コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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最強次元師!!【※新スレ作成におけるお知らせ有り】
日時: 2015/03/15 09:40
名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: u/FYQltH)
参照: http://ncode.syosetu.com/n5050ci/

 運命に抗う、義兄妹の戦記。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐


 基本毎週日曜日に更新!


 ※追記

 実は、本作を一から書き直そうと思いまして別サイト様にて“完全版”を再連載し始めました。
 やりたい話が多くて一度断念してましたが、やっぱり優先しようと思ってもう一度記載致します。
 ご興味のある方はどうぞ! 上記のURLで飛べます*
 とってものんびりと、更新する予定です。


 Twitterの垢をつくってみました→@shiroito04
 イラストとか宣伝とかを呟いてます!



 ※注意事項

 ・荒らし・中傷はお控え下さい。
 ・チェンメなんかもお断りしてます。



●目次

prologue >>001
第001次元 >>002第011次元 >>012第021次元 >>048
第002次元 >>003第012次元 >>013第022次元 >>050
第003次元 >>004第013次元 >>019第023次元 >>052 
第004次元 >>005第014次元 >>020第024次元 >>055
第005次元 >>006第015次元 >>021第025次元 >>059
第006次元 >>007第016次元 >>025第026次元 >>060
第007次元 >>008第017次元 >>027第027次元 >>063
第008次元 >>009第018次元 >>030第028次元 >>065
第009次元 >>010第019次元 >>044第029次元 >>070
第010次元 >>011第020次元 >>046第030次元 >>071

第031次元 >>072第041次元 >>146第051次元 >>224 
第032次元 >>077第042次元 >>169第052次元 >>230
第033次元 >>081第043次元 >>176第053次元 >>234
第034次元 >>082第044次元 >>179第054次元 >>241
第035次元 >>090第045次元 >>180第055次元 >>245
第036次元 >>097第046次元 >>189第056次元 >>260
第037次元 >>104第047次元 >>191第057次元 >>262
第038次元 >>108第048次元 >>203第058次元 >>264
第039次元 >>109第049次元 >>209第059次元 >>268
第040次元 >>138第050次元 >>216第060次元 >>274

第061次元 >>298第071次元 >>359第081次元 >>385
第062次元 >>300第072次元 >>361第082次元 >>388
第063次元 >>308第073次元 >>365第083次元 >>391
第064次元 >>337第074次元 >>369第084次元 >>393
第065次元 >>338第075次元 >>370第085次元 >>399
第066次元 >>339第076次元 >>371第086次元 >>402
第067次元 >>345第077次元 >>377第087次元 >>403
第068次元 >>346第078次元 >>378第088次元 >>413
第069次元 >>352第079次元 >>380第089次元 >>414
第070次元 >>353第080次元 >>383第090次元 >>417

第091次元 >>420第101次元 >>448第111次元 >>480
第092次元 >>421第102次元 >>450第112次元 >>484
第093次元 >>422第103次元 >>458第113次元 >>489
第094次元 >>427第104次元 >>459第114次元 >>495
第095次元 >>431第105次元 >>467第115次元 >>499
第096次元 >>432第106次元 >>472第116次元 >>501
第097次元 >>433第107次元 >>475第117次元 >>502
第098次元 >>436第108次元 >>477第118次元 >>504
第099次元 >>444第109次元 >>478第119次元 >>507
第100次元 >>445第110次元 >>479第120次元 >>508

第121次元 >>509第131次元 >>544第141次元 >>558
第122次元 >>510第132次元 >>546第142次元 >>560
第123次元 >>511第133次元 >>547第143次元 >>563
第124次元 >>512第134次元 >>551第144次元 >>564
第125次元 >>520第135次元 >>552第145次元 >>565
第126次元 >>521第136次元 >>553第146次元 >>576
第127次元 >>528第137次元 >>554第147次元 >>590
第128次元 >>533第138次元 >>555第148次元 >>595
第129次元 >>534第139次元 >>556第149次元 >>608
第130次元 >>536第140次元 >>557第150次元 >>623

