
 
 最初に救ってくれたのは、ロクアンズ・エポールだった。
 優しい心と揺るぎない決心が、ミルを救い上げた。 
 眩しい程の優しさが、ミルの凍りきった心を温めた。

 次に彼女を救ったのは、レトヴェール・エポールだった。
 同じく血の繋がっていない妹を持つミルと、自分を重ねて。
 そうして感じた想いをぶつけた彼は、恐怖で震えたミルから、その全てを薙ぎ払った。

 2人に出会えた事を、誇りに思うように。
 ミルはいつも通り、元気な声で、決して嘘のない言葉で笑う。

 「あたしも応援してるから! ……絶対勝つって——————貴方達の強さ、信じてる!!!」

 レトがミルの強さを、信じたように。
 ミルも心の底から、彼らの強さを信じていた。
 以前のように、無邪気に笑ってみせる彼女は本当に幸せそうだった。
 レトは、おう! と応えてみせた。

 「——————おいおい何だよレトヴェール、あたし達は無視なワケか?」
 
 突然に聞こえたのは、強きな男口調で。
 でもその声は男性にしては高く、女性にしては少し低めの、そう。
 まるで3週間前にレトが戦場で聞いた、あの人の声にとても似ていた。

 「え……え——————ロティッ!!?」

 ロティが、ぶらぶらと手を振っていた。
 蛇梅隊の更に後ろの席に、それも他多数の人間を引き連れて。
 彼女だけではなかった。今まで戦ってきた敵陣全員が、そこにいた。

 「負けたら許さないから、覚悟してね? 可愛い坊やっ!」
 「へ? ……ってムシェル!!?」
 「私も……応援、してます……」 
 「……ファイまで来ているのか」
 「私もですキールア・シーホリー。負けたら承知しませんですから」
 「る、ルルネ……っ」
 「……ふん。せいぜい無様な姿は見せるなよ、レトヴェール」
 「り、リフォルもいんのかよ……おいおい、どうなってんだ?」

 混乱している4人は、まだ気付かない。
 その4人の隣に座っていた、別の4人組に。
 そう、中心辺りに座っていたロティの隣にはまだ3人座っている。
 ちらっとロティの方を向いたレトは、やっとその存在に気付く。
 
 「って……お、おお前らまで!!?」

 いたのは、ロティ・アシュラン率いるアシュランチームの面子だった。

 「私達を倒しておいて、ここで負けようものなら本気で殺しますからね、お二方」
 「げ!! セシル!!?」
 「悪木盗泉……戻れぬ道なら、進むまで。……負けるなよ」
 「わ、分かっている……テシルよ」
 「キールアちゃんっ、あたしも応援してる! でも負けたらぴょーんってしちゃうからね!!」
 「ぴょ、ぴょーん……?、?」
 「もう1回見せてくれよ、あたし達をこてんぱんにしてくれた————てめえらの強さってやつを!!!」
 
 一斉に、15人の視線が集った。
 自分の仲間と、自分の敵と。
 それなのに、何故か全員が仲間のようで。
 まるで全員が、最初から仲の良かった仲間のようで。
 ロティは、小さく息を吸う。

 「もう1回言うぜ————————————ぜってえ勝ってこい!!!!!」

 頷く仲間達。
 レト達は、お互いの顔を見合わせる。
 そして、向き直って。


 「「「「———————————もちろんッ!!!!」」」」


 全員の想いを、その背に託す。
 逞しく成長した4人は、この戦いが始まった時とはまるで別人だった。
 真実の嘘を暴き、不屈の心で地獄から這い上がり、
 そうして辿り着いた次元師の戦いの中で、大きく成長した4人。
 
 次元技が覚醒したり、両次元発動したり、限界を超えた勝負を繰り広げたり。
 いつだって生と死の境界線の上にいた4人だったが、全て困難は乗り越えてきた。
 負けても尚歯を食い縛ってここまで辿り着いた。
 あとは、託された使命に、強き願いに、応えてみせるだけ。

 「エン、サボコロ……キールア——————————いくぞ!!!!!」

 「「「おう————————!!!!!」」」

 ここに再び、強い絆が誕生する。
 誰も負けはしないと、また固く決意を結んだ。
 4人は、会場へ目をやる。 
 立っているのは、良く見知った4人組。
 シェル率いる、デルトールチームのメンバーだった。

 
 「さぁ始めようぜ————————レトヴェール!!!!」

 
 会場は、今までの比にならない程広く大きかった。
 決勝戦用に用意したものらしく、場所もこの間とは違う。 
 吹き荒れていた風も、シェルの叫びによって掻き消される。
 エポールチームが会場に降り立ったところで、お馴染みのアナウンスが流れた。

