コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 最強次元師!!【※新スレ作成におけるお知らせ有り】
- 日時: 2015/03/15 09:40
- 名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: u/FYQltH)
- 参照: http://ncode.syosetu.com/n5050ci/
運命に抗う、義兄妹の戦記。
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
基本毎週日曜日に更新!
※追記
実は、本作を一から書き直そうと思いまして別サイト様にて“完全版”を再連載し始めました。
やりたい話が多くて一度断念してましたが、やっぱり優先しようと思ってもう一度記載致します。
ご興味のある方はどうぞ! 上記のURLで飛べます*
とってものんびりと、更新する予定です。
Twitterの垢をつくってみました→@shiroito04
イラストとか宣伝とかを呟いてます!
※注意事項
・荒らし・中傷はお控え下さい。
・チェンメなんかもお断りしてます。
●目次
prologue >>001
第001次元 >>002第011次元 >>012第021次元 >>048
第002次元 >>003第012次元 >>013第022次元 >>050
第003次元 >>004第013次元 >>019第023次元 >>052
第004次元 >>005第014次元 >>020第024次元 >>055
第005次元 >>006第015次元 >>021第025次元 >>059
第006次元 >>007第016次元 >>025第026次元 >>060
第007次元 >>008第017次元 >>027第027次元 >>063
第008次元 >>009第018次元 >>030第028次元 >>065
第009次元 >>010第019次元 >>044第029次元 >>070
第010次元 >>011第020次元 >>046第030次元 >>071
第031次元 >>072第041次元 >>146第051次元 >>224
第032次元 >>077第042次元 >>169第052次元 >>230
第033次元 >>081第043次元 >>176第053次元 >>234
第034次元 >>082第044次元 >>179第054次元 >>241
第035次元 >>090第045次元 >>180第055次元 >>245
第036次元 >>097第046次元 >>189第056次元 >>260
第037次元 >>104第047次元 >>191第057次元 >>262
第038次元 >>108第048次元 >>203第058次元 >>264
第039次元 >>109第049次元 >>209第059次元 >>268
第040次元 >>138第050次元 >>216第060次元 >>274
第061次元 >>298第071次元 >>359第081次元 >>385
第062次元 >>300第072次元 >>361第082次元 >>388
第063次元 >>308第073次元 >>365第083次元 >>391
第064次元 >>337第074次元 >>369第084次元 >>393
第065次元 >>338第075次元 >>370第085次元 >>399
第066次元 >>339第076次元 >>371第086次元 >>402
第067次元 >>345第077次元 >>377第087次元 >>403
第068次元 >>346第078次元 >>378第088次元 >>413
第069次元 >>352第079次元 >>380第089次元 >>414
第070次元 >>353第080次元 >>383第090次元 >>417
第091次元 >>420第101次元 >>448第111次元 >>480
第092次元 >>421第102次元 >>450第112次元 >>484
第093次元 >>422第103次元 >>458第113次元 >>489
第094次元 >>427第104次元 >>459第114次元 >>495
第095次元 >>431第105次元 >>467第115次元 >>499
第096次元 >>432第106次元 >>472第116次元 >>501
第097次元 >>433第107次元 >>475第117次元 >>502
第098次元 >>436第108次元 >>477第118次元 >>504
第099次元 >>444第109次元 >>478第119次元 >>507
第100次元 >>445第110次元 >>479第120次元 >>508
第121次元 >>509第131次元 >>544第141次元 >>558
第122次元 >>510第132次元 >>546第142次元 >>560
第123次元 >>511第133次元 >>547第143次元 >>563
第124次元 >>512第134次元 >>551第144次元 >>564
第125次元 >>520第135次元 >>552第145次元 >>565
第126次元 >>521第136次元 >>553第146次元 >>576
第127次元 >>528第137次元 >>554第147次元 >>590
第128次元 >>533第138次元 >>555第148次元 >>595
第129次元 >>534第139次元 >>556第149次元 >>608
第130次元 >>536第140次元 >>557第150次元 >>623
第151次元 >>631第161次元 >>683第171次元 >>759
第152次元 >>632第162次元 >>711第172次元 >>760
第153次元 >>633第163次元 >>719第173次元 >>762
第154次元 >>637第164次元 >>726第174次元 >>764