第151次元 >>631第161次元 >>683第171次元 >>759
第152次元 >>632第162次元 >>711第172次元 >>760
第153次元 >>633第163次元 >>719第173次元 >>762
第154次元 >>637第164次元 >>726第174次元 >>764
第155次元 >>643第165次元 >>739第175次元 >>766
第156次元 >>655第166次元 >>749第176次元 >>768
第157次元 >>659第167次元 >>753第177次元 >>769
第158次元 >>664第168次元 >>754第178次元 >>770
第159次元 >>665第169次元 >>755第179次元 >>771
第160次元 >>680第170次元 >>758第180次元 >>772

第181次元 >>773第191次元 >>788第201次元 >>813
第182次元 >>775第192次元 >>789第202次元 >>814
第183次元 >>776第193次元 >>792第203次元 >>826
第184次元 >>777第194次元 >>793第204次元 >>832
第185次元 >>778第195次元 >>794第205次元 >>835
第186次元 >>781第196次元 >>795第206次元 >>841
第187次元 >>782第197次元 >>798第207次元 >>853
第188次元 >>783第198次元 >>802第208次元 >>854
第189次元 >>784第199次元 >>803第209次元 >>855
第190次元 >>785第200次元 >>804第210次元 >>858

第211次元 >>862第221次元 >>883第231次元 >>897
第212次元 >>868第222次元 >>884第232次元 >>898
第213次元 >>873第223次元 >>888第233次元 >>901
第214次元 >>874第224次元 >>889第234次元 >>902
第215次元 >>875第225次元 >>890第235次元 >>903
第216次元 >>876第226次元 >>892第236次元 >>904
第217次元 >>877第227次元 >>893第237次元 >>905
第218次元 >>878第228次元 >>894第238次元 >>906
第219次元 >>879第229次元 >>895第239次元 >>907
第220次元 >>882第230次元 >>896第240次元 >>908

第241次元 >>909第251次元 >>929第261次元 >>955
第242次元 >>913第252次元 >>930第262次元 >>956
第243次元 >>914第253次元 >>933第263次元 >>957
第244次元 >>915第254次元 >>947第264次元 >>958
第245次元 >>916第255次元 >>948第265次元 >>959
第246次元 >>917第256次元 >>949第266次元 >>960
第247次元 >>918第257次元 >>951第267次元 >>961
第248次元 >>919第258次元 >>952第268次元 >>962
第249次元 >>921第259次元 >>953第269次元 >>963
第250次元 >>926第260次元 >>954第270次元 >>964

第271次元 >>965第281次元 >>977第291次元 >>988
第272次元 >>966第282次元 >>978第292次元 >>989
第273次元 >>967第283次元 >>979第293次元 >>990
第274次元 >>968第284次元 >>981第294次元 >>991
第275次元 >>969第285次元 >>982第295次元 >>992
第276次元 >>970第286次元 >>983第296次元 >>993
第277次元 >>973第287次元 >>984第297次元 >>994
第278次元 >>974第288次元 >>985第298次元 >>995
第279次元 >>975第289次元 >>986第299次元 >>996
第280次元 >>976第290次元 >>987第300次元 >>997

※第301次元〜は新スレにて連載予定


       ●おまけもの●

●資料集など
皆のプロフィール1 >>218
皆のプロフィール2 >>278
皆のプロフィール3 >>287
皆のプロフィール4 >>288
皆のプロフィール5 >>289
皆のプロフィール6 >>503
主な登場人物 >>852
さいじげテスト。 >>843
最強次元師!! について >>58

●番外編 
キールアの想い >>41
メイド喫茶祭り① >>327
メイド喫茶祭り② >>331
メイド喫茶祭り③ >>341
友達の証① >>492
友達の証② >>493
友達の証③ >>494
疎外少年と次元少女① >>810
疎外少年と次元少女② >>811
疎外少年と次元少女③ >>812
蛇梅隊DE☆大集合!! >>829
E FIEDLA >>941
英雄と妖精 >>945

 
●外伝
第001時限 >>942
第002時限 >>943
第003時限 >>944


●キャラ絵(1人)
奏様が描いて下さったルイル >>116
奏様が描いて下さったティリ >>105
奏様が描いて下さったロク >>119
奏様が描いて下さったロク(舌出しVer.) >>185
奏様が描いて下さったロク(ポニテVer.) >>523
奏様が描いて下さったキールア >>127
奏様が描いて下さったアリル >>141
奏様が描いて下さったリリアン >>148
奏様が描いて下さったミル >>154
奏様が描いて下さったフィラ副班 >>162
奏様が描いて下さったレト >>168
奏様が描いて下さったレト(メイド服Ver.) >>329
奏様が描いて下さったガネスト >>304 
奏様が描いて下さったガネスト(メイド服Ver.) >>318
奏様が描いて下さったアルア >>460