 『えーえー……ではこれより————————————決勝戦を開始します!!!!!!』

 上がる歓声の中に佇む8人は、落ち着いていた。
 デルトールチームの方は、シェル以外皆フードを被っていたが、エポールチームには分かっていた。
 分かっていて尚、それを口には出さなかった。
 景色に乱反射する歓声の中で、怒号の中で、またもアナウンスが響く。

 『尚、決勝戦は今までとは違う戦闘形式で戦ってもらいます。なので説明を良く聞いて下さい。
  決勝戦には、今までにあった第1試合、第2試合といったものがありません。
  4対4のガチンコバトル——————先に敵の大将を討ち取った側の勝ちとなります!!』

 ざわつく会場で一番驚いていたのは、勿論エポール・チームだった。
 これは、神人世界戦争のルールに基づいている。
 戦争では、先に大将を倒すか殺すか、降参させた方が勝ちという至ってシンプルなルールになっている。
 その練習も兼ねての戦闘形式だろう。異論の声は上がらなかった。

 『えーっと……それでは、双方準備は宜しいですか?』

 喧しい観客の声と、吹き荒れる風を除けば、静寂であっただろうこの場所。
 デルトールチームは、全員フードを脱ぎ捨てる。
 そこにいたのは——————紛れもない“奴ら”で。
 今更動揺もしないレト達が、ほんの少し構えをとったところで。 
 それでは、と。聞き慣れたアナウンスが響き渡る。


 『人族代表決定戦最終選考決勝戦—————————————開始ィィ!!!!!』


 「「「「「「「「次元の扉——————————発動!!!!!!!!」」」」」」」」
 

 激しく響く次元師達の決意で————————最終決戦の火蓋は、切って落とされた。

Re: 最強次元師!! ( No.927 )
日時: 2013/07/21 22:11
名前: 雪月 桜花 (ID: evK4EJEz)

き、きたぁぁぁぁぁぁぁ、ついに来ましたね!!

これからの展開が楽しみです。

更新ガンバです!応援してます✌

Re: 最強次元師!! ( No.928 )
日時: 2013/07/27 13:46
名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: kcbGQI7b)
参照: アメブロ、Twitter、skypeなど多様な面で活動中。

お返事遅れてすみません……!


>>檸檬さん
 
 来て頂けるだけで凄く嬉しいです!
 とても長いので大変かと思われます……(((;゜д゜)))
 では、またのお越しをお待ちしています!


>>雪月 桜花さん
  
 わわ! また来て頂いて嬉しいです!
 最後の戦いまでまた長いような気がしますが……頑張って更新していきたいと思ってます。
 そう言って頂けて嬉しいです、有難う御座います。
 はい! 頑張りますねっ

Re: 最強次元師!! ( No.929 )
日時: 2013/07/28 19:43
名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: kcbGQI7b)
参照: アメブロ、Twitter、skypeなど多様な面で活動中。

 第251次元 嘗ての同士

 ————————ガキンッ!!!!

 会場の隅々にまで響きわたる乾いた音。
 それは、突然のことだった。


 「「——————————ッ!!?」」


 大将たるレトヴェールとシェルが、
 真っ向から、己の持つべき剣で受けて立つ。
 2人は、加速と同時に対峙する。
 剣の鬩ぎ合う音だけが響いた。

 「へえ……おんなじ事考えてたって……事か」
 「さっさと終わらせようと思っても、どうやら無駄みたいだな」

 エンもサボコロも、勿論キールアも。 
 3人は、同時に驚いた。
 大将を討つ戦法ではなく、大将同士が自ら討ち合うという事は。
 どれをとっても、神人世界戦争の形にとてもよく似ていた。

 「ちょっとーっ! こっち向いてよ!!」
 「余所見してる暇ないんじゃね? ほらほら、こっち向けよバカコンビ」

 エンとサボコロの背後から、似たような声が立て続けに聞こえてきた。
 2人が振り向くと、そこにいたのは。

 
 「やっぱてめえらか……——リリエン、リリアン!!」


 少し緑の入った、青色の髪。
 双子の割に似ても似つかない——————リリエン・エールとリリアン・エールの双子組み。
 
 「あんたらとは戦ってみたかったしな。ちょいっとお手柔らかに頼むぜ?」
 「まあ別に、勝たせてなんてあげないけどねっ!」
 「上等だ!! 白黒はっきりつけようぜ!!!!」
 「いつかの仲間が今は敵とは……これ程面白いこともないな」