第155次元 >>643第165次元 >>739第175次元 >>766
第156次元 >>655第166次元 >>749第176次元 >>768
第157次元 >>659第167次元 >>753第177次元 >>769
第158次元 >>664第168次元 >>754第178次元 >>770
第159次元 >>665第169次元 >>755第179次元 >>771
第160次元 >>680第170次元 >>758第180次元 >>772
第181次元 >>773第191次元 >>788第201次元 >>813
第182次元 >>775第192次元 >>789第202次元 >>814
第183次元 >>776第193次元 >>792第203次元 >>826
第184次元 >>777第194次元 >>793第204次元 >>832
第185次元 >>778第195次元 >>794第205次元 >>835
第186次元 >>781第196次元 >>795第206次元 >>841
第187次元 >>782第197次元 >>798第207次元 >>853
第188次元 >>783第198次元 >>802第208次元 >>854
第189次元 >>784第199次元 >>803第209次元 >>855
第190次元 >>785第200次元 >>804第210次元 >>858
第211次元 >>862第221次元 >>883第231次元 >>897
第212次元 >>868第222次元 >>884第232次元 >>898
第213次元 >>873第223次元 >>888第233次元 >>901
第214次元 >>874第224次元 >>889第234次元 >>902
第215次元 >>875第225次元 >>890第235次元 >>903
第216次元 >>876第226次元 >>892第236次元 >>904
第217次元 >>877第227次元 >>893第237次元 >>905
第218次元 >>878第228次元 >>894第238次元 >>906
第219次元 >>879第229次元 >>895第239次元 >>907
第220次元 >>882第230次元 >>896第240次元 >>908
第241次元 >>909第251次元 >>929第261次元 >>955
第242次元 >>913第252次元 >>930第262次元 >>956
第243次元 >>914第253次元 >>933第263次元 >>957
第244次元 >>915第254次元 >>947第264次元 >>958
第245次元 >>916第255次元 >>948第265次元 >>959
第246次元 >>917第256次元 >>949第266次元 >>960
第247次元 >>918第257次元 >>951第267次元 >>961
第248次元 >>919第258次元 >>952第268次元 >>962
第249次元 >>921第259次元 >>953第269次元 >>963
第250次元 >>926第260次元 >>954第270次元 >>964
第271次元 >>965第281次元 >>977第291次元 >>988
第272次元 >>966第282次元 >>978第292次元 >>989
第273次元 >>967第283次元 >>979第293次元 >>990
第274次元 >>968第284次元 >>981第294次元 >>991
第275次元 >>969第285次元 >>982第295次元 >>992
第276次元 >>970第286次元 >>983第296次元 >>993
第277次元 >>973第287次元 >>984第297次元 >>994
第278次元 >>974第288次元 >>985第298次元 >>995
第279次元 >>975第289次元 >>986第299次元 >>996
第280次元 >>976第290次元 >>987第300次元 >>997
※第301次元〜は新スレにて連載予定
●おまけもの●
●資料集など
皆のプロフィール1 >>218
皆のプロフィール2 >>278
皆のプロフィール3 >>287
皆のプロフィール4 >>288
皆のプロフィール5 >>289
皆のプロフィール6 >>503
主な登場人物 >>852
さいじげテスト。 >>843
最強次元師!! について >>58
●番外編
キールアの想い >>41
メイド喫茶祭り① >>327
メイド喫茶祭り② >>331
メイド喫茶祭り③ >>341
友達の証① >>492
友達の証② >>493
友達の証③ >>494
疎外少年と次元少女① >>810
疎外少年と次元少女② >>811
疎外少年と次元少女③ >>812
蛇梅隊DE☆大集合!! >>829
E FIEDLA >>941
英雄と妖精 >>945
●外伝
第001時限 >>942
第002時限 >>943
第003時限 >>944
●キャラ絵(1人)
奏様が描いて下さったルイル >>116
奏様が描いて下さったティリ >>105
奏様が描いて下さったロク >>119
奏様が描いて下さったロク(舌出しVer.) >>185
奏様が描いて下さったロク(ポニテVer.) >>523
奏様が描いて下さったキールア >>127
奏様が描いて下さったアリル >>141
奏様が描いて下さったリリアン >>148
奏様が描いて下さったミル >>154
奏様が描いて下さったフィラ副班 >>162
奏様が描いて下さったレト >>168
奏様が描いて下さったレト(メイド服Ver.) >>329
奏様が描いて下さったガネスト >>304
奏様が描いて下さったガネスト(メイド服Ver.) >>318
奏様が描いて下さったアルア >>460
●キャラ絵(複数)
奏様が描いて下さったレト、ロク、キールア >>693
奏様が描いて下さったエン、ミル、リルダ >>737
☆奏様には毎度ご感謝しております!!