●キャラ絵(複数) 
奏様が描いて下さったレト、ロク、キールア >>693
奏様が描いて下さったエン、ミル、リルダ >>737

☆奏様には毎度ご感謝しております!!
 すごく似ていて、イメージ通りです
 キャラの絵が分からない場合には奏様の絵を見て下されば納得します!!
 これからも描き続けてほしいですね、是非とm((黙


●お知らせなど

* 2009 11/13 執筆開始
* 2013 09/01 執筆中断
* 2014 01/17 執筆再開
* 2014 10/19 別サイトにて再連載開始 >>980
* 2015 03/15 新スレ作成におけるお知らせ >>998

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Re: 最強次元師!! ( No.475 )
日時: 2010/07/28 12:14
名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: mwHMOji8)

第107次元 雪大合戦

 何週間が経ち、レトとロクの傷もすっかり治った。
 どんな生命力だ、と周りからひそひそと噂されていたが。
 すると、窓の外には綺麗な雪が降っているのに2人は気がついた。

 「うわぁー・・・、綺麗ー」
 「今年は降るのが早いなー、いつもは1月あたりなのに」
 「そうだね、まだ12月だもん」
 「12月、といえばそろそろお前の誕生日じゃねぇか?」
 「誕生日って言うの?拾われた日なのに」
 「まぁまぁ、そんときゃ蛇梅隊全員で盛大にやろうな、誕生日会」
 「そだね・・・、そうしてくれると嬉しい」
 「・・・、ロク、元気ないな」
 「まぁ、さっき嫌いな食べ物でラミアと大食い勝負したから気分悪くってさ」
 「そうですか・・・」
 
 レトとロクはただ雪を眺めるのは嫌になったらしく、外へ出て行った。
 まっさらで何もない銀色の水平線。
 上を向けば灰色の濁った雪空。 
 そんな当たり前の風景を眺め、2人は軟らかい雪の上で寝ていた。
 
 「気持ち良いなー・・・」
 「ちょっと冷たいけどね」
 「・・・」
 「・・・」
 「「雪合戦でもやりますかッ!!」」

 なんと2人の意見は一致。
 言葉が鱧ってしまった事に笑っていた2人はゆっくりと立ち、雪球を作り始めた。
 
 「さぁー、今回は負けないぞー?」
 「先に3回当たった方が負けねッ!!」
 「よーい・・・」
 「「ドンッ!!」」
 
 雪球を行ったり来たり、投げたり隠れたりする2人。
 その姿は、この前までの戦いの日々をなかったかのように思わせた。
 雪ではしゃぐ2人を見て、蛇梅隊次元師達が一斉に集まってきた。

 「ルイルもやるー♪」
 「なかなか面白そうな事やってるじゃないですか」
 「俺は単にロクとの大食い勝負で負けたから雪合戦で勝ちたいだけ」 
 「・・・ルイル姉さんがやるなら、私もやる」
 「レトーーッ♪あたしと一緒にやろーー?」
 「あ、の・・・、僕苦手、なんだけどな・・・」
 
 蛇梅隊の次元師隊員達が1人残らず現れた。
 その光景にレトもロクも喜びを見せた。

 「まぁ人数多い方が盛り上がるもんねっ!」
 「それじゃあ8人で4人ずつ組んで雪大合戦でもやりますかッ!!」
 
 皆でじゃんけんした結果、
 レト、ガネスト、ルイル、ミル。
 ロク、ラミア、ティリ、リルダ。
 というチームに分かれた。
 これは仕組まれているのか、とか思いながら始まった雪大合戦。
 結果はどうなるのやら。