 そういったエンの言葉を最後に、4人は互いに勝負を開始。
 そう。レトとロクアンズが砂漠を渡っていた時、出会ったのがこの2人だった。
 いや、襲われていたレト達を助けに入ってくれた、というのが正しかっただろう。
 見事ロクに染まってしまった2人は、双子ならではの技術で敵を圧倒。
 一度はロクと互角に戦っていた程の実力の持ち主達である。
 
 「あっらー……あいつら活気づいてんなあ」
 「ホント……男子って……」

 呆れたキールアは、気を取りなおして目の前に向き直る。
 そこにいたのは、薄い青の、若干水色と白に近い髪を持つ少年。

 「久しぶりだなキールア————————そろそろ、結婚してくれないか」

 変態且つ重度のストーカー次元師、シャラル・レッセルがいた。

 「け、結婚って……今試合中でしょうが! てか何言ってんの!?」
 「じゃあ試合が終わったら結婚しよう」
 「……何でそうなる」
 「えーじゃあさ……」

 シャラルは、顎に手をあててうーんと唸る。
 そして何かを思いついたのか、にやっと不敵に微笑んでみせた。

 「俺がお前に勝ったら、結婚してくれる?」

 どういう風の吹き回しなのだろう。
 キールアにはもう、ツッコミを入れる気力さえ残っていなかった。
 然し彼女は、それを否定はせず。
 ほんの少し固まったあとで、うんと頷く。

 「うん、良いよ」

 必死に剣を振るい戦っていたレトが、一瞬にして体勢を崩した瞬間だった。

 「ちょ、お前ら試合中に何やってんの!? つかキールアさん正気ィッ!?」
 「マジで!? ねえマジで!!? よっしゃあ!!! こんなん結婚したも同然——————」

 その時。
 キールアの口元は、すっと、自然に歪む。

 「——————分かってる? 私に、“勝ったら”だよ?」

 その不敵な微笑みで、シャラルも漸く元に戻った。
 賭けているものが何であろうと、試合は試合。
 互いが代表の座をかけて争う場は、ここ、競技場なのだ。
 そして、本気の視線が会場に巡らされた。
 緩んだ空気の流れが、変わる。

 「ああ————————上等だ!!!」

 シャラルが、思い切り手を横に薙いだ。
 次元唱を唱える事もなく、彼の次元技、【氷皇】がキールアの目の前に迫った。

 「第六次元発動————————戯旋風!!!!」

 その全てを、彼女は百槍を器用に振り回して弾き飛ばした。

 「……——ッ!?」
 「第四次元発動————」

 キールアは、銀の槍をしかと握る。

 「————、一閃!!!」

 鋭い矛先を、彼に突き刺す。
 弾き跳んだ彼の体の腹部から、血が垂れた。
 足を滑らせ、少しだけ屈んだ時。

 「何————っ!!?」

 真上に、キールアがいた。

 「——————……白か」
 
 「衝砕ッ!!!」

 一瞬の間も空けず、キールアの怒りの刃は地面に思い切り突き刺さった。
 大きく砕かれた地面の中心に、汗だくのシャラルがいて、彼の顔の横に、キラリと輝く銀の矛先。
 太陽をバックにして、キールアの金髪の髪の毛が風に靡く。

 「やる気あるの?」
 「え、あ、いや……じ、冗談だよ、冗談」
 「へえ……」

 冷たい視線を、ぐさぐさと受けるシャラル。
 キールアは、すっと槍を地面から抜いた。
 
 「私、貴方には負けられないから」
 「……そうか」

 よいしょと言いながらシャラルは立ち上がる。
 
 「そんなに俺と——————結婚したくないんだな」

 そんな真剣な瞳を砕くように、槍の先からぐんとシャラルの顔に伸びた。
 
 「うぉぅっ!? ちょ、ちょっと危ないっすよキールアさん!?」
 「まだ結婚がどうのって言ってるの!? あんたやる気ないでしょう!!!」
 「うるせい!! 忘れたとは言わせねーぜマイエンジェル!!!」
 「は、恥ずかしいからやめてよッ!?」

 ぶんぶんと、槍を振り回し続けるキールア。
 エポールチームの男子3人は、その間何も言わずに戦ってはいたものの、ツッコミを入れたくて仕方がなかった。
 真剣に、代表者を決める決勝戦に臨んでいる筈なのに、この茶番は何だろうかと。
 顔を赤らめながらも必死に戦うキールアを、ちらほらと気にする少年。

 「おいレトヴェール……大丈夫か?」
 「ああ、あの野郎を早くぶっ飛ばす為にも……お前に勝たなきゃなッ!!」
 「おっとっ! 腕をあげたなレトヴェール!!」

 短い剣と、長い剣が対峙する。
 響く金属音と、四方から聞こえてくる轟音と。
 戦いはまだ、始まったばかり。


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