すごく似ていて、イメージ通りです
キャラの絵が分からない場合には奏様の絵を見て下されば納得します!!
これからも描き続けてほしいですね、是非とm((黙
●お知らせなど
* 2009 11/13 執筆開始
* 2013 09/01 執筆中断
* 2014 01/17 執筆再開
* 2014 10/19 別サイトにて再連載開始 >>980
* 2015 03/15 新スレ作成におけるお知らせ >>998
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- Re: 最強次元師!! ( No.69 )
- 日時: 2010/02/21 22:35
- 名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: RAGGUceS)
さてと更新でもしようかな。。。
- Re: 最強次元師!! ( No.70 )
- 日時: 2010/02/28 14:56
- 名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: 9H03YzTC)
第029次元 約束の朱い蛇Ⅴ
「俺の名前はリリエン」
「あたしはリリアンだよぉ♪」
「ロクアンズ・エポール」
「ほほぉ、あのエポール兄妹の妹か」
「あたし達は双子なの」
「俺らを二人相手するとはいい度胸だなチビ」
「誰がドチビだーーーー!」
ドチビとは誰も言ってないのだが。
リリエンは胸の辺りまである青い髪を紐で一つに縛っていた。
リリアンは短い青色の髪に鈴のついたリボンを飾っている。
この姿から二人は兄妹に見えるだろう。
「さてと、お前は一人でいいんだな?後悔してもしらんぞ?」
「後悔?っていうかあんたらなんか一人で十分」
「言ってくれるねぇ、だったら痛めつけてあげるんだから」
リリアンは鈴を外し、自分の手に巻きつけた。
リリエンも紐を解いた。
「「次元の扉発動____!」」
「来るか・・・」
「鈴叫!」
「縛絶!」
「あの二人、あれが武器なのか・・・」
リリアンは紐のついた鈴を操っている。
その姿は実に奇怪だ。
リリエンは紐を手に巻きつけていた。
「お前は発動しないのか?ロクアンズ」
「雷撃ーーーーー!!」
ロクは右手で左腕の手首を掴み、左手から瞬く間に雷撃を発動する。
いきなり攻撃に二人は驚いたが、瞬間的に避けた。
「ち・・・避けたか・・・」
「お前・・・次元唱もなしに発動可能なのか」
「珍しい人もいるんだ」
「だが、こっちもやらせてもらうぞッ」
「何処から来る・・・!」
ロクが振り向いた時にはもう二人の姿は見なくなっていた。
背後に何かを感じ、ロクは素早く振り返った。
「遅い!!」
「第七次元発動!!」
「やばい、来る・・・!」
「鈴鳴!!」
リリアンが鈴を鳴らした瞬間、ロクは頭には激痛が走った。
「うああああああッッ!!」
「ロク!!」
「まだまだいくんだから!」
「第八次元発動___!!」
「あいつら、卑怯な・・・・!!」
「虐縛!!」
ロクが頭を抱えていると、リリエンの紐がロクの体を縛る。
ロクは必死に叫ぶが助けられる人は誰もいない。
「うあああああああああああッ!!」
「さぁ苦しめ!!俺らを侮辱した分までな!」
「あんたばっかじゃないのぉ?あたし達に勝負を挑むな・ん・て♪」
「ここから立ち去れ、今すぐにだ!!」
ロクはこの兄妹の強さを身に感じた。