 「さぁこっちから行くぞー?」
 「さっきまであたしに当てられなかったレト君が何をほざくやら」
 「ロクの腹狙えりゃ気持ち悪くなるだろう、よッ!!」
 「おっと・・・、レト君、つめが甘いよー?」
 「ルイルガネストと一緒だーい、わーい♪」
 「ちょっとルイル、くっつきすぎです、当てられますよ?」
 「それじゃあ2人で1人ということでっ!!」
 「どういう意味ですか〜?」
 「・・・ルイル姉さんがあっちにいるから、投げられない」
 「はぁ?お前何言ってんの?」
 「うるさい外見少女。あんたは的にしかならないわよ」
 「この女・・・」
 「ねぇレトーっ!!一緒に頑張ろうねー?」
 「あ、あぁ。いやちょっと待て。身動きとれないんだが・・・」
 「いいじゃーん、1人当たれば2人でしょ?一心同体みたいでさっ」
 「なんだそれ・・・」
 「あ、あの・・・、僕どうすれば・・・?」

 個人なりにめちゃくちゃになりそうな雪合戦。
 そこで、白衣姿のあの少女も現れた。

 「・・・、何、やってんの?」
 「おー、キールア」
 「雪合戦か・・・、面白そうだけどあたし帰らせてもらうわね」
 「んじゃあなんのために来たんだよ」
 「ちょっと見物。外が騒がしかったからね」
 「んじゃついでに審判やってくれよ」
 「はぁー?何でー?」  
 「誰が当たったか・・・、これじゃ分かんねぇんだ・・・」
 「あぁ・・・、そうゆうことね」
 
 どんな結末を迎えるか分からないこの大合戦に審判としてキールアも参戦。
 元気な皆を見てほっと一息ついていた。

 「ねぇー、レトー?」
 「なんだよー」
 「誕生日に何くれるー?」
 「まぁ、兄からの愛ならくれてやるけどー?」
 「そんなのいらない。どうせならさー・・・」
 「んー?」
 「秘密を暴露ー、とか?」
 「・・・、え・・・」

 その時、投げ合っていた雪球がレトの手から滑り落ちた。
 それはキールアが持っていた笛も同時に。
 レトとキールアは血相を変えていた。

 「え・・・、何?」
 「あ、いや。ひ、秘密かー」
 「レトの恥ずかしい過去でもいいよー?」
 「そんなのお前に暴露する必要ないじゃん」
 「んじゃああたしの秘密とかはー?」
 「・・・・・、し、知らないし」
 「えー?ほら、本人が知らなくても他の人が・・・」
 「知らないって、言ってるだろ?」

 レトのあまりの冷たい台詞に少し戸惑ったロク。 
 キールアも2人から目を逸らしていた。

 「・・・何なのさ、そんなに真剣になっちゃって。冗談冗談、やっぱ別のがいいー」
 「・・・そうか」
 「どうせなら、あたしの記憶とかがいいけどねー?」
 「かもなー」

 ロクは不審を抱いていた。
 さっきまで真剣な表情だったレトは何なんだったんだろう、と。
 雪大合戦はロクチームの勝利で終わりを告げた。
 その帰り際、レトとキールアが何か話しているのを、ロクはうっかり見てしまっていた。

Re: 最強次元師!! ( No.476 )
日時: 2010/07/29 19:03
名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: mwHMOji8)

(ノ・ω・)ノ゛あげーw

Re: 最強次元師!! ( No.477 )
日時: 2010/07/29 19:41
名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: mwHMOji8)

第108次元 本当の真実

 (ふぁー・・・、やっぱ寝れないやぁ・・・)

 大きく欠伸しながら洗面所に向かったのは黄緑の少女。
 もう夜中の0時をまわっているというのに、昼遊び、昼寝したせいで眠れないという事態が発生。
 ロクが自室に戻ろうとした時、隣の部屋から声が聞こえた。
 そこはレトの部屋だった。

 (レト・・・?あ、キールアの声も聞こえる)

 少し覗いてみると、そこにはキールアとレトが何か話しているように見えた。
 ロクがそー・・・っと開けようとした時、

 「・・・やっぱ、全部話すべきかなぁ、ロクに」
 
 (ッ!?、あ、あたしッ!?)

 なんと、話しているのはロクの事だった。
 ロクは入るにも入れなくなり、壁にもたれ座り込んだ。

 「分かんない・・・、でも、やっぱ皆薄々気付いてるんじゃない?」
 「まぁな、ロクってほら、他の次元師と違うし」
 「うん、普通の人間が持つ元力を超えてるって聞いたし」
 
 (げ・・、元力・・・?)