でも今は血を口から吐く事しかできない。
絶対に逃げることのできない最悪な状況。
「まだ・・・だ・・・まだ!!」
「まだ言うか!!」
「雷柱ーーーー!!」
「な、貴様!!」
ロクの目の前にいたリリエンはもろに柱の中に入った。
ロクの呼吸は荒々しくなっており、リリアンは目を丸くして見ている。
リリエンは転がっていて、声さえ聞こえない。
「リリエン・・・リリエン!!」
「どうだ・・・これ、で・・・・!」
「ふざけるな!!」
リリアンはロクの腹を足で思い切り蹴った。
ロクはその度に口から真っ赤な血を吐いていく。
「お前は許さない・・・、絶対にだ!!」
「こいつ・・・何を・・・」
「第九次元発動ーーー!!」
「九次元とは、こいつ、強いな・・・」
リリアンが無数の鈴が付いている紐を上に上げ、ロクを恐ろしい目で見下している。
フィラ副班は、その場に立ち尽くしているだけだった。
「蛇、梅・・・・」
「黄集叫鳴ーーーーー!!」
リリアンの鈴が金色に光り、ロクの首を絞めた。
そして、鈴がロクの体力を奪っていく。
「うあああああああああッッ!」
「どうだ、これでお前の体力は時期なくなり死に至る!!」
「ロク!!」
「どう、して・・・」
フィラ副班は苦しむロクの姿を見て駆け出した。
蛇梅が埋められていた地へ。
「そうよね・・・・。所詮は約束。もう、絶対に・・・」
(フィ・・・ラ・・・・)
「・・・!?今、声が・・・」
(気のせい・・・?)
フィラ副班の頭に、一度だけ名前が響いた。
フィラ副班は無我夢中になって掘り続けた。
「リリエンを返しなさい!!」
「死んだ・・・わけじゃ・・・」
「あんなリリエンなんか見たくないんだから!!」
「ぐ・・・でも、あたし、だって・・・」
ロクはリリアンを足で蹴飛ばした。
そして、力を入れて紐を解こうとする。
「無理無理、あんたの力じゃ絶対にね!!」
「ああああああああッッ!!」
ロクが大声を上げた瞬間、鈴のついた紐は、崩れ落ち、一つずつ鈴は落ちていく。
「そんな・・・あたしの・・・鈴がぁ・・・」
「さぁ起きてるんでしょ?リリエン」
「な!?リリエン・・・!?」
リリエンは倒れていた体を起こし、軽く血を吐き、こちらに笑顔を見せた。
「ごめんなリリアン、今度は俺がやる」
「リリエン・・・」
「やっと起きた」
「こっからがお楽しみだぜロクアンズ!!」
「あぁ、かかってこい!!」
フィラ副班の姿に気づいたのか、リリエンが目を丸くして驚いた。
そして、猛スピードでフィラ副班の元に走った。
「おい、お前いつ俺らが許可したんだよ」
「許可とか、そんな問題じゃないでしょ!!」
「うるせぇなただの人間が!!」
「フィラ副班!!」
「貴方の敵はあたしよ?」
「フィラ!!」
班長が叫び、フィラ副班の前で仁王立ちした。
リリエンは紐を構え、振り回す。
「ほほぉ・・・お前が戦うか」
「フィラには傷一つさせん!」
「いい度胸だ!!」
「セブン班長ーーー!!」
セブン班長はリリエンの紐の攻撃をまともに受けた。
だが、再び立ち上げる。
「しつこいんだよクズが!!」
「ぐあッッ」
「班長!!何故このような事を・・・!!」
「蛇梅は・・・お前だけの友達じゃないだろう。俺だって、蛇梅を助けたくてここに来たんだ」
班長は何の力も持たない普通の人間だ。
でも、力がなくても次元師に立ち向かおうとするその心は、誰より強かっただろう。
「・・・・お前が最後に蛇梅に交わした約束を、今果たしてやるんだよ」
「・・・はい・・・・・」
フィラ副班は涙を拭いながら地面を素手で掘り続けた。
班長はリリエンを睨み、ロクもリリアンを睨んでいた。
「あたしも協力するよ!!あたしだって、次元師だからね!!」
「あぁ、もちろんだなロク!!」
その時だった。
ロクの体が光り始めたのは・・・・。
- Re: 最強次元師!! ( No.71 )
- 日時: 2010/07/28 12:35
- 名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: mwHMOji8)
第030次元 約束の朱い蛇Ⅵ
「な、まさかお前!!」
「・・・・この光り、まさか・・・」
「ロク・・・」
そして、ロクの体の光りは消えた。
だが、ロクの脳内に流れてきたのは・・・。
「班長、新呪文だ!!」
「本当か、ロク!?」
「うん、間違えない」
「こんな時に・・・」
「なんて悪運が強いの?」
ロクは一旦地面に膝を付いた。
その後ろでは精一杯に掘り続けるフィラ副班の姿が見える。
「そこをどけ!!」
「どかないなぁ!!」
「さぁあたしの新呪文を見せてやる!!」
ロクは左手を相手に向けた。
だが、まだどんな呪文かも分からない。
それでもロクは、希望がある限り相手に隙を見せなかった。
「————————、雷弾ッッ!!」
「な、来るぞ、リリアン!!」
雷弾と言われたその術は、ロクの左手の掌から無数の雷の塊が飛んだ。
そして、一直線に相手に当たる。
「ぐあああああッ!!」
「雷の・・・塊、がぁ・・・」
「すごいな・・・」
「うっしゃぁッ!!」
ロクはガッツポーズをした。
だが、さっきの攻撃が強かったのか、少し体がよろける。
「大丈夫か?ロク」
「うん、これくらい・・・」
フィラ副班は、荒い息を整えながら掘り続けた。
でも、どうしても蛇梅は出てこない。
「やっぱ・・・蛇梅は・・・」
「諦めるなフィラ!!お前の友達だろう?仲間だろう!?」
「でも・・・・」
「最後まで諦めるな!!お前と蛇梅の約束はそんなにもろいものだったのか!!」
班長が振り向かずにフィラ副班に大声で伝える。
ロクは軽く微笑み、また立ちはだかる。
「っくそ・・・なめやがって・・・」
「まだまだ、やれるんだからね!!」
「場所を変えよう班長」
「あぁ、ここじゃ危険だ」
ロクはきょろきょろと見回し、息を吸い、思い切り走った。
「な、何を・・・・!?」
「へっへーんだ、ついてこれるもんならついてきな!」
「調子乗りやがって・・・!」
「いいわよ、あんたなんか抜かしてあげる!!」
ロクは俊足の速さで走り続ける。
リリアンとリリエンはロクのあとを必死に追いかける。
「あいつ・・・速い、なぁ・・・」
「でも、速さだけじゃあたし達には勝てない!!」
フィラ副班は、最後に土を触った。
その時、違う感触がフィラ副班の手に感じた。
(あ、れ・・・?)
そして、もっと探してみると、思わぬ光景を目にする。
「蛇・・・梅・・・・」
フィラ副班は朱く、川のような模様に見とれた。
この模様は、何処かで見た事のあるものだった。
「ごめんね・・・・・?あたしが、遅かったから・・・・・」
とうとう目からは涙が零れ落ち、朱い体に伝っていく。
フィラ副班が蛇梅に触れると、何処からか、声がした。
(フィ・・・ラ・・・名前・・を・・・呼・・・・んで・・・?)
「え・・・・?」
(いいから・・・・『朱梅』と・・・・呼んで・・・・・?)