 「それに、あの首飾りも少し怪しい」
 「あぁ、かなり怪しいんだ。あれ、千年前のフェリーの日記の鍵だったんだ」
 「嘘・・・、何で!?」
 「分かんない。コールド副班が持ってた本に鍵かかってて、その鍵穴が似てたからさしたらビンゴ」
 「そっか・・・、やっぱそうなのかなぁ・・・」
 
 (あの首飾り・・・?あぁ、あたしがレトと義兄妹になった時からつけてるあれか・・・)

 ロクは2人の話に違和感を覚え、その場から動けずにいた。

 「多分、本人に言ったら立ち直れないよなー・・・」
 「当たり前だよ、今まで信じてたのに、いきなり裏切られるなんてね・・・」
 「でも、多分もう限界なんだ」
 「え?」
 「多分・・・、気付かれてる、と思う・・・」
 「そんな事ないってッ!!まだ・・・、大丈夫だと・・・思う・・・」
 「俺・・・、本当に兄として最低かもな」

 (何なの・・・?あたしが何なの・・・?)

 ロクは動かない自分の体を必死に動かして自室に戻ろうとした。
 だが、自分の意思じゃ体はどうしても動かない。

 (動け・・・、動いてあたしの体ッ!!!)

 「やっぱり・・・、あいつは・・・・」

 (何で・・・!?聞きたくない・・・・、頭が痛い・・・何で痛いのッ!?)


 『あたしは・・・、この世の人間のためになら死ぬ事だって惜しまない———————ッ!!!』


 (——————————————ッ!?
  
         誰・・・、誰の言葉なのッ!?)

 「信じ・・・、られないよね」
 「あぁ、本当・・・・」

 (聞きたくないッ!!頭が、頭が壊れる・・・・、何でこんなに痛いのッ!!?)

 
 「あいつが————————————————————————————、神族だなんて」

Re: 最強次元師!! ( No.478 )
日時: 2010/07/29 21:19
名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: mwHMOji8)

第109次元 夢×嘘
 

 『あいつが————————————————————————————、神族だなんて』
 
 
 朝、小鳥の囀りで目を覚ましたロクの顔はいつもと何かが違った。
 昨日の事だろう。
 
 (昨日・・・、何があったんだっけ)
 
 そう、ロクはあのあと衝撃に耐えられなくなり、その勢いで自室に逃げ込むようにして帰った。
 衝撃的すぎるその現実に目を背けたロクはそのまま眠ってしまった。

 「おいロクー、起きてるかー?」
 
 (ッ!?、レト!?)

 「う、うん・・・」
 「何だ元気ねぇなー、悪い夢でも見たか?」
 「そ、そうかも・・・」
 「んじゃ依頼室で待ってっから朝飯終わったら来いよー?」
 「・・・うん・・・・」

 昨日はあれほど悲しい顔を浮かべていたレトは、まるでなかったかのようにけろっとしていた。
 無理もない、ロクが聞いていたなんて知らなかったのだから。
 ロクは大きくため息をついて隊服を羽織ろうとした。

 「あたし・・・、神族だったのかな」

 あの言葉に偽りさえなければそうなる。 
 だがロクは必死に考えた。
 寧ろロクは全く驚くようも見られない自分に腹が立っていたのかもしれないが。

 「昨日のって・・・、夢、だったのかな」

 夢だと信じたい、夢であってほしい。
 ロクは心成しか心底強くそう思っていた。

 
 「遅いぞロクー。あ、まさかまたおかわりしてたのか?」
 「い・・・、いや・・・、まぁねッ」
 「・・・?まぁいいや、さっさと決めちゃえ決めちゃえ」
 「どれに・・・、しようかなぁっ」
 「・・・?」

 流石にレトも気付いたのだろうか、ロクの無理ある笑顔に。
 昨日の事を嘘だと、夢だと信じて、ロクは空元気を続けた。
 レトもロクのその表情に違和感を抱いた。

 「どうしたんだ?ロク」
 「え?な何が?」
 「何がって・・・、妙に空元気に見えるぞ?」
 「そう?いつもと変わんない、き、気がするなぁー・・・ははは」
 「なんかあったら言えよー?義理だけど一応兄なんだし」
 「うん、何か、あったら、ね・・・」