「ええ・・・・貴方のためなら・・・・!!」
フィラ副班が蛇梅に触れ、大きな光りが放たれる。
その姿にこの場にいた全員の顔がフィラ副班の方向へ向けられた。
「次元の扉、発動___________」
「なッ!?あいつ、いつの間に!?」
「あたし達、こんなにあいつから離れて!?」
「そう、これが目的____!!」
「よく頭を使ったな、ロク」
ロクはわざとこいつらとフィラ副班を引き離すために走っていたのだ。
こういうところで悪知恵を働かすロクをすごいとこの時だけ思った。
フィラ副班が決意を決めた目であいつらを睨む。
「朱梅————————ッ!!」
フィラ副班がそう叫んだ瞬間、蛇梅は拾った時と同じような大きさになった。
そして、鋭い歯を向け、真っ赤な目を輝かせた。
「14年も待たせてごめんね・・・?これからはずっと一緒にいよう?蛇梅」
蛇梅が頷いたように見えた。
フィラ副班は蛇梅と一緒に顔を頷き合わせ、今までとは違う生き生きした顔を見せた。
「第八次元発動!!」
「八次元だと!?あんなしょっぱなからあんな術が・・・!!」
「朱溶毒!!」
蛇梅はあの二人に向かって口から赤い毒を放った。
そして、二人の体にべっとりとつき、下に流れていく。
「な、なんだこれは!?」
「ドロドロする・・・いや!!」
そして、二人の武器がどろどろに解けていく。
ロクも班長も唖然としていた。
「い、いやあああああッッ!!」
「なんでだ!?どうしてだぁ!!」
リリアンは青ざめていて、もう身動きさえ取れない。
でも、必死に毒をどかそうとする。
「謝ってくれるのかしら?」
「くそ・・・・!何故こんな奴らに・・・!!」
「す、すご・・・・」
「蛇梅恐るべしだな・・・」
蛇梅はフィラ副班の肩に乗り、二人を見下ろしていた。
フィラ副班はもう勝ち誇った笑みを浮かべている。
「負けるか!!こんな、こんな奴らに!!」
「まぁ残念ね・・・。第九次元発動!!」
蛇梅もフィラ副班も、今再開を果たしたのに、二人はもう繋がれていた。
絆という、強く太い糸で。
「歯切朱連ッッ!!」
「もう九次元を!?」
蛇梅は大きく口あけ、二人の体を噛み続けた。
蛇梅の歯は次第に赤く染まっていく。
二人は大きな声をあげたが、蛇梅はそれでもなお二人の腕や足を噛み続ける。
「ご・・・めん・・なさい・・・・」
「許してくれ・・・もう、戦えない・・・・」
「そう、いい子ね」
「動物大事にしないと、天罰下るよー?」
「お前・・・、に言われたく・・・」
「動物も生き物、あたし達も生き物。殺す理由なんて、1つもない」
「・・・・」
「あたしはあんた達が悪い人には見えないよ。誰かに言われてたんでしょ?」
「そんなの・・・、言わないわよ」
「言わなくていい、いい。あたし、信じてるからね?あんた達が変わってくれる事」
「・・・・」
リリエンとリリアンは黙り込んでしまった。
その様子から、どうやら反省はしてくれたらしいが。
フィラ副班は藍色の髪の毛を風に靡かせ、蛇梅を肩に乗せて颯爽と歩いた。
班長はまだ唖然としていた。
「何してるの?行くわよ?」
「うんっ」
「そうだな・・・」
フィラ副班は蛇梅を見て笑った。
こんな幸せそうな笑顔を見たのは久しぶりすぎて、班長とロクも笑った。
ただロクと班長は、
これからはフィラ副班を怒らせないでいようと思った。
- Re: 最強次元師!! ( No.72 )
- 日時: 2010/02/28 11:59
- 名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: 9H03YzTC)
第031次元 時を纏いし紅の少女Ⅰ
足の踵まである黄緑色の長い髪の毛を揺らし、口笛を吹きながら歩く少女が一人。
ロクアンズ・エポールはなんとなく食堂の違和感に気づいた。
「ねぇフィラ副班、あの四人は?」
ロクは自分の隊の副班長、フィラ・クリストンに聞いた。
肩に朱い蛇を乗せ、せっせと仕事をこなすその姿はまるで家にいつもいる優しいお母さんのようだった。
「あの四人って?」
「三番隊と四番隊のあの四人さ」
「あぁ、ルイルとガネストとラミアとティリね」
「どうしていないの?」
「あの四人は緊急の任務で合同任務に行ってもらったの。すごい任務らしいから」
「えぇ〜!あたしも行きたかったなぁ」
「だってその時は蛇梅を助けに行ってたじゃない」
「あ、そっか」
「そうよ。それにあの四人ならいけるわ。ルイルはすぐ甘えちゃうけど、ね」
ルイル、ガネスト、ラミア、ティリの四人は任務に行った。
四人の次元師が行けなければいけない程の任務というのだ。
それに、相性は良い事なのか。
「ガネストー、暑いよぉ・・・」
「我慢して下さいよルイル。こっちだって暑いんです」
「なんで四人でいかなくちゃいけねぇんだよ」
「・・・・あたしだってごめんだわ」
最後に冷たく喋った少女はティリサナ・ヴィヴィオ。
8歳にして次元技を使いこなす優秀な蛇梅隊最年少次元師。
腰まである灰色の髪の毛と紫の瞳は何故か威厳さを感じさせる。
チャームポイントの真っ黒なベレー帽を愛用している。
冷たく無口な少女だが最も親しいルイル・ショートスを姉のように慕っている。
「何で俺がティリと一緒の班なんだよ」
「あたしだって知りたい。本当はルイル姉さんとが良かった」
「うるせぇな。チビのくせに生意気なんだよっと」
青く、長い髪を持つ女性のような少年は、ひょいっとティリのベレー帽を取った。
その行動にティリが頭に血を昇らせる。
「よくも・・・よくもあたしのベレー帽を取ったわねッ!!」
「へっへーんだ悔しかったら取ってみやがれ〜」
「第五次元発動ッ!!」
「ティ、ティリちゃん危ないよ!!」
「ティリ、少し抑えて下さ・・・」
「霊操縛連ッ!!」
ティリは右手を上に上げ、無数の霊を呼び出した。
これがティリの次元技、霊帝だ。
ティリが呼び戻した霊の魂がラミアのまわりで自爆していった。
ラミアは見事に焼け、その場で倒れている。
「ちょ、おま・・・技、なし・・・」
「誰が取っていいって言ったのかしら?」
「その気なら俺、だって!!」
「だからやめなってーー!」
「第六次元発動!!」
「こ、こらラミア君、君もこんな小さい子にむきになって・・・・」
ガネストの言葉に耳も貸さずにラミアは怖い顔をしてティリをにらめっこをしている。
その姿にルイルもガネストもため息をついた。
「水撃ーーーッ!!」
「ちょっと!!水が溢れ・・・」
ラミアの次元技は、水を自由自在、縦横無尽に操る水皇。
ロクの雷皇と全く似ている術を出すが、属性が違う。
「ちょっと!何すんのよ!!」
「お前が先に術を出したんだろ!?」
「だけど六次元を使う事ないじゃない!!」
「お前と一次元しか変わんねぇよ」
「もうー、どうすればいいんですか?」
「分かんなぁい。もうティリちゃんそろそろ着くよ?」
「まぁ、ルイル姉さんが言うなら仕方ないけど」
「んだと?これだからこいつと同じ班は嫌なんだよ」
「私だってルイル姉さんとが良かったのに」
「あーあ、何でロクやレトは一人なんだろうな。羨ましいかぎりだぜ」
こんな喧嘩をしながら歩き続ける四人の次元師。
相性の悪いティリとラミアはこの先もやっていけるのだろうか。
ガネストは心成しかそんな事を胸に秘めていた。
- Re: 最強次元師!! ( No.73 )
- 日時: 2010/02/26 19:29
- 名前: 雪兎 ◆NzgJJhxPAQ (ID: OyjZu2Wl)
ヤァッホ〜w
久しぶり♪ (*^¬^)ノ
戦い激しいな、いつもながら←
てか、こんな早く更新出来るって凄過ぎっしょ!
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