 もうとっくに悩まされているのだ、その張本人に。
 そうロクは心の中で呟いて、A級の依頼書を手に取った。
 未だにSやGには挑まないらしいが。

 「あ、ロク、レトー」
 「おー、キールアか。ってか何で此処にいるんだ?」 
 「医療部隊も何かと任務あるらしいわよ。出張治療だけど」
 「あぁ、そゆことね」
 「・・・ねぇ、レト」
 「ん?」
 「ロク、なんか可笑しくない?まさか・・・」
 「バーカ、昨日ロクはぐっすり眠ってただろ?聞いてるわけねぇって」
 「それなら・・・、いいんだけど」
 「まぁ俺に任せとけって、今から任務行くし」
 「朝からあんたらは大変ね。あたしには真似できないわ」
 「真似しなくてもいつか忙しくなるからなー?次元師は」
 「あぁ、そう」
 「ロクーっ、行くぞー?」
 「はぁーいっ」

 ロクと共に任務へ出かけるレト。
 その顔は昨日の事を覆すような笑顔だった。
 
 キールアは未だに不安を抱いていたらしいが。



 
 「今回はわりと簡単だったな、ロク」
 「うん、だって『元魔に盗まれた宝石を取り戻してくれ』だったんだもん」
 「あんなの元魔の能力分かってりゃ1発だな」
 「だなだな」

 任務の帰還中、2人は今日の任務について話し合っていた。

 「それにしてもあの元魔まぬけだったなー」
 「そうそう、だって自分からこけたりしてさ。あぁいう個人差とかもあるんだね、元魔って」
 「損な性格してるぞあの元魔。おどおどしてたし。同じ元魔でも違うのなぁー」
 「あの新元魔が現れたっていうことは任務にも出されるかもしれないから要注意だね」
 「だな。新元魔の時は疲れたし、今まで以上に体力も元力も消費した。
  もう2度とあんなのと戦うのはごめんだなー、俺のんびりやりたい派だし」
 「同感ー、あたし・・・も—————」

 ズキ——————ッ!!!

 「うぁッ!!?」
 「どうした?ロク」
 「い・・・、いや・・・・、痛い・・・」
 「!?、ど、何処だ!?」 
 「頭が・・・、また痛い・・・」

 (何で・・・、どうしてあたしなの・・・?)

 「分かった、今から本部に急いで戻るからそれまで我慢しろよ?」
 「う・・・、うん」

 ロクは昨日と同じく痛くなっていく頭を抑えた。

 (何で・・・?昨日も、昨日も痛かった・・・)

 頭が痛くて何も考えられなかったロクは、がっしりレトの捕まっていた手を、離しつつあった。
 その事に気がついたレトはとっさに後ろに向いた。

 「ロク・・・?」
 「ごめ・・・、あたし・・・、・・・痛ッ!!!」
 「耐えろ!!あと少しで・・・」

 (どうやらあたしは・・・、本当・・・、に————————)

 ド・・・、サ————・・・、


 「おい・・・、ロク!!返事しろ、ロク!!」
 

 —————————————神族、なのかも・・・・、ね・・・

Re: 最強次元師!! ( No.479 )
日時: 2010/07/30 15:01
名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: mwHMOji8)

第110次元 神族再来

 夕方、レトが自室に戻ろうとした時、
 レトの肩をとんとん叩く者が後ろにいた。

 「あぁ、班長?」
 「あぁって何だ・・・、ところで緊急事態発生だ」
 「は?いきなり?」
 「街に、2人組みの神族が現れた」 
 「ッ!?、まさか動物と自然の神か!?」
 「あ、あぁ・・・、よく分かったな」
 「まぁ1度戦った事あるし」
 「それで他の次元師達にも今行ってもらった、お前にも頼みたい」
 「断る」
 「え・・・」
 「・・・って言うとでも?」
 「・・・君の性格にはつくづく悩まされるよ」
 「そうかい、んじゃ行ってくる」
 「死ぬなよ?」
 「承知」

 レトは自慢げな顔でそう告げると、隊服を羽織ながら走っていった。
 
 
 「んで・・、何処にいるかだな」

 本部を後にしたレトは街中に入っていった。
 住民達はもうとっくに非難済みなので街には誰もいなかった。
 
 「アニルとグリンか・・・、久しぶりだな」
 「レト、まさか不安、なの?」
 「バーカ、反対だよ」
 「へ?」
 「超わくわくしてんの。何でかな」
 「そっか、なら良かった」
 「何だよ双斬、俺が怖気ついてるとでも?」
 「とでも」
 「・・・、信用ないんだな俺って」
 「ち、違うってそういう意味じゃ・・・」
 「嘘だよ」
 
 (信用・・・、ないかも・・・)

 双斬と共に神族を探している最中、レトの時計型通信機が聞き慣れた音を鳴らした。
 レトはすぐに時計を180度回転させた。

 「・・・もしもし」
 「れ、レト!?は、早く来てッ!!大変なんだ!!」
 「ッ!?、なんかあったのか!?」
 「神族だッ!!神族が・・・・」
 
 レトとガネストが通信している時、通信音が切れてしまった。
 
 「おいガネストッ!!」
 
 いくら言葉をかけても応答しないガネスト。
 この様子だと通信機を壊された他ない。

 「・・・、ダメだよガネスト・ピック。レトヴェールに知らせちゃぁー・・・」

 レトは嫌な予感が頭を過ぎり、方向を変えて走り出した。
 レトが急いで本部に戻ったが、もう、遅かったのかもしれない。
 ルイル、ガネスト、ラミア、ティリ、ミル、リルダ、しかも副班長までもが倒れこんでいた。

 「う・・・、そだ・・・ろ・・・?」
 「もうー、ガネスト・ピックが余計な事するからレトヴェール来ちゃったじゃん」
 「予想外ね・・・、絶対騙せると思ってたのに」
 「な・・・、何なんだッ!!、ガネスト達に何をしたッ!!」
 「何した・・って、そんなの殺したに決まってんじゃん?」
 「私達の目的は人族の全滅。最初に次元師を殺すのは当然」
 「それで1番多くの次元師がいる蛇梅隊本部を襲わせてもらったんだー」
 「・・・なってねぇよ」
 「へ?」
 「そんなの理由になってねぇッ!!」
 「正当な理由さ。・・・そういえばさぁ」
 「話しかけんな、アホ」

 レトは話しかけてきたアニルに向かって一言発し、全員を運ぼうとしていた。

 「何?助けるの?」
 「そんなの、全員助けられないわよ」
 「助けるんだ」
 「レトーーーッ!!」

 レトの元へキールアが走り寄ってきた。
 アニルもグリンも驚いていた。

 「悪い、全員を頼んでいいか?」
 「うん・・・、あたしが何とかする」
 「さっすがシーホリー。んじゃ俺戦ってくっから」
 「・・・、頑張ってね」
 「おうよ」

 キールアは11人全員を医療次元技で大きく包み込み、1点に集めた。
 新技、『包容集点』だった。

 「・・・そういう事、医療次元技ね。どうーりで」
 「シーホリーか・・・、まぁいい」
 「確かデスニーがあの5人は殺すなって言ってなかったっけ?」
 「あぁ、あの5人ね、そのうちの2人があのエポール兄妹でしょ?」
 「うん、どうしてデスニーが獲物を手放すのかと思いきやそういう事」
 「・・・?、おい、何話してんの?」
 「ごめんごめん、仲間を傷つけられて腹がたってるんだっけ?」
 「・・・・ッ!!!」
 「まぁまぁそんな怒んない怒んない、すぐにでも仲間と共に葬ってあげるから♪」
 「葬られてたまるかッ!!!」

 レトが言葉の勢いと共に双斬を横に振るった。 
 アニルがひょいっと跳び、レトの剣の上に軽々と乗っかってしまった。

 「ッ!?」
 「やっぱ君、弱いまんまだね。あれから成長してると思って期待してたのに」
 「・・・・ッ!!」
 「それじゃ、バーイバイ♪」
 「————————————————————ッ!!?」

 ザシュ————————————————ッ!!!!

 不意にも、アニルの長く尖った爪がレトの体を貫いた。
 アニルは一瞬で引っこ抜き、爪についた血を嫌らしくぺろりと舌で舐めた。

 「ご馳走様♪」
 「うああぁあああああああぁぁぁあああああッッ!!!」


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